投稿者: 西村 則康 Page 3 of 60

受験生が避けたい食べものって?

食べものの美味しい季節ですね。

以前こちらで受験生におすすめの食べものについてお話しました。

今日は、受験直前期の皆さんに『避けてほしい食べもの』についてお伝えします。

直前期である12月~1月は、急激に寒さが増して身体が冷えやすい時期です。

「冷え」は風邪を始めとする万病の元ですから、この時期は特に身体を冷やす食べものに注意しましょう。

具体的には、バナナ、柿、ナス、小麦、ごぼう、大根、胡瓜、トマト、緑茶、塩、白砂糖などが身体を冷やす食材と考えられています。

根菜は身体を温めると言いますが、ごぼうや大根は例外ですから、摂り過ぎには気をつけてくださいね。

次に気をつけたいのは刺激の強い食べものです。

受験直前期は誰しも神経質になったり、不安や緊張に苛まれたりするものです。

普段は何でもない食べ物でも、緊張やストレスによる胃液の分泌低下などが原因でお腹を壊したり胃もたれしたりしがちですから、刺激の強い食べものは避けておくのが良いでしょう。

具体的には、唐辛子などの香辛料や甘味料が大量に使われているもの、塩気や酸味の強いもの、嗜好飲料(炭酸飲料、コーヒー、濃い緑茶など) です。

少量のカフェインは眠気対策に有効ですが、以前お伝えしたように過剰な摂取は胃酸過多による胃痛やカフェイン中毒につながりかねません。

また、緑茶は身体を冷やす性質もあるので特に気をつけましょう。

食中毒予防の意味でも、本番一週間前くらいからは生ものも避けておくと安心ですね。

最後に、脳やメンタルの観点から気をつけたい食べもの、つまり、集中力を阻害する食べもの・眠気や不安感を引き起こす食べものについてお話します。

具体的には、血糖値を急上昇させる高カロリー食品(かつ丼などの揚げ物・カレーライス)・過度な精製食品が使われているお菓子(ドーナッツ・ポテトチップス)などです。

ブドウ糖が脳の栄養源になることは以前お話しましたが、急激な血糖値の上昇は「シュガーハイ」と言って、一時期的には満足感や興奮を得られるものの、脳にも身体にも大きな負担を与えます。

そして、急激に上がった血糖値はしばらくして、今度は急下降するのです。

この「シュガークラッシュ」により、わたしたちは強い眠気に襲われたり、大きな疲労感や不安感に迫われたりすることが判っています。

このような状態は、試験や学習時の集中力維持や心の安定の大きな妨げとなります。特に受験当日は避けるようにしましょう。

もちろん、大好きなカレーやかつ丼を我慢すること自体が大きなストレスになっては本末転倒ですから、食べたい時は頻度や量を加減しながら美味しく食べてくださいね。

食べものは命・健康の源です。

時には気分を上げてくれる激辛カレーやお砂糖たっぷりのドーナッツ、大盛りのかつ丼も良いけれど、「腹も身のうち」(腹も身体の大事な一部だから暴飲暴食は控えよう)、「医食同源」(日常の食事に気を配ることが一番の病気の予防)ですね。

特に受験直前期は、普段無意識に口にしている食べものにすこし気を配り、疲れた心と身体をいたわる食材を取り入れるよう心がけてくださいね。

良い食事と睡眠がとれていれば、心も身体も快調になり、頭もよく働くものです。

運動不足になりがちな時ですから、勉強の合間には身体に優しいおやつに加えて、ぜひ散歩や簡単なストレッチもいかがでしょうか。

皆さんの年頃は成人よりも汗をたくさんかきますから、十分な水分補給もお忘れなく。

以前お伝えした受験生におすすめの食べものもひとつの参考に、受験生の皆さんが心も身体も健やかに残り2ヶ月を走り抜けられることを願っています。

6年生 残り2ヶ月の過ごし方、時事問題対策について

2021年もいよいよカウントダウンが始まりました。

中学受験に挑む6年生の皆さんにとっては特に1日1日が貴重な時期ですね。

そこで、今日は本番までの残り2ヶ月間の過ごし方についてお話しします。

まず、注意してほしいことが1つあります。

それは、この時期は塾の定期テストの結果にとらわれ過ぎないでほしいということです。

もちろん結果が良いに越したことは無いのですが、受験生の皆さんのゴールはあくまでも志望校合格です。

この時期はもう塾での偏差値や順位を上げることではなく、志望校の過去問で少しでも点数を伸ばすことのみに注力してください。

過去問の意義や取り組み方については、以前お話しましたね。(過去問「なぜ」「いつから」「どれくらい」?

過去問は志望校の出題傾向や自分との相性だけでなく、「どんな生徒を欲しがっているか」、すなわち志望校の「理想の生徒像」も教えてくれます。

残り2ヶ月はとにかく徹底的に過去問をやり込むことが何より重要で、効果的です。

第一志望の過去問ならば10年分を2・3周やっても良いくらいです。

誰よりも徹底して過去問分析・演習を行い、確かな合格力と自信を掴みましょう!

