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5年生の算数 夏の最重要事項は

主任相談員を務めさせていただいている、中学受験のポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催の月例セミナーを続けています。

毎月、お通いの塾やご家庭の状況に合わせて、できるだけベストに近い学習サイクルを過ごしていただくためのガイドになればと思いつつ続けているのですが、昨日はその5年生、6年生向きの6月セミナーでした。

セミナーでもお話ししたのですが、この時期の5年生の算数で最も大切なのは、割合や比の感覚を身につけるということです。

サピックス・・・6月上旬〜7月上旬

日能研・・・6月中旬〜7月中旬

四谷大塚・・・3月上旬〜4月中旬

早稲田アカデミー・・・3月上旬〜4月中旬

浜学園・・・6月中旬〜7月中旬

塾によって前後はありますが、どの塾も夏休みまでにいったん「割合」「比」の学習を終え、夏期講習でもう一度しっかり割合と比についての考え方から応用力までを身につけるというスケジュールになっているわけです。

サピックスを例にとると、6月〜7月に4週にわたって「割合(1)」〜「割合(4)」があり、さらに夏期講習の授業でも「比と割合(1)」〜「比と割合(4)」の4回、そしてまた別に「比と図形」という回もある念の入りようです。

他の塾でも程度の差はあれ、同じように念入りに「割合」「比」に関する学習が行われます。

算数において割合と比がいかに大切かがわかりますね。

5年生の算数における最重要単元である「割合」「比」を完成させる夏休み。

5年生は、そんな目的意識をもって過ごしていただければと思います。

セミナーでもお話ししていますが、サピックスの夏期講習は「予習型」です。

日能研や浜学園・希学園の夏期講習会は「復習型」つまり「これまで習ったことをあらためて総復習する機会」なのですが、サピックスはそうではなく「夏期講習中もカリキュラムが進み続ける」という過酷なカリキュラムです。

その中でこの夏、何を最重要事項として取り組むべきかは、上記の「比と割合」を含め、あとはお子さんそれぞれの課題ということになりますね。

一学期の学習でお子さんが「できたこと」「できなかったこと」を冷静にピックアップし、優先順位をつけましょう。

その際、利用するのは月々のマンスリーテストの結果がいいでしょう。

正答率表を見ながら、お子さんが間違った問題で正答率の高かったものに印を入れ、「みんなができているのにお子さんができなかった問題」がどの単元に多くあるか、ぜひ夏が始まるまでに準備しておいてください。

準備さえできれば、あとは「いつやるか」です。

夏休みのスケジュールと、そろそろ出てきた塾の夏期講習日程とにらめっこし、具体的な予定に落とし込んでいきましょう。

今から準備しておいて丁度いいくらいだと思います。

ぜひ行動に移してみましょう。

塾別・学年別 「今月の学習プラン作成」セミナー

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ゴールデンウィークの特訓は受けるべきか

春休みが終わりました。

 

すっかり暖かくなり、まさに季節は春爛漫です。

学校でも新しい学年を迎え、気持ちも新たに頑張っているお子さんも多いと思います。

 

新学期が始まったばかりですが、すぐにゴールデンウィークがやってきます。

 

塾では2月に新学年がスタートし、春休みを経て学習内容もだんだんと難しくなってきていますが、GWは絶好の復習の機会ということができます。

 

GWの期間は一週間ほど平常授業がストップする塾が多いですが、その期間にサピックスのGS特訓のようなイベント授業が行われるケースや、関西の浜学園などのように「灘中オープン」といった特別なテストが行われる塾もあります。

 

早稲アカや四谷大塚ではこの時期に「GW合宿」が行われていましたが、今年はどうやら開催されないようです。

 

よくいただくのが、このようなイベントに関して「受けるべきなのか」というご質問です。

 

この質問への答えですが「多くのお子さんにとっては必要なし」となります。

その理由が、このようなイベント授業の特徴が「演習授業」であるということです。

 

GWの多くのイベント授業は、難関校を目指すお子さんが集まって、志望校の傾向に似た問題をみんなで解き、その解説を聞くことで志望校の問題への対応力を上げる、といった趣旨ですが、これはコンセプトとして9月〜行われる「日曜志望校別特訓」と全く同じようなものです。

 

学校名を冠したコースの案内などを読むと、非常に魅力的に感じるのですが、なぜ日曜志望校別特訓が夏休みのあとにスタートするかを考えてみれば、「今であること」が必須ではないとわかります。

