春休みが始まります

■もうすぐ春休みが始まります。

他の長期休暇も同じなのですが、休みに入る前に準備し、知っておかなければならないものがあります。

まず、お子さんが通っている塾の講習会の日程とカリキュラムです。

サピックスの6年生の場合、約2週間の春休みのうち、6年生の春期講習会は6日間、1日あたり4時間の授業です。サピックスは講習期間中もどんどんカリキュラムが進んでいく(講習会はそれまでの復習ではない)塾なので、2月・3月に習ったことを復習したい場合や、苦手単元を強化したいといったときには、ご家庭で計画を立て、実行していかなければなりません。また「春期講習を受けない」という選択が非常にしづらい塾です。

一方、日能研の講習会はそれまでの復習が中心の内容で、一部他の単元の学習も入ります。
2月・3月の学習内容でわかりづらかったところがあったなら、春期講習会で身につけてしまいたいものですね。その他苦手単元の補強や5年生の復習がしたい場合は、日程を確保しましょう。
日能研の春期講習(6年生)は、1日の拘束時間が長いので注意が必要です。

四谷大塚の春期講習会は、これまでの復習に、一部予習単元の学習が入ります。
四谷大塚も拘束時間が長く、朝9時から夕方5時くらいまでふさがってしまいます。

■「この春やりたいこと」は決まっていますか?

いずれにしても、春期講習会のカリキュラムに「この春やりたいこと」がすべて含まれているとは限りません。

もう直前ですが、「この春やりたいこと」は決まっているでしょうか。塾の春期講習のカリキュラムにその「やりたいこと」が含まれていなければ、講習会以外の時間でしなければなりません。
塾の春期講習と並行して行ってもいいのですが、各塾とも拘束時間が長く宿題も出るでしょうから、チャンスは終業式〜春期講習開始までの期間と、春期講習終了から始業式までの期間になりそうです。

以前もお伝えしましたが、春が終わると塾の6年生の学習は「アウトプット型」に変わっていきます。もしも弱点単元や苦手分野があるなら、春の間にある程度の手を打っておかねばなりません。いつ、何を使ってやるか。それだけは決めておきましょう。お子さんだって、自由時間も確保したいでしょうから、あらかじめ予定を共有しあって、スムーズに復習が進むようにしておきましょう。

■ゴールデンウィークまでを見通して

春休みが終わったら、次にまとまった休みがあるのはゴールデンウィークです。ここでサピックスではGS(ゴールデンウィーク・サピックス)特訓がありますね。この講座は典型的な「演習型」「アウトプット型」授業です。「アウトプット型」の授業は、一通り学習が「完成」した前提で、どんどん問題を解いて細かな課題を明らかにする効果がある反面、まだ未完成、つまり「インプット型」の授業が必要なときに受けても効果が薄いのです。

だから、春にどれくらい今の課題が解決したかによって、受講すべきかどうかを判断しなければなりません。

GS特訓に関しては、「まだインプットすべきことがある」と感じたらスパっと受講しないという選択をするのでいいでしょう。6年生が本格的な「アウトプット型」の授業に入るのは、各塾のカリキュラムを考えても、やはり夏くらいからが妥当と感じます。

