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■もうすぐ春休みが始まります。
他の長期休暇も同じなのですが、休みに入る前に準備し、知っておかなければならないものがあります。
まず、お子さんが通っている塾の講習会の日程とカリキュラムです。
サピックスの6年生の場合、約2週間の春休みのうち、6年生の春期講習会は6日間、1日あたり4時間の授業です。サピックスは講習期間中もどんどんカリキュラムが進んでいく(講習会はそれまでの復習ではない)塾なので、2月・3月に習ったことを復習したい場合や、苦手単元を強化したいといったときには、ご家庭で計画を立て、実行していかなければなりません。また「春期講習を受けない」という選択が非常にしづらい塾です。
一方、日能研の講習会はそれまでの復習が中心の内容で、一部他の単元の学習も入ります。
2月・3月の学習内容でわかりづらかったところがあったなら、春期講習会で身につけてしまいたいものですね。その他苦手単元の補強や5年生の復習がしたい場合は、日程を確保しましょう。
日能研の春期講習(6年生)は、1日の拘束時間が長いので注意が必要です。
四谷大塚の春期講習会は、これまでの復習に、一部予習単元の学習が入ります。
四谷大塚も拘束時間が長く、朝9時から夕方5時くらいまでふさがってしまいます。
■「この春やりたいこと」は決まっていますか?
いずれにしても、春期講習会のカリキュラムに「この春やりたいこと」がすべて含まれているとは限りません。
もう直前ですが、「この春やりたいこと」は決まっているでしょうか。塾の春期講習のカリキュラムにその「やりたいこと」が含まれていなければ、講習会以外の時間でしなければなりません。
塾の春期講習と並行して行ってもいいのですが、各塾とも拘束時間が長く宿題も出るでしょうから、チャンスは終業式〜春期講習開始までの期間と、春期講習終了から始業式までの期間になりそうです。
以前もお伝えしましたが、春が終わると塾の6年生の学習は「アウトプット型」に変わっていきます。もしも弱点単元や苦手分野があるなら、春の間にある程度の手を打っておかねばなりません。いつ、何を使ってやるか。それだけは決めておきましょう。お子さんだって、自由時間も確保したいでしょうから、あらかじめ予定を共有しあって、スムーズに復習が進むようにしておきましょう。
■ゴールデンウィークまでを見通して
春休みが終わったら、次にまとまった休みがあるのはゴールデンウィークです。ここでサピックスではGS(ゴールデンウィーク・サピックス)特訓がありますね。この講座は典型的な「演習型」「アウトプット型」授業です。「アウトプット型」の授業は、一通り学習が「完成」した前提で、どんどん問題を解いて細かな課題を明らかにする効果がある反面、まだ未完成、つまり「インプット型」の授業が必要なときに受けても効果が薄いのです。
だから、春にどれくらい今の課題が解決したかによって、受講すべきかどうかを判断しなければなりません。
GS特訓に関しては、「まだインプットすべきことがある」と感じたらスパっと受講しないという選択をするのでいいでしょう。6年生が本格的な「アウトプット型」の授業に入るのは、各塾のカリキュラムを考えても、やはり夏くらいからが妥当と感じます。
春休み〜ゴールデンウィーク、上手に乗り切っていきましょう。
10月29日、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の主任相談員としてご一緒させていただいている、個別指導教室「SS-1(エスエスワン)代表の小川大介さんと、YouTubeを使ったオンラインセミナーの講師を務めさせていただきました。
ついこの間夏が終わったと思えば、もう11月。肌寒い日も多くなり、冬の訪れが近づいていることを意識させられます。この時期になると、お母さん、お父さんたちも、この学年、1年間の総括をすることが多くなってきますね。今の塾で、今の学年の授業をここまで受けてきて、全般として成績、学習状況などをどう評価できるかな、といったことです。
みなさん、今の塾に多少の不満や要望はあるでしょうが、基本的には今の延長線上で、大幅な路線変更よりは現状の改善で頑張らせてみよう、という方が多いのではないかと思います。それでも成績がなかなか上がらないとか、がんばっているのに結果が見えてこない、という思いを持っている方も多いというのは、日々お受けするみなさんのお悩み相談などからも、痛いほど感じることです。