このような「演習授業」を受けて効果があるのは、すでに5年生までの勉強が完璧に身についている、各塾でも上位10%程度のお子さんです。

 

多くのお子さんにとっては、6年生の春は弱点を補強したり基礎力を鍛えるといった「インプット」を重視したほうが効果が高いのです。

春の間にしっかりと弱点を補強し、インプットを増やした上で夏休みを乗り切り、いよいよ9月から入試対策に取り組むのが効果的です。

 

GWの特訓やイベントを受けるかどうか迷ったときは「今、我が子がすべきことはなにか」を考え、優先順位の高いものから取り組まれることをおすすめします。

 

もう一つ注意しなければならないのは、GWの休み期間、塾からかなりの量の宿題が出るということです。

もちろん一週間塾の授業がないわけですから、その期間に「やるべきこと」は必要ですね。

ただ塾から指定される宿題は、幅広い分野を「広く浅く」というものになっています。

 

お子さんによって苦手分野や弱点は違います。

宿題もいいのですが、まずは「我が子が真っ先に解決しなければならない問題は何か」を考え、宿題の中でもその分野に最優先で取り組むなど、工夫が必要です。

 

せっかく塾の授業が一週間空くわけですから、その期間を「なんとなく宿題をして」過ごしてしまうことが無いよう、今から計画を立てておくのがよいですね。

 

6年生は過去問演習の「青写真」を描こう

夏期講習が始まっています。
今年は学校の夏休みよりも、塾の夏期講習のほうが先に始まる、という異例の夏です。
早い塾では、6年生のこの時期から過去問の演習が始まります。
サピックスでは例年「全国有名中入試問題集」(通称「銀本」)の中から指定された学校の問題を家庭学習で演習するよう指示が出ます。
サピックス以外の日能研や四谷大塚、浜学園などでも9月からは本格的な志望校別特訓が始まりますから、そこではどんどん過去問に取り組むことになります。
サピックス、その他多くの塾でも同じように特訓はあるのですが、特訓で扱う過去問はおもにちょっと古い年度のもの。
それらを年度ごとではなく、分野ごとにまとめたテキストを使って演習します。
そして近年の過去問を1年分ずつやるのは家庭学習で、というスタイル。
つまり塾の平常授業と日曜日の特訓の宿題以外に、過去問演習の時間を確保しておく必要があるのです。
この過去問演習に、かなり時間がとられることをあらかじめ知っておかねばなりません。
首都圏のお子さんの場合、第一志望校以外にもいくつか受験予定校があると思います。
たとえば東京のお子さんで、2月1日に「本命」の学校を受験するなら、まずは1月に埼玉や千葉の学校を「お試し受験」するケースは多いと思います。
そして2月1日以降に5〜6校受験、というパターンも珍しくはないですね。
第一志望校以外の学校も、やはり過去問は演習しておきたいと思うものです。
やはり学校によって傾向は違うし、だいたいどれくらいの時間で問題数はどれだけあるのか、など知っておきたいことはたくさんあります。
また偏差値と問題の難度も、必ずしも比例しません。
どういうことかというと、偏差値が低い学校だからといっ問題が易しいかというと、必ずしもそうではないのです。
またその逆もあり、開成中の理科や社会のように、偏差値から考えると問題が易しく非常に平均点が高い(つまりミスできない)入試もあります。
そんなことをいろいろ考えると、第一志望校は5年以上、それ以外の学校でも2年分くらいは演習しておきたいのではないでしょうか。
その時間を、9月からの家庭学習の中にとっていかなければなりません。
4科目、1年分の過去問を演習してその答え合わせと直しまでと考えると、数時間はかかります。
半日とられるくらいのボリュームになるのです。
受験する学校と科目数をあらかじめリストアップし、どこに組み込めそうか、夏の間に大まかにでも「青写真」を描いておきたいですね。

