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中学受験 ノートの取り方を工夫しよう

私たち講師は、授業の技術を絶えず研くのは勿論なのですが、授業を受ける技術、方法はあまり注目されません。
 
たとえば授業中、生徒に集中して聞かせる授業の技術はいろんな講師が研究しているのですが、先生の話を集中して聞くために、生徒ができることは何かは、聞かせ方ほどには真剣には考えられていないように思います。
 
しかし、自分が学生だった時のことを振り返ったら、よく分かる先生の授業は、その「受け方」まで指導されていたような気がするのです。
 
たとえば、先生が次のことを説明し始めているのに、まだ前のところのノートをとっている子がいます。
 
「先生が話し始めたら、いったん手を止めて前を見なさい」
 
こう言うのは簡単ですが、それを確実に実行してもらうのは工夫が必要です。夢中になって書いていたら、先生が話し始めても気付かない場合があります。また、これを書いておかないと、ここがわからなくなったら先でもっともっとわからなくなる、と考えているかもしれません。
 
子どもは急には止まれないのです。
 
少なくとも、子どもが手早くノートをとれて、気持ちに余裕を持って授業に参加していれば、先生の話をもう少したくさん記憶にとどめて帰ってくるのでしょう。
 
早く、きれいに書けるに越したことはないですが、はじめからそうできるわけではありません。たとえば算数の図形の単元では、自分でノートに問題の図を写して、その図に書き込んで解くことが多くあります。
 
授業中に素早く、きれいに大きく書くことができればいいですが、なかなかはじめからは難しいかもしれません。そんなときは、まずはノートに大きく問題の図をコピーしたものを貼り付けて塾に行くことから始めてみる。
 
そうやってうまく授業が受けられるようになったら、あらかじめ自分で図を大きめに書いて授業に行く。そしていよいよ上達したら、授業で実際に自分で図を書きながら考える。
 
4年、5年、6年と学年を追ってステップアップしていってもいいでしょう。
 
今の進学塾は、子どもにかなり大量の課題を短時間で処理することを要求しますが、それにはじめから対応できないからといって不安にならなくても大丈夫です。
 
自転車と同じで、はじめは誰かに支えてもらいながらでいいのです。そうやって覚えた自転車の乗り方は、すっと時間がたっても忘れないものです。そういう知識をお子さんにつけてあげてください。

中学受験 結果の受け止め方

いよいよ師走になりました。受験生たちも直前期ということで、ずいぶん緊張感が高まってきているのではと思います。
 
お子さんも、お父さん、お母さんも、ここからが頑張りどころですね。体調に気をつけて乗り切っていきましょう。
 
多くの6年生たちは受験校も決まり、過去問なども解いていると思いますが、ここからは学力だけでなく精神力の勝負にもなりますね。お子さんもそうですが、お父さん、お母さんもそうです。
 
お父さん、お母さんは、ある意味戦略的に中学受験を考えておられるかもしれません。もちろん第一志望校に合格するのが最大の目標ですが、万一の時のための準備、つまり次善策もしっかり考えておられるでしょう。
 
不謹慎な話かもしれませんが、受験ですから、可能性としては合格の場合も不合格の場合もあるわけです。そのときの準備をせずに臨むのはやはり危険です。
 
第一志望校に合格できなかったら公立中学校でいい、という考え方も勿論あり、それは否定しません。進学したい中学校が1つしかないという場合もあるでしょうし、近くに私立中学校がそう多くない地域だってあります。
 
でも、首都圏で中学受験を考えていて、私学の中高一貫教育にある程度の価値を見出しているなら、いわゆる「危険な受験」は避けるのがよいでしょう。
 
危険な受験というのは「全滅の可能性がある受験」のことです。勘違いしないでほしいのですが、偏差値的に合格の可能性が高い学校しか受けるな」と言っているのではありません。
 
学校を偏差値だけで評価せず、その学校で6年間を過ごすと何が得られるのか、お子さんを通わせるイメージが具体的に湧くか、といったことを総合的に考え、複数の受験校を選びます。
 
