親の役割
新学年「スケジューリング」でいちばん大切なのは
4年生は、新たに塾通いを始めたばかりというお子さん、ご家庭も多いと思います。
もっと前から通塾しているというお子さんもいると思いますが、本格的な受験勉強が始まるという意味では同じです。
■ 大切なのは「スケジューリング」ですが・・・
主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催のセミナーでもお話ししているのですが、ここから3年間の受験勉強を成功させる上で最も大切なのは、スケジューリングです。
「3年後までのスケジューリング」と考えると荷が重いと感じるかもしれませんが、そんなに大げさなものではありません。
4年生の1年間を過ごしていく上で、ふだんの一週間をどのように過ごすのがよいかという、当面の家庭学習のサイクルを成功させるのが最重要です。
大手進学塾の標準的なカリキュラムでは、4年生の通塾日数は週2日ほど。
塾によっては土曜に週テストがあり、日曜には公開テストがあるというケースもありますね。
■ 予定で「ギチギチ」にしない
通塾の「空き日」に宿題や復習など家庭学習を行うことになりますが、特に4年生のうちに気をつけておきたいのが「予定でギチギチにしない」ということです。
通塾は基本週2日ですから、欲張らなければ4年生のうちは時間に余裕があるはずです。
始まったばかりの今はまだ「バタバタ」しているかもしれませんが、落ち着いてきたら「週の家庭学習に余裕はあるかな」と振り返ってみてください。
これは5年生なども同じですが「日々の宿題、今やっていることをこなすだけで手一杯、時間が足りないくらい。過去の復習なんてしている時間はない」ということであれば、家庭学習のスケジュールを見直してみるべきサインです。
とはいえ、宿題として塾から出されたものはやらせないわけにはいかないし、学んだ内容を定着させようとすれば、大切な問題は1回ではなく2回、3回と繰り返して解かせたい、といった個々の要望はあるかと思います。
こうなると、ある程度の時間と労力が必要になってきますが、使える時間には限りがありますから「何を2回解かせるか」といった選択はしっかりと行いたいですね。
間違っても「すべてを2回繰り返し」といった勉強はやめていただきたいと思います。
そのような「絨毯爆撃的」な勉強をしていると、高学年になったときにたちまち家庭学習が回らなくなります。
■ 塾の先生etcに協力してもらう
では「大切な問題」をどうやって選べばいいか。
もっとも身近で役に立ってくれそうなのは、塾の先生です。
担当の先生に「宿題の中で『これだけは』という問題を指定していただけますか」と依頼するといいと思います。
こうやって塾の担当の先生とコミュニケーションをとっておくことも、大切なことです。
私達が家庭教師としてご家庭をお手伝いするときも、このような「家庭学習の仕分け」は大切な仕事になります。
このように塾の課題を取捨選択する練習も、お子さんが4年生のうちからしておくと高学年で更に役立つと思います。
このようなご相談の機会は、中学受験情報局でも「西村則康と一緒に作る 魔法の学習サイクル 『今月の学習プラン作成』セミナー」「オンライン個別相談会」といった窓口がありますし、名門指導会の体験授業にお申し込みいただいてもいいと思います。
中学受験情報局、名門指導会のサイトやメルマガ(定期購読は無料)をチェックしておいていただければと思います。
中学受験情報主催 「西村則康と作る『魔法の学習サイクル』セミナー」の一コマ
中学受験情報局 メールマガジン
https://www.e-juken.jp/touroku.html#gotop
名門指導会 メールマガジン
https://www.meimon.jp/magazine.html
受験をしっかり乗り切りましょう
あと数日で東京、神奈川の入試が始まりますね。
親としても落ち着かない気持ちになるのではないかと思います。
「いろいろ万全を尽くしてきたはずだけど、まだやれることがある」
そんな気分になる方もいるかもしれません。
あるいは「何か抜け漏れ、手薄な部分があるじゃないかと不安」
といったことを感じることがあるかもしれませんね。
■「できないことの発見」ではなく「できることの確認」を
たしかにあと数日、まだまだやれることはあるのですが、気をつけていただきたいこともあります。
それは、不安から勉強させすぎないということです。
たとえばお子さんが勉強しているのを見て、不安になることがあります。
「速さの問題で間違っているな・・・」
そんなとき、「この問題ができていないってことは、あれも、これもやらせておかなくちゃ・・・」という気分になると、次から次へと「やらせたいこと」が出てくるものです。
あれもこれも、とやらせすぎるとあまりいい結果にはつながらない、というのが私の経験からの実感で、この時期は「できないことの克服」よりは「できることを当日、確実にできるように」という視点で勉強させるのがいいように思います。
■「前受け校」の結果の捉え方
先週の週末、「中学受験情報局」主催のウェブセミナーに登壇したのですが、そこでも話題に出したのが、いわゆる「前受け校」の結果です。
東京、神奈川のお子さんで1月に千葉や埼玉の学校を受験したお子さんは、ひとまず合格、不合格の結果をもらったと思います。
合格の場合も不合格の場合も、実は親御さんの心配は尽きないのではないかと思います。
たとえば2校受けて両方合格した場合。
ひとまず合格できてよかった!と浮かれすぎていてはいけないんじゃないの?
