
皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■ 小学校の夏休み
6年生にとっては「夏は受験の天王山」とも言われる小学校の夏休みが近づいています。
令和元年の小学校の夏休みは、大阪市、神戸市、京都市のホームページによると次のようになっています。
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1学期終業式 |
2学期始業式 |
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大阪市立 |
7月19日(金) |
8月26日(月) |
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神戸市立 |
7月19日(金) |
9月2日(月) |
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夏季休業日 |
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京都市立 |
7月24日(水)~8月25日(日) |
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※日程は学校において異なる場合がありますので、詳しくは各学校にご確認ください。
上記のように、夏休みは受験勉強するための「まとまった学習機会」として最も長い期間(約40日間)であることから、「夏は受験の天王山」と呼ばれています。
そのため、大手進学塾ではこの期間を利用した、いわゆる「夏期講習」が行われます。
■ 大手進学塾の6年生の夏期講習と1週間の学習スケジュール
大手進学塾の6年生の夏期講習は、下記の期間中、原則として、浜学園や希学園(含:夏期演習)は月曜日から金曜日の毎日、馬渕教室は4日間の講習と1日のお休みのターム制、日能研は月曜日から土曜日の講習と1日のお休みをくり返します。
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開講期間(6年生) |
お盆中の休講期間 |
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浜学園 |
7月23日(火)~8月23日(金) |
8/13~8/16 |
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馬渕教室 |
7月26日(金)~8月29日(木) |
8/9~8/15 |
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希学園 |
7月22日(月)~8月24日(土) |
8/11~8/17 |
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日能研 |
7月22日(月)~8月23日(金) |
8/11~8/17 |
※日程は教室、校舎において異なる場合がありますので、詳しくは各塾にご確認ください。
浜学園や希学園の場合、この夏期講習に加えて平常の授業も並行して行われますので、その学習時間数はかなりなものです。
一例として、浜学園の男子最難関コース(Mコース)の場合を見てみると、選択講座も含めた夏休み期間中の1週間の学習スケジュールは下記のようになります。
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
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夏期早朝個人目標達成特訓(選択) 9:30~11:45 ※夏期講習 社会(選択) 8:45~11:45(火) |
最高レベル特訓国語(選択) 15:00 ~ 16:50
最高レベル特訓算数(選択) 17:05 ~ 20:40 ※難問解消(選択) |
日曜志望校別特訓 (選択・月2回) 10:00~21:10
※8/11公開学力テスト ※8/25合否判定学力テスト |
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夏期講習 12:15~15:45 |
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算数A |
理科A |
理科B |
算数B |
国語 |
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マスターコース 17:05~18:55/19:15~21:05 |
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算数1st /‐ |
社会(選択) /最高レベル特訓理科(選択) |
理科 /‐ |
国語記述力養成講座(選択) /‐ |
国語 /算数2nd |
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※男子最難関コース(Mコース)西宮教室の場合
