カテゴリー: コラム Page 49 of 60

夏期講習を効果的に利用する(小6編)

あと2週間もすると、各塾で夏期講習が始まります。小6生にとっては確かに天王山となります。
その理由は、
第1に授業時間数が多いことです。学期期間中の3ヶ月分に相当する長さです。

第2には、「初めての総復習」をすることです。学力をつける時期が終了し、得点力をつける時期に
    はいったことになります。
第3には、受験生がそろそろ本気モードに入る時期だからです。受験本番まであと半年となって、
    ラストスパートをかけ始める時期になってきたと言えます。

□復習のサイクルを作る□
学期期間中は、1週間に1単元ですから、何曜日にどの教科の復習をするかを決めておくことが
出来ました。
ところが夏期講習ではそうはいきません。
ほぼ3日で1単元が終了するスピードでカリキュラムが進んでいきます。
日能研のように「算・算・算・理・理」という日と「国・国・国・社・社」という日が交互に場合には、
2日で一巡してしまうことになります。
「復習はその日のうちに」を原則にしてください。
日能研の多くの教室のように、授業が早朝から始まる(例年は全教室共通に午後の授業でした)場合は、
なおさらです。
サピックスは、例年通り午後の授業になっていますから、その日の夜に勉強する内容と翌日の午前中に
勉強する内容を分けて考えておく必要があります。
どちらにしても、子供にとっては、克己心が必要な作業となりますから、親御様の協力と励ましを
お願いします。

□効率的な取捨選択が必要□

算数では
日能研の夏期講習の算数テキストは、各レベル毎に難し過ぎず易し過ぎず、使いやすいレベルで
作られていますが、それでも全部を復習しよう、宿題を全部やろうとすると、それぞれがいい加減に
なってしまいます。完全に理解出来ている問題を繰り返し解く事は、この時期には必要ありません。
また、難しすぎて、先生の説明すらよく分からなかった問題を解くことも無駄です。
もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題に集中することです。
そのためには、授業中の聴き方を自分なりに工夫する必要があります。
それが難しい場合は、お子さんの状況を正確に判断出来る第3者が必要になることもあります。

サピックスの場合は、難しめです。
「いくら御三家志望だからと言っても、この時期にこれは難しすぎだろう」
と思える問題もあります。そのような問題は勇気を持って捨てることです。
授業中に扱われた問題の中から、
「もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題」に注力して欲しいのです。

国語では
当然、国語も宿題が出ます。日能研生もサピックス生もこなしきることができる生徒は少ないものです。
「この量はちょっと無理」と予想が出来る場合は、記述問題だけを真剣にやっておくことをお勧めします。

理科では
知識単元では、「文章の中で重要事項を覚える」ようにしてください。
今後受ける合否判定テストなどでは、これまで以上に文章量が多い問題が増えてきます。
せっかく重要語句を覚えていたのに、問いの趣旨が理解出来ずに答えることが出来ないお子さんが
多いのです。それは、「重要語句だけの断片的な暗記」になっているからです。
計算単元では、それぞれの項目での代表的な問題の解き方を練習してください。
何をどのように書いて行くのかが大切です。
理科の計算問題のほとんどは、「比例と反比例」です。
この関係が一目瞭然に分かるような書き方が一番のポイントです。

社会では
重要語句を覚える事だけではなくて、統計資料を使った問題を丁寧に復習する時間を作ってください。
既にある程度、暗記学習が進んでいるお子さんの場合は、統計資料の問題だけに絞っても
構わないでしょう。
近年の入試問題や各塾のテストでは、統計資料が多岐にわたり難しくなってきました。
それは、公的機関が発表している資料がHPから簡単にダウンロードできるようになったことと
関係があります。
10年前であれば、こんな詳細な資料を問題に利用することは、とても無理だったはずなのです。
この面においては、どの塾もテキストでは対応し切れていません。
にも関わらず、塾の模擬試験では入試並みの、場合によってはそれ以上の資料を基に作問されています。

