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中学受験 夏休みをうまく過ごすヒント

夏休みですね。

6年生は「受験の天王山」と言われる夏休み、ちょっと緊張気味かもしれません。

都内の小学校では、明日7月20日(木)が終業式のところが多いようですが、6年生は夏期講習の日数が多いので、明日から数日間の使い方が重要になってきます。

■ ここから数日間の使い方が重要

たとえばサピックスの場合、6年生の夏期講習の日程は全部で18日。
5年生が全20日であるのに対して日数が少ないのですが、8月下旬に「夏期集中志望校錬成特訓」という演習講座があるので、これに出席すると全部で23日。

40日のうち23日を塾で取られる上、講習会期間中の休みは、講習会の復習や宿題でやりきれなかったものに充てる、というハメになりがちです。
また8月24日に「夏期集中志望校錬成特訓」が終わりますが、その数日後に8月のマンスリーテスト(このテストからはマンスリーテストも範囲がない実力テストになります)があり、その対策もしたいので、8月末も塾以外のことに使えるのは数日。

だから、学校の宿題の主なものや弱点補強などは、夏期講習が始まるまでの数日間にやっておきたいところなのです。

塾によってスケジュールやカリキュラムは違いますが、特に6年生はここから数日間の使い方が重要なのは同じです。
うまく時間を使ってください。

■ 「夏、あれだけがんばったのに…」とならないために

夏期講習のカリキュラム、大きく分けると次の2つのタイプがあります。

①これまで習った総復習を行うカリキュラム
②年間を通したカリキュラムを夏の間もどんどん薦めていくカリキュラム

①のタイプの塾が多勢で、代表的な大手塾は日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー、浜学園などです。
②は少数派で、代表的なのは首都圏ならサピックス、関西では馬渕教室など。

①のように夏期講習で今までの総復習をする塾にお子さんを通わせている場合「夏期講習で今までわからなかったところをわかるようになってくれたらいい」と考えがちですが、ちょっと注意が必要です。

それは、復習とはいえふだんと進度が全く違うということです。
以前一度習った単元とはいえ、毎日のように違った単元の学習が続くと、お子さんたちは「とにかく問題を解いて答えを出す」という学習に陥ってしまいがちなのです。

こうなってしまうと、最悪の場合は「考えているようで実は当てはめているだけ」といった状態になってしまい、夏の終わりのテストの結果に「夏休みあれだけがんばったのに…」と愕然とする、といった事態にもなりかねないのです。

夏期講習の授業から帰ってきたら、宿題にとりかかる前に「その日習ったことをしっかりと思い出す」という時間をとるようアドバイスしてあげてください。

■ 学校の宿題の「大物」はうまくこなそう

学校の夏休みの宿題、これはもう学校によって、担任の先生によって量も質も様々。
しかし、夏休みが始まって数日であらかた片付けてしまうのが理想です。

中でもお子さんたち、いや親御さんたちも頭を悩ませる「大物」が、読書感想文と自由研究ではないでしょうか。

「読書感想文は、本を読むまではいいんだけど、いざ書こうとすると何を書けばいいかがわからない・・・。」
「自由研究は、何をどのように研究すればいいのか・・・。」

いずれも、そんなことを考えている時間が最も長いお子さんが多いのです。

忙しい受験生、テキパキと片付けてしまいましょう。
主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でご一緒している小川大介先生、辻義夫先生のコラムに、いいヒントがあります。

ぜひ参考にしてみてください。

夏休みの宿題~読書感想文を簡単に書くコツ~
理科の成績が上がる自由研究

いい夏にしましょう!

