カテゴリー: 親の役割 Page 8 of 11

お父さんが、子供の勉強を見る方法

お盆休みこそ、子供の勉強を見てあげよう。

普段、奥さんに任せっぱなしの子供の勉強だから、

お盆休みぐらい父親らしいことをしてやろう。

このように考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

 

父子のコミュニケーションを深めるためにも、どんどん関わっていただければ

良いのですが、やり方を間違えると逆効果になる事があります。

今回はその「べからず集」です。

・お父さんは、自分の過去の自慢話をしない。

 「お父さんはね、高校の時に全国模試で○番をとったんだよ。その時の勉強方法は・・・・」

 お父さんが話したいのは、「その時の勉強方法」ですが、お子さんは、

「お父さんすごい!お父さんはやっぱり頭が良いんだ。僕には無理そう」

と感じがちです。

 「お父さんはそうでも、私はそんなに頭良くないからね!」

と反抗されてしまったお父さんが何人もいらっしゃいますから、ご注意ください。

・「こんなのがなぜ分からないんだ!」というしかり方をしない。

 この問題は易しいんだ。→でも、分からないんだ。→僕ってダメ。

 このように感じてしまうものです。

 この問題が分かっていないという現実を受け入れる所から始めてくださいね。

 大人から見るといとも簡単に解ける問題でも、子供にとってはまだ理解出来ない事は

 多いのです。

・テキストの解説を無視しない。

 普段からお子さんの算数に付き合っていらっしゃる場合は良いのですが、

 そうでない場合は、どうしても数学的な解き方になりがちです。

 算数には算数の、数学には数学の解き方があり、発想や頭の使い方に大きな

 差異があるのです。

 お父さんの気持ちの中に、

 「たかが算数。理系の大学を出た私にとって朝飯前(のはずだ)」

 という思いをお持ちの場合、我流の解き方になりがちです。

 このようなお父さんこそ、解説の解き方に忠実に教える事を心がけてください。

・いらついた気持ちのまま教え続けない。

 お父さん自身が、ちょっといらいらしてきたなと感じられたら、

 その時が終わりにするタイミングです。

 それ以上の時間を子供と一緒に過ごすと、堪忍袋の緒が切れる事になります。

お父さんには、是非とも上記のことに気をつけていただきたいと思っています。

そして、何より大切なのはお母様の気持ちのメンテナンスであることを

お忘れにならないようお願いします。

「いつも大変だね。」という優しい奥様への声かけをお願いします。

また、お子さんとお父さんが楽しそうに勉強している時の笑い声が、

奥様への一番のねぎらいになるのです。

我が子の指導は難しい

いつもいつも堅い話ばかりを書いていますので、今回は柔らかく、テレビの話からです。

昨日(だったと思うのですが)、徹子の部屋に松岡修造さん出演されていました。
あの方の熱血とプラス思考はすごいですね。
でも、現役のころは”ガラスの心臓”と言われるくらいに繊細な神経の持ち主だったそうです。
あの、たぐいまれなプラス思考は普段の精神鍛錬の賜物だった事を知って、感動しました。
 
話の中で、
「他人の子供を叱る場合は、しかりつけた後の落としどころまでもしっかりと考えてから叱り始める。
でも、我が子の場合はそうはいかない。どうしても感情的になってしまう。」
と仰っていました。そうなんですよね。
松岡さんは、長年ジュニアの指導をされていますから、
子供の心のツボに響くしかり方やほめ方のプロです。
その松岡さんにして、「我が子の場合は・・・」となるのですから、本当に我が子の指導は難しいものです。
 
こう言う私も人の子の親です。既に2人とも成人し、1人は嫁いで私の手から離れてしまっているのですが。
子供の学習をたまの休み(一年で2~3回しかなかったのですが)に見る事があったのです。