そして重要なのは、どの学校に進学してもみんなが納得、という状況を作っておくことです。繰り返しますが、最大の目標は第一志望校合格です。でも、最悪の場合でも納得できる状況を作っておくことが大切なのです。
 
そして、曲がりなりにも、とわが子のことですから謙遜の気持ちもあるかもしれませんが、必死で戦ってきたお子さんを、褒めてあげてください。どの中学校に進学することになっても、大いにお子さんを労ってあげてほしいのです。中学受験で培った学習習慣や粘り強く解決に向かう力、諦めない気持ちは、将来どんな仕事につくとしても、必ず役に立ちます。
 
そもそも、中学受験をさせる目的は何だったのか。
 
中学受験をさせるのも、できればいい大学に入ってほしいと願うのも、いや、そもそも勉強させることそのものの理由は、お子さんに幸せな人生を送ってほしいからです。親として子育てをする目的にそれ以外のことなんてありません。
 
こうして、そもそも、と考えれば、中学受験の結果が出たときの受け止め方は決まります。
 
ただでさえ、どんどん視野が狭くなっていきがちな時期です。ときどき、お子さんがお父さん、お母さんにとっていかに大切な存在か、ゆっくり考える時間を取りたいものですね。
 

フジテレビ「ノンストップ!」に出演しました

本日朝、フジテレビの情報番組「ノンストップ!」に出演させていただきました。

 

ふだんいろいろな場所でお伝えしていることですが、勉強は机の上のことだけではありません。たとえばご両親が商店をなさっている家の子どもは算数、特に割合の単元の「割増・割引」がよくできるとか、そういったことはまさに日常が学びの場になっているいい例です。

 

しかし、中学受験を目指してお子さんを進学塾に入塾させると、日常生活の中での学習などさせている時間はないと感じるくらいの宿題量に驚くことになります。

 
特に高学年になると講座の数も増え、それぞれの講座の宿題も多く、あたえられたものを全てこなすという前提では無理が出てきます。
 
塾を選び、塾の講座を選び、講座で与えられた宿題の中でも、優先的に取り組む問題を選ぶという考え方が必要です。
 
そんな考え方のもと情報発信を続けているのが、私が主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局  かしこい塾の使い方」です。
 
ここでは、具体的な塾の上手な使い方や学習サイクルの作り方などをお伝えしています。
 
毎週新しい記事が更新され、ユーザーのみなさんに最新の中学受験情報をお届けするため、私もよく取材を受けます。
 
同じく「かしこい塾の使い方」で主任相談員を務めておられる、中核受験専門の個別指導教室SS-1の代表の先生方も、塾を使うという点では多くのノウハウをお持ちで、ホームページの情報更新も頻繁なようです。
 
新年度が迫る時期柄、転塾を検討しているご家庭も多いと思いますが、いい記事がありましたので掲載します。
 
 
 

フジテレビ「ノンストップ!」に出演します

本日朝、フジテレビの情報番組「ノンストップ!」に出演させていただきます。

 

ふだんいろいろな場所でお伝えしていることですが、勉強は机の上のことだけではありません。たとえばご両親が商店をなさっている家の子どもは算数、特に割合の単元の「割増・割引」がよくできるとか、そういったことはまさに日常が学びの場になっているいい例です。

 

しかし、中学受験を目指してお子さんを進学塾に入塾させると、日常生活の中での学習などさせている時間はないと感じるくらいの宿題量に驚くことになります。

 
特に高学年になると講座の数も増え、それぞれの講座の宿題も多く、あたえられたものを全てこなすという前提では無理が出てきます。
 
塾を選び、塾の講座を選び、講座で与えられた宿題の中でも、優先的に取り組む問題を選ぶという考え方が必要です。
 
そんな考え方のもと情報発信を続けているのが、私が主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局  かしこい塾の使い方」です。
 
