カテゴリー: 筑駒

過去問はいつから?やり方の注意点は?

夏前あたりから、「受験校の過去問題はいつから解き始めたらよいのか?」というご質問が増えてきます。

首都圏や大阪圏のように、私立中学がしのぎを削っているエリアでは、学力の輪切りが進んでいます。

たとえば「偏差値50〜55くらいの子は、第1志望はA中学かB中学、55〜60だとC中学かD中学で…」と、同程度の学力と得点力を持っている子どもたちが受験することになります。

当然、ボーダーライン付近に、一番多くの子どもたちがひしめき合うことになります。

その混戦から一歩抜け出すためには、該当校の傾向対策が大切なポイントになります。

その学習の仕方や、量や時期が大切になります。

ところが、塾によって入試か顧問を解く時期の指示が大きく違います。

サピックス・日能研・四谷大塚・早稲アカという大手塾でも大きく違いますから、親御さんが混乱されるのも当然だと思います。

「『うちの塾の先生は、11月からで充分です。』とおっしゃったのに、仲良しの○○ちゃんの通っている塾では、夏から過去問の勉強が始まるらしい。」

このような相談が増えることになります。

過去問の学習は、「通っていらっしゃる塾の志望校別日曜特訓の有無やカリキュラム」や、「志望校の入試問題傾向」や、お子さんの現状の学力、併願校の入試問題傾向などをすべて考慮して考えていく必要があります。

ですから、ご相談への返答はお一人お一人異なります。

でも、ポイントは次の4点になると考えています。

1. 塾の志望校別日曜特訓と並行し、10月あたりからやっていくとよい。

2. 設問の文章が長かったり、記述の文字数が多かったりなど、特徴がはっきりしている学校への対策は、早めに始める。

※9月あたりからが望ましい。志望校の過去問題だけではなく、類似の問題を出す学校の問題も数多く解くように計画を作る。

3. 基礎学力が、志望校に明らかに届いていない場合は、傾向対策よりも弱点対策を重視する。そして、傾向対策は12月から集中的に行う。

4. 併願校は、入試問題の傾向が似ている学校から探すことが出来れば理想的。そうできない場合でも、あまりに問題傾向のかけ離れた学校を併願するのは危険。

上記のことから考えて、早めの過去問学習が必要になってくるのは、下記の学校になります。

・開成の国語

・麻布の算数・国語・理科・社会

・桜蔭の国語・算数

・栄光学園の算数・理科

・筑駒の算数・国語

・武蔵の国語・理科

・渋幕の算数・理科・社会

・渋渋の理科

・学習院女子の国語・理科

・海城の理科・社会

そして、過去問演習で注意していただきたいこととして、下記に注意していただければと思います。

1. 制限時間を守る

2. 問題文を読み飛ばさないように注意する

3. やりっ放しにならないように、間違った問題の復習をしっかりとする

4. 間違った問題をすべて復習してはいけない

(合格者平均点に届く点数くらいを目処に)

5. 解説が詳しい過去問題集を使う。

6. 解答用紙は、拡大コピーして使う。

過去問の学習は、学力通りの点数を取るために必要なことです。

直前になって慌てることがないように、今から予定を立てておかれることをおすすめします。

2021年の入試を分析してわかったこと

2月10日、主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催の「2021年 入試分析セミナー(オンライン)」の弁士を務めさせていただきました。

御三家をはじめ、主要な中学校の入試問題をいち早く確認して行ったものですが、いくつかの中学校で見られた2021年の入試の特徴として「傾向はそのままに、ややソフトな出題だった」というものがあります。

入試分析セミナーのひとコマ。オンラインでの開催にも慣れてきました。

■力学の難度が控えめだった筑駒

筑波大駒場のように、事前にいくつかの単元を「入試範囲外」として指定した学校もありましたね。

筑駒の理科は攻略が難しいことで知られるのですが、その大きな理由が「力学」単元の問題の難しさです。
てこなどの計算問題なのですが、様々な場合を試すことで正解に近づかなければならないことが多いのです。
そのために「標準レベル」に設定された他の問題(とはいえ選択問題の選択肢の多さや紛らわしさに手間がかかるのですが)をいかに短時間でクリアして、力学の問題に時間と労力を費やすかがポイントになるのです。

その筑駒で、力学の問題の「厄介さ」が今年はやや控えめだったのです。
このことは、その部分で差がつきにくいとも言え、他の部分でますますミスができない試験だったということになります。

■開成の算数は「傾向なし」!?