中学受験 子どもが食いついてくる書籍・授業とは

■関わらせていただいている書籍がどんどんできつつあります。
このところ著書だけでなく、監修や推薦といった形でいろいろな方の著作に関わらせていただく機会が増えました。
1つは「推薦」という形で名前を連ねさせていただいている書籍。
「頭がよくなる 謎解き算数ドリル」
「頭がよくなる 謎解き国語ドリル」
という書籍です。
昨年の年末に出版された
「頭がよくなる 謎解き理科ドリル」
「頭がよくなる 謎解き社会ドリル」
の算数、国語版です。
実は中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員を一緒に務めさせていただいている先生方の書籍なのですが、昨年の理社のときに「いい本を作ったなぁ」と関心し、推薦に名を連ねさせていただいたのです。
その算数版・国語版ということで、完成を楽しみにしていました。
何がいいかというと、ちゃんとした内容(中学受験+αに対応)なのに徹底して「ハードルが低い」のです。
ハードルが低いとはどういうことかというと、ひとことで言ってしまえば「子どもがノッてくる」ということです。
■子どもがノッてくる授業・書籍とは
この5月から6月にかけて、上記の「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催の、算数、国語、理科の授業イベントが行われました。
残念ながら私は参加できなかったのですが、動画でその様子を拝見したのです。
5月20日(土)は算数、担当は前田昌宏先生。そして5月27日(土)の国語は担当が小川大介先生。理科の授業は6月3日(土)で辻義夫先生が担当。
いずれも同サイトの主任相談員を務めておられ、長く中学受験の世界で活躍してこたれた、その道のエキスパート。
ウェブサイトではお馴染みとはいえ、初めて教えてもらう先生の授業。
教室に入ってきた瞬間、お子さんたちは若干緊張気味であることが動画からも伝わってきます。
しかし授業が始まった瞬間から(正確には始まる前から先生方のトークによってお子さんたちの「緊張」は「期待」に変わっていたのですが)お子さんたちは授業を楽しみ、手をあげて活発に発言し、隣のお母さんと顔を見合わせて笑顔を見せる、という驚きの展開だったのです。
実は私はこの3人の先生方をよく知っているので、そう驚かなかったのですが。
では、何がそんなに楽しいのか。
それは、この3人の先生方、というよりは「良い講師」と呼ばれる人たちに共通なのですが、驚きのもとになる「ネタ」の宝庫なのです。
漢字の部首は覚えるだけでなく、その成り立ちを知っておくといいこと、計算は筆算だけでなく図形でも考えられること、植物や動物の名前はその由来から知っておくと忘れないこと、などなど。
「これを聞いてよかった」と子どもが感じられるものがたくさん授業の中にあれば、子どもたちは必死で授業を聞きます。
いや、お子さんたちだけでなく、いっしょに受けたお父さん、お母さんも同じくらい楽しんでいるように感じました。
算数のイベントに関しては、すでに「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」サイト上でレポート記事が掲載されているようです。

「試すと成績が上がる 最強の算数勉強法」講座レポート

■授業以外でも「驚き」は伝えられる
どうして3人の先生の授業の話をしたかというと、この3人の先生方こそ上記の「謎解きドリル」の著者なのです。
そして授業の中にあったような「驚きのもと」が、この書籍にはたくさん詰まっている、そう感じたから推薦者として名を連ねさせていただいたわけです。
「ドリル」という書名から、「作業の繰り返し」のようなものをイメージされる方がいるかもしれませんが、全く違います。
まるでクイズのような雰囲気で、しかも表紙がいい意味で「コミック」のようなデザイン。
ダイニングテーブルにポンと置いておけば、お子さんが「食いつく」可能性は高いようです(理社ドリルの感想で多かったのが、「自分から食いついてきた」というもの)。
ちょうど今日発売でキャンペーンもやっているようです。
興味がある方は覗いてみては。
監修させていただいた書籍も近々発売になるものがあります。
わかりやすい読み物、実戦的な問題集、いろいろありますが、また別の機会に触れたいと思います。 

