投稿者: 西村 則康 Page 24 of 60

解くこと自体がアクティブラーニング!?2017中学入試問題から感じたこと

2017年の入試について、主宰する家庭教師の名門指導会の講師と振り返る機会がありました。
ざっくりと言ってしまえは、いわゆる難関校、名門校と呼ばれるところは例年通り。
開成は開成らしく、麻布は麻布らしいテストでした。
「アクティブラーニング」という言葉が叫ばれ、やや一人歩きしているようなところもあるように感じていますが、一流と言われている学校には、出題傾向にもブレがないように思います。
まさに解く過程そのものが「アクティブラーニング」なのではと感じます。
麻布や渋幕の理科の問題を見ていると、このような問題を楽しんで解く子が集まってくれば、さぞ理科の先生も授業が楽しいだろうな、とも思います。
「何を知っているか」だけでなく、その知識をどう使うか考え、判断し、問題を解決する。
優れた入試問題はその指南役となり、問題を提起し、興味を持たせ、今持っているものをどう使えばその問題を解決できるか考えさせ、生徒に問いかけます。
自分たちのつけてきた知識を使うと、実は古代の昆虫が巨大だった理由も、恐竜が巨大だった利点と弱点も、説明することができる。そんなことに気づかせてくれるのです。
子どもたちは出題者の意図を考え、出題者の提起した問題を解決するために、今まで自分が得てきた知識、技能のうち何を、どう使えばいいのか、あたかも出題者と「対話」するようにしながら解き進めていきます。
こうして「問題の解決」という喜びを体験したとき「知識をつけていてよかった」と子どもたちは感じ、さらに知識をつけてもっと難しい問題を解決したい、と思うのです。
そんな喜びにあふれた入試問題が、今年もいくつもの学校で出題されている。
大げさではなく、そういう人の体験の積み重ねの先にあるのが、現在のこの世界だと思うのです。
道路も、巨大なビルも、数百人を乗せて長距離飛行する旅客機も、ロケットも人工衛星も、地上400kmに浮かんでいるサッカーコートほどの大きさがある宇宙ステーションも、人が作ったものです。
今年麻布中の問題を喜々として解いた子どもたちがおとなになる頃、どんなものを作っているでしょうか。
どんなことを実現しているでしょうか。
そんなことを考えると、ワクワクしてしまうのです。

うまくいっていなのなら「取捨選択」を

うまくいっていないのなら「取捨選択」を

 ■年度を通して多いご相談は・・・

 年度を通して多いのは「がんばって宿題をしているのに成績が上がらない」というものです。

 このお悩みには、学習塾の過剰ともいえる「サービス」も関係していると思っています。

 入試、特に難関校の入試には、毎年「初見」の問題が数多く出されます。

暗記に頼った学習ではなく、因果関係などをもとに論理的に考えることができるかといったことを見るには、パターン問題では不十分だからです。

 学習塾は、そのような問題をどんどんテキストに収録していき、テキストは年を追うごとに肥大化していきます。

いわゆる平常授業だけではそれらを網羅しきれず、講習会、GWの特訓などすべての「オプション講座」が必修化されていく。

 受験生とそのご家庭には休む暇がありません。

 

 ■がんばっても結果が出ないから、やる気が出ない

 そして、最初の質問、ご相談になるのですが、このようなご相談をくださるご家庭のお子さんは、多くの場合やる気をなくしています。

やってもやっても宿題は終わらず、成績にも結びつかないためですが、親としては「そんなやる気がないんじゃ、ますます成績が下がる」と必死でやらせようとする。

 ケンカが絶えなくなり、勉強時間にムダな時間がどんどん多くなっていく、という悪循環に陥っていきます。

 一度、立ち止まって考えてみましょう。

 

「ほんとうにこんな量の勉強が必要なのか?」

 

■うまくいっていないのなら取捨選択を

 多くの場合、宿題を整理してやるべきことを最小限に絞ったほうが、結果は出ます。

宿題の取捨選択は専門家以外では難しいのが現実ですが、「基本ができていないのに応用なんて・・・」と感じているなら、いっそ応用問題はカットして、基本的な問題をきちんとマスターすることに主眼を置くのが良いことも多いものです。

