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クラスアップの壁 もう1つの視点

日能研・サピックスでも、早稲アカ・四谷でもクラスを上げていくのは大変です。

それは、学力を上げその結果として点数を上げないといけないという当たり前のことに理由があります。

学力を上げても点数が上がるとは限らないことが大切な視点なのです。

塾の学習で身につく学力とは、塾で習ったレベルの問題を解けるようになること、習ったレベルの解答精度が上がることです。
この、塾で習うレベルはクラス事に大きく違います。お子さんの宿題を一度ご覧ください。○ページの□番、△番・・・などと書かれていますね。サピックスのαクラス以外のお子さんの宿題には、デイリーサポートのE問題の宿題はほとんどありません。日能研のMクラスのお子さん以外の宿題には、本科テキストの練習問題の最後2問の宿題はほとんど出されていません。

一方、テストはどうでしょうか。
サピックスのクラスを決めるマンスリーテストは、1種類です。日能研のセンター模試も1種類です。また、クラス分けに影響があるカリテの共通問題も、1種類です。四谷大塚や早稲アカの週例テストは細かく分かれていますが、クラスを決める月例テストは1本です。
上のクラスのお子さんも、下のクラスのお子さんも同じ問題で競争することになります。そしてその問題の後半には、サピックスならばD・Eランクの問題が入り、日能研ならば、練習問題の後半の難問はもちろんのこと、テキストには入っていないような込み入った問題も出題されています。
 上位クラスのお子さんは、授業で習った問題と大差ない問題を解く事になりますし、下位クラスのお子さんは、授業で習ったことも無い難しい問題にいきなり挑戦することになります。同じ問題で競うことは、一見フェアーに見えますが、普段の学習レベルを考慮するとアンフェアーです。

クラスアップを図るには、基本的な(正答率50%以上)問題での失点を最小にすると共に、後半の難しい問題でも少しは点数を取る必要があります。日能研でAクラスからMクラスへ上がろうとする場合や、サピックスでアルファベットクラスからαクラスに上がろうとする場合は特にそうです。

勉強をしているお子さんが、「テストは塾で習った事が出る」と思っていたら、それは間違いです。「テストは、塾で習った事を利用して解く」ものだと思って欲しいのです。
「この勉強をやっつけたら遊べる!」「明日までの宿題だから何とかこなさないと!」と思って学習している場合は、せいぜい今目の前で解いている問題とそっくりな問題しか正解が出せません。
でも、そのようなことをお子さんに話をしても、わかってもらえることではありませんね。

次回は、各教科事にクラスアップに必要なプラスアルファの学習内容を、具体的にお知らせしたいと思います。

「わかる」を「納得」の状態に高める

昨日、あるところから依頼されてセミナーをしました。皆さん本当に熱心で、会終了後もほとんどの方が残られて、お子さんの学習について個人的な御相談を承りました。

「やはり、頑張っているのに成績が上がらない」悩みを抱えていらっしゃいました。
復習の意味を込めて、ポイントをまとめてみたいと思います。

・「わかる」を「納得」の状態に高めるには、子供が快適な気分でいることが必要。

わかる・・・筋道を最後までたどることが出来る状態。
納得・・・・筋道を最後までたどる過程で、「な~るほど!」「へ~そうだったのか」と感情が動く状態。

・子供を快適な気分にするには。
1 学習内容を上手に取捨選択することで、過剰な負担感から解放してあげる。
 (「ちょっと頑張れば、何とかなりそう」という成功の予感を感じることが出来る量を目指す)
2 子供が学習しているときや、普段の生活での声かけが大切。
    「○○がだめだから、□□しなさい。」というような、否定から始まる言い方をしない。「あなただったら、□□すると△△のような良いことを起こせそうね」というように、「ちょっと頑張れば良いことがありそう。」と、近い将来に良いことがおきそうな予感を感じさせるような言い方がポイント。

