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ブログ更新が間延びしてしまいました。
小学校がお休みの夏期講習期間は、私自身普段よりも多くの子ども達の指導をしたり、
普段より多くの授業を受け持っている関係で、なかなかブログの更新が進みません。
お伝えしたいことは山ほどあるのですが。
申し訳ありません。
お盆休みは、体験知識を豊かにするチャンスです。
小学4・5年生の夏期講習の前半がほぼ終了ですね。
6年生はお盆の時期でも講習が続く塾が多いのですが、小4・5年生の夏期講習は一時中断、1週間弱のお休みになります。
この時期に、家族旅行を予定されていることも多いのではないでしょうか。
この時期の家族イベントは、親子のコミュニケーションを見直したり、子どもの体験学習の幅を広げたり、
気分転換を図ったり出来る貴重なチャンスです。積極的にご利用ください。
このお盆休みは、講習前半の復習のチャンス
普通、講習では3日に1単元というハイペースで授業が進みます。
普段は1週間に1単元ですから2倍以上のスピードです。
ちょっとした体調不良や行事があるだけで復習が回らなくなります。
また、「とりあえずこなすだけ」の学習になりがちなのです。
積み残してしまった分は、このお盆休みを利用して消化しておくことをおすすめします。
その際に一番大切なのは、優先順位を決めること。あれもこれもと欲張りすぎないことです。
どの教科を優先するか、
どの単元を優先するか、
どの項目を優先するかを子どもと相談して決めてあげてください。
たとえば、サピックスの小5生の場合は、算数で「比例式の計算」「比の利用」が入ってきました。
この単元は、今後の算数の伸びを左右する大切な部分です。
ちょっとでも不安があれば今のうちに訓練しておく必要があります。
また、四谷大塚の小4生では、昨年まではほとんどが復習単元ばかりだった夏期講習ですが、
今年は予習単元がかなり入ってきました。
上位クラスの2学期授業では、一度習っていることを前提に授業が進んでいくものと思います。
ですから理解し切れていない単元は、基礎部分だけでかまいませんから、しっかりと復習させておいてください。
いよいよ夏の講習が始まりました。小4・5・6年生すべての学年にとって大切な講習です。
今回は、受験の天王山の小6について、夏期講習の上手な使い方をお話しします。
小6生にとって、この夏期講習の目的は2つあります。
1つは、知識の確認・解き方理解の確認・弱点補強などのインプット全般の棚卸し。
2つ目は、今ある知識を最大限に利用して正解にたどり着くというアウトプットの訓練。
1つ目のインプットの棚卸しは、これまでの講習でもそうであったように復習が大切です。
2つ目のアウトプットは、授業の受け方(気持ちの持ちよう)が大切になります。
小6生にとっては、この2つ目が講習の成否を分けます。
これまでに身につけた考え方や知識を利用して必要な点数を確保する練習を始める時期なのです。
講習の授業スタイルは、まず数問の問題演習→解説です。
過去の講習では、解説を集中して聞き理解する事が主目的でした。
でも、小6の夏期講習では、演習時間にどこまで頑張れるかが勝負です。
問題演習を始めて、「難しそう!」「面倒くさそう!」「解けそうにない!」と思ったときは、
これまでは、「解説をしっかり理解して家で復習をしよう。」と思ことが正しい心の動きでしたが、
今回はそうではありません。
「何とかして、1問でも2問でも正解にたどり着いてやる!」と
自分の気持ちを鼓舞することが大切なのです。
特に、難関校を目指している場合は是非とも気持ちのチェンジをお願いします。
開成・麻布・桜蔭・筑駒・駒東・渋幕・渋渋・海城・栄光などの入試問題は、
すぐに解き方が見つかりません。
条件を自分なりに整理したり、図に書き表したり、時には書き並べてみたりしてやっと、
「もしかしたらこうすれば解けるかも!」と見つかることが普通です。
淡白な解き方から執念を持った解き方に変えて下さい。
その時の自分への声掛けは、
「鮮やかで無くてもいい、ダサい方法でも良いから、何とかして正解を出してやる!」です。
小6生には、授業教材の復習以外に多くの宿題が出されていると思います。
サピックスではコアプラス、日能研ではメモリーチェック、
四谷大塚や早稲田アカデミーでは4科のまとめの暗記が多量に課されていることでしょう。