 その際気をつけていただきたいのは「解き方の丸覚え」をさせないということです。

どうしてそのように考えるのか、なぜその解法で解くのかという因果関係を説明させるようにしてください。

せっかく時間ができても、それを「丸覚え」に費やしてしまうと意味がありません。

 

うまくいっていないと感じるなら、ちょっと根気は必要ですが、宿題の量と質を調整し、問題を解くのに付き合ってみてあげてください。

 

日経DUALセミナーで気づいたこと

■2月18日(土)、秋葉原にてセミナーを行いました。

 日経BP社「中学受験 基本のキ!」共著者の小川大介さんと講師を務めさせていただいた、日経DUALさん主催のセミナーだったのですが、いろんな発見がありました。

 あらかじめどんな話をしようかと、できるだけ綿密に打合せをするのですが、いざ現場で話すと、さらにどんどんお伝えしたいことが増えていきます。だからついつい2時間の時間内に収まりづらくなっていくのです(笑)。

 こんなに伝えたいことがあるなら、あらかじめもっと段取り良く話の構成を組んだのに、と我ながら反省するのですが、そんなことから気づいたことがあります。

 

■「伝えること」と「伝わること」は違う

 私は家庭教師としてご家庭に伺い、お子さん、お父さん、お母さんと毎日話をするのですが、たくさん話をすればするほど、「これは言わなくてもわかっているだろう」という過信がなくなっていくということを感じます。それは相手の様子、状態がわかるからで、「このことはこのレベルまで、この言葉で伝えないと伝わらないぞ」と感じながら話すので、あれも、これも伝えたいという欲求というか、必要性が出てくるのです。

 セミナーでは、塾に関してかなり突っ込んだことを話したのですが、塾の授業は「一方通行」になっている場合があります。講師が「伝えること」に夢中になりすぎて、受け取る側の都合、状態に目が配れなくなっているのです。授業の中でひとこと、ある言葉を端折っただけで、子どもはわからなくなるのです。いや、子どもだけではないですね。大人の目からはそういう状態の講師は「訳の分からないことを言っている人」と映るでしょう。

 

■端折らずに、具体的に伝える

 親子の会話ではそこまでひどい状態は少ないかもしれませんが、でもついつい「端折る」ということをしてしまいがちです。あまりにも近い存在なので「これくらいは伝えなくてもわかっているだろう」と考えてしまった経験は、私にも多々あります。

 今日のセミナーでは、一週間のスケジュールを立てるにも、志望校を決めるにも、お子さんとしっかり、時間をとって話をしましょうという話をしたのですが、話をすればするほどスケジュールは実行可能なものに近づいていきます。親のフラストレーションが溜まる原因は、実はお子さんのせいではなく、お子さんに伝えていないのに「やってくれるはず」と感じるところにあります。

 親子だけでなく、夫婦でも友人でも、具体的に伝えるというのは大切で、とても効果があることです。

 他人同士だとできることが、とても親しい存在の、本当に大切な人相手だと、ついつい相手に甘えてできなくなる。

家族ですからそういう優しさも心地よいものですが、ちょっと意識して「具体的に伝える」ということを実行すると、ちょっと生活が変わるかもしれませんね。

 

 

芦田愛菜さん合格でフジテレビ「直撃LIVEグッディ!」にコメントさせていただきました

■2/13 フジテレビ「直撃LIVEグッディ!」でコメントさせていただきました。
子役の芦田愛菜さんが芸能活動をセーブして半年間猛勉強、なんと偏差値70を超える難関私立中学校に合格していたことを受け、番組にコメントを求められたのでした。
たった半年の受験勉強でいわゆる「最難関」中学校に合格するなんて、可能性としてはほぼ不可能に近いはずですが、幾つかの要素が奇跡的に揃ったのではないかと思います。
まず、「1日12時間勉強した」という並外れた努力。
受験勉強の期間が短い分、どうしても1日の勉強時間は長くなってしまいます。
長時間の学習では集中を保つのが(特に小学生にとっては)難しいのですが、流石に女優さんだけあって、集中力が高いのでしょう。
■「地アタマ」「才能」だけじゃない
また、地アタマと呼ばれるいわば「才能」の部分と精神年齢の高さもあったのではないでしょうか。
芦田愛菜さんは、「子役としては珍しく自分の実年齢よりも上の年令の子どもを演じ切ることができる」という話を聞いたことがあります。
中学受験では精神年齢の高さを求められます。
国語の文章では、両親が離婚した子どもの気持ち、兄弟と離れ離れにならざるをえない戦後すぐの子どもの心情を考え、想像し、出題者の意図を汲みながら問題に最適な回答を作り上げなければならない、という状況だってあります。
精神年齢の高いお子さんは、それだけで有利なのです。
子役として様々な場面、状況を経験する中で、芦田愛菜さんは受験勉強につながる「素地」を鍛えていたのではないかと思うのです。
だから驚くほど短期間で、学力を一気に伸ばせたのではないかと想像します。
「1日12時間勉強」が大きくクローズアップされがちですが、これまでの実体験が勉強に大きく役立っていたのでは、という部分にも注目したいと思います。