次に、残りの2ヶ月間欠かさず毎日行ってほしいことが「暗記」作業です。

暗記は、受験本番当日まで可能です。

本番当日の朝電車で覚えたことがそのまま試験に出た!という奇跡のようなエピソードは、中学受験界では実によく聞くものです。

ラスト1週間くらいからは、新しいことを覚えるのにやっきになるのは避けた方が無難ですが(覚えきれない、と不安になってしまう人もいますので)、最後の最後まで力がつけられるということは、是非覚えておいてください。

これまで覚えたものを当日確実にアウトプットするためにも、暗記作業は毎日行いましょう。

最後に、残り2ヶ月で取り組んでほしいことがもう一つあります。

それは時事問題対策です。

以前のコラムでもお話しましたが、時事問題は主に前年9月頃までのニュースが出題されます。

つまり、2022年入試の場合は2021年1月~9月頃までの時事ネタを十分理解しておく必要があるのです。

各塾でもある程度の対策は行われますが、ほとんどの場合1回の授業や数時間のフォローのみですから、必ず自分で知識を補いましょう。

具体的には、大手塾などから出版されているニュースまとめを1冊選び、その1冊をしっかり学習することをおすすめします。

どれを購入しても内容はほぼ同じですから、何冊も買う必要はありませんよ。

『中学入試用 サピックス重大ニュース』(代々木ライブラリー)

『中学受験用 重大ニュース』 (日能研ブックス)

『ニュース最前線』(四谷大塚出版編集本部)

『入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本』(学研プラス)

などの中から、自分が読みやすいものを選んでくださいね。

読んだらしっかり暗記し、予想問題にも取り組むこと、理解が難しいところはテキストやネット、講師への質問などを通じてきちんと消化しておくことが大切です。

6年生だけでなく、4.5年生の皆さんも、良ければぜひ冬休みに読んでみてください。

ニュースの話題となっている場所を地図と照らし合わせたり、丸暗記ではなく、同じ頃他の地域や国では何が起こっていたか、なぜそれが起こったかなど、物事を体系づけて理解しておくと、難関校の応用問題にも対応できますね。

ここで、2022年入試で抑えておいてほしいトピックを7つリストアップしておきます。

世界遺産登録

……新型コロナウイルス感染症の影響で、前年分と合わせオンラインで審議されました。日本で新たに追加されたもの、場所、その土地の歴史も確認しておきましょう。

東京オリンピック2020(新型コロナウイルス感染症の影響で開催は2021年に延期されましたが、ロゴ・表記はあえてそのままとされました。)

……これまで日本でオリンピックが開催された場所・年号・過去東京オリンピックが中止になった際の歴史的背景なども合わせて確認しておきましょう。

衆議院議員総選挙

自民党総裁選、岸田内閣誕生

新型コロナウイルス感染症

……”新しい働き方デジタル庁ワクチン証明書にまつわる懸念事項などについても合わせて確認しておきましょう。

SDGs
……”17のゴールを確認しておきましょう。

2001年 アメリカ同時多発テロ事件から20

……テロの背景、その後アメリカ政府が取った行動、攻撃を行った国についても確認しておきましょう。

ほかにも見逃せないニュースがたくさんあった1年でした。

時事問題を扱う学校、中でも受験生自身の考えを問うような学校は、これからの時代を生きていく皆さんに、「今世の中で起こっている問題に関心と自覚を持ち、自分なりの考えを自分の言葉で説明できる人になってほしい」という期待を持っていると言えます。

そしてそれは、「あなた方の生きる社会は、あなた方の手によって変えられる」というメッセージでもあるのではないでしょうか。

新しい時代を切り開いていく皆さんの活躍を、わたしも楽しみにしています。

「立冬」&受験生の眠気対策、どうしたら良い?!

立冬も過ぎ、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。

中学受験生の皆さんは風邪など引かず元気に過ごしていますか?

今年の立冬は11月7日でしたが、立冬は毎年日付が決まっているわけではありません。

立冬は文字通り「冬立つ」日。

暦の上では「冬の始まり」を意味しています。

中学受験生の皆さんならば国語の授業で耳にしたことがあると思いますが、日本には1年間の太陽の動きを15度ごとに24等分し、それぞれの位置で季節を表す「二十四節気」という言葉があります。

この24の季節は6つずつ春夏秋冬に大分されており、中でも節目である立春・立夏・立秋・立冬の4つは「四立(しりゅう)」と呼ばれています。

この「二十四節気」の19番目にあたるのが「立冬(=冬の始まり)」ですが、実際わたしたちが厳しい寒さを感じ始めるのは11月下旬頃ですから、暦と現実の気候では少しずれがありますね。

とはいえこれからどんどん寒さは増していますから、皆さんは身体を冷やさないよう暖かくして過ごしてください。

また、「立冬の日」は「ココアの日」でもあります。

カカオ豆に含まれるポリフェノールには抗酸化力があり、ストレス防止やリラックス、血行促進の効果があることは以前お話しましたね。(『受験生におすすめの食べものって?』