これらの課題は、インプット全般の棚卸しにおいて非常に大切です。これもがんばってほしいのです。
授業の復習に多くの時間を割かれてしまうと、この時間が確保できません。
執念を持って授業内演習を頑張り、その結果として復習時間を短縮する。
それによって基礎事項の暗記時間を確保することが可能になります。
授業中にがんばって、家庭学習の負担を減らす。そんな気持ちで講習に参加して下さい。
ここ数週間、問い合わせが増えています。
毎年,
休み前は問い合わせが増えるのですが、今年は例年以上に多いように感じています。
たぶん、私の本が出版されたり雑誌記事をご覧になる機会が増えたからだと思います。
的確なご返答をする責任を強く感じています。
お寄せいただく相談の中で非常に気に掛かることがあります。
それは、いろいろな塾をさまよっていらっしゃる方が多いことです。
まずある大手塾、その後地元塾や単科塾、そこも合わずに別の大手塾。
塾を変わるたびにペースをつかむのに時間がかかり、
カリキュラムの抜けを学習する間もなく次々と単元が進み、
そうこうしているうちに成績が下がってしまっている、そんな方が多いのです。
塾のメリットは、ちゃんとしたカリキュラムがあることです。
単元の進行表であるカリキュラムリスト、
それに基づくテキストとテストがカリキュラムの総体です。
そして、それはほとんどの子どもにとって、
単元が欠たりレベルが低すぎたりしないように作られています。
また、ものすごく出来る子にとっても飽きないようにも作られています。
だからこそ、多くの生徒にとってレベル的にも量的にも過剰になります。
一方、塾の授業スタイルは、ほとんどの塾は大量演習繰り返し学習型です。
ある大手塾などは、典型的な裏技多様型の暗記算数です。
基礎知識が不足していたり、基礎的な処理力が不足していれば、
(実は、このような子どもが多いのですが)解く順序だけを覚えてそれに当てはめようとします。
なぜそうすれば解けるのか、その式で何が出たのかが分からずに進んでいくことになります。
「なるほど」という納得がないまま進んでいくのですからすぐに忘れてしまいますし、
少しでも文章が変わったり条件を変えられると解けなくなってしまいます。
塾で伸びていくためには、繰り返し学習する場合でも、
いつも「なぜそうなるのか」「その式で何が出たのか」「次はどうできるのか」と、
一つ一つを納得しながらやっている子です。
塾をさまよっていらっしゃる方の話を聞いていると、次の2点が気に掛かります。
・我が子の何が不足しているのかがピックアップされていない。
授業を聞く力・板書を書き取る力・文章を読み取る力・暗算力・筆算力・語彙力・・・・・・など、
基本部分を検証する必要を感じています。
・「何を」勉強しているのかはある程度掌握されているが、
「どのように」勉強しているのかに注意を払っていらっしゃらない。
たくさんの課題や宿題をあたふたと「こなしている」だけの子が多いのです。
算数では、図や式をちゃんと書いているか。一つ一つの式で何が出たのかに注意を払っているか。
国語では、長文をしっかりと読んでいるか。設問の文章を一つ一つの単語に注意しながら読んでいるか。
理科や社会では、問題を解く前に、説明を読んで理解し、覚える時間をとっているか。
その子と塾の相性は確実に存在します。
だからといって、その塾のすべてがその子に合っているなんてことは、絶対にありません。
先生との相性はいいのに宿題が多すぎるとか、
テキストは良いのに教え方がわかりにくいとか、
解き方は見事なのに速すぎてついて行けないとか。
その塾の良いところを上手に使いながら、我が子に合わない部分を修正していく必要があります。
そして、必ず何らかの方法があるものなのです。
ご相談をいただいたときには、できる限り具体的にそして細かいことをお聞きすることになります。
その内容をもとに、私の頭の中でお子さんのイメージを作ってお話しするようにしています。
塾を変わろうかと思っていらっしゃる場合は、それが良い結果を生むことなのかそうでないのかを
一緒に考えさせていただければと考えています。
今、大手塾のほとんどで「割合」の単元が進行中です。
この割合の単元は、今後習う比の単元の基礎になります。
また、速さの単元の基礎にもなります。
この「基礎」には2つの意味があります。
1つは、今後習う問題を解くための感覚、もう一つは技術です。