開成中2017算数と理科はどうだったか

■算数の大問2でうろたえなかったか

算数の大問2は、受験生にとっては題意の把握がやや難しく感じられた問題でした。しかもボリュームがあり「けっこう配点が高そう」と焦った受験生も多くいたのではないでしょうか。解いていくと(1)さえうまく乗り切ればOKだったのですが、入試当日、緊張の中難しかったかもしれませんね実際には大問1・3・4が標準的な問題だったので、ここでの失点がなかったが合否の境になったのではないかと思います。

85点満点で、開成中が発表している合格者平均点が54.8、受験者平均点が40.1と、14.7点もの点差がありました。「大問1・3・4が標準的な問題」と書きましたが、それは「開成受験者にとって」ということで、やはり難関校に対応できる受験対策をしっかり身につけてきたかどうかで合否が決まる、いわば「実力通りの結果が出る」問題だったと言えるでしょう。

■理科で合格することはなくても、落ちることはある

一方、理科はどうだったかというと、例年通りの「高得点勝負」となりました。開成中の場合「理社で合格することはなくても、落ちることはある」と言われるくらいで、理科社会の失点が命取りになる場合があるのです。

70点満点で受験者平均が56.8点、合格者平均は61.5点と、より配点が高い算数や国語よりも受験者平均、合格者平均ともに高いという、ある意味開成らしいテストでした。

大問1は燃焼に関する問題ですが、特に計算などもなく、大問2は地層と流水に関するもの。珍しく写真を問題に掲載していますが、地層に傾きはなく、内容は標準的。大問3は動植物の誕生と発生に関する問題。選択問題がやや紛らわしいものもありますが、開成受験者にとってはそ大きな問題ではなかったはずです。大問4はてこと浮力の組み合わせ問題。問7では「棒の左右どちらかの端を支点と考える」と合格者の多くが気付いたのではと思います。

■2018年受験に向けて

ざっくりと言うと、

算数、国語:受験者平均5割・合格者平均6割

理科:受験者平均8割・合格者平均9割(!)