残りの夏の過ごし方〜テスト直しについて〜

お盆の時期に合わせるかのように、大型台風が日本に上陸しました。
この時期、楽しみにしていたイベントがあったお子さんも多いのではないかと思いますが、楽しめたでしょうか。
首都圏は台風の影響も限定的ですが、それでも突然の強風でドキッとする瞬間もあります。
さて、お盆が終わると夏期講習もいよいよ終盤。
8月19日〜の週で夏期講習は終了、という塾も多いようです。
8月の最終週にテストがあるサピックスのような塾もありますが、できれば最後の週は夏期講習の総まとめと9月からの準備をしておきたいですね。
忙しかった夏期講習会、カリキュラムに追われるようにして過ごしたお子さんも多いと思います。
講習会の主要な単元の復習を、ぜひ8月のさいごにやっておきましょう。
日能研や四谷大塚のように、講習会の途中に数回のテストがある塾なら、そのテストの直しがよい復習になります。
すでに1学期に塾で習ったことの復習内容で、夏期講習のテストでも間違ったわけですから、しっかり復習して身につけておくす必要があります。
ただ、何でもみんな復習内容だからできなければならないかというと、お子さんそれぞれにとって身につける必要のある問題は違ってきます。
私は、テスト直しについてはよく「100−目標偏差値」とおすすめしています。
たとえば、ふだんは偏差値が50くらいで、目標は偏差値60をクリアすること、というお子さんの場合。
「100−目標偏差値」つまり 100−60=40
と計算して、
テストの正答率表で、40%を超える正答率の問題を中心にとき直しをするんです。
ザックリとした目安ですが、「超難問まで、すべての問題を直す必要はない」ということを覚えておいていただきたいのです。
このとき注意いただきたいのが、目標をあまり高く設定しすぎないことです。
「今は偏差値が40台だけど、ゆくゆくは御三家に合格したいので、目標偏差値は70」
といった目標設定には無理があります。
いまお子さんが偏差値40くらいなのだったら、正答率30%の問題をとき直すことに大きな意味はありません。
まずは、安定して50くらいの偏差値を出せる状態を目的としましょう。
「今ちょっとがんばれば達成できそう」という目標を立て、その小さな目標を達成し続けることが大切で、お子さんもモチベーションを維持しやすいのです。
だから第1段階は、テストで正答率が50%を超える問題を中心に、テスト直しをしましょう。
偏差値50がとれるようになったら、次はさらに少し上を目標にします。
このように、徐々にステップアップを目指してみましょう。
「必死でがんばっているんだけど、どうしても偏差値が40台(ときには30台)から一向に上がらない」
というケースでは、多くの場合勉強のしかたを変える必要があります。
上記のようなご相談が増えるのが、実は9月から新しい学年にかけてなのですが、親御さんたちも「こんなにがんばっても成績が上がらないということは、何かを根本的に変える必要がある」ということには気づいているのですが、具体的に「何を」「どのように」はなかなか判断しづらいものです。
塾の先生に相談されることはもちろん、場合によっては家庭教師や個別指導教室などのセカンドオピニオンを求めることも検討されるとよいと思います。
私が主任相談員を務める「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でも9月初旬に「少人数相談会」という形で、塾の成績でお困りの親御さんたちのご相談をお受けする機会を設けていますので、必要な方は告知をお待ちください。
さて、6年生は、いよいよ志望校別特訓が始まる9月が近づいています。
過去問演習もそろそろです。
(「11月くらいから」と指示される塾もあるようですが、遅すぎです!第一志望校から併願校、そしていわゆる「前受け校」まで、しかも3科目〜4科目演習する津用があることを考えると、そろそろ計画を立てて取りかかるのが得策です。)
次週はその過去問についてお伝えしようと思います。
夏の残りの日々、充実したものにしていきましょう。

7月の組分けテストで偏差値を10上げるために

■7月組分けテストまでに

5月、ゴールデンウィークです。
塾、学年によりやるべきこと、塾からの課題も様々ですね。

今回から何回か、5年生を例に、偏差値別に夏や学年後半のクラスが決まる7月のテストに向け「どうすれば偏差値を上げることができるか」を考えてみたいと思います。

■算数の偏差値が30台の場合

算数の偏差値が30台の場合、まずは「何ができていないか」を把握することが大切です。
手がかりは、各塾で与えられている「基本テキスト」です。
サピックスなら基礎トレ、四谷大塚なら基本演習問題集と呼ばれる問題集などです。

お子さんの偏差値が模擬テストのたびび30台という場合、基本的なことが理解できていない単元が複数あることがほとんどです。
塾の授業を聞いて理解できているのか、それ以前に「授業の聞き方」はどうか、チェックするのがよいかもしれません。

塾では意外に「聞き方」を教えてくれません。
・先生話し始めたら書くのをやめて聞く
・話を聞いていて途中で「わかりにくい」と思っても、最後までよく聞く
・今の問題がわかりにくいと思っても、次の問題はまた違う問題だから、集中して聞く
など、お子さんがどれくらい意識しているか確認してみてもいいですね。