教え始めは、
「どれどれ、これが分からないの?それじゃあ、この部分から考えてごらん。・・・・、そうだね」
と穏やかに始まります。ところが、
「この部分から考えてごらん。・・・・ん、そうかな?」
このあたりから感情が高ぶってくるのです。そのうちに、
「そうじゃないだろ!」
最後には、
「なんでこんな事が分からないんだ!」
この頃には、子供の目には涙が浮かんでいます。

もう、手から離れてしまった今になって、あのときにもっと穏やかに勉強に付き合ってやれば良かったのに
と後悔しきりです。

昔は、おじいさんおばあさんがいて、近所にはおじさんやおばさんがいて、
「○○ちゃん、ちゃんと頑張らないと!」と叱咤激励してくれる親以外の存在がありました。
親には生意気を言う子供でも、親以外の、少し精神的距離が離れている人から言われると
素直に話を聞くことが出来るのです。

今、こういうおじいさんやおばあさん、おじさんやおばさんの役割の重要な一部を、
家庭教師や個別指導が担っているのかもしれませんね。

子供のやる気を削ぐ ”ダブルバインド”

ダブルバインドという言葉をご存じでしょうか。

ダブルバインド(二重拘束)とは、
通常の質問やメッセージを正しく理解し行動すると罰せられ、
異なる理解や間違った理解をしても罰せられるという、「どちらに転んでも叱られる」状態に置くことや、
その時に使われる方法のことです。
 以前、何かの本でこの言葉を聞いたときに、あるご家庭での会話をふと思い出したのです。

私がいることにお構いなしに子供を平気で叱るお父様なのですが、
「こんな簡単なところでミスをするなんて。なぜ、ミスをするのか分かっているのか!」と、
お父様が子供に怒気を含んだ質問をされました。
子供が、
「試験になると焦ってしまうことと、計算の字がいい加減な事。」
と返事をしました。ケアレスミスのことでお父様からいろいろな指導を受けたり叱られたりしたなかで、
子供なりに言葉に出来ることをやっとの思いで話したのだなと、感じました。
ところが、お父様は、
「それが分かっていて、なぜちゃんと出来ないんだ。だからおまえはバカなんだ!」
と罵倒されたのです。
 実は、その数週間前にも似たような場面があったのです。
 ミスの多い答案を前に、
「こんな簡単なところでミスをするなんて。なぜ、ミスをするのか分かっているのか!」
と、質問の形式を含む叱責です。
その時の子供は、
「よく分からない。」
と答えました。
「そんなことも分からないから、おまえはバカなんだ!」
と、お父様の反応がありました。

同じ質問に関して、Yesと答えれば叱られ、Noと答えても「だからおまえはバカなんだ」と叱られる。
しかも、お父様はそのご家庭の中では絶対の存在なのです。

「ダブルバインド」という言葉を目にしたときに、この会話を聞きながらなぜか暗い気持ちになったことを
思い出したのです。

どう答えても叱られることが分かっているときに、子供はその質問には絶句するしかなくなります。
結果的に、子供の中に無力感が沈殿し、叱る父親と叱られる子供との間に強い権力の壁が
できあがります。この無力感が子供の学力の伸びを阻害します。

 ところが、このような例は決して少なくないように感じるのですがいかがでしょう。
テストで悪い点数をとってきたときなど、
「なぜ、こんなに悪い点数になったか分かっているの!」
とお母様が聞かれたときに、
「あまり勉強しなかったから。」
とお子さんが答えようものなら、
「それが分かっていて勉強しなかったのね!」
と叱責されます。
もし、
「分からない。」
と答えれば、
「そんなことも分からないの!」
という叱責の言葉が既に準備されているのではないでしょうか。

 このような時の親御様の気持ちを想像するに(私も人の親ですからあのときはどうだったかな
などと考えるわけですが)、「なんとしても懲らしめてやらないと、気が収まらない」という感情に
支配されているように思うのです。
ところが、「子供のために叱っているんだ」という思い込みの相乗作用で、感情がますます
高ぶってしまいます。
このような経験が全くないという親御様はいらっしゃらないのではないでしょうか。