□子供の気持ちのメンテナンス□
親御様は、
「他の子供はもっとたくさん勉強しているんじゃないか。」
「もっと頑張らせないと差をつけられてしまうんじゃないか」
という気持ちになりがちなのですが、それはよくありません。
子供が、気持ち良く・元気いっぱい勉強できれば、みんなが頑張る夏期講習期間中ですら、
成績を伸ばしていくことが十分可能です。
お子さんが、気持ちよく前向きに勉強できるように、「褒める」・「ねぎらう」声かけをお願いします。
また、「これだけ頑張っていれば、夏休み明けのテストは良いことがありそうね。」というような、
近い未来の小さな成功を予感させる言葉掛けもお願いしておきます。

御三家を目指す方々に(3)

□悩み方が間違っていませんか(3)□
 
先週は、
入試直前の5~6ヶ月は、知識の収納のされ方が下記の三つのうちどの状態かを
見極めることが大切だということを書きました。

・既に覚え込んで定着している知識や解き方。
・過去に学習し一度は定着したが今は曖昧になってしまったもの。
・記憶からたぐり寄せることが不可能になってしまったもの。

でも、これは御三家レベルの問題の中での基礎から標準レベルの話です。
100点満点で50~60点の配点に当たる部分です。
この部分で確実に40点から50点を獲得することが合格の必要条件です。
その上で、いわゆる御三家らしい問題(初見の難問)への対応力を身につけていく
必要があります。

進学塾の指導は、授業という形式で問題解説が中心です。
問題の解き方の解説という一方通行の指導です。
ところが、入試本番で始めて見る問題を解く力が、過去の問題の解き方を習うことで、
解く力が身につくわけがないのです。

大切なのは、「気づく力」、「自分の頭で考える力」です。
首都圏で出題される問題は、初見の難問といえども、よくよく考えてみると
何らかのパターンを踏襲しているか、何種類かのパターンの組み合わせです。

「題意に基づいて、少し作業をしてみる。まだ解き方が分からない。
もう少し作業を進めながら、過去に習ったパターンの何が使えそうかを
必死で見つけ出そうとする。」
このような過程を経てやっと正しい解き方に近づいていけるのです。

ところが、塾の授業は、
「これは、難しいんだ。ダイヤグラムを書いて、この部分の速さと時間の逆比を使うと、
この部分の速さが求まり、それとこれの速さと距離で鶴亀算を使うと、
ほら、答えが出るだろ。」

大概はこのような流れで授業が進んでいきます。

ダイヤグラムを書く方が良いと気づくこと、
ダイヤグラムを書いた後、速さと時間の逆比が使えること、
その後速さの鶴亀算が必要な事。
この3点全て作業を進めながら、子供たち自身が考えつかなければいけないのです。
どのようにしたら、次の一手が見つかるのかが大切なのであって、
次の一手を教えてもらう事ではないのです。

大手進学塾の小6二学期の志望校別日曜特訓の教材は、該当校の過去の問題や
類似問題を、日本全国の中学校の入試問題10数年分からピックアップして作られています。
それらをもれなく多量にこなす事によって、初見の問題を減らすことを意図しているのです。 
この方向性の学習も確かに必要です。
でも、膨大な問題をこなさなければいけない事とそれを忘れてはいけないことが、
大きなハードルです。
それでも、来春出題される問題をz全部当てることはほとんど不可能です。

宝くじに当たるために、宝くじを全部買い占めることを目標にしているようなものだと
思われませんか。
 
必要なのは、入試本番の試験時間内に、自分自身が次の一手に気付く事です。
パターン的な解き方を使うのだけれど、どのパターンを使うのかを見極める力が
ものをいうことになります。
 このような力を養う上で大切な事は、

・気持ちの余裕を持って問題に取り組む事。
・「僕には解けるはずだ」という強い自己肯定感を持ち続けること。
・条件(仮定)をしっかりと把握すること。
・まず、何かを書き始めること。
・書き始めて、これじゃあうまくいかないと感じたら、次の方法に移ること。