・学習内容の上手な取捨選択の仕方
1 お子さんが授業中に○△×を小問毎に付ける。

○ = 簡単に解けて正解した問題
△ = 授業を聞いてやっと分かった
× = 授業を聞いても分からなかった

2 親御様の方でも、可能なら、ABCのランクわけをする。
A = 今出来て当然の問題
B = いずれできなければいけない問題
C = できなくて良い問題

お子さんが△を付けてきた問題を中心に復習する。(宿題内容の中で△に該当するものを真っ先にやる)
×の問題はやらない。

3 塾でやったテストの復習は大切。間違い直しは、正答率を目安に行う。
 御三家志望者でも、正答率20%以下の問題を復習する必要はあまりない。(塾によって若干の差がある)

4 算数の勉強に親御さんが付きそう時の、効果的な声かけ。
 「何がわかっているの?」
 「何が聞かれているの?」
  「その数字の単位は?」
 *子供が、自分の頭の中の言葉で再確認したり思考の過程を振り返ることが出来る声かけ。

セミナーに参加していただけなかった方にも参考にしていただけたら幸いです。

今すぐ出来る、理科計算単元の点数アップ

小6はそろそろどの塾でも計算単元の最終チェックに入っていきます。
暗記は何とかなっても、計算単元はどうしても苦手というお子さんが多いのです。そのようなお子さんに共通なことは、思考のプロセスをわかりやすい方法で書き残す事をしていないことです。
 力学単元と化学計算単元について、どのように書いていけば良いのかをお知らせしたいと思います。

□力学単元□
 「図の中に分かっている数字を全て書き込む」。たったこれだけの事です。
滑車の問題ならば、ロープ全てにかかっている重さを読みやすい字で書き込んでいきます。滑車に重さがあるのでしたら、その重さを滑車の図の中に書き込んでいくのです。
 てこならば、おもりの重さや長さは当然のことですし、棒に重さがある場合は、その重心の場所に棒の重さ分のおもりをぶら下げた図にします。
 力学単元が苦手な子供は、面倒くさがり屋さんが多いのは、この図の中に数字を書かずに、メモ書きのような計算だけで答えを出そうとするからです。

□化学計算□
 化学計算は、比例(順比と逆比)ばかりです。それを計算するときに、「内項の積=外項の積」を使っていると、意外に難問が解けなくなってしまいます。

例えば、塩酸と石灰石から二酸化炭素の発生量を計算する問題があったとします。

うすい塩酸50ml に4gの石灰石が反応して、200mlの二酸化炭素が発生します。
塩酸80mlに8gの石灰石を入れると、何mlの二酸化炭素が発生しますか。

この問題に対して、石灰石が余るから、塩酸の量で考えれば良いと分かった段階から、
50:80=200:xとして、xを320と出すお子さんが多いのですが。

塩酸  石灰石 二酸化炭素 
50        4           200
80        8          (    )
 上記のような、縦と横に見る事が出来る表のような書き方をして欲しいのです。

これであれば、塩酸を縦に見て、1.6倍と分かりますから、200の1.6倍で320。
また、塩酸から二酸化炭素と横に見て、50から200になっていますから4倍です。80の4倍で320と出す事も出来ます。

 気体の発生・中和・溶解度など、全てこの縦と横の表が使えます。その際必ず上の項目(塩酸・石灰石・二酸化炭素)は、略語でも良いですから、書くように指導してあげてください。
 たった、これだけの習慣がつくだけで、この単元の得点はぽ~んと上がります。
お試しください。