この感覚で大切なことは2つです。
・「何が何の何倍か?」をとらえる力。
割合とは、かけ算なんだ。
これがストンと腑に落とすことが出来れば、割合はわかったことになります。
ところが、割合を教えるときに、よく使われるのが「割合の3用法」です。
(比べられる量)=(元になる量)×(割合)
(割合)=(比べられる量)÷(元になる量)
(元になる量)=(比べられる量)÷(割合)
この3つです。
この3用法の丸暗記から入る教え方では、感覚が身につきません。
ところがこの公式を暗記させて、当てはめる方法で解かせている講師が多いのです。
・かけた結果が小さくなる場合が多いことを当然と感じることが出来る。
これまで、かけ算をすると元の数よりも大きくなりました。
3をかける、12をかける、3.2をかける。
1より大きな数をかけると、元の数よりも大きくなりますから、これまで整数や1より大きな小数のかけ算ばかりをやってきた子どもたちが、
「かけると元の数より大きくなる」と思うのは当然なのです。
ところが、割合で現される数字の多くは1未満です。
かけたのに元よりも小さくなってしまったという違和感で立ち止まってしまっている子どもが多いのです。
たとえば、割合の導入時においては次のような方法が有効です。
「Aの30%が360です」という問題の場合、「Aの0.3倍が360だ」と頭のなかで翻訳させます。
それを「□×0.3=360」の逆算の式で解かせることを繰り返していると、割合の理解は進みます。
応用部分の技術としては、線分図が大切です。
割合の線分図では、
・割合数字は、必ず○や□で囲む。
・複数本以上の線分図が必要な場合は、端をそろえる。
この2つが大切なのです。和差算で書いてきた線分図よりも、複雑になります。“
線の上には○や□で囲まれた割合数字、下には実際の数字”という使い分けが必要になるからです。
これまで以上にわかりやすく線分図を書く技術が大切になります。
・フリーハンドで横線をまっすぐに引く技術
・複数本以上の線分図を引く場合、その間に書く数字の数を予測して、間隔を調節する技術
・読みやすい数字を線分図に書き込んでいく技術
つまり、“ちゃんと線分図を書く”ことが大切なのです。
式や計算だけで問題を解くことが習慣になってしまっている人は、この単元で「図を書いて考える」習慣を是非取り戻してください。
小4生 応用学習の大切さ
進学塾に入るのは、新小4生になる時期(小3の2月)からが良いと言い続けています。
その理由は2つあります。
(1つ目)
進学塾のカリキュラムが本格的に始まるからです。
大手を始め、地域密着型の小中塾でも中学受験を中心に授業を行っている進学塾では、
小4から小6までの3年間をかけて、受験に必要な知識や考え方を完成させていく
カリキュラムを組んでいます。
小4の1年間で習う内容は既に本格的な受験内容といえるものです。
入塾が遅れれば遅れるほど追いつくのが大変になります。
(2つ目)
受験に必要な応用学習が可能になる年齢に達するからです。
小学校の低学年までは、まだまだ具体的なものしか理解できません。
リンゴとミカンであれば理解出来たものが、牛肉と豚肉になった途端に分からなくなることが
しょっちゅう起こります。
AとBというように記号にするともっと分からなくなります。
大人には理解しづらいことなのですが、抽象的な事柄を理解できる年齢でないことが原因です。
また、自分とはまったく感じ方が異なる他人が存在していることも切実には感じてはいません。
友情・愛情・悲哀・慟哭・信頼というような抽象言語も理解できることが少ないのです。
小学校の低学年(小3あたりまで)は、幼い全知全能感の中で生活しているのが普通なのです。
それが、小4生あたりから他人を意識することが出来るようになります。
例えば、他人の立場にたって考えたり感じたり出来るようになります。
友達との比較も始まります。
「9・10歳の壁」という言葉をご存じのことと思いますが、
この言葉は、幼い全知全能感に支えられた自己肯定感が、他人や仲間や友人を意識することで
崩れやすいことを言い表しています。
また、一方で抽象的な事柄を急激に理解し始めます。
もし〇〇したら□□になる、というような一手先を考える力も身についてきます。
受験に必要な考える力(応用する力)がやっと備わってくる年齢です。
受験内容の先取り学習の効果が現れにくいことは当然なのです。