開成の算数は、年度によってその難度に大きく幅があることで知られています。
85点満点の試験なのですが、年度によっては合格者平均点が9割近いこともあれば(2020年)、半分ちょっとという年もあります(2018年)。

今年の合格者平均点は55.8点。
パッと見た感じ「解きやすそう」と感じた受験生も多かったのではないでしょうか。

大問1は小問4つ、(1)がうるう年に関する問題、(2)は三角形を(特に三角形以外でも同じことですが)直線で区切った場合にいくつのエリアに分かれるかという問題。
(3)は正六角形の面積を辺の中点を結ぶ線で区切る問題。これは新6年生の算数の得意なお子さんなら正解を出してしまう問題でしょう。

ただ、すべてがすんなりいくかというとそんなことはなく、(4)は「循環小数」と高をくくって取り組むと手こずることになる、という良問です。

上記のように非常にやさしい年度もありますが、逆もまたありますから、開成の算数に関しては「どのような難度の問題が出されても対応できる」という対策を立てて実行しておくことが大切ですね。

■ その他の学校に関しても分析を進めています

2月10日という異例に早いタイミングでの開催になったため、今回の入試分析会では御三家や灘をはじめとした主要校に絞って扱いましたが、その他の学校に関しても講師たちと協力して分析を進めています。

名門指導会のウェブサイトで後日公開しますので、楽しみに待っていてください。

2021年の入試は、昨年からのコロナ禍をふまえたものとなり、上記の筑駒のように範囲を限定した学校や、受験生が感染、あるいは濃厚接触者となった場合の追試日程を発表する学校が出るなど、いろいろな意味で「異例」のものとなりました。

各学校、状況に合わせて開催に苦慮したと思うのですが、それでも分析の結果わかったのは、各学校の基本的な入試に対する考え方、つまり「新中1生として、こんな受験生に入学してほしい」というメッセージは例年通り、明確だったということです。

2021年は「コロナ禍から日常を取り戻す」1年になると思います。
次の受験生たちはこれらのことを念頭に、しっかり準備を進めていきたいですね。

筑駒、開成の算数で感じた「難関校の算数トレンド」

今月、東京都と大阪で開催した「入試分析セミナー」でもお話ししたのですが、今年の難関校の算数で印象に残ったのが、「手を動かす」問題が多かったことです。
特に首都圏の中学校で、この傾向が顕著に感じられました。

「受験テクニック」を教え込まれてきた子の中には、能力が高いにもかかわらず、せっせと数えだしたり試行錯誤するような類のことに対してモチベーションが低い子がいます。

まるで、そんな子をはじくことを意図して作られたような問題が多かったのです。

もちろん、解法を知っていること、覚えていることは重要です。
しかし「便利な必殺技」を知っているだけでなんとかなる問題は、少なくとも難関校の入試からはなくなっています。

この流れは、今後も変わらないのではないかと思っています。

たとえば筑波大駒場中は、例年「解き方はわかるんだけど、正解を出すのは難しい」タイプの問題を出題します。
日々がんばって勉強に取り組んできたかを見るのに、知識の量ではなく「作業力」で測っているかのような問題です。

今年は開成中も(昨年は「易しすぎる」と話題になりましたが)じっくり読んで状況を整理、理解しないと合格点が狙えないような問題でした。

「知っているだけ」
「覚えているだけ」

でなんとかなる問題は、明らかに1問もなかったと言えます。

来年以降、難関校の受験を目指している受験生には、ぜひ「数えだす」「書き出す」「整理する」といった、算数の基本とも言える力に注目して勉強しておいていただきたいと思います。

そのためには、日々塾の宿題に忙殺されるような状態は避けねばなりませんね。

いつも色んなところでお伝えしていることですが、宿題は取捨選択して優先順位をつけ、順位の高いものから重点的に取り組むことです。

とはいえ、お母さんが優先順位をつけるのもなかなか難しいもので、そんなお手伝いをするのも私たち家庭教師の役割です。

まずは、塾の先生に「今週の宿題の中で特に大切な問題はどれですか?」と質問してみるのもいい方法だと思います。(塾の先生がどれくらい力になってくれるかによりますが・・・)

「宿題は何が何でも全部やる」という考え方から、まずは抜け出してみるのが重要です。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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