前回は、
「息子のA太の事なんですが、日頃から雑で困っています。計算間違いはいつもしますし、おおざっぱに読むためにミスが減りません。
丁寧に勉強したらと何度もアドバイスしているのですが、それすらちゃんと聞いていません。本当にわがままで雑な性格で困っています。どうしたら良いでしょうか。」
という相談に対して、ちょっと困ったなと感じる理由を2つ書きました。

今回は、それ以外の理由を2つ書こうと思います。

まず、何度も何度も同じ言葉で説教をされていることが感じられることです。
良い方に変化する見込みも無く(場合によっては改善出来ないと半ば信じて)、何度もくどくどと叱ることによって、親御さんはより感情が高ぶりお子さんはイライラが昂じるような関わりは、悪循環です。

ここで、数秒沈黙の時間が欲しいのです。これを6秒ルールと言います。ほんのわずかな時間ですが、実際にやっていただくと非常に長く感じられるはずです。この間に親御さんの感情の棘が小さくなります。そして少し冷静な気持ちで、これまでとは違う声かけの言葉を探していただきたいのです。
 ちょっとほめてみようかとか、「もし○○さん(お子さんが信頼している第3者など)が今のあなたを見たら、何と言うと思う?」などと、自分を外から見るきっかけを作ろうとか、「頭の良いあなたが○○すれば、□□のような事が出来そうね」とヨイショしてみようとか考えて欲しいのです。

次は、お子さんの困った状態を性格のせいにしないで、行動の仕方を教えてあげて欲しいということです。

子供は、誰でも「わがまま」で「雑」で「頼りなく」て「気分屋」です。大人は、勤労意欲がわかない時にも、何とか「よ~し頑張るぞ」と気分を奮い立たせる方法を持っていますが、子供はその方法がわからないのです。

子供の良くない行動を性格のせいにしていると、その性格の枠組みにお子さんの行動を追い込むことになりがちです。
 「丁寧に勉強する仕方を知らないから」「文章を正確に読む方法を知らないから」と考えてあげてください。その視点から、「勉強机の前に座るときには、背筋を伸ばして座ると丁寧な字になるわよ」「鉛筆でなぞるように読んでいくと読み飛ばしが減るそうよ」というようなアドバイスをお願いしたいのです。

教育は忍耐だと思います。子供が一番長い時間を過ごす家庭での教育もその例外では無いのですが、一本調子の説教やアドバイスは、親御様とお子さん双方にとってストレスだけを高めてしまうことを知っておいてください。