ここでは、具体的な塾の上手な使い方や学習サイクルの作り方などをお伝えしています。
 
毎週新しい記事が更新され、ユーザーのみなさんに最新の中学受験情報をお届けするため、私もよく取材を受けます。
 
同じく「かしこい塾の使い方」で主任相談員を務めておられる、中学受験専門の個別指導教室SS-1の代表の先生方も、塾を使うという点では多くのノウハウをお持ちで、ホームページの情報更新も頻繁なようです。
 
塾での学年替わりが近づくこの時期、いわゆる転塾を検討しておられるご家庭もあるのではと思います。
 
塾の選び方に関する良い記事がありましたので、参考に載せておきます。
 
 

やる気がでないのは本人の問題?

■「最後はご本人のやる気の問題ですから」

 
こんなことを言う方がいます。いますというか、多いです。一度や二度は塾の先生に言われたことがある方がいるかもしれません。
 
このことばは「いろいろがんばったけど、なんともならないから成績が上がらないのはやる気がないあなたのお子さんのせいです」と言っているのと同じです。
 

なぜお子さんはやる気をなくしているのでしょう?

 

理由はさまざまですが、中学受験を目指す子の場合、はじめからやる気がなかった、勉強が嫌いだったということはほとんどありません。

 

むしろ逆ではないでしょうか。

 

しかも、やる気がないといっても、平均的な小学生とくらべれば、勉強時間も長いはずです。

 

やる気がないから成績が悪いのではなく、頑張っても思うように結果が出ないからモチベーションが下がっているのです。

 

■成績が上がらない本当の原因

 

本当はどうして成績が悪いのか。本当の原因は何なのか。この問いの答えを子どものやる気に求める講師には、相談しても何ら解決しないでしょう。残念ながらスキルや経験が足りないということです。

 

たとえば過去に身に付けておくべき知識がないとか、計算力に問題があるとか、その小さな原因が授業の理解を少しずつ妨げ、結果として大きな差がついてしまうことはよくあります。

 

この成績不振の原因を解決すれば、成績はよくなります。逆に、原因を解決することができなければ、その場はわかったように感じられても、またどこかでつまずきます。

 
塾の授業はよくわかると感じているのに成績が悪い子が多いのは、そのためです。
 
でも、成績が上がっていない原因を解決することは、そうたやすいことではありません。原因を突きとめることも、それを解決することも難しいです。
 
なぜかというと、その原因を直視することが非常に怖いことだからです。
 
たとえば、「お子さんは低学年から高学年になる中で身につけておくべき「整理して考える」という習慣があまり身についていません。だから問題が複雑になったときに対応できないのです。」
 
とお母さんに告げるのは、ある意味残酷なことです。でももっと残酷なのは、その原因を解決しようとしないことです。そして子どものモチベーションの問題にすり替えてしまうこと。
 
ぜひ、先生を探すなら、「よく分かる先生」にとどまらず「成績を上げてくれる先生」を探してください。実はそういう先生は、厳しい先生でも、怖い先生でもありません。
 
■理想の先生
 
その先生はいつも明るくてひょうきんで、子どもを楽しませ、その先生が次に何を言うんだろうと、子どもはワクワクしながら授業を受けています。もちろんそばで見ているお母さんもそうです。
 
そしてその授業の中には「どうして?」が多用されるのです。「なんでそう思ったの?」「どうしてその解き方がいいと思うの?」「こんな問題を考えるとき、どんなふうにまとめたら考えやすいと思う?」「それはどうして?」
 
ワクワクしながら授業を受けていたら、「考える」という習慣がつき、いつの間にか成績が上がってしまう・・・。
 
その先生は子どもができるようになっても、大げさに褒めることはありません。その代わり、すごく嬉しそうな顔をするのです。
 
心底喜んで、感動していたりします。
そして、こんなことを言うのです。
 
 
「こんなことができるようになるなんて、すごいね。」
 
 
これが、私が目指す理想の講師だったりします。
 
 
 
 