春休み〜ゴールデンウィーク、上手に乗り切っていきましょう。

4年生、5年生で身につけたい「正しい学習習慣」

■6年生の姿は「1年後、2年後の我が家」
3月10日(木) 渋谷にてセミナーを行いました。
中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒させていただいている、個別指導教室SS-1の小川大介さん、前田昌宏さん、辻義夫さん、そして馬屋原吉博とともに、弁士として参加させていただいたのです。
今回のセミナーは、「6年生の春のうちに何をしておくべきか」がテーマです。6年生についての話なのですが、5年生以下のお子さんのご家庭のお父さん、お母さんも興味深そうに聞かれていました。1年後、2年後の我が家の話だからです。
6年生になると、さすがに学習内容の難度も高く、量も多くなるのですが、5年生までのお子さんは、ぜひそれまでに「学習のしかた」の足腰をしっかりさせていただきたいと思います。
■6年生の夏から、塾の勉強はこう変わる
6年生の春は、実質「受験勉強の仕上げ期間」という扱いになります。どういうことかというと、6年生の夏以降は、春までに受験勉強を終わらせたという前提で、「演習授業」が中心のカリキュラムになっているのです。
6年生前半までの授業が「インプット中心」の授業だとすれば、後半、夏からの「演習型」の授業とは、「アウトプット中心」の授業です。まずとにかく問題を解き、その結果「忘れていた」「理解が不十分だった」という部分を抽出して、なおしによってその単元を補充的に学習する、という流れの授業です。過去問を題材とすることで、志望校の出題傾向への慣れを培うという効果もあります。この授業が効果的に行われるためには、その前段階で各単元の学習がおおむね良好に身についている、ということが必要なのです。
6年生の夏の段階で苦手単元がいくつもある、という状態では、そもそもこの前提が準備出来ていないということになり、本格的な受験対策がうまく回っていかないのです。
だから4年生、5年生のお子さんは、各科目で苦手分野を残さないよう、学習のしかたをチューニングして言ってください。
■5年生までの各科目の具体的な勉強法
チューニング、といっても具体的に何をすればいいかと思いますよね。
まず算数ですが「答が合ったからいい」という勉強にならないようにしましょう。テストの点数も大切ですが、「ちゃんと理解して正解しているか」がもっと大事なのです。5年生までは、知識と解法で解ける問題がテストの大半を占めます。でも6年生になると、そこに「整理」という要素が入ってきます。複雑な条件をどう整理すれば考えやすくなるか、糸口が見えやすくなるか。その力は、単に解法を暗記するだけでは身につきません。
「この問題を解く糸口は◯◯だ。なぜなら・・・」
の続きをきちんと言えなければならないということです。
続いて国語ですが、国語の力の大きな割合を占めるのは「知っている言葉の数」です。入試問題の本文は小学生が普段使わないような「大人の言葉」のオンパレードです。一つの言葉がどんなシチュエーションで、そんな意味合いで使われるのかをたくさん知っているお子さんが「読める」「精読できる」お子さんです。ふだんのやりとりから、ちょっと「大人の言葉」を使うよう意識してみてあげてください。塾のテキストの文を「ななめ読み」しなくなります。
理科に関しては、単に「覚える」のではなく、因果関係をしっかり理解して覚えることが大切です。月の裏側が地球から見えないのは、受験生にとってはもはや「常識」に近いことですが、それがどうしてか、言葉で、そして図を使って説明できるか。そんなことを意識し、つねに「◯◯だから■■」とものを考える週間をつけるようにしましょう。
■「正しい習慣」を身につけよう
中学受験のよいところは、お子さんに学習の習慣がつくことです。毎日一定量、勉強するということは、非常に大切なことです。この学習習慣は学生の間だけでなく、一生お子さんを助けてくれる宝物です。
だからこそ、正しい学習習慣を身につけるということを心がけましょう。上で述べたような勉強を心がけ、単に暗記するだけとか型に当てはめるだけといった勉強に陥らないようにしてください。
4年生、5年生のうちにそういう習慣がつけば、6年生になっても「睡眠時間を削って勉強」というようなことは起こらないはずです。 

2016年入試問題に見る「アクティブラーニング」

今年の主な学校の入試問題を解いてみると、今年話題に上がることが多くなった「アクティブラーニング」という言葉が頭のなかにふっと浮かぶことが多かったように思います。

アクティブラーニングとは、単なる知識の伝達や「教え込み」ではなく、子どもたちが自発的に問題を見つけ出し、あるいは設定してその解決法を考えることができるような、能動的な学びを意味すると私は受け止めていますが、今に始まったことではない、と自信を持って言い切る学校も多いのではないかとも思います。

私が「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」というポータルサイトで主任相談員としてご一緒させていただいている小川大介さんが主宰する個別指導「SS-1」では「発問応答」と呼んでいるそうですが、一方通行の授業ではお子さんの頭は活性化しません。

教える側も生徒たちと意見交換しながら切磋琢磨し、一緒に考え、子どもたちが「考え方を考える」ことができるような授業が、教える側も、教えられる側も刺激があり、充実した授業です。そのようなやり取りを、問題文中に「対話」という形で出題する学校が増えているのは、各中学校もそんな授業を楽しいと感じる子どもを求めている証拠だと感じます。