この時期に身につけたい応用力は3つです。
1 今分かっていることから、次に何が分かるのかと「一手先を想像する力」。
2 この答えが出るためには何が分かれば良いのかと、「一つ戻る力」。
3 これがそうだったらあれもそうではないかと「一般化する力」。
この三つの力は物事を納得する力と言い換えることも出来ます。
また、子どもの頭の中で回る言語(内語)で感じたり考えたりする必要がある事柄です。
また、納得の感情とは、新たな知識や考え方が、過去に自分の大脳に収納した知識や考え方にふとつな
がる際の快感(だと私は思っています)です。
「なるほど!」と感じることが出来るチャンスを出来るだけ多くする必要があります。
例えば、植木算の場合
「(距離)÷(木と木の間隔)+1」という公式は納得の感情を引き起こしてはくれません。
自分の指を出してみて、指は5本あるのに指と指の間は4つしかないと気付かせることから始めて、
木が100本あれば間の数が99であることを気付かせる(一般化)必要があります。
また、「和差算」においても、「(合計-差)÷2」と覚えさせるのではなく、
線分図を自分で描き、
「この出っ張りを切り取ったら、同じ長さの線が2本になる」ことを納得する必要があります。
ところが、小4生の場合は、「とりあえず解き方を覚えておこう」という学習でも
ある程度の点数をとることが可能です。
記憶力に優れた子どもの場合は上位の得点すらとれてしまうことがあります。
それに味を占めて「とりあえず覚える」学習を繰り返していく中で、
丸暗記の学習が習慣化してしまいます。
これが、小5や小6になったときに失速してしまう大きな原因です。
そうならないように、親御様の方で気をつけてあげてくださいね。
各塾ともに、小4の授業が始まってから3回から4回の組み分けテストが終わった時期ですね。
順調に学習は進んでいますでしょうか。
受験勉強が本格的に始まって3ヶ月。この時期の学習方法がこれからの学習の基盤になります。
今回は、これから伸びる子にするための学習方法をお話ししていきます。
今回は、「基礎学習の大切さ」について、次回は「応用学習の大切さ」について書いていきます。
□基礎学習の大切さ
「基礎学習とは、読み・書き・そろばん(計算)」のことです。
それぞれにてついてお話ししましょう。
※“読み”について
音読・黙読ともに大切なのですが、これらの読み方の形態への注意だけではなく、
精読の習慣に目を向けることで、成績アップのきっかけになることが多いのです。
例えば、国語の読解問題において本文を読む習慣が身についたにも関わらず、
点数が伸びない子が多くいます。
必要なところに傍線がちゃんと引いてある。
内容を尋ねてみるとほぼ理解できている、にもかかわらず問題が解けていない。
こんな状態の原因の多くは、問題文(設問)の読み方の甘さです。
「筆者が―②で述べた内容について、その理由となる事柄を文章の後半から探し、
文中の言葉を使って40字程度で答えなさい。」
この程度の長さの設問でもポイントは4つも有ります。
1「筆者が―②で述べた内容について、その理由」が質問ですから、
答えの文章の最後は「~だから。」となることを確認しておく必要があります。
2 「文章の後半から探し」とありますから、傍線の近くにあるのではなく
後ろの方にあるというヒントだととらえることが大切です。
また、傍線②の内容が論旨や主題に近い場合は、段落の構成上、
“起承転結”の“結”の段落に書かれているというヒントなのかもしれません。
3 「文中の言葉を使って答えなさい」の意味を理解することです。
書き方の指示は、大まかに次の3つです。
・「抜き出しなさい」は文字通り、本文の一部を一語一句変えることなく抜き出す必要があります。
・「文中の言葉を使って答えなさい」は、文章中にほぼそれらしい答えがありますが、
「そのまま抜き出すのではなくて、順序を変えたりつながりを変えたりして分かりやすい文章にしなさい」
という意味です。
・単に「答えなさい」や「まとめなさい」は、自由記述ということになります。
文章中から言葉を探してくるだけではなく、適切な言葉を頭の中からひねり出す必要があります。
4 「40字程度」という字数制限を確認する必要があります。
字数制限には、「40字以内で」「40字で」「40字程度で」の3つがあります。
この問題は、「40字程度」ですから、少し短くても長くても良いことになります。