ダブルバインドの反意語を何というのでしょうか。
二重拘束の反意語ですから、二重解放とか二重肯定という事になるのでしょうか。

どちらの返答があっても、「そうね。」と受けてあげるとどうでしょう。
「なぜ、こんなに悪い点数になったか分かっているの!」
「あまり勉強しなかったから。」
「そうね。それが分かったのだから次に期待しているわよ。」

(「「分からない。」
「そうね。なかなか難しいわね。一緒に原因を考えてあげましょうか」)

「こんな簡単なところでミスをするなんて。なぜ、ミスをするのか分かっているのか!」
「試験になると焦ってしまうことと、計算の字がいい加減な事。」
「そうだな。それが分かっていながら出来ていないのは何か別の原因がありそうだな。」

(「「よく分からない。」
「そうだな。それが分かれば苦労しないからな。」)

どちらの例も、「そうね。」「そうだな。」で、話を引き継ぐことができる事に気付いていただけましたでしょうか。

夏期講習を効果的に利用する(小6編)

あと2週間もすると、各塾で夏期講習が始まります。小6生にとっては確かに天王山となります。
その理由は、
第1に授業時間数が多いことです。学期期間中の3ヶ月分に相当する長さです。

第2には、「初めての総復習」をすることです。学力をつける時期が終了し、得点力をつける時期に
    はいったことになります。
第3には、受験生がそろそろ本気モードに入る時期だからです。受験本番まであと半年となって、
    ラストスパートをかけ始める時期になってきたと言えます。

□復習のサイクルを作る□
学期期間中は、1週間に1単元ですから、何曜日にどの教科の復習をするかを決めておくことが
出来ました。
ところが夏期講習ではそうはいきません。
ほぼ3日で1単元が終了するスピードでカリキュラムが進んでいきます。
日能研のように「算・算・算・理・理」という日と「国・国・国・社・社」という日が交互に場合には、
2日で一巡してしまうことになります。
「復習はその日のうちに」を原則にしてください。
日能研の多くの教室のように、授業が早朝から始まる(例年は全教室共通に午後の授業でした)場合は、
なおさらです。
サピックスは、例年通り午後の授業になっていますから、その日の夜に勉強する内容と翌日の午前中に
勉強する内容を分けて考えておく必要があります。
どちらにしても、子供にとっては、克己心が必要な作業となりますから、親御様の協力と励ましを
お願いします。

□効率的な取捨選択が必要□

算数では
日能研の夏期講習の算数テキストは、各レベル毎に難し過ぎず易し過ぎず、使いやすいレベルで
作られていますが、それでも全部を復習しよう、宿題を全部やろうとすると、それぞれがいい加減に
なってしまいます。完全に理解出来ている問題を繰り返し解く事は、この時期には必要ありません。
また、難しすぎて、先生の説明すらよく分からなかった問題を解くことも無駄です。
もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題に集中することです。
そのためには、授業中の聴き方を自分なりに工夫する必要があります。
それが難しい場合は、お子さんの状況を正確に判断出来る第3者が必要になることもあります。

サピックスの場合は、難しめです。
「いくら御三家志望だからと言っても、この時期にこれは難しすぎだろう」
と思える問題もあります。そのような問題は勇気を持って捨てることです。
授業中に扱われた問題の中から、
「もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題」に注力して欲しいのです。

国語では
当然、国語も宿題が出ます。日能研生もサピックス生もこなしきることができる生徒は少ないものです。
「この量はちょっと無理」と予想が出来る場合は、記述問題だけを真剣にやっておくことをお勧めします。

理科では
知識単元では、「文章の中で重要事項を覚える」ようにしてください。
今後受ける合否判定テストなどでは、これまで以上に文章量が多い問題が増えてきます。
せっかく重要語句を覚えていたのに、問いの趣旨が理解出来ずに答えることが出来ないお子さんが
多いのです。それは、「重要語句だけの断片的な暗記」になっているからです。
計算単元では、それぞれの項目での代表的な問題の解き方を練習してください。
何をどのように書いて行くのかが大切です。
理科の計算問題のほとんどは、「比例と反比例」です。
この関係が一目瞭然に分かるような書き方が一番のポイントです。