5年生から入塾した場合、4年生までの「下地」がないことが原因で授業の理解が進まないということも考えられます。4年生用のテキストを入手して、該当する単元を予習させて授業に臨ませるといった工夫もいいですね。

サピックスは授業当日にテキストが配布されるので、実物を確認できるのは授業当日ですが、詳細なシラバスが配布されていますね。それを参考に、自由自在の3・4年生用など市販の参考書を利用して、予備知識をつけてから授業に臨むなど工夫をしましょう。

■国語の場合はどうか

塾の国語の授業を真面目に受けて、宿題もちゃんとやっているのに成績が上がらない、そんなお子さんの多くは、文章が読めていません。
まずは音読などで、読みながら文章の内容を理解する練習が必要です。
これはお子さんだけでやるよりも、親御さんといっしょにしていただくのが効果的。

親子で一文ずつ読みあって、途中で、あるいはある程度読んだところで話の内容を聞いてみましょう。
少しずつ、文章の内容が説明できるようになっていくはずです。

以前、教育学者の齋藤孝さんと対談書籍「なぜ受験勉強は人生に役立つのか」を出版した際、齋藤さんから聞いて「いいな」と思ったのは、「サザエさん学習法」です。サザエさんでなくても別にかまわないのですが、テレビマンガのCMの時間に、それまでのストーリーをお子さんに説明してもらう、というもの。話の内容を頭の中で整理する習慣がつきそうです。

ただ、文章読解の上達には時間がかかります。結果が出るまでにお子さんのモチベーションが下がってしまわないように、もうひとつの柱を立てておきましょう。
それは漢字、語句の力です。漢字と語句は、憶えたら憶えただけ得点につながります。

私の経験上、偏差値30台のお子さんは、漢字と語句の学習に意識的に取り組むだけで偏差値40超えを狙うことができます。
こうやってお子さんのモチベーションを維持しつつ、「読む練習」でさらなる偏差値アップを目指しましょう。

次回は、7月組分けテストまでに偏差値40代から50オーバーを目指す勉強法を考えてみたいと思います。

4年生・5年生は来年に備えて準備を始めよう

■学年の終わり、つまずきに注意

 

6年生はもう受験間近、過去問の演習などに力が入っていることと思います。

4年生、5年生も学年の終盤、12月〜1月は算数の重要単元が目白押しです。

 

サピックスの4年生は、規則性・速さ・平面図形・文章題など次々に重要単元が出てきます。

そして速さに関しては日能研、四谷大塚とも4年生のこの時期に学習することになります。

 

「速さ × 時間 = 距離」

という、いわゆる「は×じ=き」の公式を覚えて当てはめる子も多いのですが、公式を覚えることよりも「速さの感覚」を身につけることのほうが重要です。

「同じ速さで進み続けたら、2倍の時間進めば2倍の距離進む」

「同じ距離を進むんだったら、速さが速いほどかかる時間は短くなる」

といったことを感覚的にわかっていなければ、応用問題に対応できるようにはなりません。

 

大人にとっては「当たり前」のことですが、子どもにとってはそうでもないのです。

「『駅から徒歩10分』とか書いてるけど、このときの歩く速さは分速80mくらいで計算してるんだよ。徒歩10分ってことは、駅から何mくらい?」と聞いてみたり、クルマなどでお出かけする際に「今時速80kmで走っているから、この調子で行くと何時間くらいでつきそう?」など声かけするなどして、身の丈の速さの感覚を育ててあげることはとても重要です。

 

そして多くの塾で、この時期4年生は図形を習います。

立体図形、中でも表面積などでは計算力の弱いお子さんは「やり方は分かるけど答えが合わない」となって苦手意識が芽生えがちです。

この冬計算力を今一度見直してみるのもいいですね。

 

 

■5年生は本格的な難度の問題

 

サピックスの5年生は、この時期に「N進法」「ニュートン算」といった全く新しい単元の学習があります。

入試頻出ではないのですが、抽象度が高く苦手とするお子さんの多い単元です。

うまく自分の中に落とし込みたいところです。指導する先生の力量によっても、理解度が大きく変わる単元です。

 

一方で、各塾とも図形の学習は最重要事項の1つです。グラフを扱った問題なども出てきて「グラフが折れ曲がっている=何か変化が起こっている」という、グラフを読み取る上での基本的な感覚を身につけることが重要になります。