お子さんを塾に通わせていれば、苦手科目や苦手単元が出てくることもあります。今回の単元はあまり理解が進んでいないな、と感じる場面が日常の中にあると思います。もう11月、そろそろそんな単元をしっかり身につけさせなくちゃ、と考えたときに、真っ先に思い浮かぶのは冬期講習です。とりあえず冬休みには、気になっているあれとあれをしっかりやらせよう、とか考えるわけです。
ここで夏休みを思い出していただきたいのですが、あれもやりたい、これもさせたいと思っていたのに、なんだかなんとなく終わってしまって、結局苦手単元は克服できたのかしら、となっているご家庭も多いのではないでしょうか。こういう感覚をお持ちのお母さん、お父さんがご相談に来られたときに聞いてみると、「講習会は復習だから、そこでこれまで苦手だった◯◯をしっかり理解して・・・」と考えていた、という方が多いのです。あらかじめ講習会前にカリキュラムを確認し、お子さんの苦手単元が含まれているかをちゃんとチャックしていた、という方も多いのです。
どうして、あらかじめ「夏休みには◯◯を習得させたい」と心づもりをして、さらにカリキュラムまでチェックしたのに、終わってみたら苦手が克服できていないということが起こるのか。
それは、講習会のカリキュラムにお子さんの苦手単元が含まれていたとしても、お子さんに必要なレベルの問題や、過去に習ってできなかった、分からなかった問題が扱われるかどうかがわからないからです。もっと言えば、過去に習った単元と同じ単元名が講習会のカリキュラム表の中にあっても、それは復習とは限らず、前に習ったことをベースとして、さらにレベルの高い問題や、より発展的な解き方、考え方をする問題を取り扱う時間かもしれないのです。
だから、「講習会を受けてみたけど、結局苦手克服はできなかった」という結果にならないために、カリキュラム表だけを見て安心ぜず、その内容、レベルまで塾の先生に確認してから臨まなければならないのです。
たとえば、お子さんがサピックスにお通いのご家庭ならよくわかっていると思うのですが、サピックスは講習会中もカリキュラムが進んでいく塾です。もちろん若干の復習はありますが、基本的にはあまり戻ることなく進んでいくタイプのカリキュラムを持つ塾です。1つ1つの単元をちゃんと理解しているお子さんにとっては、もっとも効率のよいカリキュラムということになります。しかしいったんつまずいてしまうと、なかなか取り戻すことができず、そこからどんどん成績が下り坂になるお子さんもいるのです。
もちろん塾によってカリキュラムは様々なので、お子さんがお通いの塾の特性を把握しておくことで、来月に始まる冬期講習会を上手に利用することができますね。そして何より大切なことは、塾の講習会を復習、苦手克服の機会として使えない場合、ここからの約2ヶ月の間に、その時間を捻出する必要があるということです。
お子さんがお通いの塾をより深く理解する、いい機会になるかもしれません。
家庭教師を依頼されるお子さん方の所属塾は、年によって大きく偏りが出ます。
特に受験を間近に控えた6年生の所属塾です。
昨年は日能研の小6の生徒が中心でした。
ところが今年はサピックスのお子さんが多いのです。
昨年は、日能研のテキスト改訂の影響だろうと思います。
パターン暗記が多かったテキストから、学習の本質に迫ろうという意欲に満ちたテキストへの
改訂だったのですが、自学自習のやり方がわからない子供たちにとっては使いにくいことが
多かったようです。
今年、サピックスのお子さん方が多い理由がどうもはっきりしなかったのです。
ところが、今週の単元を教えてみておぼろげながら見えてきました。
今週の小6算数は、図形の移動です。
回転移動をした図形の軌跡について長さを求めたり面積を求めたりする単元です。
テキストのA問題から他塾より少し難しめです。中堅校から中堅上位校に出題されるレベルです。そしてC問題で既に御三家や御三家受験者の併願校レベルの問題が入っています。
DやE問題はそれ以上です。
それらの問題を解説しながら、ふと目を動かしたときに、ダイニングテーブルの端においてある
サピックスの合格実績のプリントが目に入りました。
