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非言語コミュニケーション(3)

ケーズスタディー(2)

「なぜ勉強机はいらないのか。」のヒント

 

T君のお母さんからのお話です。


「勉強部屋でちゃんと塾の宿題をやっているはずだと思っていたのに、飲み物を持って行った時に何かをバサッと隠す音がしたもので、「何を隠したの」と問い詰めたところ、漫画を読んでいたと白状したのです。

 

道理で長い時間勉強している割には成績が伸びないはずです。先生からうちの子に「ちゃんとやるように」言ってもらえませんか。」

 

よく耳にする話です。

 

成績のよい子、順調に成績を伸ばしている子のほとんどは自分の勉強部屋ではやっていないのです。

 

どこで勉強しているかと言えば、ほとんどダイニングテーブルで勉強をしているのです。


ダイニングテーブルでは、包丁を使う「トントントン」という規則正しいリズムが聞こえます。

 

お鍋のぐつぐつと煮える音も聞こえます。

 

お母さんが台所を歩く音も聞こえてきます。

 

お母さんの動きによって、電灯の影も目の端を横切ります。

 

そして、今日のお母さんは機嫌が良いのかそうでないのかも、音の響きのかすかな違いから感じ取ります。

 

それじゃあ、集中できないじゃないかと思われるかもしれませんが、それが人の脳の不思議さです。

 

心地良い自然の音が耳から入ってくる方が脳の働きは活発になります。


このような時に、お母さんから、
「勉強頑張っているわね。お母さんも頑張っておいしい食事を作るからね。」
と言ってもらった子供の気持ちはどうなるでしょうか。

 

無理なく、それこそ自然に、頑張って目の前の問題に取り組もうと思うものです。


このような、会話の周辺にある種々雑多なものもコミュニケーションの要素になります。

 

大人もそうですが、子供はより感情の生き物だと思います。

 

勉強しなければという義務感だけではなかなか行動できないものです。

 

ちょっと勉強してみようかなとか、勉強したいと感じたときにはすぐに勉強に取りかかります。

 

そしてこのときの勉強は学習効果が高いのです。

 

しかも、やっかいなことに、「ちょっと勉強してみようかな」という気持ちは意識の部分で感じるというよりも無意識の部分で、本人の意識が関わらない部分で、いつの間にか感情が動いています。

 

顕在意識にではなく潜在意識に直接働きかけるものです。

 

学習においては、
  1 環境音
  2 色彩
  3 人の表情
  4 声の大きさや語調
  5 スキンシップ


が影響の強いものといえます。

 

 

子供は、親御さんの言葉を、それを包んでいる語調や表情と共に受け取ります。

 

明るい表情や穏やかな語調に包まれた言葉はお子さんの心に届きやすいのです。

 

お子さんを叱咤激励したり、励ましたりするときには、「もし自分がそのように言われたらちゃんとそうするだろうか。」をほんの一瞬考えてから行動されることをおすすめします。 

入学式真っ盛り

ここしばらく、週1回程度の更新をしてきました。
出来る限り、シリーズもので行きたいと考えています。
でもそうすると、その時期に合わせた内容が書けなくなってしまいます。

時々は、シリーズから離れて気楽な内容も書いていきたいと考えています。

 

 桜が、ほぼ満開ですね。家からそれぞれ20分程度の距離にある井の頭公園も善福寺公園も桜が見事に咲き誇っています。この時期は、なんと言っても入学式ですね。
 
 入学式は、お子さんにとって不安なものだということをご存じですか。

地元の中学校へ進学する子供たちならば、入学式にいつもの顔があちこちにあります。

入学式という厳粛な儀式の場でも、これからの新しい生活への期待感の方がずっと大きくなります。ところが、広い地域から通学者がいる私立中学の入学式では
どうでしょう。

周りは知らない人ばかり。なんだか周りの子供たちが出来る子供たちばかりに見えてしまいます。

そのような状態がその後のオリエンテーション
や授業まで続いてしまうことも多いのです。

教室にいて先生の話を聞いているだけで緊張が続いて疲れてしまうこともあります。

友達と外遊びうする機会が少な
い都会の現代っ子は、新しい友達を作ることがあまり上手ではありません。

繊細で真面目な子供はなおさらそうです。

ここは、人生の先輩として親御さんからアドバイスをしてあげてください。
「あなたから声をかけると友達がすぐ出来るよ。」
「なんて言ったら良いの?」
「何でも良いんだけれど。「僕、○○○○、よろしく。君の名前は?」から始めたら良いかもね。それと、ほとんどのクラスメイトは塾に行っていたはずだから、「どこの塾に行っていたの?」と聞いても良いわね。」
「明日、隣の子に言ってみるね。」

 1人2人の話せる相手が出来たら、学校生活がグッと楽しくなります。勉強の前に友達作りです。

非言語コミュニケーション2

長年中学入試に成功しやすいご雰囲気の御家庭と、そうでない雰囲気のご家庭があるような気がしていました。

それが、近頃確信に変わりつつあります。
集団授業塾や個別指導で、これまでにたぶん1万人を超えるお父様やお母様にお会いしてきました。

そして、近年家庭教師としてご自宅にお伺いし、普段の生活
の場に参加させてもらう事で確信に変わってきたのです。

私の場合は、お子さんと話をし、親御様と話をしながら、その瞬間瞬間のお子さんや親御様の表情の変化を注意を払っています。

お母様がお子さんの話をされ
ているときのお子さんの表情の変化、お子さんが話しているときのお母様の表情の変化がから、普段のご家庭での雰囲気を想像しているわけです。

お母様が話をされているときに、子供がお母様をにらみつけている、また、お子さんが話をしているときに、「そうじゃないでしょ!」と机をたたかんばかりにしかり飛ばす
ような極端な例も見てきました。