 

目まぐるしく重要単元を学習する12月〜1月ですが、6年生を控えたこの時期、どれもしっかり身につけておきたいものばかりです。

 

 

■冬のテーマを決めよう

 

特に5年生は、来年さらに目まぐるしくなると考えておくのがいいと思います。

社会(公民)以外の科目は、多くの塾ですでにすべての学習単元を5年生までで終えてしまいます。

だからこんなに目まぐるしいのですが、そこまで速い進度で塾がカリキュラムを組んでいるのは、6年生をまるまる1年間、受験対策に費やしたいから。

 

6年生は、「気がついたら夏になっていて、入試対策が始まったかと思ったら直前期になっていた」という感覚で毎日が過ぎていきます。

苦手単元がたくさん残っていても、なかなか埋め合わせをするための時間も取れない、となると思います。

 

冬休みも含めて12月〜1月、もう一度お子さんの手薄な単元は何かを確認し、復習の時間を意識的に取るようにしたいですね。

 

来年、万全のスタートを切れるよう、着々と準備していきましょう!

 

春休みは学習サイクルの見直しを

■塾のある学習リズムがつかめていないのなら
春休みですね。
塾では春期講習などもあると思いますが、ご家庭なりに「やっておきたいこと」に手をつけるチャンスです。
2月に新しい学年を迎えて2か月。
たとえばこの2月、塾の新年度時から通塾を始めた場合は、「塾のある一週間」のサイクルがきちんとできたかを検証してみるのがいいですね。
今ひとつリズムが掴めていないというなら、春休みをその「調整期間」と捉えるのがよいように思います。
この2ヶ月間、一週間のうちで特にしんどかったのが何曜日なのか思い出し、その原因を探ってみるのもよいでしょう。
学校の授業がないぶん、塾の春期講習がありますから、それを学校の授業時間ととらえて生活サイクルを組んでみるのも一つです。
ポイントは、休みだからといってあまり夜更かしをしたりといったことが無いよう、できるだけふだんと同じ時刻に寝起きし、生活サイクルを大きく崩さないことです。
学校の長期休暇にふだんとまったく生活サイクルを変えると、休みが終わった時点で調子を崩しやすいのです。
■5年生2月から入塾した方に気をつけてもらいたいこと
5年生の2月から塾通いを始めたお子さんは「4年生の知識が空白」ということを意識して振り返りを行ってください。
たとえば理科や社会は、塾では4年生で「ざっくりと」習い、5年生で「詳細」を習います。
四谷大塚の「予習シリーズ」の単元名であげてみます。
4年生理科
「春のころ(1)(2)」
「いろいろなこん虫」
「植物の育ち方」
4年生社会
「ものを売る仕事」
「くらしやすい街」
「地図の見方」
「寒さのきびしい地方のくらし」
4年生にはこういった横断的な単元があるのですが、5年生になるとずいぶん詳細になります。
5年生理科
「気象の観測」
「物のあたたまり方」
「星の動き」
5年生社会
「日本の水産業」
「九州地方」
「関東地方」
4年生で学習したことをベースに、やや詳細を5年生で学習するという習い方になっており、4年生の「ベース」のあるなしで、ずいぶん5年生は学習の「楽しさ」の感じ方が違うのです。
5年生から入塾して「理科・社会の勉強のしかたがわからない」「理科・社会の勉強が面白くない」というご相談がこの時期多いのですが、春休みの空き時間に4年生内容を学習することで解決することも多いのです。
ふだんの学習でも、5年生の予習シリーズを補完する目的で「予習シリーズ 4年」を入手することも有効です(「予習シリーズを宣伝するわけではないのですが、他塾の5年生のお子さんにも有効です)。
■春期講習を休みにくいサピックス生は、講習会がない日を上手に使いましょう
何度かこのコラムでも言っていて、他のメディアでもお伝えしていることですが、サピックスのカリキュラムは基本的に「講習会でも進み続ける」というもの。
日能研や四谷大塚が復習中心のカリキュラムなのと対象的です。
だから「うまく回っていないな」と感じていても、春期講習を受講しないという選択が取りづらい塾です。
塾側も「受講するのが当然」という態度ですから、受講しないというご家庭は少数でしょう。
しかし日数は日能研などと比べても短いので、春期講習がない日に「気になる単元」を片付けることは可能です。
塾のない日をうまく使って片付けましょう。
もっとも手っ取り早いのは、マンスリーテストで間違った問題のうち、正答率が高いものを選んで、その単元をデイリーや基礎トレで復習する方法です。
もちろん市販の問題集を使ってもOKです。
もちろん春休みですから遊びや楽しみのメニューも入れていただきたいですが、バランスよく予定を組み立てたいですね。

中学受験 実力テストへの対策方法はあるの?