社会では
重要語句を覚える事だけではなくて、統計資料を使った問題を丁寧に復習する時間を作ってください。
既にある程度、暗記学習が進んでいるお子さんの場合は、統計資料の問題だけに絞っても
構わないでしょう。
近年の入試問題や各塾のテストでは、統計資料が多岐にわたり難しくなってきました。
それは、公的機関が発表している資料がHPから簡単にダウンロードできるようになったことと
関係があります。
10年前であれば、こんな詳細な資料を問題に利用することは、とても無理だったはずなのです。
この面においては、どの塾もテキストでは対応し切れていません。
にも関わらず、塾の模擬試験では入試並みの、場合によってはそれ以上の資料を基に作問されています。

□子供の気持ちのメンテナンス□
親御様は、
「他の子供はもっとたくさん勉強しているんじゃないか。」
「もっと頑張らせないと差をつけられてしまうんじゃないか」
という気持ちになりがちなのですが、それはよくありません。
子供が、気持ち良く・元気いっぱい勉強できれば、みんなが頑張る夏期講習期間中ですら、
成績を伸ばしていくことが十分可能です。
お子さんが、気持ちよく前向きに勉強できるように、「褒める」・「ねぎらう」声かけをお願いします。
また、「これだけ頑張っていれば、夏休み明けのテストは良いことがありそうね。」というような、
近い未来の小さな成功を予感させる言葉掛けもお願いしておきます。

ご相談より(2)

前回は、
「息子のA太の事なんですが、日頃から雑で困っています。計算間違いはいつもしますし、おおざっぱに読むためにミスが減りません。
丁寧に勉強したらと何度もアドバイスしているのですが、それすらちゃんと聞いていません。本当にわがままで雑な性格で困っています。どうしたら良いでしょうか。」
という相談に対して、ちょっと困ったなと感じる理由を2つ書きました。

今回は、それ以外の理由を2つ書こうと思います。

まず、何度も何度も同じ言葉で説教をされていることが感じられることです。
良い方に変化する見込みも無く(場合によっては改善出来ないと半ば信じて)、何度もくどくどと叱ることによって、親御さんはより感情が高ぶりお子さんはイライラが昂じるような関わりは、悪循環です。

ここで、数秒沈黙の時間が欲しいのです。これを6秒ルールと言います。ほんのわずかな時間ですが、実際にやっていただくと非常に長く感じられるはずです。この間に親御さんの感情の棘が小さくなります。そして少し冷静な気持ちで、これまでとは違う声かけの言葉を探していただきたいのです。
 ちょっとほめてみようかとか、「もし○○さん(お子さんが信頼している第3者など)が今のあなたを見たら、何と言うと思う?」などと、自分を外から見るきっかけを作ろうとか、「頭の良いあなたが○○すれば、□□のような事が出来そうね」とヨイショしてみようとか考えて欲しいのです。

次は、お子さんの困った状態を性格のせいにしないで、行動の仕方を教えてあげて欲しいということです。

子供は、誰でも「わがまま」で「雑」で「頼りなく」て「気分屋」です。大人は、勤労意欲がわかない時にも、何とか「よ~し頑張るぞ」と気分を奮い立たせる方法を持っていますが、子供はその方法がわからないのです。

子供の良くない行動を性格のせいにしていると、その性格の枠組みにお子さんの行動を追い込むことになりがちです。
 「丁寧に勉強する仕方を知らないから」「文章を正確に読む方法を知らないから」と考えてあげてください。その視点から、「勉強机の前に座るときには、背筋を伸ばして座ると丁寧な字になるわよ」「鉛筆でなぞるように読んでいくと読み飛ばしが減るそうよ」というようなアドバイスをお願いしたいのです。

教育は忍耐だと思います。子供が一番長い時間を過ごす家庭での教育もその例外では無いのですが、一本調子の説教やアドバイスは、親御様とお子さん双方にとってストレスだけを高めてしまうことを知っておいてください。