また、多くの明るくて前向きなご家庭も見てきました。

論理的な話をされる親御さんもいらっしゃれば、感情をストレートに現
される方もいます。そういう中で感じてきたことなのです。

曖昧な言い方になりますが、「表情が豊かであること」、「明るい会話が多い事」、「家庭内がリラックスした雰囲気で満たされていること」が成功の条件だと思うのです。

もっと簡単に言えば、明るいことです。お子さんや親御様の動きや言葉、そして表情が明るいことなのです。

この明るさは、家族間でのコミュニ
ケーションがうまくいっている証拠です。

この明るいコミュニケーションを醸成するために是非参考にしていただきたいのが、今回の「非言語コミュニケーショ
ン」です。

 

(ケーススタディ1)
 子供が、信じられないほど悪い点を取ってきた。

 今日は、前のテストの結果をもらって帰ってくる日。
「ただいま?」と入ってきた子供の表情がこわばっているようだ。そさくさと勉強部屋に入っていきます。
「今日返してもらったテストはどうだったの?すぐに出しなさい。」
「あまり良くないよ」と言いながら、食卓に出した成績表はこれまでになく悪い点数です。
このテストは、次月からのクラスを決める大切なもの。これでは二クラスぐらい下がることは確実のようです。


 「何なのこの点数は!大切なテストだと言うことはお母さん何度も言っておいたでしょ!あなたもそのことはよく分かっていたはずでしょ。どうするの。」だんだんと言葉がとげとげしく甲高くなっていきます。

 実は、「何なのこの点数は!」まではお子さんは聞いています。でもそれ以降は言葉なんて聞いていないのです。お母さんの怒っている表情やだんだんと甲高
くなるトーンを感じているだけになっています。

「やっぱりお母さんは怒っちゃった。」と思いながら、小学校5年生以上の場合は、無意識に「この場をどのよ
うに乗り切ろうか」「お母さんのこの怒りをどのように静めようか」「何をしゃべったらこのいやな雰囲気から逃げ出すことが出来るのかな」と考え始めていま
す。もう少し低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニック
になっています。

 

 そこで、お母さんの追い打ちです。
「どうするのと聞いてるの!」
これから、どうすれば良いのかを考えられる状態ではありません。
「次は頑張るから!」と言うのが精一杯です。
そして、このような事が繰り返されると、「次は頑張るから」では許されなくなります。そこで、お子さんが見つけた起死回生のセリフが、「うるさい、くそば
ばあ!」です。そう、逆ギレそのものです。点数が悪くてしかられている状況を、ひどい言葉を投げかけることで混乱させ、論点を攪乱する戦術です。でも、こ
んな事を子供が意識的に考えているわけではありません。そう言わざるを得なくなるのです。なんと、この「うるさい、くそばばあ」というセリフは、あちこち
のお母さんから聞いています。

 

この後はどうなるでしょう。
「何!その言い方は!」
「母さんの話がくどいんだよ」
「そんな言い方をするんなら、勝手にしなさい。」
「・・・・・・・・・・」
お子さんの中に、ささくれだった気持ちが残り、お母さんの中には怒りと心配が残りましす。

 

 この場面では、悪い点数を取ってしまった原因を探り、その対策を考えること。そして、あなたのためなら、お母さんは協力を惜しまないから頑張って欲しい
という気持ちを伝えることが目的のはずです。決して、怒りの気持ちをお子さんにぶつけることが目的だったわけではありませんよね。

「うわ?、何この点!悪いかもと言っていたけれどその通りね。」
「うん。」
「答案を見せてご覧。」
「1番の計算から間違って!2番の一行問題も半分間違ったのね。う?ん。(ここで10秒沈黙)」
「どう、悔しい?」(お子さんの目を見る)
「うん、悔しい。」
「お母さんも悔しいし残念だわ。」(お母さんの残念そうな表情)
「この問題、家では解けてたじゃない。」
「テストの時は焦っちゃって。」
「ふ?ん、テストではまだ焦るんだ。」
「だって、時間がたった40分しかないんだよ。」
「だから、前から言っているじゃない。全問解か無くって良いんだって。」
「分かっているんだけど。」
「もっと取れる学力はあるとお母さんは思っているんだけど、違う?」(表情を緩める)
「うん。もっと取れると思う。」
「そうね。お母さんもそう思うわ。でもこうなってしまったのには何か原因があるわよね。」
「・・・」
「次のテストでは、学力通りの点数になるようにがんばれる?お母さんも協力できることがあれば助けるから。」(ぽ?んと肩を軽くたたく)
「うん、がんばる。」
「あなただったら、ちゃんと出来るわよ。」(子供の目をみて、一瞬ニコッ)

このようになれば理想ですね。


1 子供が返答できる質問にする。
2 子供が返答できるように、お母さんは激高し続けない。
3 否定語は出来る限り使わない。(「悪い点を取らないように」ではなく「学力通りの点を取る」と言い換える。)
4 激高しそうになったら、10秒程度沈黙の時間を置く。

この4点共にやろうとすると難しいですね。この何か1つ2つでも実行されることをお勧めします。

 