暗記型学習から思考型学習へ

■テレビで話せなかったこと
 
先週、テレビ朝日「中居正広のミになる図書館」に出演させていただいた際、繰り返し学習の弊害についてお話ししたのですが、テレビの1コーナーということもあり、あまり多くのことを話すことはできませんでした。放映された内容以外にも、高学年になるにつれて成績が下るお子さんが多いということなど収録ではお話ししたのですが、これも取材やテレビ出演の際、よくお話ししていることです。
 

近年の中学入試、とくに難関校の入試では、「この問題の解き方を知っていますか」というような問題は出題されません。「あなたはこの問題の解き方を見つけることができますか」といった出題なのです。つまり、持っている知識をもとに、組み合わせて、複雑に作りこまれた問題で「何がわかっているのか」を整理し、「あと、何がわかれば問題を解決するための筋道が見えやすくなるか」を、自分の力で考えることが必要なのです。

 

「年齢算の解き方は線分図」と覚えるような勉強を、私は「暗記型学習」と呼んでいます。この学習を小さい頃から続けていると、小学校高学年で成績が下がります。勉強自体が楽しくないというのも、この勉強法の特徴です。 覚えることが主体で、「考える」という要素が少ないからです。

 

「二人の年齢を見やすく比べられたら」⇒「線分図なら比べやすい」

 

だから線分図なのです。今考えたいテーマから考えて、使うべき図は何か。その知識が必要なのです。知識というよりも、反射という感じで一瞬で「比べる」⇒「線分図」が出てくるまでになったら、それが本物の知識で「打てば響く」というのはこういう状態です。

 
■暗記型学習から思考型学習へ お母さんは「3秒ルール」を
 
「◯◯だから△△」と、勉強の中に常に「考える」という要素が増えてくると、勉強は楽しくなります。これが「思考型学習」です。
 
では、お子さんのに「思考型学習」を根付かせるにはどうすればいいでしょうか。
 
1つの答えは、「どうして?」をふだんの勉強の中にどんどん取り入れることです。「どうしてその解き方で解いているの?ちょっと教えてよ。」とお母さんが声掛けをしてあげるのです。あくまでも「質問」として「教えて」という感じがいいでしょう。
 
勉強しているお子さんを横で見ているお母さんは、ついつい「質問」ではなく「詰問」になってしまいがちです。ああ、要領が悪いわねぇとか、もっとああすればとか、横で見ていると、歯がゆさからお母さんの気持が揺れてしまうことがあります。
 
気持ちの揺れが大きくなったな、と感じたら、あえて言葉を発せず数秒間黙ってみる。これがいわゆる3秒ルールや6秒ルールといわれるもので、その数秒の間に、心の揺れはずいぶん収まるものです。お子さんの様子を見ながら、上手に質問して生徒役を演じてみてください。