多量の問題の繰り返し学習を真面目にやり続けてきた子供たちは、
このような学習を苦手にしている事が多いのです。
御三家志望者の半数以上が、初見の問題に弱いと困っていらっしゃるのではないでしょうか。

・学習プランを単純化して、お子さんの精神的な安定を図る。
・大丈夫だよ。君なら解けるよと励まし続ける。
・解き方を熟知している者が、「何が分かっていて何が求められているの」と質問してあげる。
・「まず、何を書けば良いと思う?」と質問して上げる。
・解き方を熟知している者が、「その方法で、次に何が求められそうかな?」
「何か、他の方法に気がつかないかな?」とタイミング良く言って上げる。

このような事が出来れば、「気付く」力を高めることが出来ます。
親御さんが出来る事と信頼できる第3者(家庭教師や個別指導)に任せることを
分けて考えるべき時期に入ってきたと言えます。

そして、その第3者は本当に信頼に足るかどうか、の判断は、親御様の一番大切な役割です。
 

御三家を目指す方々に(2)

□悩み方が間違っていませんか(2)□
 
先週は、
これまで、上位クラスをキープしてきた子供たちは、「インプットの達人」であること。
そして、御三家レベルを目指すためには、
「頭脳の引き出しから、この問題を解くために必要な知識を探し出す意欲」
が、必要だというお話をさせていただきました。

今回は、その続きです。

「集団塾のメリットは、カリキュラムがしっかりしていることだ。」
このことは、折に触れお話ししてきましたが、ここで少しまとめておきましょう。
カリキュラムとは、下記の3つです。
1 授業の進行表
2 授業の進行表に伴う教材
3 授業の進行に従って行われる授業の理解度をチェックするテスト

カリキュラムがしっかりしている塾に通っている場合は、授業を受けているだけで、
入試に必要な単元や項目がもれなく、しかもオートマチックに学ぶことが出来ます。
これはこれですごいことなのです。
長年の入試問題の分析によって度重なる改訂努力を継続してきたその塾の宝物です。

そして、塾は、「解き方」を教えてくれます。
それも、研究され尽くした優れた解き方を提示してくれます。
ですから、「インプットの達人」は、授業をしっかりと聞き、家に帰って解き方を覚え込むことで、
理解度をチェックするテストでよい点数が取れてきたのです。

ところが、学習単元が一巡し終わった7月以降は、1週間の学習項目が飛躍的に
増えることになります。

小6の夏期講習はどの大手塾も約30日前後あります。
40日ある夏休みのほとんどを使うことになるのですが、
この30日で小4から小6の一学期までの2年半に習ってきたことのほとんどを
復習することになります。
(夏休み明けに行われる学力テストが、志望校合格に向けて試金石として利用される
理由です。)
また、二学期中に再度全ての単元を復習することになります。
この時期の1週間の学習範囲は小6の一学期までの5倍から10倍になります。

それまで、1週間または1ヶ月単位で確実にインプット出来ていたとしても、これほどに
ハイペースになってくると、普通はうまくいかなくなるものです。
一度は習った内容の復習ですから、もし100%覚え込んでいるならば全く問題は生じません。
ところが、忘れていることが想像以上に多いのです。

長年受験生を教えている私たちでも、小6の二学期には、
「え~、これを忘れちゃったの!」
という、言うべきでは無い台詞が口をついて出てしまうことがあります。
各塾の最上位クラスの生徒ですらそうなのです。

入試直前の5~6ヶ月は、
・既に覚え込んで定着している知識や解き方。
・過去に学習し一度は定着したが今は曖昧になってしまったもの。
・記憶からたぐり寄せることが不可能になってしまったもの。
この3つを上手に分類して学習をしていく必要があります。

概して、始めて学習したときに、
「あまりよくわからないけれど、とりあえずこの方法を使えば正解が出るんだな」
という学習をしてしまった単元や項目は、
「記憶からたぐり寄せることが不可能」
になっている事が多いようです。

