近頃のご相談について、しばらくは実際にあったご相談をシリーズで書いていきたいと考えています。

(「勉強を頑張っているのに成績が下がる」)
 近頃のご相談で一番多いのは、うちの子すごく勉強をがんばっているのに、 寝る時間も惜しんでがんばっているのに、 成績が下がっています、というものです。

 昔のように、うちの子勉強しないので困っています、というご相談はほとんどありません。

 近頃の子供が、昔の子供たちに比べて勤勉になったなんてことはあり得ませんから、
 これは受験勉強をしている子供たちを取り巻く環境が変わってきたと考える方が自然ですね。

 今、大手受験塾は、テキストのサービス合戦のようです。

基本教材に発展教材と宿代用教材、弱点補強のためのプリント、暗記教材など、 これだけこなせれば誰でも御三家に合格出来そうな質と量です。

そして、各塾共に入試問題の分析が進めていますから、 新出問題は新しいパターンとしてテキストに取り込まれていきます。

 年ごとに問題が多様化して、テキストのボリュームが増えることになります。
そして、確認テストで週毎にまたは月ごとに自分の位置を知ることになります。
そうした場合、「次こそは頑張るぞ!」という気持ちが強くあり、 しかも、量が多すぎて、とても間に合わないと感じてしまった場合、
  「次は、とりあえず何とかしよう。」と思うのは自然な心の動きです。
  子供が、「とりあえず何とかしよう」と考えた場合の行動は、ほとんどの場合「とりあえず覚えてしまう。」ことです。

 日能研のカリテ、サピックスのマンスリー、四谷や早稲アカの週例テスト。
  どれも「とりあえず覚えてしまう」事をやっておけば、ほどほどの点数が取れてしまいます。
  この、覚えるべき内容が、理解を伴わず、闇雲に覚えようとすると大変な量になってしまうのです。
  算数ですら、丸暗記学習をしてしまっているお子さんが多いのです。
  「その数字とあの数字を足して、それをこの数字で割って…」という暗記です。
  この暗記学習では、この問題とあの問題は考え方が似ているなとか、同じ考え方で解けるんだなという理解は起こりませんね。

 全てが、別々の問題です。
塾によっては、繰り返し学習で、パターン暗記を過剰に要求されることがあるので要注意です。

でもこの方法でも小4時点では何とかなってしまいます。

それが、小5の半ばには量が多すぎて何ともならなくなってしまいます。
これが、一生懸命勉強しているのに成績が上がらない大きな原因です。

 (「とりあえず勉強」に陥った場合の症状)
 この症状は、個人差が大きいのですが、その主立ったものをあげてみましょう。
1 「この問題の解き方を説明してごらん」と質問すると、説明出来ない。でも、正解はなぜか出せる。
2 他教科は良くないのに、社会だけがほどほどに出来ている。
3 「うちの子、問題文をよく読んでいないんじゃないか」と思うことがよくある。
4 カリテや週例テストやマンスリーはあまり悪くないのに、広い範囲の模擬試験になると順位がガクンと下がる。

  これらの解消法は、次回以降に書いて行きますので、ご興味のある方は、来週以降も是非お読みください。