開成○○○人・桜蔭○○人・・・と印刷してあります。
それを見た瞬間に、何となく今年はサピックスのお子さん方が多い理由がわかったように
感じたのです。
サピックスでは、困っている子が増えつつあるんじゃないだろうかと。
サピックスの、この上位校の圧倒的な合格者数は、他の大手塾の脅威でしょう。
これが、合格実績が外側に与える影響です。
でも、この合格者数がサピックスの内側に与える影響を考える必要があると感じたのです。
サピックスには、いわゆる出来る子が多く集まっていることは異論の無いところでしょう。
サピックスにおいては御三家を志望する事は何も特別なことではなくて普通のことです。
それが、子供たちを教えている講師の方々の気持ちに染みこんでいるんだろうと感じたのです。
今、私が教えにうかがわせて頂いている何人かのサピックス6年生のお子さんは、
たまたま同じようなクラスにいます。
通っている教室は異なるのですが。
だからといって、同じ問題を説明する時に同じ解説では済まないのです。
なぜそうなるかを説明することによって理解しやすくなるお子さんもいますし、その問題の
発展型を解かせることによって理解が深まる子もいます。
ゆっくりと話す必要のあるお子さん、早口が許されるお子さん、複数回説明する必要がある
お子さん。
同じような位置のクラスにいるにも関わらず、一人一人の頭脳の働き方が大きく異なるのです。
集団指導塾である限り、一人一人にあわせた教え方は出来ません。
教壇に立つ講師の方々が、そのクラスのモデルをイメージして授業を進めることになります。
そのモデルイメージは、多くの場合、クラスの平均値より少し上になります。
子供たちを教える場合は、聞き取りスピード・理解度の深さ・知識量・知識のアウトプットスピード
・インプットスピードなど、いろいろな要素についてモデルイメージを持って教える事になるはず
なのです。
それぞれの要素において、そのクラスの平均値より少し上がモデルイメージになります。
この、クラス毎のモデルイメージが上に引っ張られがちになるのではないかと
かすかな不安を感じたのです。
実は、このモデルイメージを上手に作ることが出来るようになるには、そのレベルの
クラス担当の経験値が必要になります。
経験値が上がれば上手にイメージすることが出来るようになります。
私自身の経験から、出来る子を多く担当しているとどうしても、難しいことをスピーディーに
教えがちになるものだと思っています。
これは、集団指導塾から離れたからこそ言えることです。
集団指導塾でやっていた頃にそんなことを第三者から言われたら、
「そんなことは無い!この子たちの能力や学力は誰よりも知っている!」
と、聞く耳を持たなかったと思います。
上記のようなことを考えながら、上手な塾選びは、
「目指す中学校レベルに多くの生徒をコンスタントに入れている塾」
を探すことから始めることが、やはり大切なんだな感じました。
前回までの2回で、志望校の傾向対策についてお話をしてきました。
今回は、傾向対策で一番大切な過去問の使い方を書いていきます。
少し前に、ある保護者の方から相談をいただきました。
「日能研に通っているんだが、解いた過去問の添削をしてもらうことが出来ない。どうしたら良いのか?」
というご相談でした。
確かに、日能研はそれぞれの子供たちが解いた過去問の添削は原則していません。
ほんの一部の講師がされているようですが、それは例外です。
日能研以外の塾ではどうなのでしょうか。
サピックスでは、国語の添削はあるようです。それも記述に限っての添削です。
算数は質問に行って教えてもらえるようです。
それ以外の大手塾でも添削をしているところは少ないのです。
これには、理由があります。
傾向対策・直前対策は、一人一人の生徒毎に大きく違います。
やらせる問題やペースはもとより、復習の段階で重視すべき事も異なります。
どちらかと言えば、オーダーメイドで考えていかなければならないことです。
これは、集団塾には荷が重すぎることだと言えます。
一人の先生が100人の生徒を指導していると仮定して、その生徒たちの答案を添削し、
一人一人の志望校や特性を考えて、アドバイスを書きコメントを添える。
場合によっては、今後やるべき勉強内容まで指示する・・・。こんな事が出来るはずがありません。
では、過去問の使い方の理想型は?
