3月に、「ご相談シリーズ」として、”勉強しているのに成績が上がらない”を数回に分けて書かせていただきました。

それを読んでいただいた方からの相談が、近頃急に増えいます。

 特に社会科脳の話は、「まるでうちの子を観察して書いてあるみたい」というお声をたくさんいただいています。

 

そして、「うちの子はこの暗記だけの勉強になっている事がよくわかりました。でどうすれば良いのでしょう?」というご相談もたくさんいただいています。

 この「どうすれば」は、これまでに何度か書かせていただいているのですが、それを大幅に加筆訂正させていただいたものを数週間後には読んでいただけるようにしたいと考えています。

 

 今回は、サピックス生が暗記だけ勉強に陥りやすい時期について書いていきます。

 

その時期はいつでしょうか?

実は、いつもです。

 

サピックス生は、いつも「暗記だけ学習」に陥る危険性をはらんでいるのです。(他塾は大丈夫だという意味では決してありません)

 

算数の授業用のテキストは、表と裏に全く同じ問題が印刷されていますね。授業中には表を使って解きます。そして宿題のメインは、授業中に説明を受けた問題を、裏を使って解くことです。

この方法は、頭をしっかりと使って、授業を思い出すようにして解き直すことが出来れば、他塾以上に大きな効果があります。サピックスの算数テキストは、見
事に解き方のパターン事に細かく分類され、難易度順に整然と並べられています。もれている解法のパターンがほとんど無い言っても良いぐらいです。

 

 でも、解き方の順序だけをとりあえず覚えて帰ってきて、それを当てはめて解く勉強を始めてしまうようになると、「暗記だけ学習」が始まります。それがスランプの大きな原因です。

 「危険性はいつもある。」と言いましたが、特にそうなりやすい時期があります。

1 運動会シーズンで疲れやすい時期。

2 学年替わりで、内容が急に難しくなる時期。

3 クラスが上がって授業が難しく速くなるとき。

この3つが要注意です。

 

 どの時期も、「授業内容をしっかりと理解する事が出来ない」事が共通しています。

体が疲れて眠いときには頭が働かずに、理解力が働きません。急に難しくなると、当然わからない問題が増えます。

 このわからない問題を、子供なりに何とかしようとして、「とりあえず、解き方を覚えておこう」となってしまうからです。

 

 お子さんが、塾から帰ってきたときに、「今日の授業はよくわかった?」と、お聞きになっていると思いますが、そのときのお子さんの「ウン」という語調や
表情に注意をお願いします。そして、時には”C”または”☆☆”の問題から数問を選んで、お子さんに解き方を説明してもらってください。これは、スランプ
を見逃さない方法として、非常に有効です。

 また、「この問題は数週間前に出来ていたはずなのに、もう忘れてしまったの!」と親御さんが思われる回数が増えたときも要注意です。

 一度「暗記だけ勉強」になってしまうと、正しい勉強方法に戻すのに数週間から数ヶ月はかかってしまいます。特に、暗記することに「快適感」を持ってし
まっている場合は長期戦になります。 しかも、暗記する能力が高いお子さんほど、その発見が遅れがちになることもお知らせしておきます。