また、解き方の順序をちゃんと理解できたもののなかで、始めてそれを習ったときに、
「はじめから終わりまでその筋道が理解でき、理解の過程で、『おっなるほど!』という
気持ちの変化(はたと膝を打つような気持ち)を体験できた項目」
の多くは、既に定着してテストに使える知識や考え方になっています。

ですからこの時期に必要な学習は、
「今必要なその知識が、上記の3つのうちのどの状態で頭脳に収納されているのか」
を見極める事から始める必要があります。

今は使えなくなってしまっている知識や考え方については、
『おっなるほど!』(はたと膝を打つような気持ち)
を体験させる事が理想です。

また、「理解度の3種類」は、確かに個人差が大きいのです。
しかし、その子の今考えていることに寄り添うようにして教えている場合には、
ほとんど予感が的中します。

「とりあえず正解は出せるが、『なぜそうなる?』と聞いてみれば、間違った説明をするはず。」

「知識は曖昧になっているが、その周辺部分で軽くヒントを出してやれば、『おっ』と叫んでから、
得意満面に解き始めそうだ。」

「この問題は正解できるし、説明させればちゃんと言える。
でも、この条件をこのように変えると多分見事に引っかかる。」

私自身のことを振り返ってみると、子供を教えているときには、
このような事をいつも考えているように感じます。
また、私たちのグループの先生方も同じなんだなと、毎週の勉強会で感じます。

手前味噌ですが、「その問題を前にして、子供の理解度について仮説を立て、子供の反応からその仮説の真偽を確認できる」事が、本当のプロの講師(個別指導や家庭教師というパーソナルな講師)だと考えています。

御三家を目指す方々に

□悩み方が間違っていませんか(1)□

上位校を目指す方々からの相談が例年通り増えてきました。
特に小6の方からの相談が多くなっています。

Aさんのお母様から
「2ヶ月前までα2にいたのですが、今はαからも落ちてしまいました。これまで通りに遅くまでまじめに勉強しているのですが、なかなか成績が戻りません。前半の1行問題のところではミスが増えていますし、後半の応用問題では解き方が見つけられていません。
子供は、どうしても桜蔭に行きたいと言っていますが、このままでは無理だと思います。何か良い問題集はありませんでしょうか。」

このご相談から見えてくるお子さんの問題点を整理してみましょう。
1 基本問題でのミスが増えた。
2 自分で解き方を考えつかなければいけない応用問題が解けない。
この2点が現状の問題点です。

そして、お母様が改善策としてお考えなのが、「良い問題集を使って学習を増やすこと」です。

これまで、成績の良かったお子さんが、これまで通りの学習量を確保しているのに成績が下がるには、必ず原因があります。それは、学習量でも、問題集の質でもありません。
これまでの勉強の仕方が間違っていた。または、これまでの勉強の仕方では間に合わなくなってきた事が理由です。勉強の姿勢という曖昧な言い方ではなかなか理解いただけませんから、別の言い方をさせていただきます。
「勉強に向かう気持ちの持ちよう」です。実は、これも誤解を受けやすい言い方ですね。自分から頑張って勉強しようという気持ちが無いから効果が現れない。このような事を言いたいのだと誤解されてしまいます。

御三家を目指し、大手塾の上位クラスに在籍している小6生たちの中で、「勉強に対するやる気」の面で問題を抱えている例はほとんどありません。(5年生や4年生にはよくあることなのですが)授業は集中してよく聞いていますし、睡眠時間を自ら削って宿題を頑張っている子たちがほとんどなのです。

これまで、上位クラスをキープしてきた子供たちは、「インプットの達人」だと言えます。授業で説明された重要語句や重要パターンを記憶し、家庭学習で定着させてきました。その定着率が点数を決めていのです。上位クラスを維持してきたのは、その努力の成果ですから、おおいにねぎらってあげてください。また、「インプット」した知識をそのまま「アウトプット」するだけで解くことができる能力を持っていたことの証拠にもなります。うちの子は頭脳明晰なんだとお考えになって間違いありません。

ところが、頭の中に多種多様な知識が入り、しかもなお、新しい知識をどんどん吸収していかなければいけない今、「インプット」した知識が、「アウトプット」にスムーズにつながらなくなってきたのです。