日能研小5の方へ 分数計算は大切

東日本大震災で被災された方がたにお見舞いを申し上げます。また、一日でも早い復興を心から祈っております。

前回、今始まった小5生の分数計算の単元は非常に大切だというお話をしました。
そして、私達の家庭教師グループでの研修会でもその話が話題となりました。
ある講師が、日能研の新小5生を担当しているのですが、
「分数の概念規定を理解しようとさせるあまり、子供が理解不可能になっている。」という話をはじめました。3分の2という分数は、「1の大きさを3等分したうちの2つ分」というとらえ方と、「2の大きさを3等分したもの」というとらえ方が出来ます。本来は、その2つを問題に応じて使い分けることが理想なのですが、それが出来る子はほんの一部です。
 これまでも、何度かこのブログでお話ししてきたことですが、じっくりと考えて理解する学習と、何度も繰り返して習熟する学習の区別が大切になります。
 分数の概念をしっかりと理解する事で、公約数や公倍数の応用問題が分かりやすくなります。ところが、概念理解が完璧になっても、分数の計算が速く正確に出来るわけではありません。
 これまでの日能研のテキストは、繰り返して習熟するための問題に偏っていたのですが、改訂されたテキストでは逆に概念理解が中心になっています。そして、授業も概念理解に主眼が置かれ、計算方法や式の書き方、通分の仕方を授業中に練習する時間が少なくなっているようです。
 日能研の生徒は、ここ1ヶ月は分数計算を練習する時間を、家庭学習の中でしっかりと確保してください。

算数の基本 分数計算

東日本大震災から10日以上経ちました。被災された地域が少しでも早く復興されることを心からお祈りしています。

 

ツイッターの「お父さん原発行っちゃったよ。母さんがあんなに泣いたの初めて聞いた。お父さん、生きて戻ってきて」に、こみ上げてくるものがあり思わず目頭が熱くなりました。

 私は、別に国粋主義者ではありませんが、今こそ日本の人たちみんなが力を合わせて、強い日本すばらしい日本を作る努力をしていく、いままさにその時だと感じます。

 

 

□算数の基本 分数計算□

 小5生は、この時期ほとんどの塾で分数計算を習います。日能研では2ヶ月にわたってやりますし、四谷大塚や早稲アカでは約1ヶ月、サピックスでは少なめですが、数週間にわたって学習します。

 始めに、異分母分数の足し算と引き算を練習し、その後、分数同士のかけ算や割り算に移っていきます。これまでの約1ヶ月あまり公約数や公倍数を学習してきた目的の一つは、通分や約分をスムーズに理解できるようにするためだったのです。

 異分母分数の足し算や引き算のあと、かけ算や割り算になった段階で、通分してからかけ算をしたり、帯分数のままでかけたりするお子さんが多く出現します。これは、なぜ通分すれば足し算が出来るのかが納得されていない証拠なのです。これらのお子さん方の多くは、分数の積や商を終えた後の四則混合計算に入ると、混乱に拍車がかかります。

 サピックスのように、短期間で分数を終えてしまう場合は、その後の基礎トレの学習を通して練習を続ける必要がありますし、1ヶ月から2ヶ月にわたって習うことが出来る塾に通っているお子さんは、この段階で完全に習熟していただきたいのです。

 これまで、お子さんたちは、小数で割ったりかけたりしながら答えを出してきました。子らからは割り切れない問題が多く出題されます。分数での計算を要求しているからです。

この分数計算が終われば、すぐにでも、「小数あたまから分数あたま」に替えていく時期になります。

 計算単元だからと軽く考えずに、「理解すべき内容」と「繰り返して習熟するべき内容」をしっかりと区別して学習していってください。

受験直前に慌てないために。 「小5までにやっておくこと」(3)

勉強法

□小6までに学習を計画的にこなす方法が身につける□

今、ほとんどの塾が、宿題が過剰です。特に小6になるとほとんどの塾で宿題が倍増します。

日曜日のオプション授業が始まり、中には土曜日の授業時間が長くなる塾もあり、それぞれの授業で宿題が出ますから、宿題は増える、でもやることが出来る時間は減る事になります。

6年生ともなれば、1週間をどうやりくりしても宿題が終わらない。それこそ、マシンのように、問題を解きまくっても終わらないのです。そんな状態で、やったことが身につくはずはありません。