ミルクたっぷりのホットココアならカルシウムも摂取でき、身体もポカポカに温まりますから、良かったら勉強の息抜きに取り入れてみてください。

さて、今日は、この時期になると毎年皆さんから聞こえてくる失敗談についてお話します。

それは、「爆睡してしまいました……!!」

というものです。

確かに寒くなってくると、温かいこたつや布団が恋しくなりますよね。

勉強中にあくびもとまらなくなり、ついついソファで毛布にくるまり一休み……

寒いし、勉強は大変だし……そうしたくなる気持ちはよく分かります。

けれども入試本番まで残り少ないこの大切な時期に、1・2時間の爆睡ならまだしも、

「夕方から眠ってしまって、気づいたら朝……

「ソファで眠ってしまって、風邪を引いた……

なんてことは、絶対に避けたいものですよね。

そもそも、勉強していて眠くなってしまうのはなぜなのでしょうか。

原因はいくつか考えられます。

・慢性的な睡眠不足

・身体が非常に疲れている

・精神的な問題

など。

中学受験生は宿題や課題に追われ、どうしても睡眠時間が短くなりがちです。

けれども、613才の成長期に必要な睡眠時間は約10時間といわれています。

受験勉強ももちろん「今しか出来ないこと」ですが、中学受験にあたる数年間は、皆さんの心と身体を育む大切な成長期でもあります。

また、連日睡眠不足で授業や課題に取り組んでいるようでは、頭は働かず、集中力も保てませんよね。

いくら夜中まで必死に勉強しても、学習効果が半減してしまうのでは本末転倒です。

そして、皆さんも御存知のように、睡眠不足による「キレやすい」子どもが増えていることも問題になっています。

睡眠不足は、百害あって一利なし。

時々就寝が遅くなるくらいは問題ありませんが、たとえ追い込み期であろうと、基本的には睡眠時間をしっかり確保して学習に取り組んだ方が効率的だということをぜひ覚えておいてください。

また、受験生には睡眠と同様、休息も重要です。

大人にも休息が欠かせないように、身体も心も幼い10代前半の皆さんには、なおさら適度な休息が欠かせません。

集中力にも体力にも精神力にも、限界があります。

過度なストレスや疲労による不具合が出てしまう前に、少なくとも2~3時間に1度は休息をとりましょう。

勉強の合間に家の周りを散歩したり、お茶を飲んだり、ストレッチをしたり。

15分ほどの仮眠をとるのもおすすめですよ。

過度なストレスや疲労は、心や身体の不調はもちろん、勉強中の慢性的な眠気にも繋がってしまうことがあります。

蓄積しきってしまう前に短時間でも息抜きすることが、予期せぬ爆睡を防ぐことにもなるのです。

そして最後に、朝遅く起き、夜遅くまで勉強するスタイルが癖になっている人は、入試本番に向けてそろそろリズムを調整しましょう。

中学入試は8:30前後のスタートですから、その時間帯に頭がしっかり働く状態になるよう、そろそろ本気で「朝型生活」に切り替えるべき時です。

6時半くらいまでには起床する習慣を作っておくのが良いですね。

皆さんの年頃に必要な睡眠時間は前述の通りですが、必要な睡眠時間は人それぞれです。

皆さんにちょうど良い就寝時間を確保できるよう起床時間から逆算し、毎日決まった時間に布団に入るようにしましょう。

皆さんが中学受験のストレス・疲労・眠気に打ち勝ち、合格を勝ち取れるよう願っています。

過去問「なぜ」「いつから」「どれくらい」?~後半~

頬に触れる風の冷たさに晩秋を感じる今日この頃。

青空の下でさわさわ揺れる秋桜もそろそろ見納めですね。

さて、先日中学受験生の皆さんの、過去問に関する不安や疑問についてお話しました。

今日はその後半編です。

「過去問って何年分やれば良いの?」

「第2、第3志望校については?」

「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」

などの疑問点について、くわしくお話していきますね。

まず、志望校・併願校の過去問に何年分取り組めば良いかという疑問に対して、正解は有りません。

ただ、最低でも第一志望校は5年分以上、第二・第三志望校に関しては3年分以上解いてほしいと思います。

過去問に取り組む目的は、大きく分けて4つありましたね。(くわしくは前半コラム参照)

  1. 敵を知る(志望校の出題傾向や難易度を分析し、対策するため)。
  2. 試験慣れ(時間配分の感覚を身につける、本番に必要な準備を見極め、体力向上・生活改善ポイントを意識・対策するため)。
  3. 志望校との相性を知る。
  4. 現時点の学習到達度を確認する。

これらの目的のために、最低それくらいは取り組んでくださいね。

もしも余裕があれば、第一志望校に関しては10年分2周くらい解くと良いでしょう。

学習面での効果ももちろんですが、

「絶対に行きたい中学校の過去問を、自分は誰よりも解いてきた。誰よりも研究・分析・対策・演習してきた。」

そう思えることは、本番当日、志望校の校門をくぐり、試験に臨むあなたの大きな自信と支えになってくれますよ。

ただし、社会科に関しては情報が変わっていたり、時事問題がタイムリーではなかったりするので、5年分くらいで十分でしょう。

次に、「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」という質問について。

これは科目によって効果の差がありますが、基本的にはぜひやってください。

解いた直後の答え合わせと復習・演習はもちろん大切ですが、時間を置いて再度同じ問題にチャレンジすることで、志望校の出題のクセや、自分の間違え方のクセなどが一層はっきり判ると思います。

