カテゴリー: ご相談コーナー Page 4 of 9

夏期講習の使い方2 小4・小5編

小6生がハードな夏を過ごすのに比べて、小4・5年生は緩やかです。授業時間も4時間程度です。小学校に通って、その後塾に行っていた1学期中に比べて時
間が充分に取れますね。でも、サピックスと日能研・四谷・早稲アカでは使い方が大きく違いますから注意が必要です。

□日能研・四谷大塚・早稲アカの生徒□

夏期講習カリキュラムのほとんどが、一学期の復習です。そのカリキュラムに従って勉強をしていくと、大まかな弱点補強が出来ます。

 そこで、提案です。

・ この夏休みに、得意単元を作ってしまいましょう。

というのはいかがでしょう。

 「この単元が出たら、テストでは必ず得点が取れる」というお子さんの自信は、今後の学習への大きな励みになりますし、テスト時のミスを防ぐための心の持ちようにも良い影響があります。

1 まずプラン作りです。

 一学期のカリテや月例で、点数が取れていない単元をピックアップします。たくさんの単元で悪い点を取ってしまっているお子さんでも、3?4単元にとどめておきましょう。

 その単元を、日能研テキストや予習シリーズを使って、完全に解き直すのです。その際に、注意いただきたい事があります。それは、難問は省く事です。×をつけて、これはやってはいけない問題ということにしてください。

 やることが決まったら、それを日程表に書き込んでいきます。チェック欄もあればいいですね。くれぐれも、無理をさせないようにしてください。三日坊主を防ぐためです。

2 実行させるときに。

 復習用の新しいノートを用意してください。式や図をノートに書くのは当然ですが、計算もそのノートに書くように指導してください。

「見直しが出来るくらいの丁寧な字で書く」がポイントです。見直しが出来る数字で式や計算が書いてあれば、見直す必要が無いぐらいに、計算間違いは減っています。

□サピックスの生徒□

 夏の間も、どんどんとカリキュラムが進みます。復習や弱点補強に大きな時間は割けません。

 サピックス生の夏の目標は下記の2つのうち1つだけにしてください。

1 夏に習う内容を完全に理解する。

 時間に余裕があるために、復習のやり方に一工夫が出来ます。

その日習ったことの復習だけではなくて、3日前に習った内容の復習も同時にやるのです。

お裁縫で言うと、「半返し縫い」のイメージです。ある日に習ったことは、その日に解き直すだけではなくて、3日後にも解き直すのです。

特に、デイリーチェック
は良いのにマンスリーが悪い、マンスリーは良いのに組み分けが悪い、というお子さんに有効です。

 普段、サピックス生は、デイリーサポートのテキストに直接書き込む事が多いのですが、問題は、裏表の2つしか印刷されていませんから、2回目の復習が出来ません。

この時期は、ノートにやらせるようにしてください。

2 一学期に習った内容の中で、特に苦手な項目を復習する。

夏期の内容の復習は、いつも通り行ってください。

それ以外に、苦手になってしまった単元に十分な時間を割いて勉強するわけです。

一学期のマンスリーで、点数が取れていない単元をピックアップします。

たくさんの単元で悪い点を取ってしまっているお子さんでも、3?4単元にとどめておきましょう。

 その単元を、デイリーサポートを使って、解き直していきましょう。

表、裏ともに書き込みがある場合には、問題のコピーを取って切り貼りしたノートを作る事をお勧めします。

サピックス・日能研の小5 割合の学習が開始

サピックスと日能研で割合の学習が始まりました。どちらも、「割合の3用法」を使えるように考えられたテキスト構成です。

1 (割合)=(比べられる量)÷(元になる量)

2 (比べられる量)=(元になる量)×((割合)

3 (元になる量)=(比べられる量)÷(割合)

という、おなじみのものです。

 

ある、サピックスの小5生の、デイリーサポートには、数ページにわたって大きなバッテンがついていました。このバッテンはどんな意味?と聞いたところ、

「サピックスの先生は、これをそのままやっていると割合がわからなくなるから、やるなと言ったから。」

という返答でした。

初めのバッテンは、第1用法の「(割合)=(比べられる量)÷(元になる量)」だけを使う10問です。次のバッテンは、第2用法だけを使う10問、その次のバッテンは第3用法だけを使う10問です。

