低学年の夏休みのすごし方(part1)


このところ高学年向きの話題ばかりでした。


今回は、低学年向けのお話をしましょう。気になる夏休みの過ごし方について、「その1」です。

・夏には知的な経験をたくさんさせてください。

6年生になると各塾ともに長時間、長期間の拘束がかかることは皆さんもご存知の通りです。

それに比べると、5年生の時間割はあっさりとしていることが多いようです。

それ以下の学年では、もっともっと自由な時間が増えます。

お母様方の中には、もっと面倒をみて欲しいとおっしゃる方も少なくありません。

塾の掛け持ちをお考えになる方も多いのですが、机に向かう課題消化だけでは今後に伸びる頭を作るためには不安があります。

今後に伸びる頭の栄養は生活知識です。生活の中で知的好奇心を刺激する体験です。


夏休みだからこそ触れ合うことの出来る自然や史蹟を見逃す手はありません。

理科や社会は興味の有る無しで、学習の成果が大きく変わる科目です。

夏の経験を知的財産にするための事前準備が、お子様を理科好き、社会好きにすると言っても過言では無いのです。
 

・決め手は事前準備

神戸在住のご家庭の例をご紹介しましょう。

お子様が3年生、4年生の頃には、青少年科学館へ、人と自然の博物館へ、水の科学博物館へと足しげく通われたそうです。

リニアモーターの見学には前夜にこっそりと電磁石を勉強し、丹波竜の化石では発掘現場をカーナビに登録、

お約束のインターネットで関連記事を読んでおくなんてことは全てお父様の役割でした。

事前に準備していたため、お父様は現場での解説をお子様に説明したり、解説員に質問までできるようになっていたと言います。

3年生の時にそんなお父様の姿を見て育ったお子様は、4年生になると自分で質問をするようになっていたのです。

そうやって好奇心を満たされることが、教わったことを身につけることにとても役立っていたようです。

たくさんの知識を身につけたお子様は、夏休みの自由研究には困るとが無かったとおっしゃいます。

ごく当たり前に下調べをしておくことが、ご家族でのお出かけを実り多いものにしてくれていたのですね。


・その子が6年生になって

私が始めてこのお子様とお会いしたのは、小学5年生の2月でした。

塾では6年生に進級するタイミングです。

最初の印象は、優秀な理科の先生といった感じです。

私が知っている優秀な理科の先生の多くは、豊富な知識を持ち、それを惜しげもなく披露することが大好きなのです。

まさしくそんな姿のお子様を見て、成績がすぐに伸びるであろうことは直感できました。

予想通り好奇心を満たしてあげる授業で、算数の成績も3ヵ月後には

公開模試での偏差値が50台前半から60程度まで一気に上がったのです。

基礎知識を原理原則から興味を持って接して身につけた知識おかげで、

その後も成績を落とすことなく受験を迎えることが出来ました。
 

この理想的なお話はきっと、机に向かうだけが勉強だとは考えておられなかったご両親のセンスの賜物でしょうね。


ご紹介した例を参考に、皆さんもこの夏を実り多いものにしてくださいね。

(都関)

 

解答時間内に問題が解ききれない。part2

スピードアップ4つの要素についてお話をしていきましょう。

1つ目は、読むスピードアップ。

黙読をして、頭の中で意味としてとらえられるまでにいくつかの変換作業が行われます。

目からは文字も画像情報として取り入られます。

その残像が残っている間に意味に変換されることになるのですが、多くは一度頭の中の音声に変換されてから意味に変換されるようです。

多量の文献を読み込むような日々の訓練を重ねていると、音声に置き換えずにいきなり意味に変換すること可能になるようです。

小6生あたりになると、理解しやすい文章や語句はいきなり意味情報に換わり、

それが出来なかった部分は音声情報に一度置き換えるという高度な作業が出来るようになります。

(焦っていると、意味情報に変換することが出来ないので要注意です)

 ですから、読み間違いをせずにしかも速く読めるようにするためには、

1 画像として読み取るスピードアップ。(今読んでいる部分だけではなくて、その先も視野に入れて、その残像を利用する)