特に算数に関してはぜひやりましょう。

ただし、国語に関しては必ずしも効果的では有りません。

初読と再読では素材文を読むスピードがまるで変わってしまいますし、すでに解釈を学んだ後ですから、文章の要旨・主題も分かってしまっているわけです。

国語は1度解くと答えも覚えてしまいやすいですから、2度目は時間を少しタイトに設定し、点数も参考程度に行うことをおすすめします。

また、「過去問を解く年度の順序」についてもよく質問があるのでお話しますね。

絶対に避けてほしいのは、前回少し触れたように、いきなり第一志望校の最新年度の過去問に取り組むことです。

最新年度の過去問は、あなたが臨む本番と同じ先生が作問している可能性が高く、傾向も非常に近くなりがちです。

つまり、第一志望の最新年度の過去問は、自分の実力を試す・現在の合格可能性(学習到達度)を確認する最高のアイテムですから、ぜひ入試直前の演習に取っておいてくださいね。

ただし、中学受験全体の最新傾向を知ることは非常に有効ですから、過去問演習を始める際は、まず(第1~3志望校以外の学校の)最新年度の過去問を、ぜひ幅広く解いてみましょう。

まとめると、このような順番がおすすめです。

①夏休み~10月頃:第1~3志望以外の学校の最新年度。

みくに出版『中学入試試験問題集』(通称「銀本」。過去1年分の全国の中学入試試験問題が掲載されている)などを用いて幅広く。基本、易→難の順になるように。

②9月~12月頃:第1~3志望校、最新年度を除き、新しいものから。

志望レベルによる演習分量は前述の通り。最新年度に加え、1・2年分新しいものを取っておいても良いでしょう。

③11月~1月頃:第1~3志望校、2周目。

(国語に関しては学校により、塾や家庭教師の先生に相談しましょう。)

12月~入試直前:第1~3志望校、最新年度。(→時間を置き2周目)

以上

過去問の取り組む順序や時期に不安がある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ただし、過去問の取り組み方には各塾・先生それぞれの方針がありますし、正解は1つではありません。

皆さん一人ひとりの状況に合わせ、先生方とよく相談しながら進めるようにしましょう。

皆さんが充実した過去問演習を行い、合格力をぐんぐん育めることを願っています。

「紅葉狩り」、なんで「狩り」?!

11月に入り、街の木々も赤や黄色に色づき始めましたね。
このシーズンに人気の行楽といえば「紅葉狩り」ですが、なぜ「狩り」というのか不思議に思ったことはありませんか?

「狩り」というと、山に分け入ってウサギやイノシシを猟銃で仕留めるようなイメージがありますよね。
けれども、「ぶどう狩り」や「りんご狩り」という言葉もあるように、「狩り」という言葉はもともと使われていた獣を捕まえる「狩猟」の意味から、時代とともに意味の幅を広げてきました。
そして、やがて「野鳥を捕らえる」とか「果物を採る」といった場面にも使われるようになり、現在は「草花を眺める」意味までも表すようになったのです。

しかし、「紅葉狩り」という言葉のゆえんにはもう一つ有力な説があります。
それは、平安時代の貴族が「狩り」の体(てい)で紅葉鑑賞を楽しんだため、というものです。
平安時代、貴族が歩き回るのは狩りの場のみとされ、それ意外の目的で歩くことは「下品」とみなされていました。
それでも、美しい紅葉を見にぜひとも出掛けたい。
そう考えた彼らが、「狩り」に見立てて紅葉鑑賞を行ったとされているのです。
また、当時の「紅葉狩り」が現在のそれとは違い、紅葉の葉を実際に「手に取って」眺め楽しむスタイルであったことも理由の一つようです。

当時の貴族たちが、紅葉を求めるゆえに、そのような工夫をこらして山や渓谷に足を運んでいたと考えると、なんだか可愛らしいですね。
もっとも、紅葉を眺めにふらりと出掛けるようなささいな楽しみにさえ体裁を繕わなくてはならなかった時代背景は気の毒でもありますが……。

いずれにせよ、やがてそのイベントは貴族の中で秋の風習として定着し、その時期になると皆で集まって宴を開き、紅葉を眺めながら歌合戦を行うようになりました。
各々がとらえた紅葉の美しさを和歌に詠んで競う「紅葉合(もみじあわせ)」は、大いに盛り上がったでしょうね。

ちなみに、この時代で紅葉を詠んだ和歌では、百人一首の
『奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき』(猿丸大夫)
『ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは』(在原業平)
などが有名です。
また、時代は一気に飛びますが、明治時代に詠まれた
『 金色(こんじき)の ちいさき鳥のかたちして 銀杏散るなり夕日の丘に』(与謝野晶子)
は、紅葉(こうよう)を描いた歌の中で最も良く入試に出題されているので要チェックですよ(四句切れ、比喩法+倒置法)。