とりあえず、今日中に仕上げる、不完全でも良いからこなす、このような気持ちになりがちですから、筋道を理解しようとか、納得しようという気持ちも起こら
ない状態に追い込まれます。でも、その状況下でも復習テストや合否判定などで『結果』をお子さんは求められることになります。

まずやってもらいたいのは、重要度を考えた優先順位付けです。

これは、納得ずくで時間を掛けて解く問題。これは解き方を思い出すぐらいでも大丈夫、これは、細かいところまで覚えきるところ、というように分けていきます。

それが、出来たら次は、1週間のタイムスケジュールに書き込んでいきます。

水曜日は、学校から早く帰ってくるから、塾に行く前に1時間は勉強が出来そうだとか、金曜日は、質問教室に行ってから帰ってくるから、塾から帰ってきてから勉強するのはちょっと無理だな、というように、1週間の生活をイメージしながら書き込んでいきます。

そして、実行です。

そのときに気をつけて欲しいことがあります。その時間は、その時間にやるべき事だけを考えて欲しいのです。これが終わったらすぐにあれもやらなくっちゃ、ああそうだ、これもあった。このように思い始めると、目の前の学習内容が頭に入ってこなくなります。

今は、これだけやればいいんだと自分に言い聞かせるような感覚でお願いします。

寝る時間が近づいたら、今日の振り返りをしてみましょう。「今日は頑張った。ぼくって偉い!」と感じるためです。その日にやりきれなかったことがあっても大丈夫です。数日先の空き時間に、その内容を書き込んで、「お休みなさい」です。

文章に書くと、非常に簡単な事のように感じられると思いますが、これを子供が実際にやるとなれば、なかなか大変です。

まず、優先順位付けです。どうしても声が大きく、怖そうな先生の宿題が優先されます。

実行の段階では、勉強を始める時に気になったことからどうしても始めてしまうことになります。3日前に決めたことよりも、昨日言われたことが気になるのが子供です。

子供自身の力で、計画作りと実行が出来るようになるまで、親御さんの協力がどうしても必要です。「うちの子、頑張って勉強しているのに、塾の成績が上がら
ない!」とお悩みの方が多いのですが、この計画作りとその実行をして、簡単に成績を上げたお子さんが大勢いらっしゃいます。

小4や小5の段階で、もう勉強だけで一杯一杯だという状況が見えているなら、早速始めてください。あと、3ヶ月、学年の変わり目でパンクすることは目に見えています。

受験直前に慌てないために。 「小5までにやっておくこと」

近頃、小6の受験生を持つ親御様からの相談が急増しています。

「合不合判定テストが下がってしまった。」

「比較合判で志望校に足りない。」

「センター試験の偏差値が14も一気に下がった。」

「ここに来てミスが急増した。」

「問題文を読まないで解いているようだ。」

「合格のイメージが持てないようだ。」

「首都圏模試のような易しい問題が多い模試だと偏差値は良いのに、四谷の合不合だとそれから20も偏差値が下がる。」

「慶応志望なのに、ミスが減らないどころか増えている。」

「麻布志望なのに、式や図が書けない。」

「文章の短い問題だと解けるのに、4行を越えると考える事が出来ない。」

「表やグラフの問題については、算数でも理科でもほとんど点数が取れない。」

「理科の暗記単元では点数が取れるのに、初見の問題や計算単元の問題には手がつけられない。」

「社会の地理の知識を忘れてしまっていることに今気がついて、焦っている。」

上記のように、切実なしかも急を要するご相談ばかりです。

相談される状況はさまざまですが、これらの原因は意外にそんなに他種類ではないように感じるのです。

1 本質を知りたいという知的好奇心が育っていないこと。

2 学習を計画的にこなす方法が身についていないこと。

3 解答に到達する課程に興味が持てていない。

この3つに集約されると考えています。

小6生の場合は、原因を考えてその対策を講じていく余裕はありません。とにかく、目の前の入試での得点を高めるために、即効的な方法を真剣に考えさせていただく事になります。