中学受験に関わる講師全体のレベルアップを

■講師に向いている人
先日、中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している小川大介さん、辻義夫さんとお話ししていたときに「講師に向いている人」という話題になりました。
いろいろな要素が出てきたのですが、中でも3人が共通して考えたのが「相手ができるようになることが嬉しいと感じる人」ということ。
「教えるのが仕事なんだから当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、講師として未熟なときは、なかなかこの喜びが感じられないのです。
喜びを感じる余裕がない、というのがその大きな理由。
学生のアルバイトで塾講師や家庭教師をしたときの「生徒ができるようになったときの喜び」を覚えていて、それが志望動機となって講師の応募をしてこられる方も多いのですが、社会人として、プロとして「お子さんの成績を上げる」ということにコミットするとなると、学生時代のアルバイトとはプレッシャーが違います。
もちろん、お子さんにもお父さん、お母さんにシビアに評価していただかなければ、講師としての成長はありません。
その上で、相手に評価され、信頼され、相手が成長していくことを心から喜べる関係と結果を作り出すことができるのが、いい講師ではないかという結論になりました。
■中学受験に関わる講師全体のレベルアップを
未熟な時代はどの講師にもあるものですが、「相手ができるようになる喜びを得たい」という志を持って講師になったのに、その喜びを深いところで知ることができるようになる前に挫折してしまう方もいます。
どんな仕事でも同じだと思うのですが、ある程度の経験を積まないと、その仕事の本当の楽しさややりがいのようなものは感じづらいものです。
そんな楽しさややりがいがはっきりと感じられるようになるまでは、ただがむしゃらに、努力を続けなければなんともなりません。
ただ、そうなるまでの期間を短くしてあげることは可能と考えています。
先輩講師の経験や知恵を教えてもらうことで、講師としてぐんぐん成長してもらうというわけです。
事実、私が主宰する家庭教師の「名門指導会」では、月2回講師のみなさんに集まってもらい、勉強会を行っているのですが、やはり先生方の「成長」には目をみはるものがあります。
名門指導会はプロ講師ばかりの集まりなので、新人の先生が一から、というシチュエーションは少ないのですが、月2回の「情報交換」がもたらす先生方への影響は大きいと感じています。
もうすでに一流の講師の方たちばかりですが、それでも成長を続けない訳にはいきません。
入試問題も、中学受験をとりまく状況も変化を続けているからです。
今後、できれば他の塾、家庭教師派遣会社の講師の方たちも巻き込んで「中学受験に関わる講師全体のレベルアップ」の動きをとっていければと考えています。
楽しみにしていてください。 

難関中学校も塾も「考える力」を育てようとしている・・・でも?

以前フジテレビの「フルタチさん」という番組の特集で、古舘伊知郎さんといっしょに聖徳学園という小学校を訪れ、独特の教育方法を体験したのですが、中学受験する、しないにかかわらず、考える習慣をつけることの大切さを、改めて考えた経験でした。
古舘さんはとても頭のいい方で、「できない子」でしかもヒールという役割を演じつつ、子どもたちから率直な意見を見事に引き出しながら、私を持ち上げてくれたのですが、そういった種類の頭の良さも「丸覚え」や「詰め込み」では育たないものです。
■難関中学が求めているのは「単にものをたくさん覚えている子」ではない
今解決しなければならない問題は何か。
それを解決するには何が必要か。
それが必要なのはなぜか。
こういったことを自問自答しながら考えなければ解けない、決して「習ったことをそのまま当てはめれば解ける」ということがないのが、中学受験の難関校の問題。
あれを覚えてるんです、これを知っているんです、だけでは解けない。
「そうじゃなくて、今から条件を与えるから、それをもとに、習ったことも使って、一から考えてごらん。」
そう語りかけてくるのが難関校の入試問題。
ただたくさんのことを知っていればいいとか、そんなに単純なことではないんです。
中学校だって「たくさん知識だけを詰め込まれてきた子どもがほしい」とは思っているはずがありません。
■塾も実は「詰め込み」をしているつもりはない
「中学受験の勉強は『詰め込み』だ」という考え方というか、意見がありますが、結果的にそうなってしまっている例は数多くあります。
しかし、実は進学塾も「知識をとにかく詰め込んでやろう」なんて考えていないはずです。
自分の力で考えられる子を多く育てたいと思っているはずです。
でななぜ結果的に「詰め込み」になってしまっている例があるのか。
「自分の力で考えられる子に入ってきてほしい」と願う中学校は、いわゆる「パターン問題」をたくさん詰め込んできただけの子には解けない「新作」の問題を出題します。
するとその「新作」は、次の年の塾の「◯◯中学対策講座」のテキストに収録されます。
年月がたつうち、その「新作」は「標準問題」として塾の平常授業テキストに収録され、かつての受験生が入試会場で知恵を絞って「考えた」問題の解き方を「覚える」生徒が続出します。
塾も「詰め込み」をするつもりはないのですが、やはりいかんせん量が多すぎるのです。
ゆっくり考える時間が惜しいから、覚えることで対応しようとする。
これが世間で言われる「詰め込み」の実態です。
ここから逃れるためには、受験生、ご家庭が主体になって「やるべきことの取捨選択」をしなければなりません。
「捨てるものの決定」と言ってもいいですね。
ゴールデンウィーク、数日の休みをうまく使って、勉強の優先順位にしたがった復習を心がけてみてください。
PS
実は、面白い企画へのお誘いがテレビ局からあり、春休みの間ロケが続いていいました。
まだ内容は詳しくは言えないのですが、もちろん勉強に関する企画です。
TBSテレビの「ピラミッドダービー」という番組です。
放送は7日(日)の夜7時から。
ちょっとおもしろい結果になったので、みなさん放送を楽しみにしていてください。 

お子さんに「もう一人の自分」がいるでしょうか?