社会:受験者平均7割・合格者平均8割

という結果になった2017年度の開成中学校の入試。理科の高得点化が際立っています。

特に理科社会に苦手分野や意識があるお子さんは、早急に解決して全方位隙のない状態を、受験までに整えなければなりませんね。

6年生 入試に臨むとき大切なこと

いよいよ明日から東京、神奈川の入試が始まりますね。
御三家など主要中学校の出願数は、昨年の最終とくらべると微減くらいの学校が多いようですが、厳しい戦いであることは変わりませんね。
さて、入試を控え、テストを受けるときの注意点を、あらためて整理しておきたいと思います。
■当日焦らないため、万全の準備を
受験票、筆記用具など「絶対に忘れてはならないもの」以外にも「あると便利なもの」「学校によって必要となるもの」にも注意が必要ですね。
試験会場は多くの受験生が集まるため、体調が悪い子も中にはいるということで、マスクがあると良いとはよく言われます。
コンパスや分度器は学校によって必要なところもあります。入試期間中は1つの入れ物に入れ、カバンの中に常備すると良いと思います。
学校によって上履きが必要な場合もあります。注意しておきましょう。
ハンカチやミニタオル、ポケットティッシュなども役に立ちます。多くの親御さんは使い捨てカイロを持たせるようですね。
教室の中の温度は予想ができません。着脱しやすい服装を、というのも定番です。
服装や持ち物に関しては、私も主任相談員を務める「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」のこちらの記事が詳しいので、ぜひ参考にしてください。
■テストの「受け方」も再度チェック
得点につながりやすいテストの「受け方」に関しても再度チェックです。
以前も述べましたが、テストの「注意事項」をしっかり読むこと。学校によって算数の円周率なども問題ごとに示されていたり、表紙に1箇所だけ示されていたり、いろいろです。円周率は3.14が多いですが、違った数値が指定されていることもあります。
また、裏表印刷かそうでないのか、冊子のようになっているのかいないのか、過去問でチェックはしていることと思いますが、テスト開始時に確認するよう、お子さんに教えてあげてください。
私はよく学習について「納得」「考える」ということが大切とお伝えしていますが、入試本番ではそれらと並んで「点を取ること」が重要です。わからない問題も、空白のままて出してはいけません。
空白の解答欄を残してはいけない理由はいくつかありますが、最大の理由はもちろん「空白の解答欄は得点になる可能性がない」ということです。特に選択問題などは絶対に空白で出してはいけません。わからなくても最後には何かを書いて出す、というのが鉄則です。
空白の解答欄がいけない理由は、答えを書く位置をずらしてしまう可能性があることです。わからない問題を空白にして、その欄に次の問題の答えを書いてしまうことがあるのです。問題数の多い学校では要注意です。
その他気持ちの面でのアドバイスとしては「緊張しているのは自分だけではない」と考えることです。みな、自分と同じように緊張している、そう考えて「条件は同じだ」と思うようにしましょう。深呼吸は気持ちを落ち着かせるのに効果があります。深呼吸では吸うことばかり意識しがちですが、逆に息をしっかり吐くことを意識すると良いでしょう。
■最悪「何か」あってもなんとかなる
何よりいけないのは親が焦ってしまうこと。親の焦りは子どもに伝染するものです。最悪「何か」があってもなんとかなる、くらいに考える落ち着きが親には必要です。そのためにしっかり準備しておきましょう。
試験会場、学校の近くのコンビニの場所もチェックです。最悪の場合でも、筆記用具や防寒、飲み物、大抵のものは揃います。
普段は水曜日か木曜日に更新することが多いのですが、明日に備えて1日早くの更新です。
受験生の皆さん、色んな要素で受験の結果は決まりますが、何より信頼できるのは過去の皆さんの努力にほかなりません。逆に、どんなに努力してきていても「もう少し努力すればよかった」と思ってしまうのも受験です。
みんなそうなのです。
自分のこれまでの努力を信じて、乗り切りましょう!

渋谷でセミナーを行います

2月8日(水)、渋谷でセミナーを行うことになりました。
■6年生になる前から不安を抱えるご家庭も
塾での新学年を迎えるこの時期、難度が上がる塾の授業、増える宿題などに不安を抱えているご家庭が多いからです。特に進学塾の6年生がやらなければならないことは膨大です。不安になるのも致し方ないといったところでしょう。
たとえばサピックスのカリキュラムは、基本的に「進み続ける」スタイルです。カリキュラムの呼称上、同じ単元は出てきますが、内容は確実に進んでいます。学習塾の中でもっとも「ムダがない」ともいえます。この「ムダがない」カリキュラムに、6年生になる前の段階で「すでにまわらない」と感じているご家庭も多く、そんな方たちのために「やるべきこと」の整理のしかたをお話しすることになったのです。
近年の中学受験では「選択と集中」を迫られることが多くなっています。あまりにも塾から与えられる課題の負担が多いからです。
サピックスでは「まわらない」のがふつうで、ラクラク乗り切っているお子さんはほとんどいません。
コツコツとがんばってマンスリーテストで点が取れるようになってきたものの、組分けテストでひどい成績をとってしまい、子どものモチベーションが下がってしまった、というご相談は枚挙に暇がないほどです。
なぜこんなにも中学受験はストレスの多いものになったのでしょう?
■塾テキストが「膨大」になる理由
1つの理由に、どうしても塾の教材は「あれもこれも」になってしまいがちだということがあります。
「これだけやっておけば大丈夫」
というものを作ろうとすると「一昨年開成で出題されたあの問題パターンも」「念のためにこっちの出題パターンも」と、重箱の隅を見てしまい、載せたい問題が次々と出てくるものです。
こうやって年々、塾のテキストの情報量は膨大になっていきます。
膨大な量の問題のうち、どの問題をセレクトするかはクラスによって決まります。
下のクラスは基本事項が中心となり、上のクラスは応用問題まで習います。
そして、実力テストは全クラス共通のものを受けることになります。
すると、どうしたって下のクラスの子は「できない問題」があるわけです。
最上位クラスのお子さんが、最大限そのメリットを享受できる仕組みになっているのです。
では、その「仕組み」の中でどうやって成績を、クラスを上げていくか。
ここで、「やるべきこと」を選んで優先順位をつける必要が出てくるのです。
セミナーでは、この部分に焦点を当ててお話ししようと考えています。
参加ご希望の方は、私が運営する名門指導会のメールマガジンをとってくださればご案内が配信されるはずです。
よければご登録ください。