さて、このようにお子さんの学習へのモチベーションを下げずに(上げて)この場を切り抜けたとしても、次に実際に点数が上がらないと困ったことになりま
す。「下がったら、すぐに戻す」が鉄則です。点数を上げる方法については、塾の先生や家庭教師など信頼できる第3者の力を借りる必要もあります。


 このブログは、お困りになったときに参考にしていただけることを願って書いていますが、全てを網羅できているわけではありません。名門指導会のHPに学習相談のフォームを作ろうと考えていますのでしばらくお待ちください。4月中には作ります。それまでは、「体験授業申し込みフォーム」にご相談をお書きく
ださい。

ご相談シリーズ4 非言語コミュニケーション1

前回は、「社会科脳」について書いてみましたが、読み直してみて、少し舌足らずな部分や、お話ししたいことが書き切れていない部分がありました。

その事を少し書いてみたいと思います。
「考えていることを(感じていることを)言葉にしていく練習が効果的です。」と書きました。

確かにこれは間違いのないことなのですが、これまでの学習方法
からこのじっくりと頭の中で言葉を使っていく学習だけに変えると、一時的に点数が下がります。

これはお子さんの学習モチベーションにとって良いことではあ
りません。

点数を下げずに、順を追って正しい学習方法に移していく方法をお話ししていなかったことをお詫びします。

子供のタイプとして(大人でもそうですが)、暗記が得意な子・考える事が得意な子がいます。

それまでの生活履歴によって(当然DNAも関係します)脳の中のそれぞれの学習を担当する箇所のシナップスの活性度が違ってきているはずなのです。これまで単純暗記に邁進してきた子供は、暗記するためのいろいろな
工夫を重ね、大脳のその部分を鍛えてきているわけです。この鍛えてきた暗記に必要な能力も利用しながら、自分の言葉で考える学習を加えていくことで、一時
的な成績の降下を防ぐことが出来ます。

具体的には、
「この式で何が出たの?」
「その数字の単位は?」
「その問題では、何がわかってるの?」
「何を問われているの?」
「どんな図を書けば解けるように感じる?」
という質問を重ねて解き終わった後に、
「どんな順に解いてきたのか、言葉に出しながら思い出してごらん」
「A君とB君とC君の動きを状況図に書いて…」
「その時に注意することは?」
「同じ時間は同じ印で書く事」
「そうだよね。よく分かったね。次は」
「この○から○までが、A君とB君の□分で出来た距離の差だから、この距離をこの□で割ったら、A君とB君の分速の差が出て、あとAくんとB君の速さの和が分かってるから、後は和差算。」
「すごい、完璧!」
「じゃあ、はじめからもう一度頭の中で繰り返してご覧。」
「…………………、OK」

おわかりになりましたか?

理解し、頭の中の言葉で考える時間と、それを思い出し覚える時間を分けてあげる事で、記憶の定着が良くなります。これまでに鍛え上げてきた暗記力が生きて
きます。しかも、機械的な式の暗記ではなくて、理由や根拠を含んだ暗記になりますから、テストですぐに使える記憶となるのです。

ご利用ください。

ただこれには、1つの欠点があります。
それは、横につかれるお父さんかお母さん自身が、その問題の解き方を知っている必要があることです。まさか、テキスト全問を親御さんが時間をかけて予習す
ることは出来ませんよね。その場合は、4?5問だけで良いですから勉強しておかれることです。予習シリーズならば例題または例題の類題、サピックスならば
デイリーサポートのCD問題、日能研の本科テキストならば例題がお勧めです。

さて、本題の非言語コミュニケーションです。

人が会話の中で受け取る情報の中で、言語の意味情報の占める割合はたった5%ほどしかないと言われていることをご存じの方は多いと思います。その他の
95%は、服装や表情、語調、イントネーション、匂い、動作などです。実はこの言語以外で伝わる情報を利用することなのです。
 ところで、子供が受験勉強を始めてから、または進学塾に通い始めてから親子関係がギクシャクし始めていませんか。親子の会話が塾の成績の事だけになっ
て、「宿題はもう終わったの!」「まだ勉強始めないの!」から始まって、「今週の漢字をまだ覚えていないの!もう時間が無いでしょ!」「また、ミスばかり
して!」「なぜこんなに雑なの!だから間違うのよ!」「なぜ、問題文をちゃんと読まないのよ。こんなミスばかりをして!これじゃあクラスが下がっちゃうの
よ!」というというお母様からの文句に対して、「うるさいな、今やろうと思っていたのに、お母さんがそんなことを言うからやる気がなくなった!」「やりゃ
あいいんだろ!」「ああ、もうやる気無くなった。お母さんのせいよ!」というような子供からの反応が繰り返されてしまうことが多いのです。

 「子供に「クソババー」と言われて、悔しくて悲しくて…」というお母様からの相談は実は多いのです。お母さんと子供の感情のぶつけ合いになってし
まっているんですね。お母様としては、子供のために言いたくもない文句を言ってあげているのにと思い、子供の方は、いらいらしたお母さんの表情や言葉はい
やだなと思っているのです。言葉に付随する語調や表情のみがお子さんに伝わってしまっているからなのです。本当のお母様の伝えたい「早く勉強を始めれば、
もっと余裕を持って毎日が過ごせるのに。」「ミスをせずに良い点数を取ってきたときのあなたの笑顔が見たいのに。」と言う思いが少しも伝わっていないばか
りか、文句ばかりいうお母さんのイメージが子供の中でますます強固になっていってしまっているのです。
 