2 音読するように黙読する練習。

3 理解するスピードと視線の動きを合わせる練習。

この3つが大切になります。

 

これらを、普段の勉強の中に何気なく入れ込んでいくことが大切です。

そうでなくても毎日が忙しい受験生です。速く読む練習のためだけに時間を使うわけにはいきませんね。

 

今、これを読んでいただいている方のお子さんが、「読み間違いによるミスが多い」状態なら、

2の音読するように黙読をする訓練をお勧めします。簡単で非常に効果的です。

 

お子さんに、「音読するように黙読してごらん」とアドバイスをし、数回だけ視線の動くスピードをチェックするだけです。

1と3については、お子さんによってやり方を変えていく必要がありますが、共通するのは視野を広めに取ること。

言い換えれば姿勢を良くして距離をとることです。

 

それ以外については、たとえば

・なぞらせながら音読

・なぞらせながら黙読

・なぞっている鉛筆の動きを速くする練習

などなど、子供の状況によって使い分けていく必要があります。

 

次回は、計算のスピードアップについてお話しします。

 

灘中合格に向けて part3( 関西限定)

これまでの2回は、灘中合格に向けて各塾の特長を踏まえてアドバイスを差し上げました。

今回は、ご相談をよく頂戴する話題から「過去問をいつはじめるのか」などをお話しましょう。

 

・過去問はいつするの?

灘中の入試問題は、各科目とも他校の入試問題とは比べ物にならないほど多くの知識を求められます。

一方で、過去に自校で出題した問題と同系統の問題が出題される傾向が強いともいえます。

そこで、灘中合格に向けては過去問の徹底演習が欠かせません。

ところが、多くの塾では夏休みを挟み、2学期になると学習内容が難しくなり、今まで以上に学習時間がタイトになると考えて間違いありません。

そこで例年話題になるのが、「過去問に取り組む時期とその時間確保について」です。

演習量を多くとるためには、今すぐにでも取り組みたいですね。

特に算数、国語では1日目と2日目で全く傾向の異なるテストとなることはご存知のとおりで、事前準備にも時間がかかるのですから。

 

・過去問は何点とればいいの?

知識勝負となる算、国の1日目は、夏休み前に5割程度の得点は欲しいですね。

夏休み以降は2日目の対策が待っているからです。

特に9月以降は、塾での学習内容が2日目対策となる傾向が強いのです。

2日目の対策は、塾の勉強と並行して出来る分、1日目の対策に時間がとりにくくなります。

そこで、9月以降の1日目対策は時間配分の最適化を目指して、過去問を使ったテスト形式の演習程度にとどめておけるように準備しましょう。

理科や算、国の2日目は今のところ4割の得点が出来れば可能性は十分にあります。合格を可能にするには努力と工夫が必要ですが。

 

・でも時間が無い

そうですよね。これからは塾が求める勉強をすべて消化するとなると、時間がどんどん無くなっていきます。

しかし、灘中の入試問題には必ず触れておきたいのです。

優先順位をつけましょう。お子様ごとに充実したい学習内容は異なるので、優先順位については受験のプロに相談してください。

優先順位をつけて、塾の勉強にかける時間を短縮することが目的ですから、塾の先生以外でプロの意見をお聞きいただくのが良いでしょう。

たとえば、すでに公開テストでの合格可能ラインに到達していれば、平常時の本科授業の優先度は低いので欠席することも

視野に入れることが可能です。

例年、2学期になると平常やベーシックと呼ばれる本科授業をお休みされる方もいらっしゃいます。

合格ラインにまだ到達していないお子様は、11月までは本科授業も大切です。

しかし、飛躍的に難度が高い「最高レベル特訓」などは省いて、過去問の演習に時間をあてることが現実的です。

 