灘中2017年理科

灘中の2017年理科を解いてみました。全体としては「わかりやすい」問題と感じました。
「わかりやすい」というのは「簡単」「易しい」というより(実際に例年にくらべて受験者平均、合格者平均ともに高かったですが)、「出題者の意図がわかりやすい」問題でした。平たく言ってしまえば「定番の問題が多かった」とも言えます。
大問1はヤマネの生態に関する問題。ヤマネはその季節にもっとも多く手に入るものを食べるとあるので、春は花粉、夏は昆虫ではないかと多くの受験生は考えたと思います。問5は生存率と生存数の計算問題ですが、まさに定番ですね。気持ちよくテストをスタートできたお子さんが多かったのではないかと思います。
大問2は塩酸と金属の反応で気体(水素)を発生する問題。1辺5mmの金属板を使う設定ですが、25mm2と面積で考えればそう手間のかかる問題でもありませんね。灘中受験者にとっては易しい問題だったと思います。
大問3は食物連鎖に関するもので、問題文を一読すると「難解な設定か?」と思わせるのですが、実際解いてみるとそうでもありません。問3はまさに「定番」の計算問題ですね。過去に灘も出している問題の類題です。
大問4は「北極星も実は動いている」という内容の問題。地軸が揺らぎながら回転しているという話題ですね。大問3まで順調に解いてきた受験生は、落ち着いて「明るくなると星は見えない。季節によっては・・・」と可能性を検討できたことと思います。
大問5は高度と気温に関する問題。フェーン現象などの話題で頻出の計算問題です。手強いのは問5のみ。受験生の皆さんはグラフを使って解いたでしょうか。
大問6、おもしろい問題です。円形の枠の円周部分におもりをつけ、その円形の枠を斜面に置くという設定。「やじろべえ」のつり合いをしっかり考えたことがあるお子さんなら、(円形の枠の重さは考えないという条件から)おもりが円形の枠と床の接地点の真上にあればつり合うと考えることができたのではと思います。
以上、「定番が多い」とは言いましたが、話題を理解し考える楽しみに溢れた灘の出題。受験生たちは「灘中の先生に教えてもらっているような気分」で問題に取り組んだのではないでしょうか。
さて、あと2週間ほどで東京、神奈川の統一日です。
首都圏の受験生も、全力を出し切りましょう。

フジテレビ「フルタチさん」に出て感じたこと

■フジテレビ「フルタチさん」に出演しました
一昨日放送のフジテレビ「フルタチさん」の「古舘伊知郎がニッポンの今を考える!2017年もひっかかるSP!!」のコーナーに参加させていただきました。
放映されたのは、先日古舘伊知郎さんとともに、IQ130以上の子どもたちが通うという聖徳学園小学校にお邪魔した取材VTRです。
校舎の階段に1から無量大数までの数の単位が順に書かれていたり、元素の記号と名前が書かれていたり、様々なところに工夫がされている学校でした。
授業も独特で、公式が成り立つそもそもの理由を考えたり、立体の見え方やパズルなどを取り入れるなど、とてもユニークだと感じました。
■家庭でできるちょっとした工夫はたくさんある
私立の小学校は公立の学校にはない独自の工夫をしているところが多いですが、ご家庭でも意識して取り入れれば効果がありそうな工夫はたくさんあります。私は家庭教師という職業柄、お子さんがいるご家庭に毎日のように伺うわけですが、「これはいいなぁ」と思う工夫にたくさん出会います。
壁に日本地図を貼るのは定番ですが、立体のものを貼っておられるご家庭があるのです(しかもカレンダーとしても使える)。山地、山脈が正確に再現されていて、山地によって隔てられた太平洋側と日本海側の気候や環境の違いや平野部の広さ、地形そのもののダイナミックさ(あるいは平坦さ)などがリアルに感じられます。
また、資料やすべき事の整理法もご家庭それぞれ。ファイリングのしかたをお子さんに教え、分類したりファイリングしたり自分でさせているご家庭もあれば、1日の「今日やるべきこと」リストはお母さんがつくり、それにそってお子さんが済ませたものを「消し込み」していくという工夫をしているご家庭もあります。この「消し込み」がずいぶんお子さんに達成感を感じさせていたようです。
大切なのは、その子に合った方法、楽しくできる方法を見つけて続けること。
これができれば、中学受験にとどまらず「学び方」全般を身につけることができ、達成感や充実感から自己肯定感、自信を育むことができます。
2017年、「家庭学習にもひと工夫」をテーマにしてみてはいかがでしょう。