では、どうすれば良いのでしょう。
詳しくは、次回に譲るとして、今回は1つだけお話ししましょう。

 「否定語は出来るだけ使わずに、肯定語に言い換える」事です。

「なぜ宿題をすぐにしないの!」を「早く宿題を済ませると、テレビを見れるわよ。」
「毎日漢字練習しないから、国語のテストの1番がいつもわるいでしょ。」を、「毎日少しずつでも漢字練習をすると、国語の1番の点数が上がるわね。」
 このように、「○○すると、□□のような良いことがあるわよ」という話し方に変えてみてください。

ご相談シリーズ3 頑張って勉強しているのに成績が上がらない症状とその対策(2)

前々回の内容に
(「とりあえず勉強」に陥った場合の症状)
この症状は、個人差が大きいのですが、その主立ったものをあげてみましょう。



1 「この問題の解き方を説明してごらん」と質問すると、説明出来ない。

  でも、正解はなぜか出せる。
2 他教科は良くないのに、社会だけがほどほどに出来ている。
3 「うちの子、問題文をよく読んでいないんじゃないか」と思うことがよく

  ある。
4 カリテや週例テストやマンスリーはあまり悪くないのに、広い範囲の模擬

  試験になると順位がガクンと下がる。



と言うのを書かせていただきました。

今回は、その2「他教科は良くないのに、社会だけがほどほどに出来ている。」の原因とその対策について思いつくままに書いていこうと思います。

私が主催する名門指導会では、勉強会を恒常的に行っています。

指導している生徒の情報交換であったり、指導法の相談であったり、時には塾スケジュールの確
認とその対策だったりします。

ですから、うちの講師の先生方は、自分の担当していない生徒であっても、名前はもちろんのこと、何講師からどのような指導を
受けているのかがほとんど分かっています。

たぶん、これほど一人一人の生徒の指導法について、いろいろな講師が知恵を絞っているところは無いのではないか
と自負していますがどうでしょうか。

半年ほど前の勉強会で、ある講師がこんな事を話し始めました。

「どうも社会科脳というのがあるように思う。端的に言うと、社会だけは点数が取れるのに他教科が良くないという状態なのだが、」と話し始めました。

その講師は、算数も国語も社会も指導できる(さすがに理科は無理だそうです)珍しい能力の持ち主です。

名門指導会では、教科専任制を取っていますし、中
学受験指導という職人技を要求される部門において、どの教科も指導できますという人に限って、どの教科も指導できるレベルには達していないということを何
度も経験していますから、文系と理系両方を指導できるのは希有なことなのです。

「算数を指導していて、問題の条件の把握と題意の認識が混乱しがちな子がいる。そのような子は例えば、今回の○○塾のマンスリーの国語で、「2人は兄弟の
ように仲が良かった」という文章と、他の場所にある「親友」という表現の重要度の違いを理解できていなかった。「親友という範疇の中の、兄弟のように仲が
良い2人」ということがとらえられずに、「兄弟」であり「親友」というように、2つの事柄が並列に置かれてしまう。これは、文章を読み飛ばしているという
だけの問題では無いように思う。」

「前提条件とその前提条件の中のある事象という積み重なり方が分かりづらいということですか?」

「そうだと思います。そのような子は、算数を指導しているときに、「てにをは」の使い方が不正確だということも感じる事が多いな。」

「確かに、「240で割ると、240を割る」で混乱してしまう子がいるよね。」

「そういう子たちの中で、社会だけが得意という子が多いと思うんだけれど、どう?」

「○○君がそうだったね。△△さんもそれかな。」

「問題文の意味をとらえさせるのに最後まで苦労した□□さんもその典型かな。」

「ところで、それと社会科脳とはどう関係するの?」

「これは、あくまで仮説なんだけれど。算数や国語という教科は前提条件とその条件の中での条件や結論があるよね。その構造を理解させることが、問題文の意
味をとらえさせることの大きな要素だよね。「これは前のことに矛盾しているけれど、比喩表現としてとらえれば大丈夫」とか、「この条件の中でしかこのこと
は使ってはいけないんだ」とか、文章同士の軽重や単語同士の優先順位を考えたりするよね。」

S講師の熱弁が続きます。

「ところが社会の場合は、特に中学受験では、重要言語がすべて並列なんだよね。足利尊氏が室町幕府をつくったことと足利義満が金閣寺を作ったことは、お互
いに制約を受けない、完全な並列関係。社会科の勉強は、並列する知識を頭に詰め込んでいく作業で何とかなってしまうんだよね。学問としてはこれだけでは困
るんだけれどね。」

S講師には、続けて社会科脳の特徴を尋ねました。
S講師曰く、

「社会科脳って、条件を考えないで事象を処理したり、いわゆる丸暗記のかたちで情報を蓄積する思考のことととりあえずここで定義したわけです。幼児教育で
百人一首を丸暗記したり、フラッシュカードの残像を維持したりする能力とほぼ同じです。幼児期では、それほど論理性や思考能力が発達しているわけではない
ので他に教育方法がありません。しかし、小学5年生にもなってそれを学習スタイルの王道と考えるのはよくありません。」