上記のケースですと、日曜志望校別特訓や最高レベル特訓などの選択講座を受講している場合、1学期の終業式後の数日間とお盆の休講期間を除いた夏休みのほぼ毎日、塾に通って学習することになります。
「夏休みを利用してたまっていたテスト直しをしよう」、「夏休み中に不安な単元をなんとかしたい」と考えていても、「塾の夏期講習まかせ」にしてしまうと、想像以上の忙しさのために、何もすることができずに終わってしまう可能性が小さくありません。
■ 夏休みは事前の学習計画が大切
「でも、夏期講習はこれまでの復習ではないの?」と、カリキュラムだけを見ると、そのように思われるかも知れません。
確かに大手進学塾の学習カリキュラム上では、夏期講習が始まるまでに受験に必要なことは一通り終えるようになっていますし、夏期講習の案内でも「学習単元としては入試頻出単元である「数」・「文章題」・「平面図形」・「立体図形」で、これらを学習することにより、底上げを図り、9月以降の受験レベルの応用発展まで踏み込むことが可能になります」(浜学園ホームページより)とあります。
しかし、同時に「受験算数の力を養わなければいけません。(中略)最難関中レベルの問題を解くための応用問題が中心となります。入試に向けて小問雑題の処理能力を徹底的に鍛えるために「入試対策小テスト」も実施します」(浜学園ホームページより)とあるように、「強化のための学習や演習」が夏期講習で行われる内容の中心です。
ですから、「夏休みを利用してたまっていたテスト直しをしよう」、「夏休み中に不安な単元をなんとかしたい」という場合は、夏期講習の日程や学習内容を確認し、その利用方法とそれに適した家庭学習をあらかじめ計画しておくことが大切になります。
名門指導会では7月4日(木)に大阪での相談会を予定しています。
相談会にご参加になる方は、夏の家庭学習についてしっかりご相談なさると良いと思います。
また、相談会自体は定員に達してしまいましたが、「夏までになんとか勉強を立て直したい」が「具体的にどうしたらよいかわからない」などの不安をお感じでしたら、名門指導会の体験授業、電話相談などを利用してみてください。
6月も間もなく終わり、7月を迎えます。
夏休みが間近ですね。
■「魔法ワザ」シリーズ新刊が発売になります
さて、実はこれを書いている翌日、6月26日(水)に、監修を務めさせていただいた、前田昌宏先生の「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・文章題」が発売になります。
魔法ワザシリーズの第3弾ということで、いよいよ文章題編です。
1冊目の図形編、次いで2冊目の計算問題編に続いて、上手に利用いただければと思っています。
発売は26日(水)なのですが、28日(金)から、「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でアマゾンキャンペーンを開催してくださるそうなので、お求めになる方はそちらをご利用くだされば、特典の小冊子プレゼントなどもあります。
そして、7月18日(木)には、同じく「魔法ワザ」シリーズの「理科・表とグラフ」が発売です。
表とグラフに関しては、とても苦手とするお子さんが多い分野だけに、早く問題集を監修したかったのですが、今回も辻義夫先生が力の入った問題選択とわかりやすい解説を繰り広げてくださり、受験生にお役立ちの問題集がまた1冊増えたのではと思っています。
■ 6年生は特に「自分に必要なもの」を見極めて、そして過去問も
6年生の夏休みの大変さは、今更ここで言うまでもないと思いますが、迫った夏の前にもう一度だけ、お伝えしておこうと思います。
6年生は特に「あれもこれも」ではなく、自分に本当に必要なものをしっかり選択して取り組んでほしいと思います。
上記の「魔法ワザ」2冊も、これまでのシリーズ同様「つまみ食い」ができるようなつくりにしてあります(「もったいない」と思われるかもしれませんが、あえて「全部やる」ということを意識しなくても大丈夫です。「あ、この問題なんとかしておきたかったんだ!」という問題が見つかったら、ぜひそれから取り組んでみてください。
塾で与えられる夏期講習の宿題も相当な量です。
「今の自分に必要なものから優先して」という視点は、ぜひ失わずに夏を過ごしてください。
また、「過去問は秋からでいい」という指導がなされる塾もあるようですが、受験する学校が2校、3校というのは最近の中学受験ではむしろ少数派ではないかと思います。
5校、6校の過去問をそれぞれ数年分、と考えれば、秋からで間に合うかどうかは見えてくるのではないかと思います。
夏から少しずつ始めていくというお子さんも、実は多いのです。
■ 関西の塾は首都圏以上に過酷
関西の塾、代表的なのは浜学園や日能研関西、そして希学園などでしょうか。
多くの塾でいえるのが、首都圏以上に拘束時間が長く体力を消耗するということです。
たとえば浜学園の6年生の場合、午前中には自習と質問受けの時間があり、午後からは夏期講習、そして夕方から平常授業といった日が続きます。
ほぼ一日中、塾に「缶詰め」です。
夏期講習会は復習内容とはいえ、この拘束時間の長さと「2つのカリキュラムが並行して進む」という状態は、かなりハードです。