 

 思わず、

「おっ!その先生は割合の教え方をよく知っているね。良い先生に教えてもらっていて良かったね。」

と言ってしまいました。

 

割合は、今後、「売買損益」「濃さ」と続き、その後「比」に発展していきます。割合と比を合わせると、入試問題における出題配点の40?60%を占めま
す。割合は、入試算数の肝なのです。その割合の学習の初めに、子供の納得を伴わない公式の利用だけに陥るのを避けるための指示だと、私は理解しました。

 

割合の理解には、2つの納得が必要です。

 

第1番目は、「何が何の何倍か?」という納得です。

 たとえば、「□gの25%は200gです。」という問題は、「200gは□gの0.25倍」と理解する事です。そして、頭の中に、「200=□×0.25」という式が頭の中に同時にできることが大切です。

 

第2番目は、線分図上での大きさの判断です。

 これまでは、何倍かするとほとんどの場合大きくなっていました。でも、これからは、1より小さい数字をかけることになりますから、「掛けたら小さくなっ
ちゃった」というのは、子供にとっては不思議なことなのです。ですから、線分図に表して、その数字に比べて、これから求めようとする数字がどのくらいなの
かを予測させる事が大切です。

 

今週来週は、お子さんが割合で困っていたら、「何が何の何倍なの?」と聞いてあげてください。

サピックスのお子さんがスランプになりやすい時期

3月に、「ご相談シリーズ」として、”勉強しているのに成績が上がらない”を数回に分けて書かせていただきました。

それを読んでいただいた方からの相談が、近頃急に増えいます。

 特に社会科脳の話は、「まるでうちの子を観察して書いてあるみたい」というお声をたくさんいただいています。

 

そして、「うちの子はこの暗記だけの勉強になっている事がよくわかりました。でどうすれば良いのでしょう?」というご相談もたくさんいただいています。

 この「どうすれば」は、これまでに何度か書かせていただいているのですが、それを大幅に加筆訂正させていただいたものを数週間後には読んでいただけるようにしたいと考えています。

 

 今回は、サピックス生が暗記だけ勉強に陥りやすい時期について書いていきます。

 

その時期はいつでしょうか?

実は、いつもです。

 

サピックス生は、いつも「暗記だけ学習」に陥る危険性をはらんでいるのです。(他塾は大丈夫だという意味では決してありません)

 

算数の授業用のテキストは、表と裏に全く同じ問題が印刷されていますね。授業中には表を使って解きます。そして宿題のメインは、授業中に説明を受けた問題を、裏を使って解くことです。

この方法は、頭をしっかりと使って、授業を思い出すようにして解き直すことが出来れば、他塾以上に大きな効果があります。サピックスの算数テキストは、見
事に解き方のパターン事に細かく分類され、難易度順に整然と並べられています。もれている解法のパターンがほとんど無い言っても良いぐらいです。

 

 でも、解き方の順序だけをとりあえず覚えて帰ってきて、それを当てはめて解く勉強を始めてしまうようになると、「暗記だけ学習」が始まります。それがスランプの大きな原因です。

 「危険性はいつもある。」と言いましたが、特にそうなりやすい時期があります。

1 運動会シーズンで疲れやすい時期。

2 学年替わりで、内容が急に難しくなる時期。

3 クラスが上がって授業が難しく速くなるとき。

この3つが要注意です。

 

 どの時期も、「授業内容をしっかりと理解する事が出来ない」事が共通しています。

体が疲れて眠いときには頭が働かずに、理解力が働きません。急に難しくなると、当然わからない問題が増えます。

 このわからない問題を、子供なりに何とかしようとして、「とりあえず、解き方を覚えておこう」となってしまうからです。

 

 お子さんが、塾から帰ってきたときに、「今日の授業はよくわかった?」と、お聞きになっていると思いますが、そのときのお子さんの「ウン」という語調や
表情に注意をお願いします。そして、時には”C”または”☆☆”の問題から数問を選んで、お子さんに解き方を説明してもらってください。これは、スランプ
を見逃さない方法として、非常に有効です。