昔からこういった出題をしていたのが、関東では御三家であり、関西では灘中学校をはじめとする最難関中学校です。

「覚えているだけじゃダメなんだよ」
「今ここで、与えられた条件を手がかりに考えてごらん」

そう出題者から問いかけられているような問題。
謎を解き明かした瞬間に、「ああ、なんて素晴らしい謎解きなんだ」と感動してしまうような問題。

難解、複雑で苦心した挙句に、そういった快楽が待ち受けているような問題は、解く人を成長させます。「わからないからいいや」と投げ出すか「わからないことはわかるまで考える」と立ち向かうか。

大げさに言えば、そんな「生き方」みたいなものにつながるのが、良い出題者が考える、良い問題だと私は考えています。

そのような出題をする学校が、確実に増えています。

そういう学校の問題を楽しめるような子どもたちを育てるのは、大人の見識であり、責任なのかもしれません。

6年生が春のうちにすべきこと

昨日、大阪梅田でセミナーを行いました。「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒させていただいている、個別指導教室SS-1の先生方とともに、おもに新6年生のこれからの学習に関して、いろいろお話をさせていただいたのです。
外部の先生方と一緒にセミナー講師を努めさせていただくことで、日々自分が感じていることを他の方も感じているのか、確認することができてとても助かります。
塾によってカリキュラムに対する考え方、進度も様々ですが、1つ確実に言えることがあります。
それは
「6年生担当の塾の先生方は、『5年生までで中学受験に必要なことがらはすべて教え終わっている』という感覚で6年生の授業にあたるということです。
そして、各塾「スパイラル方式」のカリキュラムとなっていますが、それは前の学年で習ったことをそのまま繰り返すのではなく、「前の学年で習ったことは理解して身につけている」ということを前提に、よりレベルの高い学習をする、というものです。
「苦手だけど、わからなかったけど、また出てくるから大丈夫」
と高をくくっていると、次に出てきたときにはもっとわからなくなってしまうということです。
さらに、いよいよ受験学年である6年生を教える先生たちは、子どもたちが5年生までで、受験に必要な学習の、少なくとも基礎の部分は身につけているものとして授業を行うのです。
だから、「春の間はとりあえず様子を見て」と考えていると、夏になる頃には、もう遅れを取り戻したり、苦手を克服する時間の余裕もなくなっていることに気付くのです。
セミナーでも話したのですが、6年生はぜひ今、この2月、3月の間に苦手分野の克服や理科や社会の暗記の補強や完成など、テーマを決めて取り組んで欲しいと思います。
セミナーでSS-1の辻義夫先生も仰っていましたが、テストなおしを「間違った問題のなおし」ではなく「間違った問題の単元を勉強しなおす」とすることも、実はとても効果的です。植物の種子の問題を間違っていたなら、種子だけでなく葉や茎などに関しても勉強しなおしてみる、といった具合です。
「テスト直しから学びがある」というのはとても受験生にとっては大切で、次回のテストの得点にもつながることです。
ぜひ試してみてください。 

たいせつな数日間が始まります

いよいよ東京都、神奈川県の統一入試日が3日後。雪が降るかもしれないとの予報で、いろいろと心配は尽きません。
でも、ここまで頑張り続けた6年生たちは、どうか自信を持って会場に出かけてほしいと思います。
そしてお母さん、お父さんは、「だいじょうぶ」という言葉で送り出してあげてください。
もちろん、天候も含めて何があるかわかりませんから、周到に準備をしてあげてください。特に寒さ対策、逆に教室に入ってからの「暖房対策」にも対応できるよう、暖かくて着脱しやすい服装がいいですね。
いろいろなところで述べているのですが、周到に準備することを前提に、もしものことがあっても大丈夫かどうかの確認もしておきましょう。つまり、周到に準備するのですが、それでも何か忘れ物があったときにどうするか、といったことも考えておくのです。会場の近くにコンビニはあるかということを確認しておきましょう。もしものときに親が焦ると、お子さんはもっと焦るものです。
第一志望校の入試の前日に緊張しない子はいません。そんなときは、これまでやってきた勉強の証、ノートやテキスト、参考書など、ざっと目の前に並べてみてください。
「こんなにがんばってきたんだからだいじょうぶ」
そう思うことができれば、少し安心するはずです。
なかなか寝付けない子も多いものです。そして、眠れないということ自体が焦りの気持ちを生み出すこともあります。大きく、深く呼吸して、ゆったり寝転がっているだけで、ずいぶん身体も心も休まるということを伝えてあげましょう。
たいせつな、たいせつな数日間。たぶん親も子も、一生忘れられない何日かになるでしょう。しっかり駆け抜けましょう。 