忙殺された末に「なんだかバタバタしただけで手応えが・・・」といった結果になるのがもっともまずいので、あらかじめ「積み残し」がでてしまったらいつ、どうやって挽回するかということまで意識しておくとよいと思います。
親御さんにとっては、体調管理も気になるところだと思います。
睡眠時間は最低何時間確保するか、そんなことも決めて、必ず守りたいですね。
いよいよ夏です。
しっかり備えて迎えましょう。
今日は「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と、私が主宰する「名門指導会」共催の個別相談会でした。
その会場でのご相談のひとつから、気づいたことをお伝えしたいと思います。
子どもが勉強に対して、「やらされている」という意識を持たずに、自主的に向き合えるようになるために、親はどう接したらいいのか、ということについてです。
■ 子どもへの「信頼感」が鍵
子どもは成長のどこかで「勉強をやらされている」という意識から解放される必要があります。
中学受験をするなら、小学校高学年のうちから自主的に前向きな気持ちで勉強と向き合えるのが理想です。
そのためには、親が子どもに対する絶対的な信頼感を持つことが大切になってきます。
親が子どもの勉強する様子を見ていると、つい「これくらいできて当たり前」と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、それが子どもにとっては重荷になってしまいます。
「どうしてこんなことができないの」と思う親と、「こんなにがんばっているのに」と思う子ども。
このギャップは、どちらにとってもよい結果をもたらさないことが多いようです。
そこで、親御さんには「減点法」ではなく「加点法」という考え方をしていただきたいと思っています。
減点法は、100点満点が先にあり、まちがえる度にそこから点数を引いていく考え方です。
加点法はその逆で、最初から100点があるわけでなく、ここまでできたら何点、とよい結果やそのプロセスを積み上げていく考え方。
加点法の考え方で子どもに接し、絶対的な信頼感を持つことで、子どもの「自立思考力」も育まれます。
■ 「加点法」の子どもへの声がけの例
仕事などでもそうですが、子どもの学習などでも、モチベーションを高めるために欠かせないのが、加点法、つまり、よいところに目を向ける姿勢です。
ちょっとしたまちがいをしたときに「どうしてこんなこともできないの?」という言葉をかけるのではなく、できていた箇所があったら「よし、ここはよくできたね」とプラス思考で評価してあげましょう。
途中までの解法は合っていても、最後の詰めの部分でミスをしてしまったら「もうちょっとで正解だったのに、なんでこんなミスをしたの」ではなく「もうちょっとだったね、でもほとんど正解だから」など、加点発想で声をかけると、子どものモチベーションを維持できるのではないでしょうか。
■ 「自立思考」の意識を高める
暗記やパターン学習を繰り返すことによって、子どもの「勉強をやらされている」という意識が強くなってしまい、前向きな意欲が湧きにくくなるのはよくあることです。
そうならないためにも、子どもに絶対的な信頼感を持ち、常に加点法で接することによって、子どもが達成感や自信を持つことにつなげていきましょう。
そこから自立思考も芽生えていくと思うのです。

相談会の会場にて。今日もさまざまなご相談に先生方が熱心にお答えしました!
こんにちは、西村です。
5月、首都圏、関西で少人数の相談会を開催しました。
毎回、募集人数が10名未満という小規模で行っている相談会ですが、だからこそ講師がマンツーマンで参加者の皆様のご相談に、長い時間とエネルギーをかけられる機会になっています。
その相談会で話題に上るのは、すでに夏期講習のお話です。
季節外れの真夏日、猛暑日が各地で観測されていますが、受験勉強においてはすでに夏の準備は始まっています。
次回の少人数相談会・セミナーの開催は、
首都圏・・・6月11日(火)
関西・・・6月13日(木)
の予定です。
メルマガでお知らせしますので、ご希望の方はチェックしていてください。
■大手進学塾の夏期講習の受付がスタート
サピックスや早稲田アカデミー、日能研など首都圏の大手進学塾のホームページには夏期講習の案内が掲載されています。
一方、関西エリアの大手進学塾でも塾生には夏期講習や夏期の進学説明会、夏期イベントの案内が配布され始めました。
この小学校の夏期長期休業中に行われる「夏期講習」には、次の3つのタイプがあります。
(Aタイプ)夏期講習と関連イベントや特別講座だけが行われる塾
(Bタイプ)夏期講習と基幹講座など平常の授業が併行して行われる塾
(Cタイプ)基幹講座などの平常授業が時間帯を変えて夏期講習として行われる塾
首都圏系の日能研やサピックスはAタイプ、関西エリアがメインとなる浜学園や希学園はBタイプ、馬渕教室はCタイプに属します。
■夏期講習の受講資格がある塾とない塾
また、カリキュラムだけでなく、夏期講習の受講方法も大手進学塾によって異なっています。
日能研の場合、どの学年であっても夏期講習の受講は原則として申し込みだけで可能ですが、同じ首都圏系のサピックスでは、夏期入室テストまたは第2回志望校判定サピックスオープン(6年生対象)で入室基準に達することが必要です。