例えば、
国語の記述については。
細かいことを犠牲にしても、文章の骨子をしっかりととらえる必要がある学校なのか、その逆なのか。
また、その両方なのかを見極め、必要な練習をさせる。
学校で分類すれば、桜蔭や開成は、「細かいことを犠牲にしても、文章の骨子をしっかりととらえる
必要がある学校」になります。
その逆に、学習院女子や駒東は、「細かいつながりをしっかりととらえていくこと」が大切な学校です。
麻布は、両方が必要な学校です。
その点から考えて、サピックスの国語記述の添削は、桜蔭や開成については細かすぎるように
感じていますが、どうなのでしょう。
算数について。
間違った原因を明らかにして、子供に納得させることが大切です。
機械的に直しをさせても次につながりません。
また、問題文を読んでから解き方を見つけるまでに何をどのように考えるべきなのかを
問題傾向と子供の特性を考慮して、練習させていくことが大切です。
例えば、わかったこと(仮定)を整理させる方法を教え、練習させることです。
塾の先生は、問題の解き方を教えてはくれますが、解き方を見つける方法までは面倒が見きれないのです。
ご相談を、お寄せいただいた親御様には、
「塾の先生の添削に多くを望むのは、余り賢明な方法では無い」事をお伝えしました。
それでは、上記のような理想型に持ち込むためには各ご家庭でどのようにされたら良いのでしょうか。
実は、その答えは残念ながら持ち合わせていません。
「親御様が、中学受験に必要な内容を全て勉強し、志望校の過去問を研究し、子供の特性を分析し
適切な指示を出す。」
このような事が出来るのは、例外的なほんの一部の方しかいないことは十分承知してますから。
しかもその例外的な方々ですら、うまくやれていないことが多いのです。
私が主催している家庭教師グループ(多分、格段にレベルの高い先生方の集団)ですら、
このような力量を高かめるために各先生方が日々必死の思いで研究しています。
本物のプロ講師のみが出来る事だと申し上げるほかありません。
もし、お知り合いにスキルの高い第3者がいらっしゃるようなら、今こそ、その方の力を借りるべきだと
思います。
夏期講習期間中に一番注意が必要なのは、復習のサイクルを乱さないことです。
「今日の授業の復習は今日中にやる」を基本姿勢する必要があります。
授業が、午後の場合は、「翌日の午前中までに」でも構いませんが、
「次の休みの日にまとめて復習しよう」という計画は、実行不可能です。
講習期間中は毎日授業がある関係で、普段の2週分の量を1週間で進めていくことになります。
ほぼ1週間に一度の休みに、普段の4教科の2週分の復習が出来るものではありません。
授業のある日にはしっかりと復習をして、休みの日は休養やリフレッシュに利用する事が理想的です。
また、どこの小学校でも夏休みの宿題が出されています。宿題を後に回してしまって、
講習が終わってから大慌てで仕上げる羽目になるお子さんが多いものですから、
事前に予定を組んでおきましょう。
絵や感想文、また自由研究など、親御さんがつい手助けしてしまいがちですが、
「相談の乗ったりアドバイスはするが、やるのは子供本人」というスタンスを持ち続けてください。
・サピックス生
一学期の復習ではなくて、どんどんと先の単元に入っていきます。
算数では、最大のテーマである比に入りますから、算数の復習時間を中心に
タイムスケジュールを考えてください。
・日能研・四谷・早稲アカ生
一学期までの復習が中心です。
毎週のカリキュラムに追われて理解が雑になってしまっている単元を、丁寧に復習するチャンスです。
効果的な復習のためには、時間をかけるべき単元と力を抜いても構わない単元のメリハリをつけることが
必要です。夏の講習で、4ヶ月分の復習をするカリキュラムになっていますから、
学期期間中以上に追いまくられる危険性があるからです。