このように、問題文を精読(深読み)する習慣を身につけるべき時期に入ってきました。
算数においても、読みは大切です。
“3行の壁”という言葉をご存じでしょうか。
これは、文章題において3行を超えると途端に解けなくなったり放棄してしまったりする子どもが
増えることを言いあらわした言葉です。
算数を正確に解いていく際に大切になるのは、
「何が分かっているか」(仮定)と
「何が聞かれているか」(結論)を
はっきりさせることです。
ところが曖昧に読んでいる場合は、仮定が3つ4つと増えてくるととらえきれません。
「太郎君と花子さんの分速が分かっているんだ」
「花子さんが6分早く出たんだ」
「花子さんは4分後に引き返したんだ」というように、
仮定を一つ一つ念押ししていくような読み方が大切になります。
そのような読み方をしていると、自然に下線を引くようになっていくものです。
そうなれば、仮定が4つ5つと増えてきても大丈夫です。
※“書き”について
書く作業は一生続きます。記録を残す、人に伝達する、思考をまとめるなど書く意味合いは大切です。
そして、学習においては効率が大切です。
“読みやすい文字や数字をスピーディーに書く”ことが大切です。
それには、漢字練習や計算練習において、読みやすく書くことを意識してやっていく必要があります。
式を書かなかったり、板書を写し取らなかったりという、一見面倒くさがり屋に見える行動の原因が、
実は書き慣れていないことであることは多いのです。
漢字や熟語の学習時には、必ず書きながら覚えること。
計算練習時においては、同じ大きさの数字を縦横そろえて書き並べていく。
そして、毎日続けることが大切です。
※“そろばん(計算)”
四則混合計算やその逆算が苦手な子どもが多い時期です。
四則混合計算は意識的に多く練習してください。
また、もっともっと基本的な計算も大切です。
例えば、25×16を計算する際に、そのまま筆算するのではなく、
25×4×4だから100×4=400とできるようなちょっとした工夫です。
それには25×2、25×3、25×4、25×5・・・・、
15×2、15×3、15×4、15×5・・・・、
12×2、12×3、12×4、12×5・・・・を覚え込ませてしまうことが有効です。
また、〇÷0.5は2倍することや、〇÷0.2は5倍することと同じになることも大切です。
毎日15分~20分程度の計算練習を続けてほしいのですが、
工夫の跡が見えるかどうか時々親御さんの方でチェックしてあげてください。
この時期に、計算のスピードをあげて正確さを高めておくことは、
今後の学習において大きなメリットになります。
このような基礎学習は、学習の基礎体力に当たるものです。
少量ずつ、でも毎日やっていかせるようにしてください。
次回は、「応用学習の大切さ」についてお話ししていきます。
このブログや教育雑誌や書籍の中で、「志望校別日曜特訓」が大切だとお話ししてきました。
この日曜特訓の資格判定テストが間近に迫っています。
この資格判定に向けての学習方法をお伝えしたいと思います。
1 あと何点を上げるのか。目標点数をイメージする。
入試もそうですが、点数が高いほど良いわけですが、現状とあまりかけ離れた目標設定は
子どものやる気を削いでしまう結果になりがちです。
志望校に該当するコースに合格するために必要な点数を考えて目標を設定してください。
2 各教科の必要な点数を予想する。
目標点数を各教科に割り振っていきます。普段のテストの点数を参考にしながら、
算数はあと10点、国語はあと5点、理科はいつも通り、社会はあと10点、
このようにここ数週間という短い期間に上げるべき点数を考えていきます。
この点数計算は、入試本番で非常に重要になってきます。
3 目標の点数にするには、「何を」、「どのように」、「いつまでに」やるのかという
スケジューリングを行う。
例えば、
サピックス生なら
(算数)デイリーサピックス〇〇回、〇〇ページの〇番と〇番
マンスリーテスト〇月と〇月の大問2番の間違い直し。
(理科)デイリーサポート〇〇回
(〇ページから〇〇ページまでの★★を解く。その後、計算で解く〇〇ページの〇番を解く)
日能研生なら
(算数)カリテ第〇回共通問題の中で、正答率40%以上なのに間違っている問題の解き直し。
本科テキストから平面図形の復習(〇〇ページ〇、〇、〇番)