「頭脳の引き出しから、この問題を解くために必要な知識を探し出す意欲」が、今必要になってきたのです。

この意欲を引き出す方法については、次回以降に考えていきたいと思います。

ご相談より(2)

前回は、
「息子のA太の事なんですが、日頃から雑で困っています。計算間違いはいつもしますし、おおざっぱに読むためにミスが減りません。
丁寧に勉強したらと何度もアドバイスしているのですが、それすらちゃんと聞いていません。本当にわがままで雑な性格で困っています。どうしたら良いでしょうか。」
という相談に対して、ちょっと困ったなと感じる理由を2つ書きました。

今回は、それ以外の理由を2つ書こうと思います。

まず、何度も何度も同じ言葉で説教をされていることが感じられることです。
良い方に変化する見込みも無く(場合によっては改善出来ないと半ば信じて)、何度もくどくどと叱ることによって、親御さんはより感情が高ぶりお子さんはイライラが昂じるような関わりは、悪循環です。

ここで、数秒沈黙の時間が欲しいのです。これを6秒ルールと言います。ほんのわずかな時間ですが、実際にやっていただくと非常に長く感じられるはずです。この間に親御さんの感情の棘が小さくなります。そして少し冷静な気持ちで、これまでとは違う声かけの言葉を探していただきたいのです。
 ちょっとほめてみようかとか、「もし○○さん(お子さんが信頼している第3者など)が今のあなたを見たら、何と言うと思う?」などと、自分を外から見るきっかけを作ろうとか、「頭の良いあなたが○○すれば、□□のような事が出来そうね」とヨイショしてみようとか考えて欲しいのです。

次は、お子さんの困った状態を性格のせいにしないで、行動の仕方を教えてあげて欲しいということです。

子供は、誰でも「わがまま」で「雑」で「頼りなく」て「気分屋」です。大人は、勤労意欲がわかない時にも、何とか「よ~し頑張るぞ」と気分を奮い立たせる方法を持っていますが、子供はその方法がわからないのです。

子供の良くない行動を性格のせいにしていると、その性格の枠組みにお子さんの行動を追い込むことになりがちです。
 「丁寧に勉強する仕方を知らないから」「文章を正確に読む方法を知らないから」と考えてあげてください。その視点から、「勉強机の前に座るときには、背筋を伸ばして座ると丁寧な字になるわよ」「鉛筆でなぞるように読んでいくと読み飛ばしが減るそうよ」というようなアドバイスをお願いしたいのです。

教育は忍耐だと思います。子供が一番長い時間を過ごす家庭での教育もその例外では無いのですが、一本調子の説教やアドバイスは、親御様とお子さん双方にとってストレスだけを高めてしまうことを知っておいてください。

ご相談より

少し前に、メールでこのような相談がありました。

「息子のA太の事なんですが、日頃から雑で困っています。計算間違いはいつもしますし、おおざっぱに読むためにミスが減りません。
丁寧に勉強したらと何度もアドバイスしているのですが、それすらちゃんと聞いていません。本当にわがままで雑な性格で困っています。どうしたら良いでしょうか。」

このような相談には、いつも「ちょっと困ったな」と感じます。
子供の状態に困っているわけではありません。親御様の子供のとらえ方に困惑を感じるのです。

まず、お子様を主観的な印象でとらえていらっしゃいることです。
「わがままで雑な性格」という表現に、客観性を感じることが出来ないのです。
実際にA太君がどのような行動をいつもとっているのかといった事実が知りたいのです。
例えば、肘をついて机に俯して勉強してるとか、親が話しかけてもこちらを見ようともしないとか。
親御さんがそのようにお感じになった原因となる、客観的な事実が知りたいのです。
それが解決のヒントになることが多いものですから。

 このような、主観的な印象だけをお書きになる親御様の場合、往々にして子供の行動をちゃんとご覧になっていない事が多いと感じています。
また、子供にいらついて自分をなだめることが出来ないという、親御様の感情の表現のように感じます。