■実力テストの対策は
あっという間に10月です。
サピックスの4年生は「実力診断サピックスオープン」がありますね。実力テストで範囲のないテストですから、対策しようにもどうすれば、とみなさん思われるかもしれません。四谷大塚の「公開組分けテスト」や日能研の「実力判定テスト」などはいちおうの範囲がありますが、広い範囲となるため、やっぱり対策には独特の難しさがあります。
実力テストに対しては、対策というよりは準備と確認を前もってしておいてほしいのです。
こんな表現のしかたはちょっと乱暴かもしれませんが、「山を張る」こともよくお勧めしています。
算数なら、計算は必ず出ます。その中でも多くの子が間違うのは、ふつうの計算ではなく逆算。式の途中に□がある計算です。あるいは虫食い残などが出たら、やはり正答率は低くなります。そのような問題を少し解いておくことで、テストに少し自信を持って取り組めるかもしれません。
理科なら実験器具の問題は「テストの中のどこかに必ず出る」というくらいよく出ます。よく出るということは重要だということです。実験器具の問題でもっともよく問われるのは「実験器具を使うときの注意」です。「安全に実験する」ということがテーマであることが多いですが、実際に実験する上でも大切なことです。
そろそろ涼しくなってきます。秋の植物や渡り鳥の話題が出るかもしれませんね。
「山を張る」ということには「当てにいく」というよりは、このテストの対策でいくつかの「しばらく手付かずだった単元を思い出すことができる」という効果があります。
■むしろ大切なのはテストなおし
実力テストに限らずですが、テストの直しは重要です。テスト(特に実力テスト)では、「今自分に何ができるか」「何ができないか」がわかります。
主宰する家庭教師「名門指導会」にも「先生、塾の実力テストで習っていない問題が出るんです。どうすれば満点がとれますか?」というご相談が多くなる時期ですが、正直なところ出題者でなければ、普通の子には満点が取れないテストもあります。
でも、それでもいいんです。
北海道にはエゾリスとシマリスという2種類のリスがいて、エゾリスは冬の間も活動しますが、シマリスは冬眠します。
このことがテストに出たとして、それが知らないことだったら「へーそうなんだ」と思えばいいのです。一方のリスは活動を続けるため体温が下がらず、もう一方は体温が下がるはず、と考えられればいいし、今はその「出題者の意図」を読み取れる段階にないかもしれません。
もう一度書きますが、テストは「今自分に何ができるか」「何ができないか」がわかるものです。できていないなら、できるように練習することもできるし、何らかの対策が考えられます。
こうやって、「テストから学ぶ」というなおしができれば、お子さんはテストのたびに成長していきます。
■結果だけに振り回されてはいけない
「テストなおしが大事」と書きましたが、「できないこと」ばかりに注目することにならないようにしましょう。ちゃんとできていることにも目を向け、努力が実ったという部分は大いに褒めてあげたいものです。
テストの結果が悪かったときに「どうしてこんな結果だったの?」とお子さんに質問してもいいことはありません。お子さんは答えようがないでしょう。そんな質問をお子さんにすると、お子さんは親が満足する「答え」を考えた挙句「僕(私)ががんばらなかったから」という「嘘」をつくかもしれません。
いずれにしてもいいことはないのです。
結果には必ず原因があります。その原因のことを考えなければなりません。もちろんお子さんのモチベーションが下がっているのが原因かもしれません。でもそうだったら、モチベーションが下がった原因があるはずです。そちらを解決するのが結果近道です。
秋の実力テスト、お子さんの現状を把握して新しい学年(もう4ヶ月を切ってしまいましたね!)に備えて「結果を次に活かす」題材にしたいものです。

新年度までの4ヶ月あまり、どう過ごす?