(理科)苦手な〇〇の単元で+10点とするために、
本科テキスト第〇回の説明の読み直し→重要事項に蛍光ペンで線を引く→覚える→
栄冠テキスト〇〇ページの〇番、〇番〇番を解く。
四谷大塚生なら
(算数)速さの問題であと10点上げるために、実力完成問題集第〇回の標準問題、
〇回の基礎問題。
週例テスト〇回と〇回で正答率50%以上なのに間違った問題を解き直す。
(理科)
力学(第〇回~〇回)の例題を解き直す。
化学計算(〇回~〇回)の例題を解き直す
上記のようにできる限り具体的に決めていきます。
このときに、授業中につけた〇△×が残っていると、もっともっと絞り込んだプランが作れます。
復習すべき単元の中の△印だけをやれば良いことになりますから。
4 ミスを減らすための対策
多いミスは、“読み取りミス”と“計算ミス”です。
この2つが減るだけで大幅な点数アップになります。
読み取りミスを無くすには、
題意となっているところに下線をを引く、
答案用紙に答えを写す直前に、題意となっている下線部分を確認する。
この2つの習慣が大切です。
計算ミスを防ぐには、
計算スペースの予測をすること、
常に読みやすい同じ大きさの数字を書くこと。
このような練習を普段の学習に取り入れる必要があります。
志望校別日曜特訓の資格判定テストを、入試本番の模擬練習ととらえ、十分な対策をとってください。
前回は、「やる気スイッチはない、やる気の階段作りが大切だ」というお話をさせていただきました。
今回は、その声かけの具体例です。
算数で後40点(150点満点で)上げなければいけない状態の時。
※良くない例
(お母さん)「こんな点数で〇〇中学なんてとても無理ね。どうするつもりなの。
あと40点以上上げないと届かないわよ!」
(子ども)「・・・・・」
(お母さん)「塾の復習を2回。計算練習を毎日。基本問題を3回。
練習問題を週テスト前に2回。ちゃんとやってるの。」
(子ども)「だいたい。」
(お母さん)「だいたいだからダメなのよ!どれだけやっているのか今見せなさい!」
これから、どんどんとお母さんのいらだった気持ちが高まっていきますね。
お母さんのキンキン声がそろそろ始まりそうです。
この会話には、良くない要素が2つ有ります。
その1つは、”ダブルバインドの質問”です。
「ちゃんとやっているの!」
この質問に対して、子どもは「だいたい」と答えてしかられました。
もし「やっていない」と答えていればどうでしょう。同じようにしかられたはずです。
また、「ちゃんとやっているよ」と答えれば、
「あんなやり方でちゃんとやっていると思っているからダメなのよ!」としかられたはずですね。
このように、どう答えてもしかられることが、子どもにとって予想出来てしまう質問を、
「ダブルバインドの質問」と言います。
このような質問を重ねていくと、子どもはどんどんと話せなくなっていきます。
亀が甲羅の中に頭を隠していくように、子どもは気持ちを押し殺していきます。
そのうちに、「うるせ~くそばば~!」という爆発も当然起こります。
言うことを聞かせようとして発する言葉が、言うことを聞かない子どもを作っていることになります。
もう1つの良くない要素です。
いきなり、良い点数をとるための話を始めてしまったことです。
あと40点上げる必要があることをいきなり言われてしまうと、
子どもは”途方もない努力”を要求されたと感じてしまいます。
”ちょっとがんばれば何とかなりそう”と感じることが出来る範疇を大幅に超えてしまっています。
※良い例
(お母さん)「マンスリーテストの大問2の小問で8割正解できれば、どう?」
(子ども)「うん、大分上がりそう。」
(お母さん)「どうしたらそうできそう?」
(子ども)「マンスリーの前に、4回分のCランクを説き直そうかな。」
(お母さん)「それいいかも。でもちょっと多くない、Cの△だけでもいいんじゃない。」
(子ども)「そうかな?じゃあ、BとCの△をやってみるよ。」
(お母さん)「偉いわね。それが出来て大問2で正解が3つ増えれば15点も上がるわね。あなただったら
出来そうね。」
(子ども)「うん、やってみる。」
例をもう一つ入れておきましょう。
(お母さん)「テストが終わってから家で解くと出来るのに、テストの時に出来ないのはなぜかしら。」
(子ども)「試験の時は、どうしても焦っちゃって思い出せないんだ。」
(お母さん)「そうね。がんばって勉強しているから学力はついているとお母さんも思うわ。得点が上がるま