さて、「紅葉狩り」に話を戻しましょう。
江戸時代の中頃になると、そのような貴族の楽しみはようやく庶民の間にも広まり、毎年秋になると紅葉の名所に人々がこぞって押し寄せるようになりました。
木々の下で紅葉を愛でながらお茶やお酒を飲み、お弁当を持ち寄っておしゃべりを楽しんだそうですから、現代のお花見のような感じですね。

さて、そんな「紅葉狩り」。
本番まで数ヶ月を切った中学受験生の皆さんにとっては、どうでも良い、気楽でいいよなあ、という感じかもしれませんね。
けれど、もしも勉強の合間に息が詰まるようなことがあれば、思い切って教科書をいったん閉じ、玄関の外へ出てみてください。
今は平安時代とは違いますから、少し歩けば美しく色づいたケヤキやイチョウ並木、もしかしたら紅葉にも出会えることと思いますよ。

ちなみに、この葉っぱの赤や黄色には、脳や心に大変良い効果があります。
色彩心理学的に、赤い色には脳を活性化し、温もりやエネルギーを感じさせる効果があり、黄色には向上心を刺激し、夢や希望をイメージしやすくする効果があると言われています。
また、赤や黄色は、果物が食べごろになる頃の最も熟した色ですから、赤や黄色に色づいた紅葉を見たとき、わたしたちの脳は「熟した果実」のイメージをキャッチし、心が満たされやすくなるそうですよ。
そして、美しいものを見たりウォーキングをしたりすることで脳内の前頭葉が活性化され、『幸せ物質』と呼ばれる「セロトニン」が分泌されることは有名ですね。

1分1秒も無駄には出来ないと思い詰めているときこそ、ちょっとした散歩が大いに皆さんの心をリフレッシュしてくれるかもしれません。
ぜひ、勉強の合間に、日本の小さな秋を満喫してみてくださいね。

過去問「なぜ」「いつから」「どれくらい」?~前半~

澄み渡る空が心地よい季節になりました。

朝晩はぐっと冷え込む今日この頃ですが、受験生の皆さんはお元気ですか?

10月も後半になり、過去問演習に勤しんでいる人も多いようですね。
そこで、今日はよく耳にする皆さんの不安や疑問について、2回に分けてお話したいと思います。

特に多い質問が、

「うちの塾はまだ過去問に入っていないのだけれど大丈夫?」
「過去問って何年分やれば良いの?」
「第2、第3志望校については?」
「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」

というようなものです。

まず、過去問をまだスタートしていないことに対する不安についてですが、過去問のスタート時期については、先生や塾それぞれの方針があります。
そして、早ければ早いほど良いといったものではありません。

たとえば、大手中学受験塾のサピックスでは夏期講習から過去問に取り組み始めますが、早稲アカや四谷大塚は後期(9月)から、日能研は基本秋(11月頃)からという具合に、そのタイミングは様々です。

この設定の違いは、塾の学習進度にもよりますね。
たとえば、サピックスでは小学5年生の秋までに受験に必要なほぼ全ての単元を修了しますが、日能研では6年生でも新単元の学習があります。
カリキュラムや過去問についての考え方は千差万別ですから、それぞれの塾や個人の状況に合わせ、不安があれば塾や先生と相談しながら、あせらず取り組んで行きましょう。

ただし、「ぜひ1度過去問を解いてみたい!」という気持ちが強いのならば、たとえ5年生でも、6年生の各塾の過去問「解禁」前でも、1度チャレンジしてみるのが良いと思います。
そのタイミングでは、まるで歯が立たずショックを受けてしまうかもしれません。
あるいは、問題が自分に合っていて、思いの外7~8割取れるかもしれません。

結果は様々だと思いますが、いずれにせよ、チャレンジ精神果敢な皆さんにはその挑戦が良いモチベーションに繋がることと思います。
(このとき、解く問題の学校・年度は塾や家庭教師の先生と必ず相談してくださいね。間違っても、いきなり志望校の最新年度の過去問を解かないこと。理由は次回のコラムでお話します)

さて、次に「過去問って何年分やれば良いの?」という疑問についてですが、その前に「なぜ過去問をやるのか」を一緒にふりかえってみましょう。

過去問に取り組む一番の目的は、勝つために敵を知ることですね。
もう少し丁寧に言えば、志望校の、各科目の出題傾向や難易度を分析し、対策・演習することで得点アップを狙い、合格するためです。

自分の志望校の算数では、毎年速さの問題が扱われている。
最終的な答えだけではなく、途中式や考え方も加味される採点形式である。
国語は解答形式がほぼ全て記述問題である。
文学史も扱われるので対策必須。
素材文は小説と論説文が1題ずつの大問2題構成。
理科は実験に関するものや計算問題が多い。
社会は近年、時事問題や分野横断型問題が出題されるようになった。

……などといった具合です。

赤本の冒頭にもまとめがありますが、自分なりにも解きながら分析・まとめをしておくと、普段の学習から必要なことを意識できますよ。

二つ目の目的は、試験慣れです。

過去問演習を繰り返すことで時間配分を「身体で」身につけることが出来ます。
頭で判っているのと身体で分かっているのは大きな違いですね。

慣れてきたら、試験当日の時間割通り、全科目を通しで解いてみましょう。
できれば、開始時刻や休憩時間も本番と合わせてみてください。

そうした場合の疲労感、精神状態がどのようなものか体感することで、本番に向けた体力づくりや朝方生活への転換を早いうちから意識し、各々に必要な対策を講じる事ができます。