このような相談をいただく一方で、一見受験勉強を楽しんでいるかに見えながら、ちゃんと合格するお子さんも多く見てきました。

この大きな違いは、小5までの学習において、少しの差がどんどんと広がってしまった結果だと感じています。

これからの数回は、「小5までに、何をどのようにやっておく方が良いのか」、また、「親御様が協力できる事は何なのか」を、書いていきたいと思っています。

理科好きな子にする方法(3)

前回は、理科が得意な、または得意になったお子さんの例を挙げました。

そこから垣間見られるのは、ご家庭全体のその知的好奇心です。

お父様かお母様、またはお二人ともが「なぜ」と思ったときに考えてみるとか、調べ習慣をお持ちであるように思います。

もうひとつ垣間見られるのは、子供がとりあえずやってみようとすることにたいして、ブレーキをかけない姿勢です。

小6の女の子が半田ごてを欲しがること事態珍しいことですし、そのようなことがあった時の、親御さんの常套句、

「そんな時間があったら勉強しなさい。」

をおっしゃらなかったことに驚きました。

子供は、体験を通じていろいろなことを学んでいきます。

それは、理科についても同じです。例えば、今、ほとんどの小学校の1年生は、春に、アサガオの種を学校から貰って帰ってきます。家で育てて観察させるという趣旨なのです。

中学入試問題の植物の単元で、アサガオの問題が他の植物に比べて多く出題され、しかも難しい理由は、日本の小学生のほとんどが、しっかりと観察をしているはずだという前提があるからです。

アサガオの種を、指の第2関節の深さに置く理由は、発芽した時に分かります。伸び始めた根によって、種が持ち上げられ、地上に頭をもたげた種子は二つに分かれ双葉になります。浅く植えると倒れてしまいますし、深すぎると頭を出すことが出来ません。

昔、学校の先生に、「第2関節の深さに植えなさい」と言われ、それを忠実に実行した子供の多くは、双子葉植物の発芽を受験レベルで習ったときに、「なるほど、そういう理由だったのか」と気づくことになります。

受験勉強を始める前や始めてからの豊富な経験があることと、まずやってみようという実行する意思が大切だと言えると思っています。

ただ、上記の観察にしても、子供の観察眼や注意力だけでは気付かないことがあります。周りの大人の手助けや一言も大切になってきます。

このように考え始めると、実は親御さまと同様に理科を教える立場の者の責任も非常に大きいと言えます。理科の担当の先生によっては、下のクラスの生徒のテストの平均点を上のクラス以上にあげることが可能です。そのような先生を何人も見てきました。そのような先生に共通するのは、「話が面白い」、「表情が豊
か」、「身振り手ぶりなどの動きが大きい」、「いろいろなことを知っている(博識である)」という事です。

良い指導者に全ての子供が恵まれれば良いのですが、それがほとんど不可能な事ですから、どうしてもご家庭の理科力が必要になってくるとも言えるのです。

近頃、◯◯理科実験教室が大はやりです。ほんの数日前にも、「今後の理科のために◯◯実験教室に行かせる方が良いでしょうか?」というご相談をいただきま
した。理科が、いろいろな現象に結びついていますし、目に見える現象出ある事が多いものですから、経験を増やす意味において、有効です。

ここでご注意いただきたいのは、「お客さんにならない」事です。お友達がやっているのを横で見ているだけではお客さんになってしまいます。視覚、手触りや
匂いの感覚を総動員する事で、お子さんの脳に印象深く記憶されるのですから、引っ込み思案で参加するのは大きな損になります。「自分からいろいろやってみ
ると面白いものよ」と言って送り出してあげて下さい。