ご相談より

少し前に、メールでこのような相談がありました。

「息子のA太の事なんですが、日頃から雑で困っています。計算間違いはいつもしますし、おおざっぱに読むためにミスが減りません。
丁寧に勉強したらと何度もアドバイスしているのですが、それすらちゃんと聞いていません。本当にわがままで雑な性格で困っています。どうしたら良いでしょうか。」

このような相談には、いつも「ちょっと困ったな」と感じます。
子供の状態に困っているわけではありません。親御様の子供のとらえ方に困惑を感じるのです。

まず、お子様を主観的な印象でとらえていらっしゃいることです。
「わがままで雑な性格」という表現に、客観性を感じることが出来ないのです。
実際にA太君がどのような行動をいつもとっているのかといった事実が知りたいのです。
例えば、肘をついて机に俯して勉強してるとか、親が話しかけてもこちらを見ようともしないとか。
親御さんがそのようにお感じになった原因となる、客観的な事実が知りたいのです。
それが解決のヒントになることが多いものですから。

 このような、主観的な印象だけをお書きになる親御様の場合、往々にして子供の行動をちゃんとご覧になっていない事が多いと感じています。
また、子供にいらついて自分をなだめることが出来ないという、親御様の感情の表現のように感じます。

次に気にかかるのは、「丁寧に勉強したら」という声かけです。
子供は、抽象的な指示にはうまく従うことが出来ません。
反抗的な時期にさしかかっているお子様の場合は、
「そんなことを言うんだったら、無理矢理にゆっくりやってやる」
と思うこともあります。

 「ノートに書く数字は、いつも同じ大きさに書くように気をつけようね。」
 「問題文を最後まで読み切ってから、考え始めようね。」
 「答案用紙に答えを書く前に、本当にそれが聞かれている事かどうかを、問題文の最後で確認しようね。」
 このような、具体的に何をしたら良いのかを言ってあげて欲しいのです。

「ちゃんと勉強しようね。」
「きっちりしようね。」
「落ち着いて勉強しようね。」
良く聞く言葉ですが、抽象的で漠然としていますから、あまり効果が無い言葉かけだと知っておいてください。

これ以外にもあと2つばかり気にかかることがあります。それは次回に書かせていただきます。

クラスアップの壁 もう1つの視点

日能研・サピックスでも、早稲アカ・四谷でもクラスを上げていくのは大変です。

それは、学力を上げその結果として点数を上げないといけないという当たり前のことに理由があります。

学力を上げても点数が上がるとは限らないことが大切な視点なのです。

塾の学習で身につく学力とは、塾で習ったレベルの問題を解けるようになること、習ったレベルの解答精度が上がることです。
この、塾で習うレベルはクラス事に大きく違います。お子さんの宿題を一度ご覧ください。○ページの□番、△番・・・などと書かれていますね。サピックスのαクラス以外のお子さんの宿題には、デイリーサポートのE問題の宿題はほとんどありません。日能研のMクラスのお子さん以外の宿題には、本科テキストの練習問題の最後2問の宿題はほとんど出されていません。

一方、テストはどうでしょうか。
サピックスのクラスを決めるマンスリーテストは、1種類です。日能研のセンター模試も1種類です。また、クラス分けに影響があるカリテの共通問題も、1種類です。四谷大塚や早稲アカの週例テストは細かく分かれていますが、クラスを決める月例テストは1本です。
上のクラスのお子さんも、下のクラスのお子さんも同じ問題で競争することになります。そしてその問題の後半には、サピックスならばD・Eランクの問題が入り、日能研ならば、練習問題の後半の難問はもちろんのこと、テキストには入っていないような込み入った問題も出題されています。
 上位クラスのお子さんは、授業で習った問題と大差ない問題を解く事になりますし、下位クラスのお子さんは、授業で習ったことも無い難しい問題にいきなり挑戦することになります。同じ問題で競うことは、一見フェアーに見えますが、普段の学習レベルを考慮するとアンフェアーです。