そんな不安が出てきますね。
もちろん「前受け校の合格で自信をつけて本命校に」と考えていたのにまさかの不合格、というケースでは、「だいじょうぶ」と子どもを励ましつつも、親の方もふと不安な気持ちになったりします。
「前受け校の合格で気持ちが緩んでいるようです」という親御さんがセミナーでもいらっしゃいましたが、そんなときはやはり、お子さんが信頼している塾の先生などに「気を緩めるんじゃないよ!」という声かけをお願いしたいですね。
また前受け校が不合格だった場合は、「できなかった」「ミスした」問題を「一問だけ」思い出しておくことをおすすめしています。
そして「本命校ではこれに気をつければ大丈夫だね!」と締めくくるようにしましょう。
いちばんお子さんが気落ちするのは、不合格そのものよりも親が落胆した姿を見せること。
あくまで明るく、希望を持って本命校に臨めるように意識して声かけしてください。
直前期、親の方も不安になりがち、とは言いましたが、お子さんにとっては「親の不安」はいちばん必要ないものです。
お母さんには「女優になってください」とお願いしたりしますが、あくまでポジティブに、お子さんを支えてあげてくださいね。
あと数日、乗り切りましょう!
コロナの入試への影響は確かな情報源から確認を
あけましておめでとうございます。
2021年になりました。
昨年は12月まで対談やセミナーなど、オンラインでの発信ばかりになりましたが、まだしばらくはそのような形態での発信が続きそうです。
1年前には思いもしなかった状況ですが、逆にふだんは活字などでしか接していただけなかった方たちに気軽にアクセスいただけるようになったという側面もあるようです。
2020年は、オンラインセミナーでのチャットやSNSのメッセージなど、受験生のご家庭からのダイレクトな声に接する機会が増えた1年だったと思います。
コロナ禍が収束すれば、またみなさんと顔を合わせてのセミナーや座談会などもしたいと思いますが、遠方の方やふだんお忙しい方も参加いただけるオンラインでのイベントは、今後も続けていこうと考えています。
■ コロナの入試への影響は確かな情報源から確認を
さて、昨日首都圏の知事が政府に緊急事態宣言の要請を出しました。
再発出での「要請」がどのようなものになるかはともかく、感染が急拡大している首都圏の状況ですから、入試に影響が出てくる可能性があります。
具体的には政府、行政からの情報を待つしかありませんが、お子さんができるだけ動揺せず臨めるよう、細心の注意を払っていきたいですね。
またSNSなどに流れる情報には、信憑性に疑問がつくようなものもあります。
まずは政府や学校などが発する情報を第一に、そして塾からのアナウンスにも耳を傾けてください。
今年の入試はほんとうにお子さん、親御さんにとって大きな「試練」となっていますが、なんとか乗り切って「あのときは大変だったよね」という思い出に変えていきましょう。
なによりもお子さん、そしてご家族が感染することがないようお祈りしています。
■ 2021年は月1回のペースでセミナーを行います
さて、昨年秋から「月1回のペースでセミナーを行う」と、宣言しています。
「月1回」といっても学年別に開催する予定にしていますから、実際には数本のセミナーを毎月企画していくことになります。
主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」との共催という形で、同サイトで主任相談員としてご一緒している小川大介氏、辻義夫氏らの協力もいただきながら、学年別、時期別にお子さんたちが合格に向けてすべきことをみなさんと一緒に考えていきますので、受講をご希望の方は「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」ホームページやメルマガをチェックしておいてください。