テキストにザッと目を通して、この単元はしっかり復習しよう、この単元はよく分かっているから、
この日は他の教科を頑張ろうという程度の大まかな目処をつけて講習に臨んでください。
あと2週間もすると、各塾で夏期講習が始まります。小6生にとっては確かに天王山となります。
その理由は、
第1に授業時間数が多いことです。学期期間中の3ヶ月分に相当する長さです。
第2には、「初めての総復習」をすることです。学力をつける時期が終了し、得点力をつける時期に
はいったことになります。
第3には、受験生がそろそろ本気モードに入る時期だからです。受験本番まであと半年となって、
ラストスパートをかけ始める時期になってきたと言えます。
□復習のサイクルを作る□
学期期間中は、1週間に1単元ですから、何曜日にどの教科の復習をするかを決めておくことが
出来ました。
ところが夏期講習ではそうはいきません。
ほぼ3日で1単元が終了するスピードでカリキュラムが進んでいきます。
日能研のように「算・算・算・理・理」という日と「国・国・国・社・社」という日が交互に場合には、
2日で一巡してしまうことになります。
「復習はその日のうちに」を原則にしてください。
日能研の多くの教室のように、授業が早朝から始まる(例年は全教室共通に午後の授業でした)場合は、
なおさらです。
サピックスは、例年通り午後の授業になっていますから、その日の夜に勉強する内容と翌日の午前中に
勉強する内容を分けて考えておく必要があります。
どちらにしても、子供にとっては、克己心が必要な作業となりますから、親御様の協力と励ましを
お願いします。
□効率的な取捨選択が必要□
算数では
日能研の夏期講習の算数テキストは、各レベル毎に難し過ぎず易し過ぎず、使いやすいレベルで
作られていますが、それでも全部を復習しよう、宿題を全部やろうとすると、それぞれがいい加減に
なってしまいます。完全に理解出来ている問題を繰り返し解く事は、この時期には必要ありません。
また、難しすぎて、先生の説明すらよく分からなかった問題を解くことも無駄です。
もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題に集中することです。
そのためには、授業中の聴き方を自分なりに工夫する必要があります。
それが難しい場合は、お子さんの状況を正確に判断出来る第3者が必要になることもあります。
サピックスの場合は、難しめです。
「いくら御三家志望だからと言っても、この時期にこれは難しすぎだろう」
と思える問題もあります。そのような問題は勇気を持って捨てることです。
授業中に扱われた問題の中から、
「もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題」に注力して欲しいのです。
国語では
当然、国語も宿題が出ます。日能研生もサピックス生もこなしきることができる生徒は少ないものです。
「この量はちょっと無理」と予想が出来る場合は、記述問題だけを真剣にやっておくことをお勧めします。
理科では
知識単元では、「文章の中で重要事項を覚える」ようにしてください。
今後受ける合否判定テストなどでは、これまで以上に文章量が多い問題が増えてきます。
せっかく重要語句を覚えていたのに、問いの趣旨が理解出来ずに答えることが出来ないお子さんが
多いのです。それは、「重要語句だけの断片的な暗記」になっているからです。
計算単元では、それぞれの項目での代表的な問題の解き方を練習してください。
何をどのように書いて行くのかが大切です。
理科の計算問題のほとんどは、「比例と反比例」です。
この関係が一目瞭然に分かるような書き方が一番のポイントです。
社会では
重要語句を覚える事だけではなくて、統計資料を使った問題を丁寧に復習する時間を作ってください。