三つ目の目的は、志望校との相性を知ることです。

現在、自分の学習到達度はどの程度なのか。
志望校の「合格者平均点」には届いているだろうか、届いていないとしたら、「合格最低点」ではどうだろうか。

10月~11月前半にそれらを超えることが出来なくても構いません。
11月後半や12月頃から、安定して合格ラインを超えられるようになってくれば大変順調と言えるでしょう。

逆にその頃を過ぎても自分の点数と合格ラインがあまりにもかけ離れている場合は、受験校の再考も視野に入れ始める必要が出てきます。

以上、過去問に取り組む時期や目的について、皆さんとあらためて確認してきました。

次回は、

「過去問って何年分やれば良いの?」
「第2、第3志望校については?」
「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」

などの質問に関してくわしくお話したいと思います。

寒くなってきましたので、腹巻きや厚めの靴下でしっかり防寒してくださいね。
皆さんが毎日を健やかに過ごせるよう願っています。

新型コロナウイルス感染症対策、大手集団塾の現状は?

新型コロナウイルス感染症対策による緊急事態宣言が明け、街や店には人気が戻りつつありますね。

しかしながら、感染者減少の理由は明らかになっていません。
専門家によれば現段階でその特定は難しく、今のところは「ワクチンの普及」、「各自の感染防止対策徹底」、「涼しくなり全国的に換気が積極的に行われるようになったこと」「降雨により外出機会が減ったこと」などの仮説が検討されているそうです。

中学受験生にとって、ここから本番までの4ヶ月は最後の大逆転・大跳躍が望める大切な時期です。
感染者減少のニュースは喜ばしいですが、理由がはっきりしない以上いつまたリバウンド(感染再拡大)が起こるとも限りません。
引き続き日頃の感染対策をしっかり行い、体調に気をつけていきましょうね。

さて、コロナ禍の追い込みシーズン、各塾の対応はこのような状況です。(10月6日現在)

○SAPIX(サピックス)……集団対面授業を現行。職員はマスク着用・手洗い・手指消毒・検温等を徹底し、教室内は机・椅子・備品を消毒剤を用いて毎日清拭消毒を実施。授業時は定期的な換気と可能な限りのソーシャルディスタンスの確保を心がけている。中学部ではオンラインも導入しているが、現在小学部でオンライン授業配信は行っていない。

○早稲田アカデミー……9月1日より当面の間、集団対面授業をすべて停止し、Zoomによる「双方向Web授業」に全面的切り替えることが公表されていたが、現在は対面授業といずれか選択可能となっている。

○四谷大塚……対面授業現行。37度以上の発熱がある場合は入室禁止。生徒を含めた全員にマスク着用義務有り。入退出時の手指消毒徹底。PCなど備品の定期的な消毒・1時限に1回の換気などの感染対策を行っている。
自宅でのオンラインIT授業受講も可能ではあるが、「仲間と互いに励まし合い、競い合うことによって、自宅で一人で受講・演習するよりも、はるかに多くの学習量と学習効果を得られることが経験則でわかっている」ため奨励はしていない。

○日能研……集団対面授業を現行。ホームページにて各教室の感染状況を随時公開している。教室の30分ごとの換気、常時空間除菌機器、加湿器稼動、スタッフのマスク着用徹底、生徒の来室前の体温計測・手洗い・くしゃみや咳がある場合可能な限りのマスク着用の励行、などの感染防止対策を講じている。希望者にはオンライン授業配信も可能。

○ena……正職員500名のワクチン接種率は約9割。ワクチン接種を希望する保護者にも接種を実施し、今後は希望の生徒への接種も計画している。
校舎では換気、消毒、職員の常時マスク着用を徹底。
「ダブル学習システム」として、対面授業+単方向映像授業を融合させた指導を行っており、通学に不安がある場合は自宅で単方向映像授業を視聴することも可能。
生徒は校舎内ではマスクの上に校舎より配布されるマウスシールドを着用。
面談等はアクリルボード越しに変更。合宿も感染対策を徹底して実施する。

コロナ禍の中学受験。
各塾の対応もそれぞれの理念・方針によって、実に様々です。
今年、感染拡大下の中学受験における各学校の対応が話題になりましたが、同様に、各大手中学受験塾の対応スピード、感染状況の実情、柔軟性などからも、IT化の本気度や生徒たちへの誠実さが垣間見えるかもしれません。

いずれにせよ、皆さんそれぞれが安心・納得して学べる学習環境を選び、この大切な時期を充実させられるように願っています。

秋の虫たち、「鳴き声」のひみつ

大空に響き渡っていたセミの大合唱も嘘のように消え、残すはツクツクボウシの小さな歌声だけになりました。

夜、耳をすませば鈴虫や青松虫たちの涼やかな歌声も聞こえてきますね。
さて、今彼らの奏でる音を「歌声」と書きましたが、中学受験生の皆さんは彼らがどのように鳴くか知っていますか?