5年生は2月までに組分けテストのなおしと弱点の穴埋めを

5年生は、そろそろ6年生の準備に本腰を入れなければなりませんね。サピックスでは1月11日に「新学年 入室・組分けテスト」が実施されました。冬休みにノーマークだった地理が大々的に出題され、地理の復習の必要性を痛感したお子さんも多かったのではないでしょうか。
算数はいつもどおり計算問題、三行問題に始まり、大問3では立体の投影図や大問7の数論など、バラエティにとんだ問題、レベルも易しいものから難しいものまでバランスよく出題されていて、よくも悪くも今のお子さんの算数の実力がわかる出題だったと思います。
同様の組分けテストは四谷系の塾でも24日(日)に行われます(公開組分けテスト)。現在の学力をしっかり把握した上で、新しい学年に臨みたいものですね。
そして、あと一歩進めて、現状の把握だけでなく「新年度に向けてこれだけはやっておこう」というテーマを決めて、2月に新しい学年が始まるまでに実行しておいてほしいのです。
組分けテストや志望校判定テストが多く行われるこの時期、その結果は非常に気になるところですが、テストの本来の目的の1つ(とても大切な1つです)、テストの内容とお子さんの出来から今やるべきことを考え、弱点分野や課題の穴埋めをしておく、ということです。
塾のカリキュラムは、学年が上がるにつれて子どもへの(ご家庭へもです)負担が増すようにできています。受験がどんどん近づいてきて、習うことも難しくなるので当たり前といえばそうなのですが、特に6年生になるお子さんには「6年生の夏までに学力を完成させる」気持ちで準備してほしいと思います。塾のカリキュラム自体がそうなっているからです。6年生の前半までにカリキュラムの学習を終え、後半は総復習をしながら受験対策という形です。
特にサピックスのカリキュラムは「無駄」がなく、あらゆる塾の中で最も効率のよい作りになっているのではと思います。毎回の内容をしっかり身に着けているお子さんには、最大の効果を発揮するでしょう。
しかし、この「無駄」のなさのため、一度つまずき始めると挽回が難しい、という側面もあるのです。だから、この組分けテストで見えてきた弱点は、新学年が始まるまでに潰しておくのが最善なのです。
サピックスに限らず、他塾でも小6のカリキュラムは似たような考え方で作られていますから、5年生最後のこの時期、テストの結果だけでなく内容をよく見て「テストなおし」と「テストから見えてきた課題の穴埋め」を意識的に行っておきましょう。 

中学入試が始まります

2016年に入り、10日間が過ぎました。学校や地域によってはもう入試が行われたところもありますね。6年生たちは最後の追い込み、がんばっていることと思います。
関西では今週末に、大阪府・兵庫県の統一入試日を迎えます。東京もあと3週間ですね。勉強しても勉強しても、入試前日には「もうちょっとやっとけばよかったな」と思うものです。でも入試が終わると、結果はどうあれ不思議なことに「やれるだけのことはやった」と思えるものなんです。
そのためにも、今は一心不乱でがんばりましょう。
この時期になると、もうあまり苦手単元・科目にフォーカスした勉強をせず、バランスよく、得意単元の得点力を増すくらいの比重の勉強のしかたがいいですね。あとは、自信満々で出かけることです。
「受からないかもしれない」と不安いっぱいで会場に出かける子と、「きっと合格する」と思って出かける子では、どう考えても後者のほうが有利です。まったく同じ実力であったとしても、自信がある子は精神的な余裕がある分だけでも有利です。
だから、お父さん、お母さんはお子さんを
「きっとだいじょうぶ」
という言葉とともに送り出してあげてください。もちろん、もしもの場合の結果の受け止め方は考えておく必要がありますが、何があってもあの子はきっと乗り越えてくれるはず、そう信じて。
「だって、あなたはお父さんとお母さんの子どもなんだから。」
これは心の中でもいいですね。
こんな機会だから、あらためて伝えるのもよし。
「数日間、毎日入試ばっかりで大丈夫かしら?」
そんな心配も尽きないと思います。
でも1つ確実に言えることがあるとすれば、入試の前後で確実に、親も子も成長するということです。一回り大きく見える我が子の姿を楽しみに、笑顔で送り出しましょう。
きっとだいじょうぶです。 