また、関西エリアがメインの希学園の場合、1~5年生は受講申し込みだけでOKですが、6年生は「5月から7月までの公開テスト、または随時実施する特別入塾テストを受験し、合格」(希学園ホームページ)することが受講の条件となっています。
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タイプ |
テストを受けて受講する |
申し込みだけで受講できる |
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夏期講習のみ |
サピックス |
日能研 |
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夏期講習+平常授業 |
浜学園・希学園(6年生) |
希学園(1~5年生) |
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平常授業のみ |
馬渕教室 |
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■受講資格・夏期講習のスタイル
サピックスの夏期講習は、基本的に「進み続ける」というのが特徴です。
学年、そして科目によっても違いますが、「講習会で初めて習う」といった単元も多いため、夏期講習を受けないという選択肢が選びづらい塾です。
このスタイルは関西の馬渕教室も同じです。(こちらは平常授業が夏の間もずっと続くスタイルですが、やはり「受けない」という選択はできませんね)
そして上記のように、サピックスの夏期講習を外部生が受講する場合は、まず入室テストを受ける必要があります。
ただ、6年生は校舎によっては募集していない場合もあり、注意が必要です。
※渋谷校・白金高輪校ではすでに6年生の募集がないことが、ホームページ上で告知されています。
関西エリアの大手進学塾である浜学園の夏期講習の受講方法は、学年が1~5年生か6年生かでやや異なってきます。
1~5年生の場合は「塾生および受講資格を取得された方」(浜学園ホームページ)となっており、公開学力テスト、土曜入塾テスト、特別扱い入塾テスト、無料オープンテスト、講習会受講資格判定テストのいずれかのテストで資格を得ることが必要です。
しかし6年生の場合は夏期講習と日曜志望校別特訓が連動しているため、夏期講習も「志望校別夏期講習」という名称となっており、受講資格の他に志望校別のコース基準が設けられています。
そのコースは、M灘コース、男子最難関コース(Mコース)、女子最難関コース(Lコース)、男女難関コース(RDコース)の4つに区分されており、M灘コースは62、男子最難関コースは56、女子最難関コースは55という受講基準がそれぞれ設定されています。
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コース |
主眼校 |
実施教室 |
受講基準 |
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M灘 |
灘・東大寺・洛南高校附属・西大和 |
西宮・上本町 |
62 |
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男子最難関 |
灘・東大寺・洛南高校附属・西大和・甲陽・星光・洛星 |
西宮・上本町・西大寺・JR京都駅前・神戸元町・枚方・千里中央・堺東・岡山・名古屋 |
56 |
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女子最難関 |
神戸女学院・西大和・洛南高等学校附属・須磨学園・清風南海・四天王寺・高槻 |
西宮・上本町・豊中・四条烏丸・神戸元町 |
55 |
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男女難関 |
六甲・関学系列・神大付属・同志社系列・関大系列など |
西宮・上本町・豊中・四条烏丸・西大寺・天王寺・西神中央他 |
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※2018年5月の配付資料より
この「受講基準」というものは、4月実施の公開学力テスト、第1回合否判定学力テスト、5月実施の公開学力テストのいずれかのテストにおける3科または4科の平均偏差値のことで、どれか1つのテストでクリアできればOKとなっているものです。
(注:Mコースは算出方法が他コースとは異なります)
また、この3回のテストでクリアできなくても、6月実施の公開学力テストで基準を満たせば受講可能という救済措置もあります。
このように大手進学塾の夏期講習は、実施内容、受講方法に違いがあります。
そのため、受講をするためにテストを受けることが必要な大手進学塾の夏期講習を検討されている場合、夏期講習の実施内容だけでなく、受講資格を得るためのテストの実施時期や基準などを早めに確認して、夏の学習計画の準備をすることが必要になってきます。
あと2か月足らずで夏休み。
しっかり準備を進めていきたいですね。



