たとえば河川敷や公園でよく見かけるスズムシ。
「リン・リン・リン……」と秋に鳴く虫の代表格ですね。
スズムシはその名の通り鈴のように美しい音を奏でてくれますが、この音色は正確には「声」ではありません。

スズムシやマツムシを飼ったことがある人は分かると思いますが、彼らの美しい音色は口ではなく、翅をこすり合わせることで生まれています。

秋の虫は春に卵から孵化しますが、その時の翅はまだ弱々しく、とても「鳴く」ことは出来ません。
真夏になると彼らは幼虫から成虫になり翅も十分に発達しますが、秋の虫は暑さに弱いため、まだ鳴く事はできません。
そして夏の暑さが和らぐ9月上旬頃、ようやく彼らは美しい音を奏で始めるのです。

「おーい、ぼくはここだよ」「結婚しようよ」
多くの秋に鳴く虫は、オスだけが鳴きます。

目的は恋人探しやプロポーズ。
だから、虫かごの中などで初めからつがいで飼われている場合は、野生で恋人を探している彼らとは違う鳴き声になる場合もあります。
たとえばスズムシは野生なら「リン・リン・リン……」と鳴きますが、パートナーがいる虫かごのスズムシは「リー、リー、リー……」と穏やかに鳴いていますね。

また、これはちょっと意地悪な実験ですが、わざとオス同士を虫かごに入れると、彼らはお互いに自分の場所を守ろうとけん制し合って、強い鳴き声を出します。

そうしてめでたくお相手を見つけた虫たちのメスはやがて土の中に卵を産み付け、秋の終わりにみんな死んでしまいますが、そこからまた新しい命が育ちます。
卵は寒い冬を土の中で乗り越え、春にはまた幼虫となって顔を出してくれることでしょう。

もちろんお家でスズムシやコオロギを飼う場合も、オスとメスを2,3匹ずつ一緒に育ててあげると、うまくいけば春には幼虫が生まれますよ。
捕まえる時は翅がやぶれたり折れたりしないように、そっと虫取り網で捕まえましょう。

かごに移すときも、指で掴まず網から直接入れてあげるのがおすすめ。
狭いところに大勢いるとストレスがかかるので、かごの中はオスとメスを合わせて4~5匹くらいが良いですね。

かごの中に卵を産めるよう赤土を5センチくらい入れて、石や木の板で隠れ家を作ってあげたらお家の完成です。
ナスやかぼちゃなどの野菜をよく食べますが、金魚の餌なども喜びます。
暑いのが苦手なので、虫かごは玄関などの涼しい日陰におき、土が乾いたら霧吹きでしっとりと湿らせてあげると、虫たちはいっそう元気になりますよ。

飼うのは難しい皆さんも、ぜひ今夜はお散歩に出かけてみてください。
涼やかな風を頬に感じながら、ゆっくりと秋の虫の音色を楽しめるこの季節のお散歩は格別です。

身近な草むらでも、十分リラックス出来ると思いますよ。

木の上から「リリリリリ……」と聞こえるのは、アオマツムシ。
「ルルル……」と草むらから聞こえるひときわ美しい声は、カンタン。
夜だけでなく昼も「ギース、チョン!」と歌っているのは、キリギリス。
「スイッチョン」という風変わりな鳴き声の主は、ウマオイです。

秋の虫たちの美しい歌声が、今日も1日がんばった皆さんの心を癒やしてくれますように。

8年ぶりって何だったの?~中秋の名月とは~

先日は8年ぶりの「中秋の名月」がきれいでしたね。

時々雲に隠れて夜空が真っ暗になったり、そうかと思えばまた明るいお月さまが顔を出したり……

風が強い夜だったので、雲の流れで景色が移り変わる様子も味わいがありました。

ところで、こんな質問がありました。

「確かにきれいな満月だったけど、何が8年ぶりだったの?」

「月の満ち欠けは29.5日で、9月の満月は毎年あるよね?」

「そもそも中秋の名月ってなんだっけ」

……というわけで、今日はそんな話をしようと思います。

まず「中秋の名月」というのは「9月の満月の日」のことではありません。

昔は月の満ち欠けをもとに1ヶ月の日付が決められていて、それを今では「旧暦(太陰太陽暦・陰暦)」と呼んでいることはご存知ですね。

今でも俳句の季語は旧暦をもとに分類されますから、中学受験生の皆さんには親しみのあるものだと思います。

「旧暦」と現在の「新暦」とは約1か月のズレが生じるので、私たちの肌感覚とは少し異なっています。

国語の「次の俳句の季節はいつですか」という問題で苦戦する人も多いのはそのためですね。

(受験によく出る季語では、「椿」は春、「麦秋」は夏、「七夕」は秋、ほかに「落ち葉」や「小春日和」は冬、といったものがあります。覚えておきましょうね!)