でほんの少しのところに来ているように思うんだけれど。」
(子ども)「どうしたらいいんだろう。」
(お母さん)「そうね。いきなり宿題をやるんじゃ無くて復習から始めたらどうかしら。」
(子ども)「でも、そんなことをしていると宿題が終わらないよ。」
(お母さん)「そうね、宿題が多いものね。あっそうだ、塾から帰ってきてすぐに復習するのはどうかしたら、
20分だけ。特に算数の授業があった日。」
(子ども)「う~ん、出来るかな。」
(お母さん)「家に帰ってきてから、少し難しく感じた問題の解き方を2~3問だけお母さんに教えてくれる
だけでもいいわ。」
(子ども)「そのぐらいだと出来そう。」
(お母さん)「お母さんがわかるように説明できれば、その問題は完璧に解けるはずだもの。
週2回とて、1ヶ月で8回、20問ぐらいが完璧になったらテストの点数も上がりそうね。」
(子ども)「じゃあ、やってみようかな。」
このような会話の中で「階段」を作りながら、子ども自身が出来ることを見つけてあげてください。
それとともに、もし実行できたら起こりうる嬉しいことも想像させてください。
前回、応用問題を解くのに必要なのが、「根拠の無い自信」だというお話をしました。
この自信は、自己肯定感を基盤にして現れる物だと考えています。
初見の難しそうな問題を前にして頑張れるか頑張れないかは
、「あきらめずに解かなければ」という義務感よりは、「解けそうだ」いう成功の予感や、
解けた後の快感の予感のほうが何倍も影響が大きいのです。
今、「やる気スイッチ」という言葉が一般化しつつあります。
一般化とは、世の中の多くの人たちが同意し、
それが有ることを前提にした会話が成り立つ状態なのですが、
どうもそんな都合の良い「やる気スイッチ」は無いようなのです。
一昨日と昨日にかけて、ある企業からの依頼を受けて、
子育てセミナーをやらせていただきました。
その事前アンケートにも何件か
「子どものやる気スイッチを入れるにはどうしたら良いでしょうか?」がありました。
やる気を起こさせる魔法の言葉やテキストがあるようにとらえられつつあるように思います。
この子育てセミナーでお話ししたのは、
「やる気スイッチは無い。でもやる気階段がある。」という内容です。
偏差値を20上げるとか、塾のクラスを3つあげるというずっと先の目標に対して、
「志望校に合格するには、偏差値を20上げる必要がある。」とか
「クラスを3段階上げるべきだ。」
という子どもの義務感に訴えかける話をしても効果がありません。
子どもは、途方もない努力を要求されているように感じて、一歩が踏み出せないのです。
子どもは(大人もそうなのですが)”ちょっとがんばれば何とかなりそう”と感じることが出来るときにこそ、
すぐに行動に移すことが出来ます。
「成功の予感」を感じることで、目標に向かう課程すらが楽しそうに感じられているからです。
大目標に対して何何すべき!と説諭するのではなく、
低い階段をいくつか作ってあげることが大切なのです。
子どもにとって「ちょっとがんばれば何とかなりそう」と思える高さにです。
そして、
「〇〇をやってみない。あなたは頑張り屋さんだから出来るとお母さんは思うわ。
それが出来たら〇〇のような良いことがありそうね。」
という言い方をしてあげてほしいのです。
途中に挟み込む、
「あなたは頑張り屋さんだから」とか
「あなたは頭のよい子だから」とか
「あなたは優しい子だから」が大切です。
その一言が子どもに、
「自分はお母さん(家族)にとってかけがえのない存在なんだ」と感じさせてくれます。
それとともに、ちょっとがんばってみようかなという気持ちを起こさせてくれます。
そして、階段を一歩上がろうとする意欲や努力に対してねぎらったり褒めたりしてあげてほしいのです。
その後、少しでも効果が現れれば、
「さすが我が子だ!」と言うようなオーバーアクションの褒め方をしてあげてください。
このように
階段作り
↓
成功の予感を持たせる声かけ
↓
ねぎらい
↓
褒める 認証
これを繰り返してほしいのです。
階段を一歩一歩上がることの快感を覚えた子どもは、自然にちょっと高い階段に挑戦したくなります。
「根拠の無い自信」の強弱は、自分で設定できる階段の高さに関係します。
次回は、この「やる気階段」を作っていく上での
良い話し方悪い話し方について書いていこうと思っています。