・今、絶対にしておきたいこと

受験の天王山といわれる夏休みを有効利用するための事前準備です。

夏休みには、塾の勉強しか出来ないかもしれません。だからこそ、成果を出すためには「何を勉強するのか」を明確にして臨んでください。

ただ夏期講習会に通うだけでは、弱点の確認にしかなりません。

塾のカリキュラムとお子様の弱点を照らし合わせて重点的に学習する「問題」まで予定しておくことが出来れば理想的です。

さらに夏休み40日間分の時間割を作っておけば、独自に勉強したい内容にあてる時間も見えてくるものです。

 

これからは、時間管理、学習内容の管理と手間のかかることがいっそう増えそうですね。

でも、灘中の合格を取るためには必要なこと、と割り切ってください。関西で唯一、全国区の最難関校なのですから。

(都関)

お困り相談 解答時間内に問題が解ききれない part1

 どの塾でもテストの時間は短く、問題は多いですね。

ですから、時間内に問題を解ききることは非常に難しいことだと知っておいてください。

「解答時間内に問題が解ききれない」という相談は、

「もっとスピードアップさせる短期間で可能な方法を教えて欲しい」

という意味だと理解しています。

でも、実はそんな魔法のような方法は存在しないのです。

そればかりか、無闇にスピードアップを図ろうとしてミスが激増したり、応用問題に取り組む気持ちを失ったりして、

「解答欄はほとんど埋まるのに×ばかり。

家で解かせるとほとんど合うのですが。」というお悩みの相談がどんどん増えてます。

 

大雑把に言わせてもらえば、着実に丁寧に解くことを繰り返すなかで、自然にスピードが速くなってくるのを待つことが最善の方法です。

そして、自然に無理なくスピードアップを図るための能力アップとスキルアップを、日々の訓練としてやっていくことが大切だと考えています。

 

この方法には大きく分けて4つのカテゴリーがあるように思います。

1つ目は、読むスピードアップ。

2つ目は、計算のスピードアップ。

3つ目は、書くスピードアップ。

4つ目は、考えるスピードアップです。

次回以降、この4つのカテゴリーについてお話をさせていただきます。

でも、ここでもう一度念押しをしておきます。

最優先すべきなのは、丁寧で確実な学習です。無理なスピードアップは逆効になりますから、親御さんの方でさじ加減をしてあげてくださいね。

 

灘中合格に向けて part2 (関西限定版)