さて、話はそれましたが、その「旧暦」における秋の真ん中(中秋)が8月15日です。

もともとその日は中国で「月をまつる日」とされていて、日本にもその習慣が平安時代に伝わり、貴族の間に広まっていったとされています。

(ちなみに、中国では現在も旧暦8月15日が大切にされ、「中秋節」という国民の祝日になっています。

親戚や友達が集まって挨拶したり、家族が集まって団らんの食卓を囲んだりする、春節の次に大切な日ですよ。)

つまり、もともと「中秋の名月」は旧暦815日の夜に愛でる満月のことでした。

現代の「新暦」は月の満ち欠けによりませんから、旧暦で決まる「中秋の名月」は、毎年違う日付になります。

たとえば今年以降は、

2021……921
2022……910
2023……929
と言った具合です。

「中秋の名月」と現代の満月が必ずしも同じタイミングになるとは限りませんから、それが一致したのが8年ぶりだったということですね。

とはいえ、先日の記念すべきお月さまを見逃した人も安心してください。

実は来年・再来年も、「中秋の名月」の日は満月です。

ええ~!?あんなにニュースになっていたのに!と、なんだか拍子抜けですね。

けれど、それを逃すと次に暦が一致するのは2030年ですよ。

中学受験の日々は過酷なものですが、時にはのんびり夜空を眺めたり、早朝の公園を散歩したり、身近な自然に触れてみてください。

きっとのびのびした気持ちや、心のやすらぎがよみがえってきますよ。

季節の変わり目ですから、薄手の上着をわすれずに。

皆さんが心も身体も健やかに、みのりの秋を迎えられるよう願っています。

日本が変わる?! 総裁選に注目しよう

中学受験生の皆さんこんにちは。

突然ですが、皆さんは日本の現首相のフルネームを正確に言えますか?

答えは菅義偉。カンでもヨシイでもガースーでもなく、「すがよしひで」ですね。

中学入試の時事問題は基本的に秋頃までのニュースから出題されます。

先日コラムでお話した東京2020オリンピック・パラリンピックと合わせて、9月29日に予定されている自由民主党総裁選挙に関するニュースもしっかりチェックしておいてくださいね。

さて、ここで社会科のおさらいです。

民主主義国のリーダーの選び方には2種類あったのを覚えていますか?

アメリカのように国民が直接リーダーを選ぶことができる大統領制に対し、日本がリーダーを選ぶ仕組みはどういうものでしたでしょうか。

・・・・・・はい、その通り!

日本の制度は議院内閣制といって、国民が直接リーダーを選ぶことは出来ませんね。

また、日本には「天皇」が存在していますが、天皇はあくまでも「日本国の象徴」であり政治には携わることがないことも合わせて思い出しておきましょうね。

実際に日本の政治を行うリーダーは「内閣総理大臣(首相)」と呼ばれ、国会議員の中から、衆・参議両議員の投票によって間接的に選ばれます。

ですから、国会で最も多く議席を持っている党のリーダーになることが出来たら、日本ではそのまま国の政治のリーダー、つまり首相になれるというわけでしたね。

今度の総裁選で日本の新たな首相が決まると、10月もしくは11月に総選挙もあります。(衆議院議員の任期=4年というのも覚えておきましょう)

新しい政党が誕生したり、与党が入れ替わったり、日本の政治が大きな変換点を迎え得るポイントですから、今回の総裁選・総選挙には日本中の注目が集まっています。

ここで、簡単に総裁選について確認しておきましょう。

総裁選は党のリーダーを選ぶ選挙ですから、今度の総裁選はもちろん自民党の国会議員のみに投票権があります。

今回の場合、衆議院・参議院合、そして約113万人の自民党員が投票する予定です。

投票の結果、過半数の票を獲得する人物が現れた場合はすんなり自民党総裁が決まるわけですが、もしもそのような人物が現れない場合は、決選投票が行われます。

(決戦投票の仕組みにおける1票の重み・格差については問題点が指摘されています。ぜひテキスト等でチェックしておいてくださいね)

最後に、総選挙についても少しおさらいしておきましょう。

総選挙が行われるタイミングは二つ。

一つは任期満了によるもの、もう一つは衆議院の解散によるものでしたね。

今度の総選挙が10月もしくは11月に行われると書いた理由は、そのどちらの可能性も考えられるからです。

現在の衆議院議員の任期満了は10月21日です。これに伴い総選挙を行うならば、その期日までに実施しなくてはならない決まりがありますから、10月17日(日)の開催が有力と言われています。

任期完了前に衆議院を解散し、それに伴い総選挙を行うならば、衆議院の解散からは40日以内に選挙を行えば良いという決まりがありますから、たとえば任期満了前日の10月20日に解散した場合、最も遅くて11月28日(日)に投票日を設ければ良いわけです。

果たして、「後手後手のコロナ対策」と批判され、内閣支持率もガタ落ちの中、現与党はどんな作戦で出てくるでしょう。

現在総裁選に立候補を表明しているのは岸田前政務調査会長、河野規制改革担当大臣、高市前総務相、野田幹事長代行の四人。

石破元幹事長は11日の演説で「納得がいかないまま拙速に決めることも避けたい」と出馬の可能性も残していましたが、やはり不出馬との表明がありました。

野田聖子幹事長代行も立候補に必要な20人の推薦人を確保し、立候補に間に合いました。

決選投票は避けられないと見られる総裁選と、総選挙。

さて、皆さんは最終選挙結果をどう予想していますか?

ぜひ、関心を持って総裁選ニュースをチェックしてくださいね。

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