お母さんの学習履歴と子どもの学習

いろいろなご家庭にお伺いして子どもの学習を見ていると、どうしても普段の学習が気に掛かりま
 
す。そして、普段の子どもの学習スタイルは、お母さんが学習をどうとらえていらっしゃるか
 
に強く関わっていることに気付かされます。
 
「基本問題を3回はやらせているのに点数が上がりません」
 
「テストで間違った問題は、3回解かせるようにしています」
 
このような話を聞くと、なんだか不安を感じるのです。
 
もしかしたらお母さんは、何度も同じ問題を解かせることによって、理解が深まり応用力が身につい
 
ていくものだと信じていらっしゃるのではないかと心配になるのです。
 
中学生や高校生になると、新たに入ってきた知識や考え方は、過去に大脳に収納され
 
た知識や考え方に自然に結びつくことが多いのですが、9歳の壁をやっと過ぎた子どもたちの場合は
 
そうではありません。ばらばらに入ってきた知識は、頭の中でばらばらのまま放置されます。「こ
 
の数字とあの数字を引いてから、ここの数字で割る」というような表層の理解にとどまってしまうの
 
はそのためです。
 
基本問題を3回繰り返すうちに、「なぜかは分からないけれど」こうすれば正解が出せることだけ
 
を覚えます。ところがばらばらに収納された知識は、すぐに散逸してしまいます。
 
その週のチェックテストの時は覚えておくことが出来るのですが、一ヶ月後になると、その後に入っ
 
てきた知識と絡み合って何が何だか分からなくなってしまいます。
 
多くのお母さん方のご自身の学習で一番強く印象に残っているのはたぶん大学受験でしょう。大
 
脳が完成されたあとの学習です。英語を覚え、社会を覚え、古文を覚え・・・。
 
覚えることに集中することで大学受験を成功した方も多いのではないでしょうか。
 
ところが、私立中学上位校受験はそうではありません。大切なのは「納得感」です。最初に習ったと
 
きに、「なるほど!」とか、「あっ、そうか!」という快感がわき上がるような理解です。このとき
 
に、新たな知識は過去に収納された知識につながったのです。このような納得感を持って覚えたり理
 
解した事柄はなかなか忘れません。また、応用することも容易です。
 
「何度も何度も解かせているのに総合テストになったら間違ってしまう」場合、ここで一度、子ども
 
の学習の仕方を見直してあげてください。
 
「なぜそうなるの?」
 
「その式で何が出たの?」
 
と聞いていただくことで、子どもが分かっているかどうかが分かります。
 
間違った学習で子どもが疲れてしまうまでに、学習のやり方を出来るだけ早く変えてあげてくださ
 
い。

入試過去問題演習の肝

入試の過去問題の演習が多くの塾で始まりました。この過去問演習は去年までよりも早く始まりました。「11月からで十分です」と言っていた塾でもすでに始まっています。

志望校別日曜特訓で該当コースがある場合は、その授業で過去問題の抜粋を学習することになりますが、多くは自宅学習に任されています。該当コースが無い志望校である場合は、すべてが家庭学習でこなしていくことになります。

 

入試過去問演習の意味

入試過去問題を解く目的は下記の3つあります。

① 問題の傾向(問題レベル・量・問いの形式・その学校特有の言い回し)になれる。

② 時間配分を練習する。

③ 得点力をつける。

 

①②については、私のブログだけではなくいろいろなところに書かれていますから、今回は③についてお話ししていきます。

 

小6の2学期以降の学習においては、学力を高めることは当然必要なのですが、それ以上に得点力を高めていくことに力点を置いてほしいのです。学力が高まれば当然得点が高くなると思われがちなのですが、実はそうではないことが多いのです。

 

「学力はあるのに得点が稼げない」そういう子が多いのです。

 

・計算ミスをする

・題意の読み違いをする

・使う知識を取り違える

・問題の解きはじめを間違える

・解答の書き方を間違える

・普段だったら思い出せる知識が思い出せない

 

得点力が発揮できない理由は一杯あります。そして生徒一人一人大きく違います。一人一人に対して、正解にたどり着けない原因を1つずつ取り除いていってあげることが大切なのです。また、その作業はその子にとっては、「あっ、これがこのように出来るだけで合格点にこんなに近づくことができるんだ」という、成功の予感を高める効果もあります。

 

これまでも、塾の模試の直しをやってきたと思いますが、この過去問題の直しはより効果が大きいのです。ですから、やりっ放しは是非避けてくださいね。〇×をつけて得点を出しただけで終わり。これでは効果は見込めません。

 

では、どのようにしていくのかを私たちがやっていることを例にしながらお話ししていきます。それは、大雑把に言うと、×の中に潜む正解への糸口を見つけて、それを子どもに体感させることです。そういうときに私が子どもに発する台詞はこのようになります。

「お~い、ここまで考えられてるじゃないか、ここで〇〇をするだけで正解にたどり着けたじゃないか、もったいないと思わないか!」

 

「いい線いってたね。そこまで考えたんだったら書くのを面倒がらずにこれとこれをメモしていればその先に気付いたはずだよな。惜しい!」

このような、“褒めながら叱る”台詞です。

 