S講師には、なぜそのような考えに至ったのかも尋ねました。

「中学受験の家庭教師である男子を指導した経験からです。私の経験では、社会が得意なお子さんは、先ほど触れたように、算数と国語のような「こういう場合
ではこのように処理するまたはそのようには処理できない」という条件づけの問題が不得意です。実際、偏差値では社会が60近くあっても、算数は55前後、
国語は50前後のお子さんが意外に多い気がします。一般的に言って男子は国語が不得意ですが、逆になぜ社会が得意な子が多いのかを考えた方がいいのかもし
れません。とにかく、社会の学習スタイルに合わせて算数と国語に取り組む思考回路になっていると想像できます。私は脳科学者ではありませんが(笑い)、社
会の学習方法=語句の大量暗記、一問一答の即答、ほぼ学習時間に比例した偏差値は、そのお子さんの脳にとって<快楽>になってしまっているのでしょう
ね。」

そこに参加している講師一同、大きくうなずいています。

さて、ここまでが社会だけができる子が、なぜ伸び悩むかという理由です。

それでは、どうすればいいのか。

簡単に言うと、「自分の頭の中にある言葉で考える習慣をつけさせる」ことです。時々、ぶつぶつと独り言を言いながら問題を解く子がいます。

「太郎君の進んだ距離がこうだから、…そうすると距離の差は…」
と、横で聞いているとどのように考えているのか全部バレバレの子です。このようなお子さんは、スピードはありません。頭の動きは、話し言葉の何倍も速いの
ですから、言葉として音声にしている限りスピードは上がりません。でも、いずれ必ず成績が上がっていくお子さんです。(適切な時期に、声に出さず頭のなか
だけで考えるようにしていく方が良いのですが)
 

このように、考えていることを(感じていることを)言葉にしていく練習が効果的です。これには、親御さんの質問力が問われます。

「この式で何が出たの?」
「その数字の単位は?」
「その問題では、何がわかってるの?」
「何を問われているの?」
「どんな図を書けば解けるように感じる?」

このような質問を適宜使い分けてください。

その際に大切なのは、親御さんとお子さんとの非言語コミュニケーションなのです。

質問という言語を投げかけているのに、非言語?と思われるかもしれません。

この内容については、次回に書いていく予定です。

ご相談シリーズ2

今回は、「頑張って勉強しているのに成績が上がらない症状とその対策(1)

について書いていきます。

(症状1)

ミスが多くて、点数が上がらない。家に帰ってきて解かせるとちゃんと正解を出せるのに、テストになると解き方が思い出せなかったり、つまらないミスをする。

 

実は、お電話でお話を伺うとほとんどの場合このようなお答えをいただきます。実は、この中に多くのヒントがあります。

 

「家に帰ってきて解かせるとちゃんと正解を出せる。」

このことから、勉強時間は確保できているお子さんだろうと判断出来るのです。

勉強時間が足りなくて、問題のパターン把握が出来ていないお子さんは、家に帰ってきて解こうと思ってもやはり解けないのです。

そして、「解き方が思い出せなかったり」というお母さんのお話から、暗記の算数にかなり偏って来て
いるかもしれないと予想するわけです。

そして、もしかしたら「解き方を覚えるまで繰り返して勉強しなさい。」という指導を強く受けている可能性があることを頭の片隅に置いてお話を聞き続ける事になります。

 

(知識のつながりを作る)

お子さんの学習は、親御さんの指導に強く影響されます。

基本問題を何度も解いていると、自然に応用問題も解けるものだという指導を過剰に受けた子供は、機械的に解くことを繰り返します。

「読書百編意
自ずから通ず」は正しいことだと私も思っていますが、それには前提条件が必要だと考えています。

その前提条件とは「理由を知りたいと思う意欲や、だったらどうなるのかに興味を持った状態」です。繰り返すことだけを目的にした暗記は、離れ小島のような知識の断片を作っていくことになりがちです。

本当の知識の習得とは、過去に覚え既に大脳に定着した知識に新しい知識をつなぎ合わせて記憶していくことだと思います。

知識同士のつながりは、学習を続けるうちに広がり、複雑に交わり合って、より強
固な知識に変わっていきます。

実は、このようなつながりのある知識が、生きた知識と言われるものですし、テストで生きてくる知識です。

「今使っている線分図は、倍数算で使ったもの
に似ているな」とか「あれ!これって鶴亀算と同じじゃん!」、「速さの問題なのに、いつの間にか三角形の相似を使っているぞ!」という頭の動きが知識をつないでいきます。

でもこれは、お子さんに命令したからと言って出来る事ではありません。

ここにちょっとしたコツがあります。

 

(何気なくニコニコと質問してあげる)

それは、「何気なくニコニコと質問してあげる」ことです。


例えば、

「難しそうな問題を解いているね。ところでその式で何が出たの?」

とか、

「その数字の単位は何なの?」

OKです。


ポイントは、「ニコニコ」です。


途中まで出来ているのに立ち止まってしまっているお子さんを前にした場合は、

「もう一度、問題文を読んでみたら気がつくかもしれないわよ」

とか、

「次に何が出せそう?」

と聞いてあげてください。


このような質問に頭は自然に反応して、離ればなれになっている知識に触手を伸ばし始めるのです。


一番良くない例を挙げておきます。


文章として書くとまるで漫才ですが、実はご家庭で一番よく見られる情景なのかもしれません。


「何なの!もうこの問題忘れたの!」

「うん。やったことは覚えているんだけど。」

「なんでちゃんと覚えようとしないの!だからクラスが上がれないのよ。」

「・・・・・・」

「これはね、こう線分図を書いて、この差をこの数字の差で割れば太郎君の5年前の年齢が出るから、それに5を足せば出るでしょ!今度こそわかった!」

「う、うん」

 

