算数が、約数・公約数の範囲に入りました。
この単元は、次週の倍数・公倍数と共に分数を理解するための大切な単元です。
ところで、サピックスの分数計算に使われるのはたった2週です。
日能研が5週間、四谷大塚が3週間であることを考えると異例な短さです。
言い換えれば、
「分数計算ぐらいは自分で勉強して、もう出来るようになっているよね」と言われているのです。
あと3週間後にはその分数計算の週です。
異分母分数の和と
差、分数同士の積と商は、そろそろ練習を始めさせてください。
今週の単元を理解すると、分数の約分がしっかりと理解できます。
また来週の単元を理解する
と、通分がよく分かります。分数の計算練習を始めるには一番良い時期です。
前回に少し基礎トレーニングの使い方を書きました。
この基礎トレーニングの使い方について印象に残っているお子さん2人の例をお話ししましょう。
1人目は、α2クラスの男子、小6だけでも20クラスを軽く超える大規模校ですからαクラスだけでも6クラスありますから、かなり成績上位のお子さんです。
ご相談があったのは、小5生の6月です。
お母さんからの相談は、
「うちの子は算数のミスが多くて。毎日基礎トレーニングの宿題やらせているのですが、計算ミスが一向に減りません」
というものでした。
基礎トレーニングをやっているテキストを見せてもらったときに気がついたことが2つあります。
1つ目は、計算の数字が非常に乱雑なこと。
2つ目は、計算の後が少なく、多くを暗算でやっていたこと。
そこで、前に書いた方法をご紹介しました。
基礎トレーニングをこなす量を減らすわけですから、お母さんは半信半疑でしたが、だまされたと思って1ヶ月間
やってもらうことにしました。
お子さんには、基礎トレの回数を減らす代わりに、計算の字をきれいに書くことと、暗算を減らすことを約束してもらいました。
結果は、大成功です。
次のマンスリーでは1番の計算はすべて正解、2番の一行問題は1問だけの間違いで、135点/150点になりました。
考えたり工夫
したりすることは大好きだけれど、単純な繰り返し学習をいやがるお子さんでしたし、4年まで通っていた公文ではEまで終わっていましたからこの方法が使え
たわけです。
このお子さんは、この一年半後、第1志望の麻布中学に合格しました。
もうお一人の例です。
サピックスBクラスの女子です。
相談があったのは、小5生の11月です。
お母さんからのご相談内容は、
「マンスリーテストのせめて1番2番だけでも解けるようにしたいと思って、基礎トレーニングをきっちりとやらせようとしているが、時間がかかってどうしょうもない。一日の学習がそれだけで終わってしまう事もある。」
というものでした。
この件は、事務所にお子さんとお母さん2人に来てもらって話を聞いてみました。
そして少しお子さんに教えてみました。そこで気がついたことは、
・少し早く説明すると理解できない。
・同じ内容を2回繰り返したり、ゆっくり話すと理解できる。
の2点です。
サピックスのてきぱきとした早い授業について行けていない可能性があります。
また、基礎トレーニングの1ページ(10問)に時間がかかりすぎることか
ら、サピックスに合っていない可能性があります。
その反面、ゆっくりと説明すると応用部分も理解できますから、受験が不可能と言うわけではありません。
そこで、思い切って転塾を勧めてみました。
地元密着型で(YTネット加盟塾)、その地域では丁寧な指導で評判の高い塾です。
そのお子さんは、転塾した塾
で(はじめは、四谷週例テストのAコースでした)、成績を伸ばし、半年後にはCコースに上がり、東洋英和中に合格しました。