 また、「この問題は数週間前に出来ていたはずなのに、もう忘れてしまったの!」と親御さんが思われる回数が増えたときも要注意です。

 一度「暗記だけ勉強」になってしまうと、正しい勉強方法に戻すのに数週間から数ヶ月はかかってしまいます。特に、暗記することに「快適感」を持ってし
まっている場合は長期戦になります。 しかも、暗記する能力が高いお子さんほど、その発見が遅れがちになることもお知らせしておきます。

日能研の小5 算数のがんばりどころです。

梅雨前の、つかの間の気持ちの良い季節ですね。

 

この時期になるとどうしても日能研の小5の事が気になります。

何についてかと言いますと、算数です。

 

 確か先週は図形の移動でした。今週からは平均の面積図、消去算、割合と続いていきます。お子様の勉強の様子に変化はありませんか。

 春休みを挟んで、分数の計算ばかりをやってきた日能研の小5生は、4月に文章題を、5月に平面図形を学習しました。ここまでは、本科テキストで、授業を思い出してから栄冠テキストで基礎を復習するという順序で丈夫でした。

 練習量が足りていれば、心配のない単元だったのです。

 ところが、図形に入ってからどうもそうはいかないぞ、というお子さんが増えるのです。

 

・先週の「図形の移動」について。

扱われている項目は、1 図形の周りを回転する円の問題。(なめらかに移動する円と、角でコツンと当たる円の2種類)、2 三角形や長方形が滑らずに転が
る問題。3 三角形が1点を中心に回転した場合の、辺が動いたあとの面積の問題。4 扇形が滑らずに転がる問題。(本科テキストに1問だけ入っています)
と盛りだくさんでした。そして、Mクラス以上ではその4パターンすべての説明があり、そうでないクラスの場合は1と2は説明がありましたが、3は基本形だ
け、4は説明すらありません。

 Mクラス以外のお子さんが、授業の復習を徹底的にやったとします。でも、「共通問題」の後半には、習ったことが無い問題が並ぶことになります。

 また、円が別の図形の縁を転がる問題のうち、角でコツンと当たるように動く問題では、円が動けない角をきちんと図に書く必要があります。(正確に円を描
いていくという作業がきっちりできるお子さんは全体の20%ぐらいのような気がします。)うちの子、上手に図形が描けないと思っていらっしゃるなら、ここ
は時間をかけて練習させてください。

 

・今週の平均(面積図の利用)の単元について。

 栄冠テキストに入っている問題の7割は、「(全体の合計)÷(個数)」で平均を出すことができます。でも、この単元は、面積図を使いこなす練習の場ですし、「仮の平均」の意味を理解することも大切なポイントです。

 このように、本当のポイントがわかりづらくなる単元が始まっているのです。

 次のカリキュラムテストで、「基本問題は、ほとんど正解しているのに、共通問題は半分以下。」だと心配です。

 

 また、Mクラス生の場合、「共通問題の後半が解けていない」も注意が必要な状態だと知っておいてください。

「なぜこんなに勉強しなくっちゃいけないの?」お子さんの心を読み取ってあげてください。

私の主催する名門指導会では、定期的に勉強会を行っています。

その会では、私からの話の一方通行にならないように、講師の方々に発言してもらって、一緒に考えていこうとしています。

普段から、各生徒や親御様に真剣に対峙してくれているからだと思いますが、毎回”ハッ”とするような話題が出ます。

今回は、「サピックスや、日能研、そして早稲田アカデミー、四谷大塚も宿題が多い。生徒たちの多くは、終わらせる事に一生懸命で、理解しようという気持ちの余裕を失っている場合が多いね。」などと話始めました。

 そして、今回の勉強会の後、ある講師から報告のメールで、次のような質問が出ました。

■ある講師の方からのメール■

(一部抜粋)

家庭教師は、塾や高校の教師とは違い、1対1で生徒に対峙して学習をしますので、生徒の性格や反応をきめ細かく汲み取って学習を進めなければなりません。

   「勉強が面白くない」

   「なぜ、お稽古事をやめてまで勉強しなければならないのか」

   「こんな沢山難しい勉強をして、将来意味があるのか」

などの疑問を今まで何度も、生徒からもち掛けられました。

そのつど自分で必死に対応してきました。

次回の勉強会では、悩みや疑問を持ちながら勉強を続ける生徒を、どのように

精神面で支えていけば良いのか、その点をお話伺えればと思います。

 

