ここ数週間、問い合わせが増えています。

毎年,

休み前は問い合わせが増えるのですが、今年は例年以上に多いように感じています。

たぶん、私の本が出版されたり雑誌記事をご覧になる機会が増えたからだと思います。

的確なご返答をする責任を強く感じています。


お寄せいただく相談の中で非常に気に掛かることがあります。

それは、いろいろな塾をさまよっていらっしゃる方が多いことです。

まずある大手塾、その後地元塾や単科塾、そこも合わずに別の大手塾。

塾を変わるたびにペースをつかむのに時間がかかり、

カリキュラムの抜けを学習する間もなく次々と単元が進み、

そうこうしているうちに成績が下がってしまっている、そんな方が多いのです。


塾のメリットは、ちゃんとしたカリキュラムがあることです。

単元の進行表であるカリキュラムリスト、

それに基づくテキストとテストがカリキュラムの総体です。

そして、それはほとんどの子どもにとって、

単元が欠たりレベルが低すぎたりしないように作られています。

また、ものすごく出来る子にとっても飽きないようにも作られています。

だからこそ、多くの生徒にとってレベル的にも量的にも過剰になります。
 

一方、塾の授業スタイルは、ほとんどの塾は大量演習繰り返し学習型です。

ある大手塾などは、典型的な裏技多様型の暗記算数です。

基礎知識が不足していたり、基礎的な処理力が不足していれば、

(実は、このような子どもが多いのですが)解く順序だけを覚えてそれに当てはめようとします。

なぜそうすれば解けるのか、その式で何が出たのかが分からずに進んでいくことになります。

「なるほど」という納得がないまま進んでいくのですからすぐに忘れてしまいますし、

少しでも文章が変わったり条件を変えられると解けなくなってしまいます。

 

塾で伸びていくためには、繰り返し学習する場合でも、

いつも「なぜそうなるのか」「その式で何が出たのか」「次はどうできるのか」と、

一つ一つを納得しながらやっている子です。
 

塾をさまよっていらっしゃる方の話を聞いていると、次の2点が気に掛かります。

・我が子の何が不足しているのかがピックアップされていない。

 授業を聞く力・板書を書き取る力・文章を読み取る力・暗算力・筆算力・語彙力・・・・・・など、

基本部分を検証する必要を感じています。

・「何を」勉強しているのかはある程度掌握されているが、

「どのように」勉強しているのかに注意を払っていらっしゃらない。

たくさんの課題や宿題をあたふたと「こなしている」だけの子が多いのです。

算数では、図や式をちゃんと書いているか。一つ一つの式で何が出たのかに注意を払っているか。

国語では、長文をしっかりと読んでいるか。設問の文章を一つ一つの単語に注意しながら読んでいるか。

理科や社会では、問題を解く前に、説明を読んで理解し、覚える時間をとっているか。
 

その子と塾の相性は確実に存在します。

だからといって、その塾のすべてがその子に合っているなんてことは、絶対にありません。

先生との相性はいいのに宿題が多すぎるとか、

テキストは良いのに教え方がわかりにくいとか、

解き方は見事なのに速すぎてついて行けないとか。

その塾の良いところを上手に使いながら、我が子に合わない部分を修正していく必要があります。

そして、必ず何らかの方法があるものなのです。

ご相談をいただいたときには、できる限り具体的にそして細かいことをお聞きすることになります。

その内容をもとに、私の頭の中でお子さんのイメージを作ってお話しするようにしています。
 

塾を変わろうかと思っていらっしゃる場合は、それが良い結果を生むことなのかそうでないのかを

一緒に考えさせていただければと考えています。