時には、

「おおっ、3ヶ月前まで覚えていた陽樹と陰樹の区別を忘れちゃったんだね。〇〇のテキストの〇ページを今から3分で覚え直そう。」と言うこともあります。

子どもに、惜しかった、悔しいをいう気持ちを起こさせるとともに、ほんのちょっと注意をしたり努力をするだけで得点を揚げることが出来そうだと感じさせることが大切だと思っています。

 

「40点じゃ合格点に全然届いてないじゃないの、どうするの!」という台詞は子どもに絶望感を与えるだけですからやめてください。実は、今40点でも、やりようによっては4ヶ月後には合格最低ラインの65点にまで上げることは可能ですし、そのような経験を毎年積み重ねています。入試直前まで、一段一段階段を上っていかせる感覚を大切にして、お子さんに接してください。

                             

受験勉強開始までに身につけておきたいこと

近頃、小学校低学年や年長の子どもをお持ちのお母さんからの相談が増えてきました。
 
習い事や家での様子や小学校での様子をお聞きすることから始めているのですが、時には先走りすぎだと感じてしまうことがあります。
 
このブログでも何度かお話ししたように、学習は3段階です。
 
第1段階 生活知識
 
普段の生活の中で身につく知識や身体感覚です。“速く歩けば短い時間で着く” “金属のボールに熱湯を入れると熱くて持てないのに、カップラーメンの容器に熱湯を入れたら持つことが出来る” “二日後と二日目は違う”・・・このような日常生活で感じ取る経験です。多くは身体感覚に結びつき、その後の学習の基盤を作ります。
 
第2段階 基礎学習
 
いわゆる「読み書きそろばん」と言われるものです。音読や黙読を通じて意味をとらえる練習。読みやすい文字や数字をてばやく書く練習、基本的な計算が素早く正確に出来るようにする。これらの基礎学力は単純作業に思われますが、頭の働きとしてみればなかなか複雑です。
 
音読をスムーズにするには、先読みの視線移動が必要です。また、黙読においては、目から入った画像情報を文字情報に換え意味をとらえます。数字を扱う練習では、一瞬数字を頭にとどめておくという作業記憶(短期記憶)の能力が必要です。
 
これらの能力は、今後の学習効率を高める上で大切になってきます。
 
第3段階 応用学習
 
算数の文章題を解けるようになったり、国語の長文の意味をとらえ問題を解くことが出来るようになったり。物事のつながりを理解したり、原因と結果の関係が分かったり、その上でそれらの事項を長期記憶に収納したり。
 
この3つの学習段階は、大まかに時期が分かれています。
 
第1段階の生活知識は、生まれてから小学5・6年生あたりまで。
 
第2段階の基礎学習は、年長から小学4・5年生あたりまで。
 
第3段階の応用学習は、小学3・4年生から。
 
これらのことから、小学校の低学年や年長さんには、第1段階の生活知識と第2段階の基礎学習が大切だと考えています。小学校に入る前から勉強机の前に座らせ続けているようでは、生活知識をや身体感覚が鍛えられません。
 
受験勉強の先取りをむやみにやってしまうと、因果関係を理解する力が育ちません。時期に応じた学習内容と学習スタイルが大切になります。受験時期のご相談だけではなく、年長さんから小学校低学年までの方の相談にも積極的に応じていきたいと考えています。受験勉強の成果大きくするためには、低学年時の正しい学習が必要ですから。

週刊ポスト掲載 宿題代行は「悪」なのか

夏休みが終わって、2学期の授業が始まって1週間がたとうとしています。この1・2週間は生活を切り替える期間です。就寝時間と起床時間の見直しから始めてください。起きてすぐの漢字練習や計算練習が夏休みの間に中断した人は、再開させてくださいね。

 

ところで、今週号の週刊ポストに取材記事が掲載されました。「宿題代行は悪なのか 識者8人と業者が誌上対決」という部分です。8人の識者の一人として意見を述べさせてもらっています。宿題代行がそんなに繁盛しているとは、ちょっとびっくりです。