(笑い飛ばせないミス)

「あっ、ミスしちゃった」という子供の台詞は、
本来なら解けたはずの問題であることを主張しながら、「たいしたことじゃないんだよ、こんなことでしからないでね。」という気持ちも含んでいます。

中には、笑い飛ばせるミスもあります。

でも次のようなミスは普段の学習の状態を表すミスとして対策を講じる必要があります。


1 読み飛ばしのために、問われていない答えを書いている。しかもそれが頻繁にある。

2 条件を見落としたため解けなかった、または間違った答えになった。しかも、それが頻繁にある。

3 日常生活の常識ではあり得ない数字を答えにしている。

 (お父さんの年齢が15歳だとか、太郎君の歩く速さが時速30kmだとか)


これらのミスは、文章を読んで(視覚から情報を取り込んで)、文字や文章の意味を理解して、条件を整理して、解き方を思い出したり工夫して、、、、という、一連の大切な流れがショートカットされていることから起こると考えています。

 試しに、お子さんが算数の問題を読んでいる様子を前に座って見てください。5行の問題文ならば、視線は普通五回往復するはずです。それなのに、視線を1?2往復させて解き始めていませんか。

近頃このような子供が増えているように感じて仕方がないのです。


読み飛ばしミスの多い子供たちが、どのようにして問題文をとらえているのかに興味を持っていました。

興味という言葉を使うと、切実な問題になんと不謹慎なとしかられてしまいそうですが、子供たちがど
のように視覚情報(映像)をとらえ、それから意味情報を抽出してくるのか不思議でしかたがなかったのです。

そのメカニズムが近頃やっとわかったような気がします。


問題文をばっと斜め読みします。

その中でたまたま目に入った言葉や数字(ほとんどの場合は漢字と算用数字)を記憶します。

そのような漢字や数字を使ってあった過去に習った問題を思い出し、その問題の
解き方に当てはめます。

そうです。

不完全な速読をしてしまっているんです。

「240を割る」のか「240で割る」のかの読み取りミスはその典型のような気
がします。240のような大きな数の場合は、割られる数のはずだと思い込んでしまうようです。


うちの子は、まさにそうだと思われましたら、宿題の取捨選択をしてあげてください。

問題量を減らしてあげることで、じっくり時間をかけて問題を解いても大丈夫だという環境を作ってあげてほしいのです。

このような不完全な速読状態は、短い時間に多量の宿題をこなさなくてはいけない(たとえば、明日までにたくさんの宿題が残っていて、それをやっていかないと大変な目に遭う)という非常時の勉強方法が習慣化してしまったものです。

ですから気持ちの余裕を作ってあげることが大切です。

その後、鉛筆でなぞるよ
うにして(下線は必要な箇所だけに引かせて)問題文を読む練習をさせてください。

 

次回は、頑張って勉強しているのに成績が上がらない症状とその対策(2)を書いていこうと思っています。

ご相談シリーズ

近頃のご相談について、しばらくは実際にあったご相談をシリーズで書いていきたいと考えています。

(「勉強を頑張っているのに成績が下がる」)
 近頃のご相談で一番多いのは、うちの子すごく勉強をがんばっているのに、 寝る時間も惜しんでがんばっているのに、 成績が下がっています、というものです。

 昔のように、うちの子勉強しないので困っています、というご相談はほとんどありません。

 近頃の子供が、昔の子供たちに比べて勤勉になったなんてことはあり得ませんから、
 これは受験勉強をしている子供たちを取り巻く環境が変わってきたと考える方が自然ですね。

 今、大手受験塾は、テキストのサービス合戦のようです。

基本教材に発展教材と宿代用教材、弱点補強のためのプリント、暗記教材など、 これだけこなせれば誰でも御三家に合格出来そうな質と量です。

そして、各塾共に入試問題の分析が進めていますから、 新出問題は新しいパターンとしてテキストに取り込まれていきます。

 年ごとに問題が多様化して、テキストのボリュームが増えることになります。
そして、確認テストで週毎にまたは月ごとに自分の位置を知ることになります。
そうした場合、「次こそは頑張るぞ!」という気持ちが強くあり、 しかも、量が多すぎて、とても間に合わないと感じてしまった場合、
  「次は、とりあえず何とかしよう。」と思うのは自然な心の動きです。
  子供が、「とりあえず何とかしよう」と考えた場合の行動は、ほとんどの場合「とりあえず覚えてしまう。」ことです。

 日能研のカリテ、サピックスのマンスリー、四谷や早稲アカの週例テスト。
  どれも「とりあえず覚えてしまう」事をやっておけば、ほどほどの点数が取れてしまいます。
  この、覚えるべき内容が、理解を伴わず、闇雲に覚えようとすると大変な量になってしまうのです。
  算数ですら、丸暗記学習をしてしまっているお子さんが多いのです。
  「その数字とあの数字を足して、それをこの数字で割って…」という暗記です。
  この暗記学習では、この問題とあの問題は考え方が似ているなとか、同じ考え方で解けるんだなという理解は起こりませんね。