今回は、灘中合格に向けての希学園と馬渕教室の使い方です。


 ・希学園
希学園では第3期よりクラス編成やテキスト内容が変わり、P灘コースへの参加が不可欠となります。

最高レベル演習も灘特訓に変わるため塾での学習内容が灘一色になると言えます。

しかし、灘中合格者数は30名程度にとどまります。

上記の講座が有益に機能しているとは考えにくいですね。

早い時期からテキスト内容が難しい、前半期にKコースのようなテストゼミが少なかった、など

灘中合格に向けて塾だけに頼り切れない面がありそうです。


特に過去問演習に力を入れたい灘中受験の場合、どこかで過去問を解き進めていく時間の確保が欠かせません。

このとき障害となるのが、面倒見のよさです。

イベントも含めて授業に参加しないと先生から圧力がかかり、宿題プリントの仕上げが先生の思い通りでなければ評価してもらえない。

このような環境で、自分のための学習時間を作るのはとても難しいと言えます。

ご家庭から事情を伝えて、塾での学習量の負担を軽減してもらうようにしてください。

このとき、どんな事情にするかは慎重に検討してくださいね。
 

・馬渕教室

馬渕教室では6年生から灘中受験に特化したNクラスへの参加が不可欠です。

Nクラスへの参加には資格テストがありますが、各校の校長推薦でも参加が可能です。

また、一度資格を得ると余程のことが無い限りクラス落ちもないようです。

他のコースに比べて、学習内容、量ともにかなり多くのことを勉強することを考えると、頻繁なクラス変動があると逆効果となり、

学力低下に繋がることになる点はご注意ください。


年間7回の灘中入試実戦テスト、入試練習会と灘中フォーマットによる模試では、実戦的な入試対策が可能です。

11月の第3回入試実戦模試では20位以内に入ることを目指しましょう。


Nクラスは他のコースに比べて拘束時間が長く、独自の勉強にあてる時間確保が難しくなっています。

手厚く指導機会が確保ざれていますが、単元別の学習内容が多く、過去問は自学時間で解き進めておきたいですね。


特に夏休みからはなかなか自学時間が取れなくなってしまいますから、6年生前半期からか過去問を解き始めておくことをお勧めします。

馬渕教室の公開テストの結果では同一中学校で比較した場合、高めの偏差値を求められます。

灘中合格を目指すなら偏差値70を目標にしたいですね。


また、低学年より算数の成績のみで評価される傾向が強く、3科目のバランスをご家庭で管理する必要があります。

4年、5年のN特訓は6年のNクラスとは異なり、灘中に向けた準備をする講座ではないことにも注意が必要です。

あわせて、6年生での他塾との掛け持ちも難しい時間設定になっているため、馬渕教室からの灘中受験では

低学年から各ご家庭で受験までの計画を立てて準備をし、早い段階で学力の完成を実現しておくことが求められます。

以上のように各塾で灘中合格を目指す場合の注意点が異なりますが、塾のカリキュラムだけでは成功が難しいことには変わりはありません。

4年生程度の早い時期から、お子様ごとに灘中合格に向けた階段作りをしておく必要がありますね。

(都関)
 

暗記したことをすぐに忘れてしまう。Part2

今回は、子供の特性と暗記についてお話ししたいと思います。

人には、5感が備わっています。視覚・味覚・聴覚・触覚・嗅覚。

このうち特に学習に関係が深い3つの感覚、視覚・聴覚・体感覚について考えてみたいと思います。

この3つの感覚は、人によって強弱が異なっているようなのです。

 

たとえば、「速く動く」ことを想像した場合、ある人は流れる景色を想像します。

また、別の人は、耳元を通り過ぎる風の音をイメージし、また別の人は顔に当たる風の気持ちよさを感じます。

「A君はB君の2倍の速さで・・・・」という問題があったとして、子供達は語句の意味だけでは無く、その状況を想像することによって、

A君の方が速く目的地に着くことを当然のこととして感じることが出来ます。

同じ問題文を読んでも、一人一人の子供が感じていることが違うのです。ここに覚えさせ方の難しさがあります。

そして、もう一つ考えておくべきだと思うのは、覚えるべき知識はほとんどの場合言語を媒体としています。

イメージだけを覚えていても目の前のテストでは利用できません。

 

問題文を読んで、題意を理解する一連の頭の動きを想像して見ると、不思議なことがたくさんあります。

まず、文字を画像情報として取り入れ(視覚)、その残像が消えないうちに文字としてとらえ、その次に文字の意味をとらえます。

 

また、授業を聞いている子供の頭の働きを想像しても同様です。

先生の話は、まず音として大脳に運ばれます(聴覚)。この段階では言語音声はまだ音楽と同じです。

言葉がわからない外国の音楽を聴いているのと同じだと考えておけばよいと思います。

その音声情報から、単語の音素を見つけ出し、日本語の語順に従って文章を作ります。その後に意味を理解することになります。

 

「問題文を読まないから、そんな間違いをするんだ!」とか、「ちゃんと授業を聞いていないから理解できないんだ!」

と叱ってみても、当の子供達は、「問題文は読んでいるよ!」「授業はちゃんと聞いているよ!」と思っています。

でも、子供達の「問題文は読んでいるよ!」は、問題文は見た、画像情報としては隅から隅まで取り入れた、

このことで「読んだ」つもりになっていますし、「ちゃんと聞いているよ!」は、音声情報は耳からちゃんと入っているよ、

聞き漏らしていないよ、このように思っています。

 

画像情報や音声情報から、意味情報として言葉を駆使してとらえることがポイントになります。

ここで必要になってくるのは、「内語」です。意味を理解したり試行したりする際に、自分の頭の中で使う言葉です。

この内語が発達してくると、意味のとらえ間違いが少なくなりますし、深く理解することが出来るようになります。

 