図のような角度の問題があります。XとYの角の大きさを求める問題です。
この問題を子どもたちに教えるときに「Xの角度は25°と35°の合計になります。」とまず結論を伝えて「なんでなんで?」と子どもたちの好奇心を高めて説明を展開していくか、あるいはまっさらな状態でまずはいろいろ考えてもらうか、講師によって、またクラスやお子さんによって手法は様々ですが、上手な講師ほど、お子さんを主人公にして解いていきます。
お子さんが主人公、というのはどんな様子か、ちょっとシミュレーションしてみましょう。
講師「さて、XとYの角の大きさを知りたいんだけど、どうすれば求めやすくなりそうかな?
お子さん「・・・補助線?」
講師「補助線!いいね。引くとしたらどこに引こうか。」
お子さん「えっと、Aのところから中心かな。」
講師「どうしてそう思ったの?」
お子さん「円の問題の補助線は中心まで、って習ったんだ。」
講師「そうなんだ。じゃ引いてみよう。」
講師「さて、なんか気づくことはあるかな?」
お子さん「二等辺三角形だ!」
講師「そう。円の半径はどこも長さが等しいからね。」
お子さん「そうか、二等辺三角形ができやすいからなんだね。じゃあ、Xは 25 + 35 で 60°だ!」
講師「その通り!こんどはYだね。」
お子さん「これって『ブーメラン』だよね。Yはこの3つの角の大きさの合計になるんだよね?」
講師「よく知ってるね!どうしてそうなるんだっけ?」
お子さん「ええっと、たしか外角が関係あるんだよね・・・こうやって・・・」
お子さん「こうでしょ?こっちの三角形の2つの35°の合計がここで、こっちの三角形の2つの25°の合計がここ。だから3つの合計がYですっ!」
講師「素晴らしい!(パチパチパチ)」
お子さん「エッヘン!」
ま、今どきお子さんが「エッヘン」と言うかは別として、講師がナビゲート役としてお子さんが解き進めるのをサポートしています。
『ブーメラン』についてお子さんが覚えていましたが、さりげなく理由があやふやになっていないか確認しています。
そして、もしも『三角形の外角定理』まで不安だと思ったら、さらにこの講師は確認を入れるでしょう。
あくまでも考え、解いていく主体はお子さんの方です。
だからお子さんは「解いた」という実感があり、納得感もあるでしょう。
こういう講師に習っているお子さんは、自分で勉強するときも「対話」しながらするようになります。
「えっと、ここがこうでしょ。だったらこれは3になるよね・・・そうそう、だから・・・」みたいな感じです。
自分の中に「もう一人の自分」がいて、その「もう一人の自分」と対話しながら解くんですね。
この「もう一人の自分」は、頼りになる相棒としてお子さんを助けてくれます。
「え〜、だめだよこのやり方じゃ。さっきからずっと同じところをグルグル回ってんじゃん。ちょっと視点を変えてみようよ。」
「ちょっと時間使いすぎてない?テストなんだからさ、他にできる問題を見つけてそっちをやったほうがよくない?」
ときにはこんな助言もくれます。
講師になりたての頃は、皆「教えること」に一生懸命になります。
でも、やがて「教える」というプッシュ型のアプローチから「引き出す」というアプローチに変わっていくのです。
教えて、わからせても、お子さんが解けるようにならなければ意味が無いからです。
だから「わかりやすい先生」の先に、まだ講師には目指すところがあるのだと思っています。
そんなことを考えながら、主催する「名門指導会」の先生方との勉強会を常に続けていこうという思いを強くする春です。
お子さんたち「もう一人の自分」はいるでしょうか。
ちょっと確認してみてあげてください。