次に気にかかるのは、「丁寧に勉強したら」という声かけです。
子供は、抽象的な指示にはうまく従うことが出来ません。
反抗的な時期にさしかかっているお子様の場合は、
「そんなことを言うんだったら、無理矢理にゆっくりやってやる」
と思うこともあります。

 「ノートに書く数字は、いつも同じ大きさに書くように気をつけようね。」
 「問題文を最後まで読み切ってから、考え始めようね。」
 「答案用紙に答えを書く前に、本当にそれが聞かれている事かどうかを、問題文の最後で確認しようね。」
 このような、具体的に何をしたら良いのかを言ってあげて欲しいのです。

「ちゃんと勉強しようね。」
「きっちりしようね。」
「落ち着いて勉強しようね。」
良く聞く言葉ですが、抽象的で漠然としていますから、あまり効果が無い言葉かけだと知っておいてください。

これ以外にもあと2つばかり気にかかることがあります。それは次回に書かせていただきます。

クラスアップの壁 もう1つの視点(2)

今回は、授業や宿題の問題レベルとテストの問題レベルのギャップを埋める方法をお話ししましょう。

サピックスからです。
(算数)
デイリーサポートのDランクが要注意です。アルファベットクラスの場合は、A・B・Cランクを中心の宿題ですが、時々出されるDランクの問題がマンスリーに出題されています。出来れば、Dランクの1番と3番を解いておかれることをお勧めします。

(国語)
テキストの長文と、マンスリーや組み分けテストの長文は、明らかに情報量が異なります。一度読んだ段階での理解度が大きく異なってくるはずです。一番良いのは、お知り合いの先輩から、過去のサピックスのテスト類をコピーさせてもらって、長文を読み込むことですが、なかなかそうはいきませんね。その場合は、これまで受けたテストの文章を読ませてください。そして、選択問題を記述問題に換えて答えを言わせてください。例えば、「太郎君のそのときの気持ちはどうだったのでしょう。アからエから選びなさい。」という問を、「太郎君のそのときの気持ちを書きましょう。」に換えるわけです。その模範解答は、選択肢の正解の文章そのものになりますから、親御様がチェックされる場合に便利です。

(理科)
 テキストの問題と、テストの問題の最大の違いは、文章量です。ですから、コアプラスをいくら完璧に覚え込んでも、問題文を読みグラフの意味を理解し表の数字をとらえて出題者の意図をくみ取らないと正解できないことになります。
 ☆☆の中で文字数の多い問題は、確実に解かせておくべきですし、たまには☆☆☆の中から、文章の長い問題を読ませておく必要があります。「読み飛ばさない」「直感で答えない」練習をお願いします。

 

日能研です。
Aクラスのお子さんは、まずGクラスを目標にしてください。
(算数)
    カリテにおいては、宿題となった問題の中で一番難しい問題2~3問がポイントです。授業担当者が、事前に問題を知っていたと思えるほどに的中しています。
    センター試験においては、一週先二週先の単元から、不思議に出題されています。特に小6の場合は必ずといって良いくらいです。ただ、どの問題がとなると、日能研の出題傾向を熟知している私たちでも、半分ぐらいしか当たりません。遊び感覚でちょっと予習してみるぐらいでお願いします。

(国語)
 サピックスの場合と同じです。やはりテキストに比べてテストの素材文は格段に難しく、しかも長くなっています。

(理科)
 栄冠テキストの問題数が少ないものですから、なかなか対策が出来ないという相談が多く来ています。しかも、栄冠テキストの問題は、複数の条件を考えさせるものが少なく、一つ一つの条件を理解しているかどうかを確かめるタイプになっていますから、読み取りが雑なお子さんにとっては厳しいと言えます。その際に利用できるのが、四谷大塚の週例テストの過去問題集です。BまたはCコースの問題の中で、文字数が多いものを選んでやらせてみてください。該当単元の問題を全てやらせるというようなやり方ではなく、1~2問だけを、隅から隅まで問題文を読ませる練習としてやらせてください。

 