このブログでもアナウンスしていきますね。
■ 新刊が発売になります
1月から2月にかけて、新刊が2冊発売になります。
1冊は、親子ともにストレスなくお子さんが勉強に迎えるようになるための方法、そしてもう1冊は、お父さんが中学受験を目指すお子さんにどのように関わっていくとよいか、という内容になっています。
それぞれ発売に際してはキャンペーン、プレゼントなどが企画されると思いますので、ご購入いただ際にはぜひそちらをご利用くださればと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
西村則康
子どものモチベーションを上げるために親ができること
お困りの方は夏期講習が始まるまでに解決を
令和2年の夏休み、そして夏期講習を前に「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と私が主宰するプロ家庭教師集団「名門指導会」共催で、オンラインでの個別相談会を続けています。
非常に多くの方がご参加くださっているのですが、やはり大きいのはこの夏、短縮された夏休みと、それと不釣り合いなくらいに負担が大きそうな夏期講習。
私たち「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の主任相談員、そして名門指導会の現役プロ講師が直接お話を聞き、事前にお預かりした成績やテストの資料を読み込んでからの相談ですから、かなり深いところまで話が及びます。
問題と感じていることを解決するには、いくつか方法があります。
ご家庭だけでできることもあれば、誰かに手伝ってもらったほうが良いこともあります。
たとえば今年の夏期講習、宿題が「まわらない」のは目に見えています。
学校が長期の休みであることを前提に組まれている夏期講習の内容を、2週間程度に短縮された夏休みに開催しようとすれば、無理が出るのは当たり前ですね。
その無理はどこに出るか。
それは、お子さんの家庭学習です。
回らない宿題を、なんとか「期日」までに仕上げようとすれば、やり方が「雑」になるか睡眠時間がなくなるか、その両方かもしれません。
この夏は、いつも以上に「やるべきことの取捨選択」が重要になります。
そんなとき、やはりご家庭でできることには限度があります。
私達のようなプロがお手伝いすればすぐに解決することでも、ご家庭でやろうとすると難しいものです。
近年、中学受験をするなら塾通いが「当たり前」になりました。
しかし、塾に通わせていればそれで何も心配ないのかと言うと、決してそんなことはないというのもまた「当たり前」になりつつあります。
同じように塾に通っていても、成績が順調に上がるお子さんとそうでないお子さんがいるからです。
つまり塾というのは「既製品」であって、オーダーメイドではないということです。
では「既製品」である塾の授業を、まるでオーダーメイドのように受けるにはどうすればいいか。
それには、授業の受け方や宿題のしかたに「工夫」が必要になってきます。
この夏のスケジュールのように、工夫だけではなんともならないこともありますが、それでも少し工夫しただけで(前回お話しした「塾の授業で完全理解を目指す」というマインドセットなどもその1つです)、塾の授業の効果は変わってくるものです。
それでもどうしてもうまくいかない、あるいは家庭でできることに限界を感じて、アウトソーシングしたい、というご家庭のために、私達のような家庭教師や個別指導のサービスがあるのだろうと、特に今年は強く感じています。
ほとんどのお子さんにとって、夏休みよりも塾の夏期講習が先に始まる令和2年の夏。
はじめにお伝えした個別相談会の受付はすでに終了してしまっていますが、どうしても心配があるという方は、名門指導会のオンライン相談などをご検討いただくのがいいかもしれません。