記憶においても、思考においても、まず感覚器からの信号をより鮮明に短期記憶する力を鍛え、

次に内語を用いて自分なりの意味情報に翻訳する力を鍛えることが大切です。

 

お子さんの暗記力が今一歩と思われているなら、その原因が視覚や聴覚の問題なのか、内語の問題なのか、

それとも両方の問題なのかを判断する必要があります。

そして、その対策は、お子さん一人一人の発達段階や目標に応じて考えていくことになります。

 

そして、この次に考えることが、前回お話をした覚えるテクニックになっていきます。

 

・7月3日の朝日新聞朝刊に私(西村)のコメントが掲載されました。

34面の「中学受験塾 入り乱れる」の最後の方に入っています。興味のある方は読んでみてくださいね。

朝日の記者さんといろいろとお話をさせていただいて、教育や学習について非常に真剣に考えていらっしゃることが分かりました。

 

 

灘中合格に向けて(part1)関西限定版

6月になり、各塾とも成績表に志望校合格の可能性が記載される模試が出揃いました。

これに伴い、ご相談も志望校合格や、志望校別コースに入るための具体的な学習方法についての内容が多くなっています。

特に、最難関校を目指していらっしゃるお子様を持つお母様からは熱のこもった質問を頂戴することが多いようです。

さて、今回は灘中合格に向けて、いましておきたいことをお話しましょう。

まずは、各塾の様子からです。

・浜学園

浜学園では後期志望個校別特訓として、9月からM灘コースの授業が開講されます。

当面の目標は、この講座に参加することです。

そのためには資格が必要となりますが、他の最難関コースが一律、偏差値56を参加資格にしている中、M灘コースのみ

偏差値63を求められます。

公開テスト以外にも、合否判定テストや、灘中オープンの結果でもM灘コース参加資格を得ることが出来るので注意が必要です。

 

浜学園の場合は、どれか1つでもハードルを越えることで参加資格を得ることが出来るので、

目標を絞り込んで資格偏差値を取りに行く作戦も有効でしょう。

また、浜学園の算数に関しては11月まで続く平常授業の内容がとても重要です。

特に灘中入試に頻出する「立体図形」や「場合の数」と言った単元の学習を10月、11月に行うことになります。

これははずせません。もし、何か講座を休んで自学時間を作るならば、最高レベル特訓(算、国とも)をはずすべきでしょうね。

 

9月以降は灘中過去問を扱う講座もありますが、数多くの問題を消化できるわけでは無いために必須講座とはいえません。

むしろご自身で過去問を解く時間に当てるのが効果的です。

過去問を解いた結果を生かす環境づくりを考えてあげてください。

なお、灘中オープンの結果は、B判定上位を目指してください。お正月のプレ灘模試で60位までに入っていれば安心ですね。

 


・日能研

日能研灘特クラスは、関西順位100位程度を目安に維持できますが、日能研関西からの灘中合格者数が30名程度であること考えると、

9月には関西順位50位程度はとっておきたいですね。

日能研では、入研と呼ばれる過去問演習の時間が十分に確保されています。

これを上手く役立たせるためには履歴を残すことが大切です。


何年度の問題は解き終わっていて、どの程度得点できたのかを把握しておきましょう。

と言うのは、11月以降に入研とは別途、かなり多くの年数の過去問(しかも2巡)を宿題として言い渡されるからです。

このときに重複してすべきか、すべきで無いかはお子様によって代わりますが、履歴があれば目安にして、目標の設定が可能です。

灘特クラスと特化された集団だけに、特にオプション授業も無く優先順位をつける煩雑さが無いものの、視点を変えると捨てるものが無く、

独自の勉強がしにくい塾ともいえます。

これまでの日能研の灘中合格者には本科教室をお休みして、時間確保をしていらっしゃるケースがありました。

日能研では6年生で灘中入試フォーマットによる模試、灘中トライアルが実施されますが、ここでの順位は最終20位を目指しましょう。

夏休みには50位でも可能性は十分にあります。

日能研では、

「灘特クラスに在籍しているから大丈夫」

とは言えないところが注意点です。

公開されている灘中合格者数のうち、日能研関西からの合格は約半数と考えておきましょう。

 