 

取材の中で話した内容が、簡潔な表現で忠実に反映されていて、雑誌記者さんの文章力ってすごいなと感じています。取材があった2日後には既に記事に仕上がっていましたからそのスピード感にも驚いています。

 

私がお話しした内容は、「宿題には、教育的な側面と学習的な側面があること。」「自由研究などの、時間がかかる宿題をやり遂げることで、スケジュール管理やプロセス管理の練習ができること。」です。それ以外に、の話をしたのですが、その部分はスペースの都合と記事の趣旨の面から省かれたようです。今回は、記者さんにも話した受験に役立つ自由研究のお話しを書いていきたいと思います。夏休みが終わってしまいましたから、来年の夏休みの対策だと思ってください。

 

 

例えば、子どもが社会を苦手にしているとしましょう。しかもちゃんと勉強しているにも関わらずにです。その原因の多くは、ストーリーの中で理解したり覚えたりが出来ていないことなのです。地理だと「地名と地図上の場所がつながっていない」とか、歴史だと「出来事の順序や関係が理解されていない」のです。このような症状を一気に解決することが可能なのです。

 

地理が弱い子の場合

模造紙大の大きな紙に、日本地図を書いて、山脈・平野・川・盆地・都市名・・・を書いていきます。周りの空きスペースに、特徴がある地方の産業を簡潔にまとめていきます。参考書にある写真や絵をカラーコピーして貼っていけば、見栄えも良くなりますし記憶の基点にもなります。

 

歴史が弱い子の場合

障子紙を幅30cmぐらいに切ってつなげていきます。5mぐらいの長さにしておいて、それに年表を書いていきます。項目は、年号、出来事、備考です。出来事は政治的なことと文化的なことに分ければより効果的です。それが書き上がれば、和装具店に行って巻紙の芯や表具を買ってきて、秘伝書の巻紙イメージで完成させます。こうすることで、出来事の順序や関係が自然に身につきます。

 

それ以外にも、いろいろあります。

語彙力を増やしたい場合は、

「僕が作ったクロスワードパズル初級編・中級編・上級編」などはどうでしょうか。

自分でクロスワードを作るには、言葉の意味を正しく知っていなければ不可能です。

作ったクロスワードパズルに、お父さん、お母さんに挑戦してもらうのです。

これなら作るほうも力が入るでしょう。

 

 

理科好きな子どもの場合は、

「重曹だけで作ったチョウまずいドーナッツ」はどうでしょう。

小麦粉・水(牛乳)・バニラエッセンス・砂糖をドーナッツの生地に練っておいて、ベーキングパウダーの代わりに重曹を使います。重曹を入れていない物・重曹を小さじ一杯入れた物・2杯入れた物の3種類を作ります。これを揚げるのです。重曹が入ってない物は全く膨らまずに不味そうです。重曹を2杯入れた物はふっくらと膨らんでいかにもおいしそうです。そこで、それぞれをちょっとだけかじってみましょう。そうするとおいしそうに見えたドーナッツは苦くて食べられたものじゃありません。(たくさんは食べさせないでください)不味そうに見えたかちかちのドーナッツは、クッキーのようで以外においしい。

そんな体験をしておいて、ベーキングパウダーの成分表を見ます。そうすると、重曹・酸化剤・・・と書いてあります。重曹(炭酸水素ナトリウム)が加熱されて、二酸化炭素を発生して炭酸ナトリウムというアルカリ性の強い物になって苦くなりますから、それを中和するための酸化剤です。

だったら、重曹を入れるときの酸化剤として、お酢だったら、レモンの絞り汁だったら・・・・と実験の幅が広がります。これは、中学受験にとって大切な化学範囲の有効な経験になります。

 

このように、一見受験勉強にとって邪魔に見える夏の自由研究も、工夫次第で受験に有効な学習に変えることが出来ます。

 

これを読んでいただいた方は、これをプリントアウトしていただいて、来年の夏までとっておいていただければと思います。                                                

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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