算数の『裏ワザ』で隣の子を出し抜くのは楽しいのか

このところ、というか「近年」くらいのレベルで気になっていることがあります。
「先生、この図形の問題は、この辺の比を分数にして3つかけ算すると答えが1になるから、AF:FDは2対1だね。」
こんなことを言う子がいます。
「どうしてそんなことが言えるの?」
と聞くと
「塾の先生が『裏ワザ』って教えてくれたんだ。」
と言います。
「どうしてそうなるかは知ってる?」
と聞いてみると、
「知らない」
メネラウスの定理という高校数学で習う定理を言っているのですが、理由を教えないまま『裏ワザ』として教えてしまうことに不安を感じます。
小学生は高校数学を学んではいけない、ということではありません。
小学生でも中学、高校分野の数学を理解して使いこなせる子はいますし、そういう子に数学を学ばせることに関しては、特に反対の立場ではありません。
一方で、メネラウスがなぜ高校数学分野で教えられるのかを考えると、小学生の段階では多くの子が抽象的なことがらへの理解力が発達途上だからです。
だからまず小学生は、算数という分野で、面積比から辺の長さの比を考えるのです。
平たく言ってしまえば、年令にあった学習、ということです。
それでも中学受験の勉強は、一般の「小学生向け」の勉強よりはずいぶん抽象度の高い学習ではありますが。
では、どうしてそうなるかがわからない『裏ワザ』を使って算数を解いて楽しいのかというと、楽しくないはずです。
算数の本当の楽しさは、『裏ワザ』を使って楽に、早く答えを出し、隣の子を出し抜くといったところにはないからです。
入試で点を取り、合格するためには速く、正確に「正解」を出さなければならないじゃないか、という意見もあるのかもしれませんが、やはり考えずに当てはめて正解を出す「近道」は、受験生であっても取らせてはならない選択肢だと考えています。
子どもたちは「考える楽しさ」を存分に味わうための「素養」を持っています。
その素養を枯れさせてしまわないように、私たち大人は気をつけなければなりませんね。
やはり1つの大きなヒントは、幼少期だと感じています。
「どうして?」「なんで?」を連発する時期は親は手を焼くものですが、そんな時期にしっかり「?」に親が付き合ってくれた子は、安易に『裏ワザ』に頼り切ることなく、上手に付き合えるようになるものです。 

解くこと自体がアクティブラーニング!?2017中学入試問題から感じたこと

2017年の入試について、主宰する家庭教師の名門指導会の講師と振り返る機会がありました。
ざっくりと言ってしまえは、いわゆる難関校、名門校と呼ばれるところは例年通り。
開成は開成らしく、麻布は麻布らしいテストでした。
「アクティブラーニング」という言葉が叫ばれ、やや一人歩きしているようなところもあるように感じていますが、一流と言われている学校には、出題傾向にもブレがないように思います。
まさに解く過程そのものが「アクティブラーニング」なのではと感じます。
麻布や渋幕の理科の問題を見ていると、このような問題を楽しんで解く子が集まってくれば、さぞ理科の先生も授業が楽しいだろうな、とも思います。
「何を知っているか」だけでなく、その知識をどう使うか考え、判断し、問題を解決する。
優れた入試問題はその指南役となり、問題を提起し、興味を持たせ、今持っているものをどう使えばその問題を解決できるか考えさせ、生徒に問いかけます。
自分たちのつけてきた知識を使うと、実は古代の昆虫が巨大だった理由も、恐竜が巨大だった利点と弱点も、説明することができる。そんなことに気づかせてくれるのです。
子どもたちは出題者の意図を考え、出題者の提起した問題を解決するために、今まで自分が得てきた知識、技能のうち何を、どう使えばいいのか、あたかも出題者と「対話」するようにしながら解き進めていきます。
こうして「問題の解決」という喜びを体験したとき「知識をつけていてよかった」と子どもたちは感じ、さらに知識をつけてもっと難しい問題を解決したい、と思うのです。
そんな喜びにあふれた入試問題が、今年もいくつもの学校で出題されている。
大げさではなく、そういう人の体験の積み重ねの先にあるのが、現在のこの世界だと思うのです。
道路も、巨大なビルも、数百人を乗せて長距離飛行する旅客機も、ロケットも人工衛星も、地上400kmに浮かんでいるサッカーコートほどの大きさがある宇宙ステーションも、人が作ったものです。
今年麻布中の問題を喜々として解いた子どもたちがおとなになる頃、どんなものを作っているでしょうか。
どんなことを実現しているでしょうか。
そんなことを考えると、ワクワクしてしまうのです。