◯◯しなさい、さもないと・・・

2015年もあと数日。6年生は間近に迫った入試に向け、最後の追い込みに入っています。この時期、子どもたちは「こんなに自分がたくさんのことを覚えられるなんて信じられない」といった意味のことをよく言います。つまり、入試本番がいよいよ迫ってきて、「超本気モード」で勉強しているので、今までとくらべて明らかに記憶力、理解力が上がっていると実感しているのです。

何よりも、集中力が上がっているのがその大きな要因ですね。

そんな姿を見ていると、それではもっと早くから「超本気モード」にさせることができれば、どんどん成績を上げられるのではないか」と考えてしまいがちですが、なかなかそううまくはいきません。

子どもを本気にさせるために、ついつい大人がとってしまいがちな行動が、「叱咤激励」。

それ自体が間違っているわけでも、悪いわけでもありません。そして叱咤激励している時の大人が言っていることは「正論」です。

でも、正論だったら言われた子どもは納得して聞き入れるかと言われると、そうではありません。そもそも中学受験を目指して塾に通う子どもの多くは、すでにまじめに、一生懸命勉強しています(少なくとも本人たちはそう思っています)。そこへ正論を振りかざされると、多くの場合反発の気持ちしか生まれてきません。

中学のときに習った英語の構文に
「命令文+and〜」
「命令文+or〜」
というのがありました。

上の構文は、
「◯◯しなさい、そうすれば〜」
という意味で、下の構文は
「◯◯しなさい、さもないと〜」
という意味だったと記憶しています。

下の構文で子どもに話し続けると、子どものモチベーションはどんどん低下して、お母さんに叱られるから、といったマイナスの動機でしか動かなくなっていきます。

「算数の復習をしておかないと、次のテストでいい成績が取れないわよ。」

ここまで露骨ではないにせよ、ついついこのようなトーンで話してしまいがちかもしれません。

お子さんと過ごす時間が長くなる冬休み、意識的に「伝え方」にこだわってみるのもいいかもしれませんね。

インフルエンザで成績が上がる?

昨日(12月15日)、インターネット教育ポータルサイト「リセマム」様主催のセミナーに講師として参加させていただきました。
「中学受験を考える保護者必聴 子どもの学力と体力を育てる!冬休みの過ごし方講座」と銘打ったセミナーで、個別指導教室「SS-1」を主宰する小川大介先生と私が担当したのは、第一部「受験学力をすくすく育てる『心』と『体』の使い方」のパートです。
年も押し迫ったこの時期にもかかわらず、たくさんの方にご来場いただき、お母さんたちの熱意に感心してしまいました。
大きな舞台の壇上からのお話になってしまい申し訳なかったのですが、低学年から高学年のご家庭まで、みなさんメモなどを取りながら聞いていただきました。
今年は暖冬のようですが、やはり年末のこの時期になると、お子さんの体調面の管理は気になるところですね。乾燥するとインフルエンザなどのウィルスも繁殖しやすく、とくに受験を控えた6年生のお母さんは敏感になってしまう時期でもあります。
カゼなどの予防はもちろんマスク・手洗いなどが基本ですが、しっかり睡眠をとること、家で過ごす時の環境をととのえるといったことも大切です。室温管理や加湿ですね。そして睡眠時間は言うに及ばずです。
何度かセミナーやこのブログでも紹介したことがあるかもしれませんが、実は子どもたちがインフルエンザなどにかかって数日から一週間ほど学校を休むと、学力がぐんと上がったように感じるのです。特に6年生のお子さんに関して、そんな印象を持っています。
とはいえ、たぶんインフルエンザが学力に直接影響しているわけではありません。
実はインフルエンザにかかり、家でしっかり寝る時間を確保したことで、驚くほど計算や思考のスピードが速くなるようなのです。どうしても6年生は、受験間近のこの時期になると睡眠時間が不足しがちです。しっかり睡眠をとることで、本来持っている能力が発揮できているようなのです。
ふだん教えている私たちでさえ、「この子はこんなに速く計算ができるんだったんだな」と驚いてしまうほどです。
冬休みが近いですが、お子さんの生活全般をこの機会にあらためて見直し、適正な睡眠時間をとらせてみてください。きっと、ちょっとした学習メニューをこなさせるよりも効果があるはずです。

