色づいた木々が美しい季節になりましたね。

陰暦11月の異称は「霜月」ですが、これは「霜が降りるようになる月」という意味で名付けられたという説が有力です。

よく晴れた日中ならば上着もいらない現代の気候とはズレを感じるものの、冬らしくて素敵な呼び名ですね。

まだ肌寒い程度の今頃は、気持ち程度に「薄着」で過ごすのが良いとされています。

受験生が風邪を引いては大変と、早々セーターやダウン・マフラーを身につけるのはやめましょう。

普段からあえてほんの少しの薄着を心がけることで寒暖差に慣れ、これから迎える本格的な寒さに対応しやすい身体を作ることができます。

ただし、体温が1℃下がると免疫力が3、40%低下したり、血圧が上がったりするという報告もありますから、無理はせず、長時間外にいるようなときは避けましょう。

あくまでも「体温を下げない」環境にいられるときや、散歩など「軽い運動ができる」状況のときに限定してくださいね。

さて、季節の変わり目にも変わらず健康でいるためには、うがい・手洗い・アルコール手指消毒などの感染症や風邪対策が欠かせません。

今日はそれに加えて、家の中で注意したい5つのキーワードを紹介します。

1つめは「湿度」。

インフルエンザウイルスなどは、気温が低く乾燥した環境では感染力が強まります。

家族の中に調子の悪い人がいるときはいっそうの「加湿」を心がけましょう。

湿度が50%以上あれば、たとえばインフルエンザウイルスでは10時間程度で死滅するとも言われています。

しかし薄着と同様、こちらも無茶は禁物。

やり過ぎると部屋がサウナ状態になってのぼせてしまいますし、カビが繁殖してしまうこともあるので気をつけてくださいね。


2つめは「下半身」。

適度な薄着による健康法は先ほどお話しましたが、少しでも体調に不安があるときは一転して「厚着」を心がけましょう。

特に大きな血管がある下半身を温めると体温・免疫アップに効果的です。

タイツも良いですが、きつすぎると血管を圧迫し血流を妨げてしまうので、足首やウエストを締め付けすぎない保温性の高い下着や腹巻き、格好はわるいけれどももひき・スゥエットなどでゆったりと下半身やお腹を温めましょう。

発熱がなければ炭酸入りの入浴剤を入れて、少し長めに半身浴をするのもおすすめです。

勉強しながら1時間以上入るという人もいるようですが、上半身が冷え切ってしまうのでやめてくださいね。

発熱してしまい入浴が難しいときは熱め(42℃くらい)の湯に足首のみを付ける足湯もおすすめです。


3つ目は「腸内環境」。

免疫機能は胃腸に集中していると言われています。

乳酸菌飲料や繊維質の多い食事を心がけて、いつもすっきり調子よくしておきましょう。

4つめは「温性の食べ物」。

以前もお話したことがありますが、食べ物には、身体を冷やす冷性の食品と、身体を温める温性の食品があります。

温性の食品はしょうが、ねぎ、にんにくなどの根菜(大根は例外)や鶏肉、エビなど、冷性の食品はレタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜などの葉野菜や、きゅうり、トマト、ゴーヤ・セロリ、白砂糖、チョコレート、緑茶など。

冷え性の人は特に温性の食品を意識して摂るようにしましょう。

この時期の水分補給は、緑茶やコーヒーよりも身体を温める麦茶や黒豆茶、生姜茶をメインにすると身体がぽかぽかしますよ。

5つめは「ビタミン」。

ビタミン界のACE(エース)というのを知っていますか?

ビタミンの中でもA 、C、 Eは特に免疫アップに効果的だと言われています。

食品でいえば、鶏レバー、人参、かぼちゃ、くだもの、ブロッコリー、じゃがいも、かぶ、アボカド、種実類、ツナ、などに含まれます。

サプリでカバーしても良いですが、食品で摂る場合は生や、吸収力があがる「油」と摂ることが望ましいです。

油でさっと炒めるのも良いですね。

熱に弱く水に溶けやすいので、茹でるならば茹で汁ごと飲めるスープやシチューにするなど一工夫してみてください。

身体にためておくことができない成分なので、こまめに摂ることもポイントです。



以上、本格的な冬の到来を前に意識したいことをお話しました。

十分な休養と睡眠をとり、皆さんが健康に季節の変わり目を過ごせることを願っています。