2021年もいよいよカウントダウンが始まりました。

中学受験に挑む6年生の皆さんにとっては特に1日1日が貴重な時期ですね。

そこで、今日は本番までの残り2ヶ月間の過ごし方についてお話しします。

まず、注意してほしいことが1つあります。

それは、この時期は塾の定期テストの結果にとらわれ過ぎないでほしいということです。

もちろん結果が良いに越したことは無いのですが、受験生の皆さんのゴールはあくまでも志望校合格です。

この時期はもう塾での偏差値や順位を上げることではなく、志望校の過去問で少しでも点数を伸ばすことのみに注力してください。

過去問の意義や取り組み方については、以前お話しましたね。(過去問「なぜ」「いつから」「どれくらい」?

過去問は志望校の出題傾向や自分との相性だけでなく、「どんな生徒を欲しがっているか」、すなわち志望校の「理想の生徒像」も教えてくれます。

残り2ヶ月はとにかく徹底的に過去問をやり込むことが何より重要で、効果的です。

第一志望の過去問ならば10年分を2・3周やっても良いくらいです。

誰よりも徹底して過去問分析・演習を行い、確かな合格力と自信を掴みましょう!

次に、残りの2ヶ月間欠かさず毎日行ってほしいことが「暗記」作業です。

暗記は、受験本番当日まで可能です。

本番当日の朝電車で覚えたことがそのまま試験に出た!という奇跡のようなエピソードは、中学受験界では実によく聞くものです。

ラスト1週間くらいからは、新しいことを覚えるのにやっきになるのは避けた方が無難ですが(覚えきれない、と不安になってしまう人もいますので)、最後の最後まで力がつけられるということは、是非覚えておいてください。

これまで覚えたものを当日確実にアウトプットするためにも、暗記作業は毎日行いましょう。

最後に、残り2ヶ月で取り組んでほしいことがもう一つあります。

それは時事問題対策です。

以前のコラムでもお話しましたが、時事問題は主に前年9月頃までのニュースが出題されます。

つまり、2022年入試の場合は2021年1月~9月頃までの時事ネタを十分理解しておく必要があるのです。

各塾でもある程度の対策は行われますが、ほとんどの場合1回の授業や数時間のフォローのみですから、必ず自分で知識を補いましょう。

具体的には、大手塾などから出版されているニュースまとめを1冊選び、その1冊をしっかり学習することをおすすめします。

どれを購入しても内容はほぼ同じですから、何冊も買う必要はありませんよ。

『中学入試用 サピックス重大ニュース』(代々木ライブラリー)

『中学受験用 重大ニュース』 (日能研ブックス)

『ニュース最前線』(四谷大塚出版編集本部)

『入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本』(学研プラス)

などの中から、自分が読みやすいものを選んでくださいね。

読んだらしっかり暗記し、予想問題にも取り組むこと、理解が難しいところはテキストやネット、講師への質問などを通じてきちんと消化しておくことが大切です。

6年生だけでなく、4.5年生の皆さんも、良ければぜひ冬休みに読んでみてください。

ニュースの話題となっている場所を地図と照らし合わせたり、丸暗記ではなく、同じ頃他の地域や国では何が起こっていたか、なぜそれが起こったかなど、物事を体系づけて理解しておくと、難関校の応用問題にも対応できますね。

ここで、2022年入試で抑えておいてほしいトピックを7つリストアップしておきます。

世界遺産登録

……新型コロナウイルス感染症の影響で、前年分と合わせオンラインで審議されました。日本で新たに追加されたもの、場所、その土地の歴史も確認しておきましょう。

東京オリンピック2020(新型コロナウイルス感染症の影響で開催は2021年に延期されましたが、ロゴ・表記はあえてそのままとされました。)

……これまで日本でオリンピックが開催された場所・年号・過去東京オリンピックが中止になった際の歴史的背景なども合わせて確認しておきましょう。

衆議院議員総選挙

自民党総裁選、岸田内閣誕生

新型コロナウイルス感染症

……”新しい働き方デジタル庁ワクチン証明書にまつわる懸念事項などについても合わせて確認しておきましょう。

SDGs
……”17のゴールを確認しておきましょう。

2001年 アメリカ同時多発テロ事件から20

……テロの背景、その後アメリカ政府が取った行動、攻撃を行った国についても確認しておきましょう。

ほかにも見逃せないニュースがたくさんあった1年でした。

時事問題を扱う学校、中でも受験生自身の考えを問うような学校は、これからの時代を生きていく皆さんに、「今世の中で起こっている問題に関心と自覚を持ち、自分なりの考えを自分の言葉で説明できる人になってほしい」という期待を持っていると言えます。

そしてそれは、「あなた方の生きる社会は、あなた方の手によって変えられる」というメッセージでもあるのではないでしょうか。

新しい時代を切り開いていく皆さんの活躍を、わたしも楽しみにしています。