次回は、希学園と馬渕教室についてお話しします。

(都関)

 

暗記したことをすぐに忘れてしまう part1

受験勉強には暗記すべきことが数多くあります。
考える教科であるはずの算数にも覚えることは無数にあります。
そして、社会や理科は知識量が勝敗を分けると言っても良いでしょう。

ところが、一生懸命に覚えているのにテストの時に思い出せない。覚えたはずのことが短期間のうちに抜けてしまう。
このような相談が寄せられています。
これらの原因は、ほとんどの場合覚え方にあります。

忘れてしまうことは結果としての症状であって、
「忘れてしまうような覚え方をしている」ことが原因なのです。

・文章の中で覚える

知識同士のつながりの中で覚えたことは、なかなか忘れません。
そして、テストで使える知識として定着します。
別の言い方をすれば、文章の中で覚えた重要語句は忘れにくいということなのです。

過去にご相談があった例ですが、「冬の気圧配置は西高東低」を覚えるときに、
テキストの□囲みが、西高東低だったために、
西高東低・西高東低・・・と何度も発声し何度も書いて覚ていました。
ところが、西高東低の気圧配置になる季節は?と聞くと答えられないのです。

「AならばBだ」とか「AはBだ」を覚えるときに、BBBBBBと何度も言って書くという
学習になっていることが原因の一つです。

日能研のメモリーチェックでもサピックスのコアプラスでも、
赤字だけを覚えるような方法は是非避けるように言ってあげてください。

・図を上手に使う。

子供の多くは、言語情報を覚えるよりも画像情報を記憶することが得意です。
また、言語情報を暗記するときに画像情報を付け加えると忘れにくくなります。
前出の「西高東低」にしても、なぜそうなるのかを日本列島を中心とした
東アジアでの冬の大気の動きを地図の中で説明し、理解させた場合は
ぐっと忘れにくくなります。
もし忘れても、高気圧がシベリアの西にあり低気圧は東の太平洋上にあることが
思い出せますから、「西高東低」の語句そのものを忘れてしまっても
大丈夫だということになります。

・学習の順序を見直す。

理科や社会の成績が振るわない最も多い原因は、
「覚える前に問題を解こうとし、わからない語句が多いので、
その語句をはじめの解説から探して記入する」
という学習法にあります。

まず、その単元の説明を隅から隅まで読む。
そのときにはそのページにある絵や写真を凝視し、またその説明も漏らさずに読む。
その後、覚えるべき語句や内容の部分に蛍光ペンで線を引き、覚える。

この40分から50分程度の文章中の重要語句の意味の位置を確認し覚えてから、
問題を解いて欲しいのです。

問題を説く意味は、「ちゃんと覚えたかどうかの確認」です。
覚える前に問題を解いてもあまり効果はありません。

・語呂合わせを上手に使う。

知識同士のつながりや意味のつながりが無いものを覚えるときには、
語呂合わせが有効です。

それもお仕着せのものでは無く自分で使ったものが覚えやすいようです。
また、おもしろいもの刺激的なものが効果的です。

たとえば、BTBの色の変化は、黄色、緑、青の順です。これを「君アホ」と教えたところ、全員が完璧に覚えてくれました。

「君」と言いながらその子を見て、その後に「アホ」と言ったものですから、決して子供をけなさない私の授業に慣れている子供達は、はじめは何が起きたか
わからなかったようです。
直後に、BTBの語呂合わせであることを知らせると、ほっとした表情が現れ
笑顔が戻ります。

ちょっと意地が悪い語呂合わせですが、刺激の強い語呂合わせは忘れにくい例
として書いてみました。

次回は、忘れにくい覚え方の他の例をお知らせします。

関西 浜・希・日能研の テスト対策 (関西限定)


