頬に触れる風の冷たさに晩秋を感じる今日この頃。

青空の下でさわさわ揺れる秋桜もそろそろ見納めですね。

さて、先日中学受験生の皆さんの、過去問に関する不安や疑問についてお話しました。

今日はその後半編です。

「過去問って何年分やれば良いの?」

「第2、第3志望校については?」

「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」

などの疑問点について、くわしくお話していきますね。

まず、志望校・併願校の過去問に何年分取り組めば良いかという疑問に対して、正解は有りません。

ただ、最低でも第一志望校は5年分以上、第二・第三志望校に関しては3年分以上解いてほしいと思います。

過去問に取り組む目的は、大きく分けて4つありましたね。(くわしくは前半コラム参照)

  1. 敵を知る(志望校の出題傾向や難易度を分析し、対策するため)。
  2. 試験慣れ(時間配分の感覚を身につける、本番に必要な準備を見極め、体力向上・生活改善ポイントを意識・対策するため)。
  3. 志望校との相性を知る。
  4. 現時点の学習到達度を確認する。

これらの目的のために、最低それくらいは取り組んでくださいね。

もしも余裕があれば、第一志望校に関しては10年分2周くらい解くと良いでしょう。

学習面での効果ももちろんですが、

「絶対に行きたい中学校の過去問を、自分は誰よりも解いてきた。誰よりも研究・分析・対策・演習してきた。」

そう思えることは、本番当日、志望校の校門をくぐり、試験に臨むあなたの大きな自信と支えになってくれますよ。

ただし、社会科に関しては情報が変わっていたり、時事問題がタイムリーではなかったりするので、5年分くらいで十分でしょう。

次に、「1度解いた過去問に再チャレンジしても良い?」という質問について。

これは科目によって効果の差がありますが、基本的にはぜひやってください。

解いた直後の答え合わせと復習・演習はもちろん大切ですが、時間を置いて再度同じ問題にチャレンジすることで、志望校の出題のクセや、自分の間違え方のクセなどが一層はっきり判ると思います。

特に算数に関してはぜひやりましょう。

ただし、国語に関しては必ずしも効果的では有りません。

初読と再読では素材文を読むスピードがまるで変わってしまいますし、すでに解釈を学んだ後ですから、文章の要旨・主題も分かってしまっているわけです。

国語は1度解くと答えも覚えてしまいやすいですから、2度目は時間を少しタイトに設定し、点数も参考程度に行うことをおすすめします。

また、「過去問を解く年度の順序」についてもよく質問があるのでお話しますね。

絶対に避けてほしいのは、前回少し触れたように、いきなり第一志望校の最新年度の過去問に取り組むことです。

最新年度の過去問は、あなたが臨む本番と同じ先生が作問している可能性が高く、傾向も非常に近くなりがちです。

つまり、第一志望の最新年度の過去問は、自分の実力を試す・現在の合格可能性(学習到達度)を確認する最高のアイテムですから、ぜひ入試直前の演習に取っておいてくださいね。

ただし、中学受験全体の最新傾向を知ることは非常に有効ですから、過去問演習を始める際は、まず(第1~3志望校以外の学校の)最新年度の過去問を、ぜひ幅広く解いてみましょう。

まとめると、このような順番がおすすめです。

①夏休み~10月頃:第1~3志望以外の学校の最新年度。

みくに出版『中学入試試験問題集』(通称「銀本」。過去1年分の全国の中学入試試験問題が掲載されている)などを用いて幅広く。基本、易→難の順になるように。

②9月~12月頃:第1~3志望校、最新年度を除き、新しいものから。

志望レベルによる演習分量は前述の通り。最新年度に加え、1・2年分新しいものを取っておいても良いでしょう。

③11月~1月頃:第1~3志望校、2周目。

(国語に関しては学校により、塾や家庭教師の先生に相談しましょう。)

12月~入試直前:第1~3志望校、最新年度。(→時間を置き2周目)

以上

過去問の取り組む順序や時期に不安がある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ただし、過去問の取り組み方には各塾・先生それぞれの方針がありますし、正解は1つではありません。

皆さん一人ひとりの状況に合わせ、先生方とよく相談しながら進めるようにしましょう。

皆さんが充実した過去問演習を行い、合格力をぐんぐん育めることを願っています。