これは、私も何度も直面した事です。

「なぜ勉強しなければいけないの?」と聞かれたときに、子供の表情が深刻でないときには、勉強の意味を話して、今勉強をしているとこれから楽しいことが
いっぱい起きそうね、と話を締めくくればいいのです。でも、お子さんの表情が暗かったり、深刻そうだったり、場合によっては不安定になっていたりするとき
にはこうはいきません。

 そういうときには、私はこのように考えることにしています。

・今、この子はなぜこのような質問をするような気持ちになったんだろう。

・今、この子は心がつらいはずだ。心をつらくしているのは何だろう。

このような思いを頭の中で反芻しながら、

「なぜ、そう思うようになったの?」

「いつ頃から、そう思い始めたの?」

というような質問からはじめることにしています。

子供自身が感じている、「○○を□□やらなければ」という義務感と、実際にやれている学習の質量とのギャップが、大きなストレスとなっているはずなのです。

 このような場合に、

「今はね、受験勉強を通して勉強のやり方を勉強しているんだよ。」と正論を話してもほとんど効果がありません。義務感だけが高まり、実際とのギャップがより広がってしまいまうこともあります。

上記の質問をきっかけにして、

「小5の初め頃なんだ。その頃にどんなことがあったの?算数ではどんなふうに感じた?」

とか、

「塾の先生が、苦しいことに耐えて耐えて耐えて頑張れと言うんだね。でも、そんなことはとてもできないと感じているんだね。」

 と、質問したり、事実に同意したりを重ねていきます。

 

 教える側の忍耐力と、「質問力」が問われる事だと考えていますがどうでしょう。

お父様、お母様へ

 もし、お子様が、上記のような質問を苦しげな表情でされたときは、

今、うちの子は心がつらいんだ。

今はこのつらさに耐えさせるほうが良いのか、それともつらさを軽くしてあげるほうが良いのかを考えてあげてください。

そして、優しく注意深く見守ってあげてください。

SAPIX 5月マンスリー について

サピックスの5月マンスリーの成績はいかがでしたか。

 

小6生の算数については、毎年、「いつの時期に難しい問題を出してくるんだろう」と興味を持ちながら見ています。今回はまだ易しめですね。算数の平均点は
88点ぐらいだったそうです。平均50点(150点満点で)の問題が出題される事がありますから、「解ける問題は確実に得点に結びつける」練習をさせて上
げてください。

 

5年生は、いつも通りの問題です。算数の後半がさすがに難しいですね。

 

さて、小4です。私の老眼が進んでいるせいでしょうか、なんだかこれまでの小4マンスリーに比べて国語の文字が小さくなっているように感じます。そして文章の量が多くなり、内容が高度になっています。でも、平均点はあまり変わっていないようです。

 

小4のサピックス生の中で、今回の国語が急に下がってしまったお子さんがいらっしゃるのではないでしょうか。人数的には、平均点をそれほど下げない程度、つまり10%程度ですが。

 

このように、文字が小さくなるだけで得点が下がることは、お子さんにとって珍しいことではありません。このタイプのお子さんは、「解答用紙の形式が変わる」・「設問の語尾が変わる」・「文章の行間が変わる」などでも影響を受けやすいようです。

 

実際の入学試験は、普段塾で受けているテストと形式や語尾や字の大きさが異なります。うちの子ちょっと心配だなと思われたなら、小6になったら、他塾の公開テストで他流試合をしておく方が良いという事を、頭の片隅にとどめておいてください。

ゴールデンウイーク後の小5生テスト

■5月5日にテレビに出演します。

テレビ神奈川 午前9時からです。


先週にお知らせしておけば良かったのですが、私が取材を受けたテレビ放映が5月5日にあります。

テレビ神奈川で午前9時から9時30分の「キッズナビゲーション」の中のファッショナブルマミーのコーナーです。興味のある方は是非ご覧ください。

 