日経DUALセミナーで気づいたこと

■2月18日(土)、秋葉原にてセミナーを行いました。

 日経BP社「中学受験 基本のキ!」共著者の小川大介さんと講師を務めさせていただいた、日経DUALさん主催のセミナーだったのですが、いろんな発見がありました。

 あらかじめどんな話をしようかと、できるだけ綿密に打合せをするのですが、いざ現場で話すと、さらにどんどんお伝えしたいことが増えていきます。だからついつい2時間の時間内に収まりづらくなっていくのです(笑)。

 こんなに伝えたいことがあるなら、あらかじめもっと段取り良く話の構成を組んだのに、と我ながら反省するのですが、そんなことから気づいたことがあります。

 

■「伝えること」と「伝わること」は違う

 私は家庭教師としてご家庭に伺い、お子さん、お父さん、お母さんと毎日話をするのですが、たくさん話をすればするほど、「これは言わなくてもわかっているだろう」という過信がなくなっていくということを感じます。それは相手の様子、状態がわかるからで、「このことはこのレベルまで、この言葉で伝えないと伝わらないぞ」と感じながら話すので、あれも、これも伝えたいという欲求というか、必要性が出てくるのです。

 セミナーでは、塾に関してかなり突っ込んだことを話したのですが、塾の授業は「一方通行」になっている場合があります。講師が「伝えること」に夢中になりすぎて、受け取る側の都合、状態に目が配れなくなっているのです。授業の中でひとこと、ある言葉を端折っただけで、子どもはわからなくなるのです。いや、子どもだけではないですね。大人の目からはそういう状態の講師は「訳の分からないことを言っている人」と映るでしょう。

 

■端折らずに、具体的に伝える

 親子の会話ではそこまでひどい状態は少ないかもしれませんが、でもついつい「端折る」ということをしてしまいがちです。あまりにも近い存在なので「これくらいは伝えなくてもわかっているだろう」と考えてしまった経験は、私にも多々あります。

 今日のセミナーでは、一週間のスケジュールを立てるにも、志望校を決めるにも、お子さんとしっかり、時間をとって話をしましょうという話をしたのですが、話をすればするほどスケジュールは実行可能なものに近づいていきます。親のフラストレーションが溜まる原因は、実はお子さんのせいではなく、お子さんに伝えていないのに「やってくれるはず」と感じるところにあります。

 親子だけでなく、夫婦でも友人でも、具体的に伝えるというのは大切で、とても効果があることです。

 他人同士だとできることが、とても親しい存在の、本当に大切な人相手だと、ついつい相手に甘えてできなくなる。

家族ですからそういう優しさも心地よいものですが、ちょっと意識して「具体的に伝える」ということを実行すると、ちょっと生活が変わるかもしれませんね。

 

 

6年生 入試に臨むとき大切なこと

いよいよ明日から東京、神奈川の入試が始まりますね。
御三家など主要中学校の出願数は、昨年の最終とくらべると微減くらいの学校が多いようですが、厳しい戦いであることは変わりませんね。
さて、入試を控え、テストを受けるときの注意点を、あらためて整理しておきたいと思います。
■当日焦らないため、万全の準備を
受験票、筆記用具など「絶対に忘れてはならないもの」以外にも「あると便利なもの」「学校によって必要となるもの」にも注意が必要ですね。
試験会場は多くの受験生が集まるため、体調が悪い子も中にはいるということで、マスクがあると良いとはよく言われます。
コンパスや分度器は学校によって必要なところもあります。入試期間中は1つの入れ物に入れ、カバンの中に常備すると良いと思います。
学校によって上履きが必要な場合もあります。注意しておきましょう。
ハンカチやミニタオル、ポケットティッシュなども役に立ちます。多くの親御さんは使い捨てカイロを持たせるようですね。
教室の中の温度は予想ができません。着脱しやすい服装を、というのも定番です。
服装や持ち物に関しては、私も主任相談員を務める「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」のこちらの記事が詳しいので、ぜひ参考にしてください。
■テストの「受け方」も再度チェック
得点につながりやすいテストの「受け方」に関しても再度チェックです。
以前も述べましたが、テストの「注意事項」をしっかり読むこと。学校によって算数の円周率なども問題ごとに示されていたり、表紙に1箇所だけ示されていたり、いろいろです。円周率は3.14が多いですが、違った数値が指定されていることもあります。
また、裏表印刷かそうでないのか、冊子のようになっているのかいないのか、過去問でチェックはしていることと思いますが、テスト開始時に確認するよう、お子さんに教えてあげてください。
私はよく学習について「納得」「考える」ということが大切とお伝えしていますが、入試本番ではそれらと並んで「点を取ること」が重要です。わからない問題も、空白のままて出してはいけません。
空白の解答欄を残してはいけない理由はいくつかありますが、最大の理由はもちろん「空白の解答欄は得点になる可能性がない」ということです。特に選択問題などは絶対に空白で出してはいけません。わからなくても最後には何かを書いて出す、というのが鉄則です。
空白の解答欄がいけない理由は、答えを書く位置をずらしてしまう可能性があることです。わからない問題を空白にして、その欄に次の問題の答えを書いてしまうことがあるのです。問題数の多い学校では要注意です。
その他気持ちの面でのアドバイスとしては「緊張しているのは自分だけではない」と考えることです。みな、自分と同じように緊張している、そう考えて「条件は同じだ」と思うようにしましょう。深呼吸は気持ちを落ち着かせるのに効果があります。深呼吸では吸うことばかり意識しがちですが、逆に息をしっかり吐くことを意識すると良いでしょう。
■最悪「何か」あってもなんとかなる
何よりいけないのは親が焦ってしまうこと。親の焦りは子どもに伝染するものです。最悪「何か」があってもなんとかなる、くらいに考える落ち着きが親には必要です。そのためにしっかり準備しておきましょう。
試験会場、学校の近くのコンビニの場所もチェックです。最悪の場合でも、筆記用具や防寒、飲み物、大抵のものは揃います。
普段は水曜日か木曜日に更新することが多いのですが、明日に備えて1日早くの更新です。
受験生の皆さん、色んな要素で受験の結果は決まりますが、何より信頼できるのは過去の皆さんの努力にほかなりません。逆に、どんなに努力してきていても「もう少し努力すればよかった」と思ってしまうのも受験です。
みんなそうなのです。
自分のこれまでの努力を信じて、乗り切りましょう!