今年は早い梅雨入りでしたが、このところのお天気はまるで空梅雨ですね。

急な気温の変化もあり、体調を崩してしまうお子様(お母様も!)もいらっしゃいます。

長い夏休みを前に、体調には十分気をつけてくださいね。

さて、以前このブログで、公開テストに有効な対策を別の機会にお伝えすると書きました。

今回はその話題にしましょう。

相談でお伺いしていると暗記分野は、テスト準備のイメージがしやすいようですが、

算数などは何をしようか迷ってしまう方も、多いようですね。

そこで、浜学園、希学園、日能研などの大手進学塾の公開テスト算数対策についてお話ししますね。

もちろん他塾のテストでも同様に効果的です。

・教科内容か得点技術か


公開テストの対策を考える時、私は大きく2つのパターンに分けることにしています。

一つは、皆さんもイメージされる教科内容の補強的な対策です。

もう一つは、テスト現場での得点技術の強化、即ちミスを減らして得点力を上げるための準備です。

返却後のテストを直してみると、すぐに正解の出る問題がありませんか?

この手のミスでお困りのご相談件数は例年多数を占めます。

しかも、中には100点満点中の20点分を超えるなんてこともあります。

このような失点のうち半分も取り戻せたら・・・。と言った思いを実現するためのテスト対策をお知らせしましょう。

・時間配分、間違っていませんか?


お子様方の受験現場を拝見していて、いつも気になることがあります。

それは、難しい問題に時間をかけていることです。そして残念ながら、解答に至らない場合も少なくないのです。

しかも、後半の難問に時間を使うために前半を猛スピードで解き進めています。

この受験の仕方では、本来正解できるところでミスをしてしまいがちです。前半の全体正答率の高い問題で失点を繰り返す場合には、

この姿勢で受験していることが想定できます。

塾の先生方にテストの分析をお願いすると、「テストでの時間配分が・・・。」とお返事されますよね。

一問、一問にかける時間を「何を判断基準に、どのように配分すれば良いのか」まで具体的なお話がない場合が多いようですが、

テストの中には優先して時間をかける問題と、できる限り時間をかけない問題が存在して、その見極めによって時間の配分が決まると

思ってください。

・ミスを減らす対策とは?


塾でテストのミス対策を相談すると、「本人の気持ち次第」と言った精神論で終わってしまったご経験はありませんか?

しかし、精神的成長を待たなければ実現しないとも言えるこの方法では、いつまで待てば良いのかわかりません。

即効性を求めるならば、具体的手法への落とし込みが必要です。

一口にミスと言っても,読み違い、読み飛ばし、計算間違いなどパターンはいろいろです。

対策手法を決めるために、どんなミスを数多くしているのか検証が必要です。

お子様が起こしがちなミスのパターンがわかれば、その対処法を考えましょう。

例えば、兄と弟など求められる対象の取り違えが多い場合には、「解答欄に答えを書きこむ時に設問に下線部を引く。」というように、

対処法は出来るだけ具体的な作業にしてください。

このように、できる問題にこそ時間をかけて取り組んでみてください。

・繰り返しが必要


対処法が見つかっても、まだ安心はできません。

お子様がテストの現場で実践してくれなければ役立たないのですから。

そこで、普段宿題をする時から同じ作業を繰り返し実践するようにしておくことが大切ですね。

お子様が「これをすればいいんだ」と理解しやすいように、出来たら褒めてあげるなどの工夫もあると良いでしょう。

また、テスト直前の実践だけでは大きな効果は期待出来ません。

日常的に訓練を繰り返すことが大切なのですね。

・浜学園6年公開テストについて


一般的に、模試であれ、入試であれ算数のテストは若い番号の問題ほど難度が低い傾向があります。

しかし、浜学園の6年公開テストだけはそうとも限らないようです。

特に2月から5月の公開テストは、ここ数年、大問2番(小問集)でもかなり正答率の低い難問が複数出題されています。

そのため、平均点も40点を割るほど低いのです。

ですから、解く問題を選んで取り組む技術と習慣が求められるのです。

よーく気をつけてくださいね。

問題選択の技術については、次回お話しすることにしましょう。

集団塾のプレッシャーに参っている。(part3)