お子様の春の連休はいかがでしたか。

思いっきり遊んだ?塾の講習で毎日勉強漬け?学年によっても通われている塾によっても過ごし方が違ったと思います。
 ところが、ほとんどの塾ではこの連休後には大きなテストが待ち構えていますね。


今回は、そのテストの対策についてお話しましょう。しかも小5の算数だけについてです。 なぜ、小5の算数だけなのかといいますと、ほとんどの大手塾のカ
リキュラムではここしばらく小数や分数の計算を中心にやってきました。文章題といっても、計算が正確に出来るかどうかの判定にために作られた問題ですから
意外に簡単だったはずなのです。間違っていた場合でも、「しまった、ミスしちゃった」という意識しか生まれませんし、それをチェックされているお母様も同
じ心情でしょう。でも、今回のテストは計算だけではなくて、過去のやった別の単元も数多く出題されるはずです。この計算ばかりをやっている間にいろいろな
ことを忘れているはずなのです。


 「子供は忘れる動物だ。」どこかで見たことがある言葉なのです。子供は、大人から見るとあっという間に覚え、そしてすぐに忘れます。日々吸収していく事柄が多いために、意識にのぼらなくなるというのが正しい表現だと思います。


 図形は忘れていませんか?線分図を忘れていませんか?単位換算は?実はこの3つが今回のテストのポイントになります。このHPをご覧になって、「うちの子大丈夫かしら?」と思われましたら、数問ずつでもやらせてあげてくださいね。

 

 今回の本題は、この事前の対策ではなく、事後の対策です。終わってしまったテストを見たところで点数が上がるわけでもないし、と思われるかもしれません
が、テストに残った計算や式は、お子さんの状態を知るための情報の宝庫です。今回特に注意して欲しいのは、文章題を解く計算に分数の筆算が増えているかど
うかです。
 分数で計算をすれば易しいのに小数で計算している事はないでしょうか。もしそうなら、これまでと同じように、問題用紙に残った計算が、小数のかけ算や割り算だらけになっているはずです。
 分数計算の単元が終わったばかりの日能研生に多いですね。途中で循環小数になって  しまって、そこで止まってしまっている、という問題はありませんか。
そろそろ、小数頭脳から分数頭脳へ切り替えていく時期です。「まず、分数で計算を始めていこうね。」と言って上げてくださいね。

 

ご相談よりpart2 計算間違い(その2)

前回は、計算間違いを少なくする「短期記憶力」を高める練習を書きました。
でも実は、計算間違いの原因は、多くの場合もっともっと単純なことが多いのです。
「字がきたない!」これが大きな原因なのです。

な?んだとおっしゃるかもしれませんが、これでどれほど多くの子供が損をしていることか。

 家庭学習用のノートにはきれいな数字が並んでいるお子さんの中にも、テスト問題に残った計算を見ると、乱雑であることが珍しくありません。

 

「字は人をあらわす」と言いますが、人をあらわすかどうかは別にして、少なくともその瞬間の気分を推し量ることがでします。普段のノートに書かれた数字と、テスト中の数字が異なると言うことは、気分が違ってしまっていることになります。

早く解かなければとか、「これを計算し終わったらすぐにこれをやって…」などとその問題に集中できていない可能性が高いのです。
 
 ■ノートの字もきたない場合■


 第1に 鉛筆の持ち方
 近頃、正しく鉛筆を持っている子供にはあまりお目にかかれません。親指がかぶさっていたり、極端な場合は鉛筆をむんずと握った持ち方で書いていたり。ま
た、鉛筆を持つ手首が内側に折れていたり。練習を積めばそれなりに書く事が出来るのでしょうが、きれいな字を素早く書くにはちょっと無理だと思うのです。
鉛筆を正しく持つ事で生まれるメリットは、これだけではありません。線や図形がフリーハンドできれいに書けるようになります。


 第2に 普段の数字をきれいにする練習。
 はじめは5mm方眼のノートを使いましょう。ここで注意が必要です。一マスに1字を入れていくと、間隔が空きすぎます。

少し小さめの数字を書いていく場合には、1マスに2つの数字を入れるぐらいが適切です。

大きな数字を書くお子さんの場合、下線にそろえて書く事に注意をはらいますが、数字の間隔は方眼にこだわらないようにします。

(計算練習に適したノートってなかなか無いんですよね)縦がきれいにそろうように注意してあげてください。
 方眼のノートにきれいに書けるようになったら、(約半年後)罫線のノートに変えます。
 