クラスアップを図るには、基本的な(正答率50%以上)問題での失点を最小にすると共に、後半の難しい問題でも少しは点数を取る必要があります。日能研でAクラスからMクラスへ上がろうとする場合や、サピックスでアルファベットクラスからαクラスに上がろうとする場合は特にそうです。

勉強をしているお子さんが、「テストは塾で習った事が出る」と思っていたら、それは間違いです。「テストは、塾で習った事を利用して解く」ものだと思って欲しいのです。
「この勉強をやっつけたら遊べる!」「明日までの宿題だから何とかこなさないと!」と思って学習している場合は、せいぜい今目の前で解いている問題とそっくりな問題しか正解が出せません。
でも、そのようなことをお子さんに話をしても、わかってもらえることではありませんね。

次回は、各教科事にクラスアップに必要なプラスアルファの学習内容を、具体的にお知らせしたいと思います。

テストの復習の仕方

 

どちらの塾もそろそろ春季講習が終わり、平常授業が始まる時期になりました。毎週の単元をこなす事で精一杯の状態に戻ってしまうお子さんが多いのではないでしょうか。

 

今こそ、毎週こなさなくてはいけない学習項目優先順位を再考してください。各学年の助走期間が過ぎ、4月から本格的なその学年の学習が始まる今だからこそやるべきなのです。

 

 その学習項目の中に、是非いれていただきたいのが、テストの振り返りです。毎週のカリキュラムをこなす事と同等の優先順位でお願いします。特に、復習テスト(サピックスのマンスリー、日能研のカリテ、四谷大塚や早稲アカの週例テスト)は良いのに、範囲に広いテストになると下がってしまうお子さんは必須です。

  

正答率票を見ながら、正答率が高いにも関わらず間違ってしまったものを解き直すようにしてください。その際に注意していただきたいのは、「問題文を丁寧に読み直す」時間をとっていただく事です。何が分かっていて(仮定)、何を聞かれているのか(結論)、を確認し直す必要があるからです。

  普通は、1教科あたり45問程度ですから、お子さんに説明させても過剰な負担にはなりません。自分の言葉で話すことで、考え方がお子さんの頭の中で自然に整理されていきます。

「何が分かっていると思う?」

「何が聞かれていると思う?」

「どんな方法で解けると思う?」

このように質問してあげてください。

   そして、お子さんの返答は、文章で答えるというルールにしてください。

「速さ」という単語ではなく、「A君が出発した時の分速と、10分後に出発したB君の秒速が分かっていて、・・・・・」というように答えることができれば、あとはお子さんが自力で解いていってくれるはずです。

 

  毎週のカリキュラムに追いまくられている状況に陥っているお子さんは、文章をじっくりと咀嚼して、題意を細かく掴み直すだけの気持ちの余裕を失っています。これが、読み取りミスが多発する原因の一つなのです。テストの振り返りだけでも、じっくりと落ち着いてできるように、時間を確保してあげてください。

今塾通いが始まった小4生に大切な事

本格的な受験勉強開始は、ほとんどのお子さんにとって小4生からが適切です。また、小4から塾通いを始める方が一番多いようです。

1ヶ月ほど前に入塾テストを受けられた方が多いのではないでしょうか。上位クラスになった方もいらっしゃるでしょうし、下位クラスからの出発になった方もいらっしゃいますね。受験勉強は、3年間の長丁場です。慢心することなく、落胆することなく学習を進めていって欲しいと思います。

学習の要素は、理解する事と習熟することの2点です。

基本的には、授業は理解する場、家庭学習は習熟のための場です。授業中の理解の質によって、習熟にかかる手間は大きく変わってきます。

□理解する上で大切な事。

○授業をしっかりと聞く練習
塾の授業は、小学校とは比べものにならないほど早く進みます。先生の話し方も早いのです。クラスの全員が理解できるようにゆっくりと繰り返して説明してもらえる小学校と、決められた時間に決められた内容を終えなければならない進学塾の目標の違いです。