 全てが、別々の問題です。
塾によっては、繰り返し学習で、パターン暗記を過剰に要求されることがあるので要注意です。

でもこの方法でも小4時点では何とかなってしまいます。

それが、小5の半ばには量が多すぎて何ともならなくなってしまいます。
これが、一生懸命勉強しているのに成績が上がらない大きな原因です。

 (「とりあえず勉強」に陥った場合の症状)
 この症状は、個人差が大きいのですが、その主立ったものをあげてみましょう。
1 「この問題の解き方を説明してごらん」と質問すると、説明出来ない。でも、正解はなぜか出せる。
2 他教科は良くないのに、社会だけがほどほどに出来ている。
3 「うちの子、問題文をよく読んでいないんじゃないか」と思うことがよくある。
4 カリテや週例テストやマンスリーはあまり悪くないのに、広い範囲の模擬試験になると順位がガクンと下がる。

  これらの解消法は、次回以降に書いて行きますので、ご興味のある方は、来週以降も是非お読みください。 

御三家に合格されたお子さんのお母様からのご相談

私が主催する名門指導会の授業を受けて、今回女子御三家のひとつに合格されたお嬢様のお母様よりご相談をいただきました。

私が直接担当していたわけではありませんが、合格のお礼のお電話を兼ねてのご相談でした。

同じような疑問やお悩みを持つ方が多いものですから、この場でちょっと考えてみたいと思います。

 

Q:先日、桜蔭中学の入学ガイダンスに行ってきました。

そこで、「入学式までは特に勉強の必要はありません。遊ばせたり、家のお手伝いをしっかりやらせてください。」という話があったのですが、本当にそれで大丈夫でしょうか。

 

というものでした。

 

A:入学ガイダンスで、入学式までにすべき学習についての話は学校毎に大きく違います。

「おおいに遊ばせてください」という学校がある一方、「合格に浮かれていないで、どんどん学習させてください。入学式までの宿題も出しておきます。」というところまで様々です。

麻布や桜蔭は、「遊ばせてください」ですし、
巣鴨や江戸取では早くも宿題がどっさり出ています。

また、合格発表会場や入学ガイダンス会場前では、大学受験の予備校や塾のパンフが大量に配られています。

知り合いの子は早くも○○会に行き始めたとか、○○Gに行かせるつもりだとか、のんびりしていると取り残されそうな不安を掻き立てられる情報がどんどん入ってきます。


まず必要なのは、回りの情報に振り回されないことです。

今必要なのは、中学受験のための勉強と大学受験を目指す中学生の勉強とでは、やり方も発想も違うんだということを入学式までに知らせておくことなのです。

 1例を挙げましょう。

算数は、中学以降数学となります。

教科の名前が変わるだけではありません。発想や厳密性が異なります。

それに伴って、書き方や学習の方法も変わります。

私が良く使うせりふは、「入学式までに算数を忘れようね。」です。

これまで、一生懸命に算数を教えていた先生が言うのですから、「子供は鳩に豆鉄砲」状態でぽかんとしています。

その後で、算数と数学の勉強の仕方の違いを説明しています。

 算数は、どちらかというと直感的なもの、一
方、数学は論理的なものというと、言葉の定義に厳密な方々から、いやそうではないという反論を一杯にいただきそうですね。

でも、数学は算数に比べて、定義
や定理が大切な教科だということは賛同いただけるのではないでしょうか。

私は、頭の使い方すら大きく違う教科だと考えています。

当然式の書き方や、ノート
の使い方も変わってきます。

ところが、中1で習う方程式のほとんどは、これまで学習してきた算数で簡単に答えが出せてしまうのです。

しかも、方程式で解く
よりも素早く、簡単に。その段階で、「なんだ、数学って勉強しなくてもできるんだ!」と思って勉強しないでいると、いつの間にか成績が下がってしまうということになります。

中学生の親御さんからのご相談も多いのですが、多くの場合、「中1の1学期は成績も良くって安心していたのですが、2学期の後半から急に点数が下がってしまって。」というご相談です。

 また、予習・授業・復習の重要度も変わってき
ます。

中学受験はどちらかというと復習中心主義ですね。

日能研では、予習をしていくとしかられたりしてしまうようです。

サピックスでは、毎週、授業直前に
テキストを配られますから、予習をするわけにはいきません。

どうしても復習だけになります。

予習をさせるのは四谷大塚系の一部の塾だけではないでしょうか。

 ところが、中学、高校の学習では予習が大切になってきます。

少なくとも、次の授業で何を習うんだろう、このあたりは易しそうだがこの部分は今一歩しっくりこないな、少なくともこの程度のイメージを持って授業を受けてほしいのです。

理解のスピードと深さに差が出ますから。

ですから、中学生以上では、予習・授業・復習
すべてをやる必要があります。

入学式までに、これまでやっていなかった予習の練習をすることは大いに意義のあることなのです。

できれば、入学式までに1学
期の中間テストの学習範囲まで程度を予習しておかれることをおすすめします。

できれば、自力で予習をすることが理想ですが、うちの子にはまだ荷が重いと思
われる場合は、塾の予習講座を利用されるのも良いでしょう。

が、くれぐれも塾の復習だけに終わらないように「予習の仕方」を学習させてくださいね。

サピックスのサピオープン・マンスリー

今回の小6生用のサピオープンとマンスリーについて、算数の出題の感想を書いてみようと思います。

まず、サピオープンです。

算数A
ほとんどの問題は、素直な問題だと思います。どこかでその類題を解いたことがあるようなものばかりだったのではないでしょうか。

一見すると取り組みやすい問題です。

 このような素直な問題で余り点数が取れなかった場合に考えれる原因を考えてみましょう。
1 B問題の後に取り組むために、持久力を無くしてしまった。
  B問題は、自分で手を動かしながら作業をして、解き方の糸口を見つける問題です。