入試直前に思うこと

■この時期はとにかく過去問を解くことが大切
 
近頃の入試傾向として、ちょっと「ひとひねり」がある問題が増えています。たとえば直前期「問題集を一冊、入試までに終わらせよう!」は構わないのですが、これだけでは最後の一線を超えられません。使い回しのテキストではなく、最近の入試問題や、志望校と同じ傾向の類題を解くことで、「ひねり」に強くなることが求められます。
 
そういう意味でも、6年生はこの時期はとにかく過去問を解くことです。解くことで教科の実力を本番に向けて充実させるのはもちろんですが、ペース配分などの練習にもなります。塾でも指導されているとは思いますが、「テストの受け方の技術」の向上も大切な視点です。
 
たとえば、基本的なことなのですが意外にできていない子が多いのが「空白の解答欄を残さない」ということ。わからない問題でも、最終的に何か答を書くということは大切なことです。特に選択式回答の問題などで空欄を残すのはもっての外。空白の解答欄は得点になる可能性はゼロですが、何か書いておけば点に繋がる可能性が発生します。
 
最終的には「すべて埋める」のがテストの点につながる解答用紙に関する考え方です。
 
 
■合格につながる親の行動とは
 
首都圏では程なく「1月受験校」の入試が始まります。埼玉・千葉の学校などです。市川や栄東など人気校は、もちろん第一志望校として受験する子も多いですが、東京・神奈川の子どもも「お試し受験」的に受験することが多い学校です。
 
ここで注意していただきたいのですが、大切なのは「1月受験校に対するスタンス」をはっきりさせておくこと。「2月1日以降の入試に活かす」というのが、東京・神奈川の多くのご家庭のスタンスだと思います。
 
第一志望校に合格するためのステップとして1月受験校を捉えているなら、1月受験校の結果が合格でも不合格でも、2月1日以降の入試にプラスの結果を生み出すようにするのです。親としては「合格でも浮かれすぎず、不合格でも落ち込みすぎない」態度が大切です。
 
合格なら「よし、実力はついている。これで第一志望校の入試も大丈夫だ」とお子さんが考えて前向きに2月を迎えられればいいし、不合格なら「失敗したのが練習でよかった。今回の失敗を第一志望校の入試への教訓として参考にすれば、次はうまくいきそうだ」と思えればいいわけです。そういうふうに親は「もっていく」ことを心がければいいのです。
 
 
■不合格だったときのことも考えておく
 
縁起でもないと言われそうですが、実は「合格だったら」を考えるより「不合格だったら」を考えることが親には重要なのです。お子さんにはもちろん「合格のイメージ」をもって当日を迎えてもらいますが、「万一のとき」のことをシミュレートしておくのは親の役割です。
不合格を次の合格につなげる、という考え方を親が持っていないと、いざというとき「共倒れ」になってしまいます。入試シーズンに入ると、数日間はあっという間です。落ち込んでいても次の日また入試に出かける、そんなシチュエーションもあり得るわけです。そこをどう乗り切るかで、受験結果は大きく変わってきます。いざという時の役割分担を、塾の先生も含めて決めておきましょう。
親が「気持ちのタフさ」を要求されるのが中学受験。でも、それも後で振り返れば「親子で目一杯頑張った数日間」という懐かしい記憶になります。
しっかり歩んでいきましょう。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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