今回は、「集団塾のプレッシャーに参っている」の3回目です。

 

3 演習時間もテスト時間も短く、いつもあたふたしてしまう。
 

 進学塾の授業スピードは、小学校のそれより格段に速いのです。

しかも上位クラスになるほど速くなります。講師がしゃべるスピード、板書のスピード共に速くなっています。

「今から10分でこの2問を解いて!」と授業中に指示されることも多いと思いますが、この制限時間が極端に短いことは珍しくありません。

そして、各塾のテストの制限時間は、問題数や問題レベルを考慮すると入試本番よりも短いことがほとんどです。

スピードアップは、入試で合格点をとるための必須条件ですから、各塾でスピードアップのための訓練がなされているといえます。

ただ、いつもいつもせかされていると、子供によってはいろいろな弊害が現れてきます。

・問題文をちゃんと読まない。

・雑な計算をしてしまう。

・図や式を省く。 ・直感的な解き方をしてしまう。

などなど、学力アップを妨げる行動が目に付くようになります。

このようなときには、速く解くべき場面と、じっくりと解く場面を分けることが大切です。スピードアップの訓練は必要ですし、

しっかりと頭を使って解く訓練も大切だからです。

あたふた学習の弊害が強く表れている場合は、しっかりと頭を使って解く場面を増やしていくようなきめ細かい対策が有効です。

「うちの子ミスが多くて・・・」「家で解かせると解けるのに、テストでは間違いばかり・・・」

の多くの原因は、このあたふた学習です。  

 

4 成績が上がらないのは、自分の努力が足りないからだという自己反省の袋小路に落ち込む。

子供は「過程を評価される社会」で生きていて、大人は「結果で評価される社会」で生きているととらえることが出来ると思います。

「目的に向かって努力をする事はすばらしいことだ」ということを理解し、それに向けて頑張ることが出来る子供になってもらうために、

子供の時期に努力が評価される環境が大切です。

ところが、その評価は努力の量に向けられることが多く、努力の質に向けられることが少ないのです。

「がんばっていてえらいね!」と誉められたことはあっても、「効果的な学習を工夫しようとしているからえらいね!」

とほめられたことはほとんどありません。

大人の目から見て、うちの子は勉強の仕方を工夫しているかどうかを見極めることはほとんど不可能ですよね。

真面目で努力ができる子が、努力をしているにも関わらず成績が下がると、努力が足りなかったと感じがちです。

これはこれで、大切にしたい非常に重要な心の動きです。

自分はできるこのはずだ、そして頑張れる子だという自己肯定感がある証拠です。

  ところが、精神的にも肉体的にもぎりぎりいっぱい頑張っていても成績が下がると同じ心の動きになってしまうことが問題なのです。

勉強をがんばればがんばるほど成績が下がる子を、これまで何人もみてきました。

睡眠時間を削ってまで必死で勉強をしていても、テストの成績が下がってしまうと、

「もっとがんばらないと!」と思ってしまう子が確実にいるのです。

もし、お子さんがそうなら、このように言ってあげてください。

「あなたがものすごく頑張っているのはよくわかっているわ。努力ができる素晴らしい子だといつもおもっているわ。

その努力できる才能は大切にしましょうね。

でもね、頭の良いあなたがそんなに頑張っても成績が上がらないのは、原因が別にあると思うの。

その原因探しをお母さんにも手伝わせてくれる。」


努力をねぎらうことから始めて、能力を認めてから次の段階に進んでほしいのです。  

そして、この延びない原因は

・あたふた学習

・無駄な勉強(繰り返す必要がないほどよくわかっていることを繰り返したり、今は理解できないレベルの問題に時間を使っていたり)

・問題文をしっかりと解釈しないで解始める ・覚える学習と理解する学習を混同している

などなど。 子供一人一人大きく異なります。

信頼できる第3者が身近にいらっしゃる場合は、是非協力をあおいでください。 そうでないときは、私たちがお役に立てるかもしれません。

 

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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