これがお子さんのタイプによっては疲れの原因になります。

2 B問題での失敗が尾を引いて焦ってしまった。
  子持ちの切り替えがうまくできないお子さんも多いのです。

3 35分で21問という量に焦ってしまった。
  (問題数は、小問合計21ですが、1問の中で2つのことを問われているものもありますから、実際にはもう少し多くなっています。)

時間的なプレッシャーから、雑な計算や考え方をして、解けるはずの問題を落としている子供が多いのです。 1番や2番の易しい部分で間違いが多いにも関わらず、後半まで解いているお子さんの場合がそれに当たります。

4 図形の知識が思い出せなかった。
大問3番は30°三角形の知識や、図形の回転移動の知識が必要な問題です。繰り返し学習の慣れによって覚えていくタイプの学習をしているお子さんの場
合は、まだこのあたりの知識が定着していない時期です。図形問題の場合も、「理解すべき内容」「覚えるべき内容」をしっかりと分けて学習していく必要があ
ります。

算数B
今回は、前回と異なり目新しい問題が多く、難しいと感じたお子さんが多かったのではないでしょうか。

この中で、部分点を稼ぐとすれば、1番の(1)(2)、2番の(1)(2)、3番の面積に関する問題です。それにも条件がつきます。

1番の(1)(2)については、どのような場合に最大・最小になるのかを見抜く力が必要です。

2番の(1)(2)では、長い問題文をきっちりと読む力が必要です。

逆にほとんど手がつかなかったのではないかと思える問題は、2番の(4)、3番の(3)以降です。このあたりの正答率は非常に低いと思われます。

前出の部分点を稼げるところで、ちゃんと○がついたお子さんたちの中で差がつくいたのは、1番の(3)だと思います。

このタイプの問題は、難関校で頻出
の全てを書き出す問題です。

思いつきで書き出していくと重複したり足りなかったりが必ず起こります。きっちりと整理して、書き出す方針を見つけることが必要です。

5月マンスリー
授業内での立体図形の扱いが、ここ2年どんどん増えています。
2年前:小6後期に「今週の立体切断」なるプリントが毎週登場。
1年前:「今週の立体切断」がアプローチに組み入れられる。
今年:前期から立体切断が毎週テストされるようになった。(教室によるかもしれません)

今回のマンスリーで立体の切断が出題されるかどうかに興味を持っていたのですが、やはり出題されました。(2で切断後の辺と頂点の数、3で切り口の名称)

この立体の切断は、訓練だけではなかなか上達しません。

いろいろなものを切って見たという経験の数が大切な部分です。

以前、立体の切断が苦手なお子さん
の相談を受けたときに、「大根で立方体をたくさん作っておいて、お子さんにいろいろ切らせてください。」とアドバイスしたことがあります。

オチとしては、
「大根が高いのでにんじんにしてみました。1週間にわたり毎朝の味噌汁の具は、子供が切り刻んだにんじんでした。」です。

このお子さんは、これ以降立体図
形の切断に苦労することなく開成中に合格しました。

ですから、今から立体の切断の問題を解く経験を積ませるというサピックスの方針に大いに賛同しています。

さて、今回のマンスリーテストの問題レベルは、3月と4月のちょうど間ぐらいでした。

非常に易しい問題と、テキストから多少形を変えた問題が適度に混じっています。

問題数も25問と比較的少なく(それでも十分な量ですが)、全体的に穏やかな出題でした。

でも、きちんとした理解が出来てないと高得点は取れないようになっていることはいつも通りです。

日能研カリキュラムテスト(5月2日)のポイント

次のカリキュラムテスト(5月2日)の算数は、これまでやってきた分数計算の総まとめに当たる単元です。

 

「四則混合逆算」「多角形の求積と逆算」共に分数の計算方法がしっかりと身についているかどうかを調べるのに適した単元です。


もし、前回よりも大幅に点数を下げてしまったら。


これからも”計算練習を毎日15分”を継続してください。

 

その際使う問題集としては、「小学5年 計算練習 800題」「小学6年 計算練習 800題」(桐杏学園)などの、テスト形式で難しすぎないものが良いでしょう。


今後の算数は、小数で考えたり計算するよりも、分数で考えたり計算する事が増えてきます。

 

分数で考える事が出来るかどうかで、解くことが出来る問題レベルが左右されるとも言えます。「3は2の1.5倍」と考えるのではなくて、「3は2の3/2」ととらえることです。

 


理科では、「人体のまとめ」が出題範囲です。知識を問う問題が中心です。

 

でも、次の2種類の問題の出来が悪い場合(出題されるかどうか分かりませんが)、理解する学習が不足していることになります。


 1 消化酵素の実験

ヨウ素液を入れて青紫色に変化する試験管を全て選びなさい。という問題です。温度・消化酵素の有無などの複数以上の条件をとらえ切れているかどうかがポイントです。

 2 呼吸による酸素の吸収量の計算

毎分何リットルの血液が巡り、その中に酸素が何立方センチメートル入っていてという表から始まる問題です。その表の項目の意味をとらえられているかどうかがポイントです。日能研の生徒には、表やグラフの読み取りの苦手な子供が多い気がします。

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▼2022年11月18日(金)

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