また、日常的にお子さんにいろいろなことをやらせる事はもっと大切だと考えています。

草に水をやる。

重いものを移動させる。

細かい物を摘む。

いろいろな物の匂いをかぐ。

お湯を沸かす。

これら全ての事が理科の経験につながる可能性があります。

理科好きな子にする方法(2)

前回は、理科が苦手なお子さんの例を書いてみました。今回は、得意になったお子さんの例をお知らせして、その理由を考えてみたいと思います。

 

□A君□

印象的だったのは、お母さんが理科好きだったことです。ちょうど私が「生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)福岡 伸一著」を読み終わったころの話です。

 

 この書物で、生物学研究者の葛藤を垣間見ることが出来ました。

そのことは、他の生物学の書物とは大きく異なる点でした。

また、私がまだ高校生だった頃
に、奈良女子大出身のおばあちゃん先生(この先生には本当にお世話になったのですが)の生物の授業で、「ワトソン・クリックのDNA二重らせん構造」の話
を聞いた事を思い出しました。

生物学のすばらしさと、近年に発見された画期的な成果を興奮気味に話してくださった授業を、林に囲まれた木造校舎と共に思い
出したりしていました。

 

 A君は、理科で記述問題を多く出す学校を第1志望としていました。

お母さんから、「この学校は、理科の幅広い素養や雑学がある方が有利だと思うので、何
か良い本があれば教えて欲しい」と聞かれたものですから、ちょうど読み終わった「生物と無生物のあいだ」を、小6生にはちょっと難しいんだけれど、と思い
ながら紹介しました。

そうしたら、お母さんが、「この本ですか?まだ読んでいないんですがおもしろそうだと思って数日前に買ってきたんです。」といいながら、まさにその本を机に置かれたのです。

お母さんは、大学の文系学部出身ですが、理科分野への興味を持ち続けていらっしゃったようです。

本箱には、生物学や球物理学の読み物が何冊も収まっていました。

 

翌週伺ったときには、お子さんはまだその本を読んでいませんでしたが、お母さんは読み終わっていらして、「冒頭部分の野口英世の話と、内の内は外の話がおもしろかったですね」とおっしゃっていました。

理科の授業をしていると(私の授業は、基本的にはダイニングテーブルで行っています)、生徒以上にお母さんが熱心に聞いていらっしゃいます。

お子さんも、私の脱線だらけの授業に食らいついてきます。

フロンガスによるオゾン層の破壊の単元で、オゾンから活性酸素が出る話や、活性酸素はお肌に悪いこと、そ
のような活性酸素は過酸化水素からも出ること、その活性酸素が殺菌作用や漂白作用を持つ事まで話を広げていっても、興味深げな生き生きとした表情がか崩れることがなく、ますます熱を帯びてきます。

 

 このお子さんに対しては、考え方の正確さだけに注意しておくだけで大丈夫でした。

 

□B君□

 私の授業は、A君の所でも書いたように、どんどん脱線していきます。

出来る限り知識のつながりやネットワークを作ってもらうことを意識しているからなのですが、場合によっては簡単な実験が宿題になることがあります。

B君は、そのような実験を本当に楽しんでくれたという実感があります。お母様の協力も無視
できません。

 「牛乳にレモンを半分搾って入れてかき混ぜてから飲む」という宿題を出しました。

タンパク質は酸によって固まる事を確認するための実験です。

「ヨーグルトみたいでなかなかおいしかったよ。でも酸っぱすぎたから途中から砂糖を入れたらもっとおいしくなった。」という感想が聞けました。牛乳の実験
の後、お母さんの方から「じゃあ刺身だったらどうかな?」という発案がお子さんにあり、しめ鯖、サーモンのマリネを一緒に作られたそうです。

 

 重曹を使ってドーナッツを作るという宿題を出したこともあります。重曹をたくさん使ってドーナッツを作ると、大きく膨らんでおいしそうにできあがります
が、食べてみると苦くってとても食べられたものではありません。