 
■ノートの字は良いのにテストに残った数字が乱雑な場合■


 どこに計算をするのかという「スペース取り」の練習をさせてください。この問題には、このぐらいの計算量が必要だから、ここにやろうという予測をさせるわけです。

筆算の割り算をする場合、下の方から始めてしまって、その横に書きつなげているお子さんが多いのですが、これでは小数点の位置がよく分かりません。縦にどのぐらいの空きが必要なのかに注意が向いていないからです。

「計算のスペース取り」にまで注意が向くようになれば、テストの数字はきれいになります。
 
 これ以外にも計算ミスを減らす方法があります。


 ある特定の数字でよく間違えることはありませんか。九九で言うと7の段。引き算でいうと25-18のように1の位が5の場合。…これらは、気がつい
たときにカードに書き出して、何度も練習させるとすぐに間違わなくなります。親御さんの方で、「うちの子はどこでよく間違えるんだろう」と少し見てあげる
事が出来れば、すぐに見つかります。
 
 ミスは、ミスをする習慣を身につけてしまったから、必然的にそうなっているのですから、その習慣をちよっと変えてあげるだけでミスをしなくなる場合が多いのです。

ご相談よりpart2 計算間違い

今回から、実際に寄せられた相談の中で、教科の学習法に関するものを中心に書いていきたいと思います。今回は「計算間違い」です。これだけで数回分になりそうです。

 

相談1位

 算数の計算間違いが多くて困っています。1番の(1)を間違っていたのには開いた口がふさがりませんでした。

 

 計算ミスを減らす方法についてのご相談は、本
当に多いのです。実際に家庭教師の現場では、お預かりするお子さんの80%には、計算ミスの対策を講じなければいけない状態です。それは、計算の書き方や
繰り上がり繰り下がりの処理の仕方などの細かい指導がこれまでなされていなかった事が大きな原因です。それ以外にも、指導者に正確な計算に必要なお子さん
の能力を高めるという視点が無いことも原因のような気がします。

 小学校の頃に計算間違いが多かった子供も、中学高校と進むにつれいつの間にか計算間違いが少なくなっていることが多いですね。これは、経験の積み重ねとも言えますが、大人になる課程で自然に身についた能力に負う部分が大きいと考えています。

 ところが、大人になるのを待っていては中学受
験に間に合いません。場合によっては、後3ヶ月以内に何とかしなければいけない事もあります。切羽詰まった家庭教師の現場での試行錯誤の結果、「こうすれ
ばうまくいった」、そしてその理由はこういう事じゃないかなということをお話ししていきたいと思います。脳科学の専門の先生方から見れば自明のことや、そ
んなことはないとおっしゃることがあるかもしれませんが、現場での実感を率直に書いていこうと思っています。

 

車のナンバープレートの数字をすぐに覚えられる子は、計算が得意。

 

 「品川 い 3 21-56」なんて書いてあるナンバープレートです。

 「うちの子、小さい頃から、ナンバープレートの数字をすぐに覚えてしまって、「あの車はちょうど80だね」というように数字をすぐに足していました。大人は、その車が既に遠くに行ってしまった後でそんなことを言われても答えようも無かったのですが。」

 算数が得意で、計算間違いが非常に少なかったお子さんの話です。目の前の車のナンバープレートの数字をその場で足すこともあったし、ぱっと見た数字を覚えていて、見えなくなった数秒後に答えを出すこともあったとうことなのです。

 これは、いわゆる「短期記憶」(メモリー記
憶)の能力だと考えています。明日には、時には数分後には忘れてしまうのだけれど、数秒間から数十秒間ははっきりと覚えておける記憶の能力です。そして短
期記憶には質の問題があると思うのです。目から入ってきた映像の残像から数字を正確に読み取る能力とそれに要する時間の問題です。