渋谷でセミナーを行います

2月8日(水)、渋谷でセミナーを行うことになりました。
■6年生になる前から不安を抱えるご家庭も
塾での新学年を迎えるこの時期、難度が上がる塾の授業、増える宿題などに不安を抱えているご家庭が多いからです。特に進学塾の6年生がやらなければならないことは膨大です。不安になるのも致し方ないといったところでしょう。
たとえばサピックスのカリキュラムは、基本的に「進み続ける」スタイルです。カリキュラムの呼称上、同じ単元は出てきますが、内容は確実に進んでいます。学習塾の中でもっとも「ムダがない」ともいえます。この「ムダがない」カリキュラムに、6年生になる前の段階で「すでにまわらない」と感じているご家庭も多く、そんな方たちのために「やるべきこと」の整理のしかたをお話しすることになったのです。
近年の中学受験では「選択と集中」を迫られることが多くなっています。あまりにも塾から与えられる課題の負担が多いからです。
サピックスでは「まわらない」のがふつうで、ラクラク乗り切っているお子さんはほとんどいません。
コツコツとがんばってマンスリーテストで点が取れるようになってきたものの、組分けテストでひどい成績をとってしまい、子どものモチベーションが下がってしまった、というご相談は枚挙に暇がないほどです。
なぜこんなにも中学受験はストレスの多いものになったのでしょう?
■塾テキストが「膨大」になる理由
1つの理由に、どうしても塾の教材は「あれもこれも」になってしまいがちだということがあります。
「これだけやっておけば大丈夫」
というものを作ろうとすると「一昨年開成で出題されたあの問題パターンも」「念のためにこっちの出題パターンも」と、重箱の隅を見てしまい、載せたい問題が次々と出てくるものです。
こうやって年々、塾のテキストの情報量は膨大になっていきます。
膨大な量の問題のうち、どの問題をセレクトするかはクラスによって決まります。
下のクラスは基本事項が中心となり、上のクラスは応用問題まで習います。
そして、実力テストは全クラス共通のものを受けることになります。
すると、どうしたって下のクラスの子は「できない問題」があるわけです。
最上位クラスのお子さんが、最大限そのメリットを享受できる仕組みになっているのです。
では、その「仕組み」の中でどうやって成績を、クラスを上げていくか。
ここで、「やるべきこと」を選んで優先順位をつける必要が出てくるのです。
セミナーでは、この部分に焦点を当ててお話ししようと考えています。
参加ご希望の方は、私が運営する名門指導会のメールマガジンをとってくださればご案内が配信されるはずです。
よければご登録ください。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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