炭酸水素ナトリウムがアルカリ性の強い炭酸ナトリウムに変わってしまうからなのですが。

お母さんは、笑いをこらえてそのドーナッツ作りに協力されたそうです。

その実験の後、B君から、「無理して苦いドーナッツを食べると、むかむかして食欲
がなくなってしまって、夕飯が少ししか食べられなかったんだ。

何でなの、先生?」という質問がありました。

そこで、家にある胃薬を持ってこさせて、その成
分表示を読ませてみました。その中に、「重曹」を見つけたB君は、まるで鬼の首を取ったように大喜びです。

「なぜ、胃薬に重曹が入っているの」(私)

「?????」(B君)

「じゃあ、胃液には何があるの?」(私)

「ペプシン」(B君)

「それだけ?」(私)

「あと、塩酸も。」(B君)

「あっ!塩酸を中和するためだ」(B君)

「良く気がついたね。強すぎる胃酸を弱めるためだね。重曹入りのドーナッツを食べ過ぎて胃酸が弱くなりすぎたんだね」(私)

「ところで、ドーナッツを食べ過ぎたとき、ゲップが出なかった?」(私)

「出たよ。」(B君)

「それて何かな?」(私)

「重曹と塩酸だから、二酸化炭素!」(B君)

B君は得意満面です。

このような会話が頻繁にありました。

そして、「なぜなの?先生」が口癖のようになっていました。

このB君、小学校低学年までの愛読書は、「子供の科学」と「朝日小学生新聞の科学欄」だったそうです。

子供の科学に書いてあった実験は欠かさずやったということをお母様からお聞きしました。

カブトエビを死なせてしまって大泣きしたこともあるそうです。

 

□Cさん□

 理系の大学を最終目標にして、上位の私立中学を目指している女の子です。

電磁気の単元で、簡易モーターがどうしても解けません。次週までの宿題として、「エナメル線・クリップ・紙やすり・消しゴム2つ・丸い磁石・電池と電池ボックス」を東急ハンズで買ってきて作るという宿題を出しました。

紙やすりを使って、エナメル線を半分だけはがす方法は事前に教えておきました。

 翌週、「先生回ったよ、これこれ!」とやってみてくれたのですが、前日まで回っていたモーターが回りません。

乾電池を新しいものに換えてもダメです。C
さんは今にも泣きそうです。

電池ボックスやクリップに巻き付けた銅線がさび始めていて電流が流れにくくなっていたことが原因です。

「ここを半田付けすれば、こんな事にならずにすむんだけれどね。」と慰め、簡易モーターが回る理由の説明を始めました。

 

翌週です。「先生早く早く。」

ダイニングテーブルに行くと、半田ごてと半田、そして先週うまく回らなかった簡易モーターが置いてあります。

「半田で止めると、錆びないからうまく回ると先生が言ったから、半田ごてを買ってもらったの。」

Cさんはうれしそうです。

私自身、学生の頃からのオーディオマニアで、真空管アンプなどを自作していましたから、半田付けは得意中の得意です。

数分で半田付けを終わり、電池を入れると簡易モーターが回り始めました。

「やったー!先生ありがとう。」

その後、Cさんは電磁誘導やモーターの単元では完璧な出来を示すようになってくれました。

 

このように、私が知っている理科が得意な子供は例外なく、やってみることに強い興味を示します。このあたりにヒントがありそうです。

次回はそれをもう少し深く考察してみたいと考えています。

理科好きな子にする方法(1)

□理科を得意な子にするために(1)□

 

「理科や社会は暗記教科だから、いざとなれば6年の2学期から集中的に覚えさせれば何とかなる」という意見を、いまだに聞くことがあります。

 

確かに、中学受験の社会だけは、並列知識の暗記でとりあえず何とかなる部分が大きいのです。

 