 「「69」と出たのに、解答用紙には「96」と書いちゃった」という間違いがよくあります。計算欄で出た数字を回答欄に写すほんの数秒の間に、記憶が替わってしまったのか、それとも数字の映像を数の意味に置き換えるときにエラーが起きたのかのどちらかです。

 計算間違いの多い子が計算をするところを見ていると、共通する事柄があります。数式を写すときに何度も何度も問題を見るのです。

例えば、

25644)÷10?15= という式を写すのに、「(」を見てノートに書き、「256」を見てノートに書き、「+」を見て…というように何度も目線が往復するのです。ところが計算が得意な子は、少なくとも「(25644)」と1回で写すことが多いのです。

 

 これまでに、この「短期記憶」の能力を伸ばして計算の能力向上に効果がが合った方法は、「2桁×1桁」の暗算訓練です。

 お母さんは、思いつきで2桁と1桁を言います。お子さんはそれをかけた数を答えるという練習です。ポイントは紙に書かない事です。試しに、今やってみてください。

56×7」。すぐに、この数字から目をそらせて計算してみてください。6×742だから4を覚えて、十の位は何だったけな。そうだそうだ5だな。5×735
から、繰り上がりの…。アレッ、繰り上がりはいくつだっけ。子供の頭は、かけ算と記憶と思い出し作業をめまぐるしく行っているはずなのです。これを、1日
に5?10問程度遊び感覚でやってみてください。お母さんと一緒に入っているお風呂の中で、3つ出来たら湯船から上がろうか、というようなやり方がお勧め
です。早い子で2週間、遅い子で2ヶ月程度で効果が出ます。

 

 この方法は、耳から入ってくる情報を覚える訓練です。

数字を記憶する場合、音として記憶する場合と、映像として記憶する場合があると思うのです。


自分自身の記憶作業を思い返してみて、電話番号などの
長い数字は、何度か声に出してみて音声として記憶する事が多いように感じますし、短い数字は瞬間的に映像として覚えようとしているように思います。ですか
ら、上記の方法の変形も何度も試してみました。2桁と1桁のカードを用意しておいて、両方を3秒間だけ見せて、それを隠した後で答えを聞く事も大きな効果
がありました。

 そして、計算のスピードアップにもめざましい効果がありましたので、是非お試しください。

大変だ!サピックスが四谷の合不合判定テストに代わるテストを実施。

あるお母さんからの情報が入りました。

なんとサピックスは、今年度四谷大塚の合不合判定テストに代わる自前の合否判定を実施するというのです。

別のお母さんにも確認を取ってみました。どうやら本当のようです。
四谷大塚にとっては、5000人の受験者が減るのですから大問題です。

経営上の影響も大きいと思いますが、それ以上にテスト結果による合否判定の信頼性
が揺らぎかねません。

昨年までは、四谷大塚の合不合判定テストは、合否を占う一大イベントでした。

御三家をはじめとする最上位校から偏差値35までの学校
まで、一部の例外を除いて、信頼できる合否予想が出ていたのです。

ここで、サピックスが自前のテストを実施したらどうなるでしょう。

サピックス側の説明で
は、「午前中にサピックスでテストを受けて、午後に四谷の合不合判定テストを受けることも出来る」ということなのですが、四教科の模擬試験を連続して受け
て、集中力の持続が心配です。
 
 御三家をはじめとする最上位校の合否の判定は、サピックスのことですから初年度から信頼できるデーターが出ると予想できますが、中堅校あたりはちょっと心配されるところです。

志望する学校によって、受ける合否判定を真剣に選択する必要がありそうです。

合否判定の使い方で注意することは、、1回だけで合否の可能性を判断するのではなくて、何回かの成績推移を考慮してその後の学習プランの修正をする事です。

ですから、9月は四谷で、10月はサピックスで、11月は日能研でという受け方はお勧めできません。 

ところが、「どこの合否判定を受けましょう
か?」という相談を塾にするわけにはいきません。

当然その塾で実施しているテストをすすめられるはずですから。

信頼できる第三者にご相談いただくのが良い
でしょう。

私が主催している名門指導会のホームページには、相談フォームがありますから、それをご利用いただいても構いません。

時間の許す限り早急に回答を返信させていただきます。

Page 4 of 9

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

COPYRIGHT@西村則康公式サイト