「先生、お友達はみんながんばっているのに、うちの子はぜんぜん必死になってなくて、困っているんです。」
謙遜混じりによくお母さんたちからご相談(?)を受けます。
さて、6年生はともかく(もうかなり「必死」モードのお子さんも多いと思います)、5年生のお子さんだったら、これはちょっと「求めすぎ」かもしれません。
■5年の9月に「必死」になれないとダメか
この4日にサピックスでは「小5志望校診断サピックスオープン」の第1回が行われ、22日には四谷大塚でも5年生対象の「志望校判定テスト」が行われます。いよいよ「志望校」という言葉を冠したテストが実施され、テストの難度もあがることはお伝えしてきました。
・・・でも、今5年生のお子さんがお母さんから見て「必死」かというと、ほとんどのお子さんは親がヤキモキするくらい「のんびり」して見えると思います。これはしかたがないと割り切りましょう。
子どもが先を見通す力は、まだまだ大人に比べるとつたないものです。
お母さんが「6年生まであと5ヶ月もないのに・・・」と焦る気持ちは、残念ながらお子さんはあまり実感していません。だからこそテストでも平常心で受けられるのかもしれませんが。
だからといって、ここからの4ヶ月あまりば大切でないというのではありません。次々とやってくる大きなテストも、そのテストなおしもとても大切です。
ここから数ヶ月、うまくお子さんをリードしてあげたいものです。
■4年生も次の学年に備えて準備を
下の問題を見てください。
9月4日に行われた四谷大塚の4年生組分けテスト、大問6です。正方形アの面積を求めるのが問題(1)、そして問題(2)では、3点P,Q,Rを結んでできる三角形の面積を求める問題です。
(1)は、正方形アとイの1辺の長さの合計が31cmで、その差が3cmという「和と差」に着目し、和差算で解く問題です。和差算の考え方、やり方は知っていても、この図形の問題を「和差算の考え方で解けばいい」と考えついたでしょうか。
5年生、6年生に比べるとまだまだ易しいですが、「問題を見抜く力」を要求する問題です。
このような問題がだんだん4年生にも求められ始めます。5年生に向け、お子さんに「問題を見抜く力」がついているかどうかチェックしてみるといいですね。 

サピックスオープンで心がけたいこと

■5年生はテストの難度が上がっていきます
サピックスの5年生は、28日の日曜日はマンスリー確認テストに続き、次の日曜日、9月4日にはいよいよ、「第1回志望校診断サピックスオープン」があります。四谷大塚でも祝日の9月22日には「志望校判定テスト」があります。日能研や浜学園で「志望校」と銘打つテストは年明けまで待たねばならないですが、大きなテストのレベルが1段上がることは以前もお伝えしました。
出題者も来年、つまり本格的な受験学年を見据えて、問題作成をしているということです。この流れにうまく乗っていかなければなりません。
心づもりとして、まず算数は難度が上がると考えておきましょう。テスト前半の大問3くらいから、やや条件が複雑な問題や、立体図形の体積を高さの平均値で求める問題など、特別な知識がないと解けないような問題が散りばめられます。知識がなくて解けない場合は仕方ないですが、条件を整理すれば実は易しい、という問題も多いので、ペース配分に注意しつつ、とれる問題をとるのがポイントです。
こう考えると、難度が低い大問1や2の計算や「一行問題」は落とせないですね。
大問4以降は「問題選択力」が物をいいます。制限時間の中で「勝負すべき問題」とそうでない問題はどれかを見抜いていかなければなりません。問題を見抜く力は一朝一夕につくものではありませんが、逆に今回のテストで自分にどれくらいその力がついているかを確認することはできます。
一般には、大問の中の小問のうち(1)は多くの受験生が解ける問題レベルに設定されていることが多く、「今解いている大問の(2)や(3)に労力を割くなら、次の大問の(1)に取り組むほうが得点は高くなる傾向がある、といえるでしょう。
■大切なのは、自分に解ける問題を解き切るということ
大切なのは問題選択力に加えて、時間配分です。テストでいきなり、それまで解けなかった問題が解けるようになる、ということはありません。しかし逆に、「時間切れ」で本来解けるはずの問題ができなかった、ということは往々にしてありえます。サピックスの組分けやオープン、日能研の公開模試などの範囲がないテストで重要なのは、解けない問題が解けることではなく、自分に解くことができる問題を残さず解き切るということです。
これまで解けなかった問題を解けるようになる努力をするのは、テストが終わってからです。新しい知識として、解法や考え方をテスト直しの中で身につける。これを習慣化していきましょう。
受験学年まで5ヶ月。
ぜひ今月のテストでは、「今の自分にとってのベストスコア」を目指してみてください。 

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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