また、小学校では、子供自身が意識していなくても、誰でも分かるように説明が繰り返されますし、全員が理解できるレベルの内容の学習しか行われません。ところが、進学塾では、その年齢のお子さんが理解可能なぎりぎりの上限レベルまでの理解が求められます。
    
先生が話している間は、手を止めて聞く事から始めてください。
1ヶ月もすると、理解した内容をノートに書き取る事が出来るようになります。書き写すタイミングのつかみ方が上手になってきます。
    (一番良くないのは、先生が板書を始めるとすぐに書き始め、話を聞く余裕無く写すだけになることです。)

○ノートに書き留める練習
読みやすい字で素早く書く技術が大切になってきます。書く練習は入塾前にやっておくことが理想ですが、入塾後でも訓練していくことは十分に可能です。

算数の授業ノートに、式と答えだけしか書いていないお子さんが多数見受けられます。説明のために先生が書いた線分図や表やその他の図を書き留めることが大切です。

「図が書かれていないノート」のお子さんは、いずれかの時期に成績が停滞します。
   
今週から、授業が始まる塾が多いと思います。
お子さんが、塾から帰ってきたら、
「塾は楽しかった?」「塾の授業はよく分かった?」と聞きながら、お子さんのノートを見て上げてください。
 「先生がね、この説明の時にこんなだじゃれを言ったんだよ。」と、ノートを見せながら説明をしてくれるようなら理想的です。

今回入塾した小4生にとって大切な事

本格的な受験勉強開始は、ほとんどのお子さんにとって小4生からが適切です。また、小4から塾通いを始める方が一番多いようです。
 1ヶ月ほど前に入塾テストを受けられた方が多いのではないでしょうか。上位クラスになった方もいらっしゃるでしょうし、下位クラスからの出発になった方もいらっしゃいますね。受験勉強は、3年間の長丁場です。慢心することなく、落胆することなく学習を進めていって欲しいと思います。
 学習の要素は、理解する事と習熟することの2点です。
基本的には、授業は理解する場、家庭学習は習熟のための場です。授業中の理解の質によって、習熟にかかる手間は大きく変わってきます。

・理解する上で大切な事。
○授業をしっかりと聞く練習
     塾の授業は、小学校とは比べものにならないほど早く進みます。先生の話し方も早いのです。クラスの全員が理解できるようにゆっくりと繰り返して説明してもらえる小学校と、決められた時間に決められた内容を終えなければならない進学塾の目標の違いです。
     また、小学校では、子供自身が意識していなくても、誰でも分かるように説明が繰り返されますし、全員が理解できるレベルの内容の学習しか行われません。ところが、進学塾では、その年齢のお子さんが理解可能なぎりぎりの上限レベルまでの理解が求められます。
   
    先生が話している間は、手を止めて聞く事から始めてください。
    1ヶ月もすると、理解した内容をノートに書き取る事が出来るようになります。書き写すタイミングのつかみ方が上手になってきます。
    (一番良くないのは、先生が板書を始めるとすぐに書き始め、話を聞く余裕無く写すだけになることです。)

○ノートに書き留める練習
    読みやすい字で素早く書く技術が大切になってきます。書く練習は入塾前にやっておくことが理想ですが、入塾後でも訓練していくことは十分に可能です。
    算数の授業ノートに、式と答えだけしか書いていないお子さんが多数見受けられます。説明のために先生が書いた線分図や表やその他の図を書き留めることが大切です。
     「図が書かれていないノート」のお子さんは、いずれかの時期に成績が停滞します。
   
今週から、授業が始まる塾が多いと思います。
お子さんが、塾から帰ってきたら、
「塾は楽しかった?」「塾の授業はよく分かった?」と聞きながら、お子さんのノートを見て上げてください。
 「先生がね、この説明の時にこんなだじゃれを言ったんだよ。」と、ノートを見せながら説明をしてくれるようなら理想的です。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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