(四谷大塚・早稲アカ)
 週例テストは、細かくコースに分かれていますから、授業の復習と塾から出された宿題で充分です。でも、月例テストは1種類しかありませんから、その対策が必要です。
週例テストの過去問題集が有効です。この冊子には、週例テストと月例テストの昨年の問題が収録されています。月例テスト対策として、昨年の月例テストをやらせてみても、なかなか同じような問題は出題されません。月例テストの範囲となっている昨年の数例テストをやるのが効果的です。AコースからBコースに上げようという場合にはBコースの前半を、BコースからCコースに上げようという場合には、Cコースの真ん中あたり(難問は省く)をやらせてみてください。

クラスアップの壁 もう1つの視点

日能研・サピックスでも、早稲アカ・四谷でもクラスを上げていくのは大変です。

それは、学力を上げその結果として点数を上げないといけないという当たり前のことに理由があります。

学力を上げても点数が上がるとは限らないことが大切な視点なのです。

塾の学習で身につく学力とは、塾で習ったレベルの問題を解けるようになること、習ったレベルの解答精度が上がることです。
この、塾で習うレベルはクラス事に大きく違います。お子さんの宿題を一度ご覧ください。○ページの□番、△番・・・などと書かれていますね。サピックスのαクラス以外のお子さんの宿題には、デイリーサポートのE問題の宿題はほとんどありません。日能研のMクラスのお子さん以外の宿題には、本科テキストの練習問題の最後2問の宿題はほとんど出されていません。

一方、テストはどうでしょうか。
サピックスのクラスを決めるマンスリーテストは、1種類です。日能研のセンター模試も1種類です。また、クラス分けに影響があるカリテの共通問題も、1種類です。四谷大塚や早稲アカの週例テストは細かく分かれていますが、クラスを決める月例テストは1本です。
上のクラスのお子さんも、下のクラスのお子さんも同じ問題で競争することになります。そしてその問題の後半には、サピックスならばD・Eランクの問題が入り、日能研ならば、練習問題の後半の難問はもちろんのこと、テキストには入っていないような込み入った問題も出題されています。
 上位クラスのお子さんは、授業で習った問題と大差ない問題を解く事になりますし、下位クラスのお子さんは、授業で習ったことも無い難しい問題にいきなり挑戦することになります。同じ問題で競うことは、一見フェアーに見えますが、普段の学習レベルを考慮するとアンフェアーです。

クラスアップを図るには、基本的な(正答率50%以上)問題での失点を最小にすると共に、後半の難しい問題でも少しは点数を取る必要があります。日能研でAクラスからMクラスへ上がろうとする場合や、サピックスでアルファベットクラスからαクラスに上がろうとする場合は特にそうです。

勉強をしているお子さんが、「テストは塾で習った事が出る」と思っていたら、それは間違いです。「テストは、塾で習った事を利用して解く」ものだと思って欲しいのです。
「この勉強をやっつけたら遊べる!」「明日までの宿題だから何とかこなさないと!」と思って学習している場合は、せいぜい今目の前で解いている問題とそっくりな問題しか正解が出せません。
でも、そのようなことをお子さんに話をしても、わかってもらえることではありませんね。

次回は、各教科事にクラスアップに必要なプラスアルファの学習内容を、具体的にお知らせしたいと思います。

「わかる」を「納得」の状態に高める

昨日、あるところから依頼されてセミナーをしました。皆さん本当に熱心で、会終了後もほとんどの方が残られて、お子さんの学習について個人的な御相談を承りました。

「やはり、頑張っているのに成績が上がらない」悩みを抱えていらっしゃいました。
復習の意味を込めて、ポイントをまとめてみたいと思います。

・「わかる」を「納得」の状態に高めるには、子供が快適な気分でいることが必要。

わかる・・・筋道を最後までたどることが出来る状態。
納得・・・・筋道を最後までたどる過程で、「な~るほど!」「へ~そうだったのか」と感情が動く状態。

・子供を快適な気分にするには。
1 学習内容を上手に取捨選択することで、過剰な負担感から解放してあげる。
 (「ちょっと頑張れば、何とかなりそう」という成功の予感を感じることが出来る量を目指す)
2 子供が学習しているときや、普段の生活での声かけが大切。
    「○○がだめだから、□□しなさい。」というような、否定から始まる言い方をしない。「あなただったら、□□すると△△のような良いことを起こせそうね」というように、「ちょっと頑張れば良いことがありそう。」と、近い将来に良いことがおきそうな予感を感じさせるような言い方がポイント。