冬期講習会=復習と考えてはいけない?

12月11日、主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局」との共催セミナーを開催しました。

今年は11月の開催で最後にしようと考えていたのですが、

「2月から新しい学年になる前に、この冬どんなことをさせればいいですか?」
「結局この1年、成績が上がらずじまいでした。このまま学年が上がったら、上がるどころか下がるんじゃないかと不安です」

といった声をセミナー後にたくさんいただき、なんとかもう一度、年内にみなさんにお話しする機会を得られないかと考えた末、ウェブセミナーという形をとらせていただいたのです。

セミナーの中でもお話ししたのは、冬休みには冬期講習会があるから、そこで今年の総復習をやってくれる、と漫然と考えていては期待はずれに終わる可能性があるということです。大手進学塾で、講習会が純粋に復習というのは日能研くらいで、サピックスはカリキュラムがどんどん進んでいくタイプの塾ですし、四谷大塚系のカリキュラムも、予習単元がかなりの量入っています。

苦手な単元は冬期講習会で、ではなく、冬期講習が始まる前になんとかしておくというのが望ましいのです。そういう視点で冬休み前のスケジュールを眺めてみると、冬休みの開始から冬期講習が始まるまでの期間や、冬休み前に短縮授業の期間があるならその期間が目についてくると思います。

また日能研のように講習会が「復習型」の塾の場合、講習会で新しく習うことは少ないですから、「もうじゅうぶんできるから、あらためて授業で教えてもらうまでもない」といった単元をどうするかをあらかじめ考えておくといいですね。そのような単元の学習は思い切ってお休みして、苦手科目や弱点単元の学習に充てるという手も大いにありなのです。

関西の浜学園も、講習会は復習というタイプの塾ですね。もちろん希学園も似たカリキュラムを持っています。塾からは「講習会には必ず参加してください」と言われると思います。でも、本当に必要かどうかはご家庭が決めること。参加するかどうかもそうなのですが、1日1日、この日は出席するのかということも考えるのが結局はいいように思います。

気をつけていただきたいのは、冬休みは意外に短く、クリスマスや年末年始など(親御さんも)バタバタしがちで、なんだかこれといったこともできずに過ぎ去ってしまった、という結果になりがちだということです。

だからあらかじめ塾のカリキュラム、ご家庭の行事予定などをしっかり確認し、「いつ、何を」するかをしっかり決めておくことが大切なのです。そして、その予定はあらかじめお子さんに共有するようにしておきましょう。お子さんはお子さんで、学校がお昼までで終わるのなら友達と遊ぼう、と考えて約束して帰ってくるかもしれません。だからあらかじめ「この日は◯◯の復習をしようね」と声をかけておくことで予定をおさえておくのです。

2月には塾の学年が上がります。学年が上がると、授業時間が長くなったり通塾日数が増えるなど、お子さんの負担は増えることはあっても減ることはありません。そして塾の日数や授業時間が増えたら、そのぶん宿題も増え、ダブルでお子さんに掛かる負担は大きくなるのです。(塾の時間が1.5倍に増えたら、その宿題もおよそ1.5倍に増え、お子さんの感じる負担はそれまでの2倍以上、ということも珍しくはありません。

今5年生のお子さんの親御さんなら、4年制から5年生に上がった時のことを思い出していただきたいのですが、次に6年生に上がったときには、5年生になったときよりもさらに負担感は大きくなるはずです。

だから、この学年で気づいている苦手はこの学年のうちに克服、ということを目指して、のこりの2ヶ月足らずを過ごしていただきたいと思います。

周到に、新しい学年に備えていきましょう。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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