長年中学入試に成功しやすいご雰囲気の御家庭と、そうでない雰囲気のご家庭があるような気がしていました。
それが、近頃確信に変わりつつあります。
集団授業塾や個別指導で、これまでにたぶん1万人を超えるお父様やお母様にお会いしてきました。
そして、近年家庭教師としてご自宅にお伺いし、普段の生活
の場に参加させてもらう事で確信に変わってきたのです。
私の場合は、お子さんと話をし、親御様と話をしながら、その瞬間瞬間のお子さんや親御様の表情の変化を注意を払っています。
お母様がお子さんの話をされ
ているときのお子さんの表情の変化、お子さんが話しているときのお母様の表情の変化がから、普段のご家庭での雰囲気を想像しているわけです。
お母様が話をされているときに、子供がお母様をにらみつけている、また、お子さんが話をしているときに、「そうじゃないでしょ!」と机をたたかんばかりにしかり飛ばす
ような極端な例も見てきました。
また、多くの明るくて前向きなご家庭も見てきました。
論理的な話をされる親御さんもいらっしゃれば、感情をストレートに現
される方もいます。そういう中で感じてきたことなのです。
曖昧な言い方になりますが、「表情が豊かであること」、「明るい会話が多い事」、「家庭内がリラックスした雰囲気で満たされていること」が成功の条件だと思うのです。
もっと簡単に言えば、明るいことです。お子さんや親御様の動きや言葉、そして表情が明るいことなのです。
この明るさは、家族間でのコミュニ
ケーションがうまくいっている証拠です。
この明るいコミュニケーションを醸成するために是非参考にしていただきたいのが、今回の「非言語コミュニケーショ
ン」です。
(ケーススタディ1)
子供が、信じられないほど悪い点を取ってきた。
今日は、前のテストの結果をもらって帰ってくる日。
「ただいま?」と入ってきた子供の表情がこわばっているようだ。そさくさと勉強部屋に入っていきます。
「今日返してもらったテストはどうだったの?すぐに出しなさい。」
「あまり良くないよ」と言いながら、食卓に出した成績表はこれまでになく悪い点数です。
このテストは、次月からのクラスを決める大切なもの。これでは二クラスぐらい下がることは確実のようです。
「何なのこの点数は!大切なテストだと言うことはお母さん何度も言っておいたでしょ!あなたもそのことはよく分かっていたはずでしょ。どうするの。」だんだんと言葉がとげとげしく甲高くなっていきます。
実は、「何なのこの点数は!」まではお子さんは聞いています。でもそれ以降は言葉なんて聞いていないのです。お母さんの怒っている表情やだんだんと甲高
くなるトーンを感じているだけになっています。
「やっぱりお母さんは怒っちゃった。」と思いながら、小学校5年生以上の場合は、無意識に「この場をどのよ
うに乗り切ろうか」「お母さんのこの怒りをどのように静めようか」「何をしゃべったらこのいやな雰囲気から逃げ出すことが出来るのかな」と考え始めていま
す。もう少し低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニック
になっています。
そこで、お母さんの追い打ちです。
「どうするのと聞いてるの!」
これから、どうすれば良いのかを考えられる状態ではありません。
「次は頑張るから!」と言うのが精一杯です。
そして、このような事が繰り返されると、「次は頑張るから」では許されなくなります。そこで、お子さんが見つけた起死回生のセリフが、「うるさい、くそば
ばあ!」です。そう、逆ギレそのものです。点数が悪くてしかられている状況を、ひどい言葉を投げかけることで混乱させ、論点を攪乱する戦術です。でも、こ
んな事を子供が意識的に考えているわけではありません。そう言わざるを得なくなるのです。なんと、この「うるさい、くそばばあ」というセリフは、あちこち
のお母さんから聞いています。
この後はどうなるでしょう。
「何!その言い方は!」
「母さんの話がくどいんだよ」
「そんな言い方をするんなら、勝手にしなさい。」
「・・・・・・・・・・」
お子さんの中に、ささくれだった気持ちが残り、お母さんの中には怒りと心配が残りましす。
この場面では、悪い点数を取ってしまった原因を探り、その対策を考えること。そして、あなたのためなら、お母さんは協力を惜しまないから頑張って欲しい
という気持ちを伝えることが目的のはずです。決して、怒りの気持ちをお子さんにぶつけることが目的だったわけではありませんよね。
「うわ?、何この点!悪いかもと言っていたけれどその通りね。」
「うん。」
「答案を見せてご覧。」
「1番の計算から間違って!2番の一行問題も半分間違ったのね。う?ん。(ここで10秒沈黙)」
「どう、悔しい?」(お子さんの目を見る)
「うん、悔しい。」
「お母さんも悔しいし残念だわ。」(お母さんの残念そうな表情)
「この問題、家では解けてたじゃない。」
「テストの時は焦っちゃって。」
「ふ?ん、テストではまだ焦るんだ。」
「だって、時間がたった40分しかないんだよ。」
「だから、前から言っているじゃない。全問解か無くって良いんだって。」
「分かっているんだけど。」
「もっと取れる学力はあるとお母さんは思っているんだけど、違う?」(表情を緩める)
「うん。もっと取れると思う。」
「そうね。お母さんもそう思うわ。でもこうなってしまったのには何か原因があるわよね。」
「・・・」
「次のテストでは、学力通りの点数になるようにがんばれる?お母さんも協力できることがあれば助けるから。」(ぽ?んと肩を軽くたたく)
「うん、がんばる。」
「あなただったら、ちゃんと出来るわよ。」(子供の目をみて、一瞬ニコッ)
このようになれば理想ですね。
1 子供が返答できる質問にする。
2 子供が返答できるように、お母さんは激高し続けない。
3 否定語は出来る限り使わない。(「悪い点を取らないように」ではなく「学力通りの点を取る」と言い換える。)
4 激高しそうになったら、10秒程度沈黙の時間を置く。
この4点共にやろうとすると難しいですね。この何か1つ2つでも実行されることをお勧めします。
さて、このようにお子さんの学習へのモチベーションを下げずに(上げて)この場を切り抜けたとしても、次に実際に点数が上がらないと困ったことになりま
す。「下がったら、すぐに戻す」が鉄則です。点数を上げる方法については、塾の先生や家庭教師など信頼できる第3者の力を借りる必要もあります。
このブログは、お困りになったときに参考にしていただけることを願って書いていますが、全てを網羅できているわけではありません。名門指導会のHPに学習相談のフォームを作ろうと考えていますのでしばらくお待ちください。4月中には作ります。それまでは、「体験授業申し込みフォーム」にご相談をお書きく
ださい。
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