・学習内容の上手な取捨選択の仕方
1 お子さんが授業中に○△×を小問毎に付ける。

○ = 簡単に解けて正解した問題
△ = 授業を聞いてやっと分かった
× = 授業を聞いても分からなかった

2 親御様の方でも、可能なら、ABCのランクわけをする。
A = 今出来て当然の問題
B = いずれできなければいけない問題
C = できなくて良い問題

お子さんが△を付けてきた問題を中心に復習する。(宿題内容の中で△に該当するものを真っ先にやる)
×の問題はやらない。

3 塾でやったテストの復習は大切。間違い直しは、正答率を目安に行う。
 御三家志望者でも、正答率20%以下の問題を復習する必要はあまりない。(塾によって若干の差がある)

4 算数の勉強に親御さんが付きそう時の、効果的な声かけ。
 「何がわかっているの?」
 「何が聞かれているの?」
  「その数字の単位は?」
 *子供が、自分の頭の中の言葉で再確認したり思考の過程を振り返ることが出来る声かけ。

セミナーに参加していただけなかった方にも参考にしていただけたら幸いです。

今すぐ出来る、理科計算単元の点数アップ

小6はそろそろどの塾でも計算単元の最終チェックに入っていきます。
暗記は何とかなっても、計算単元はどうしても苦手というお子さんが多いのです。そのようなお子さんに共通なことは、思考のプロセスをわかりやすい方法で書き残す事をしていないことです。
 力学単元と化学計算単元について、どのように書いていけば良いのかをお知らせしたいと思います。

□力学単元□
 「図の中に分かっている数字を全て書き込む」。たったこれだけの事です。
滑車の問題ならば、ロープ全てにかかっている重さを読みやすい字で書き込んでいきます。滑車に重さがあるのでしたら、その重さを滑車の図の中に書き込んでいくのです。
 てこならば、おもりの重さや長さは当然のことですし、棒に重さがある場合は、その重心の場所に棒の重さ分のおもりをぶら下げた図にします。
 力学単元が苦手な子供は、面倒くさがり屋さんが多いのは、この図の中に数字を書かずに、メモ書きのような計算だけで答えを出そうとするからです。

□化学計算□
 化学計算は、比例(順比と逆比)ばかりです。それを計算するときに、「内項の積=外項の積」を使っていると、意外に難問が解けなくなってしまいます。

例えば、塩酸と石灰石から二酸化炭素の発生量を計算する問題があったとします。

うすい塩酸50ml に4gの石灰石が反応して、200mlの二酸化炭素が発生します。
塩酸80mlに8gの石灰石を入れると、何mlの二酸化炭素が発生しますか。

この問題に対して、石灰石が余るから、塩酸の量で考えれば良いと分かった段階から、
50:80=200:xとして、xを320と出すお子さんが多いのですが。

塩酸  石灰石 二酸化炭素 
50        4           200
80        8          (    )
 上記のような、縦と横に見る事が出来る表のような書き方をして欲しいのです。

これであれば、塩酸を縦に見て、1.6倍と分かりますから、200の1.6倍で320。
また、塩酸から二酸化炭素と横に見て、50から200になっていますから4倍です。80の4倍で320と出す事も出来ます。

 気体の発生・中和・溶解度など、全てこの縦と横の表が使えます。その際必ず上の項目(塩酸・石灰石・二酸化炭素)は、略語でも良いですから、書くように指導してあげてください。
 たった、これだけの習慣がつくだけで、この単元の得点はぽ~んと上がります。
お試しください。

Page 49 of 60

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

COPYRIGHT@西村則康公式サイト