関西圏の難関校の多くが3教科入試(算数・国語・理科)を続けているのは、考える力を重視しているからなのかもしれません。

 

だからでしょうか、お寄せいただく相談メールの中で、「丸暗記の算数になっていて、成績が伸びない」というご相談は、首都圏が圧倒的に多いのです。

 

理科は、知的好奇心が重要な教科です。暗記だけでは何ともしがたい部分がある教科だとも言えます。

 

「そんなことはない」と思われる方は、麻布や渋々の入試問題をご覧ください。

 

大人でも、「なぜなんだろう?」とか「へ?そうだったんだ!」という驚きを持って問題文を読み進めることになると思います。そして、その疑問に対する答えが、文章の中に控えめに書かれています。

 

「なぜなんだろう?」という疑問を感じていないとなかなか見つけることが出来ないように書かれているのです。これが、答えを見つけるヒントになります。

 

思いつくままでも、「海嶺での堆積物の変化」「カーボンマイクの仕組み」「元素の半減期」「自転車の進化」などなど、小6生が知っているはずがないことが出題されています。

 

それらの知識を持っていることが要求されているのではなく、始めて見聞きする知識や事象に出会ったときに、因果関係や原因に興味を持ち、論理的な思考が出来ることを要求しているのです。

 

 このように、要求されている物が知識でない以上、そのお子さんが積み上げてきた経験が試されているも言えます。見た物、触れた物、聞いた物、そしてそのときに感じたことや考えたことなどの経験値がものを言ってきます。

 

それでは、どのようなお子さんが理科を得意になるのでしょうか。

 

 

私の経験からは、下に書いたような子供が理科を得意になることが多いように感じます。

 

1 「なぜそうなるの?」とすぐに聞ける子。

2 「ということは、○○と言うことね」と自分なりの言葉に置き換えることが

  出来る子。

3 手先が器用な子。(夏休みの工作が大好き)

4 お父様かお母様のどちらかが理科好き。

5 いろいろな物を見たり、聞いたり、触ったりした経験の多い子。

 

 

 

□どんな子が理科が苦手なの□

反対に、理科が苦手だったお子さんの例を書いてみたいと思います。

 

 小6の2学期に、理科の問題を解かせているときのことです。

「その植物は単子葉を選べばいいの、双子葉を選べばいいの?」(私)

「単子葉。」(生徒)

「そうだよね。じゃあ、選択肢の中にある単子葉は?」

「????」(生徒)

「単子葉というのは、葉っぱが広いの?それとも細長いの?」(私)

「細長い。」

「そうだよね。よく勉強しているね。じゃあ、イネの葉っぱはどう?」

「わからない。」(生徒)

「田んぼに植えられているイネだよ。」(私)

「見たこと無いからわからない。」(生徒)

 

 

このお子さんは、イネも、オオバコも、ナズナも知っていませんでした。

 

入試によく出る草花を、双子葉と単子葉に分けて丸暗記をしてもらうことで、入試を乗り切ってもらいました。

 

 

別のお子さんの例です。

 

 燃焼の単元をやっているときでした。

 

燃え方を選択肢から選ぶ問題をほとんど間違っていました。

「木炭って、何かわかる?」(私)

「わからない。」(生徒)

「炭だよ。バーベキューのときに使う真っ黒いやつ。知ってる?」(私)

「バーベキューしたことないもん。」(生徒)

「そうか、見たこと無いんだ。じゃあ覚えておいてね。木炭のように個体がそのまま燃える場合は、炎をあげずに赤くなって燃えるんだよ。気体が燃えて出来るのが炎だからね。台所のガスコンロは、都市ガスつまり気体が燃えるから炎が出るだろ。」(私)

「わからない。だって家の台所のコンロは火が出ないもの。」(生徒)

 

そう言えば、このおうちはオール電化になっていました。

 

次回は、どうすれば理科好きになるのかを考えてみたいと思います。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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