既にある程度、暗記学習が進んでいるお子さんの場合は、統計資料の問題だけに絞っても
構わないでしょう。
近年の入試問題や各塾のテストでは、統計資料が多岐にわたり難しくなってきました。
それは、公的機関が発表している資料がHPから簡単にダウンロードできるようになったことと
関係があります。
10年前であれば、こんな詳細な資料を問題に利用することは、とても無理だったはずなのです。
この面においては、どの塾もテキストでは対応し切れていません。
にも関わらず、塾の模擬試験では入試並みの、場合によってはそれ以上の資料を基に作問されています。
□子供の気持ちのメンテナンス□
親御様は、
「他の子供はもっとたくさん勉強しているんじゃないか。」
「もっと頑張らせないと差をつけられてしまうんじゃないか」
という気持ちになりがちなのですが、それはよくありません。
子供が、気持ち良く・元気いっぱい勉強できれば、みんなが頑張る夏期講習期間中ですら、
成績を伸ばしていくことが十分可能です。
お子さんが、気持ちよく前向きに勉強できるように、「褒める」・「ねぎらう」声かけをお願いします。
また、「これだけ頑張っていれば、夏休み明けのテストは良いことがありそうね。」というような、
近い未来の小さな成功を予感させる言葉掛けもお願いしておきます。
今回は、授業や宿題の問題レベルとテストの問題レベルのギャップを埋める方法をお話ししましょう。
サピックスからです。
(算数)
デイリーサポートのDランクが要注意です。アルファベットクラスの場合は、A・B・Cランクを中心の宿題ですが、時々出されるDランクの問題がマンスリーに出題されています。出来れば、Dランクの1番と3番を解いておかれることをお勧めします。
(国語)
テキストの長文と、マンスリーや組み分けテストの長文は、明らかに情報量が異なります。一度読んだ段階での理解度が大きく異なってくるはずです。一番良いのは、お知り合いの先輩から、過去のサピックスのテスト類をコピーさせてもらって、長文を読み込むことですが、なかなかそうはいきませんね。その場合は、これまで受けたテストの文章を読ませてください。そして、選択問題を記述問題に換えて答えを言わせてください。例えば、「太郎君のそのときの気持ちはどうだったのでしょう。アからエから選びなさい。」という問を、「太郎君のそのときの気持ちを書きましょう。」に換えるわけです。その模範解答は、選択肢の正解の文章そのものになりますから、親御様がチェックされる場合に便利です。
(理科)
テキストの問題と、テストの問題の最大の違いは、文章量です。ですから、コアプラスをいくら完璧に覚え込んでも、問題文を読みグラフの意味を理解し表の数字をとらえて出題者の意図をくみ取らないと正解できないことになります。
☆☆の中で文字数の多い問題は、確実に解かせておくべきですし、たまには☆☆☆の中から、文章の長い問題を読ませておく必要があります。「読み飛ばさない」「直感で答えない」練習をお願いします。
日能研です。
Aクラスのお子さんは、まずGクラスを目標にしてください。
(算数)
カリテにおいては、宿題となった問題の中で一番難しい問題2~3問がポイントです。授業担当者が、事前に問題を知っていたと思えるほどに的中しています。
センター試験においては、一週先二週先の単元から、不思議に出題されています。特に小6の場合は必ずといって良いくらいです。ただ、どの問題がとなると、日能研の出題傾向を熟知している私たちでも、半分ぐらいしか当たりません。遊び感覚でちょっと予習してみるぐらいでお願いします。
(国語)
サピックスの場合と同じです。やはりテキストに比べてテストの素材文は格段に難しく、しかも長くなっています。
(理科)
栄冠テキストの問題数が少ないものですから、なかなか対策が出来ないという相談が多く来ています。しかも、栄冠テキストの問題は、複数の条件を考えさせるものが少なく、一つ一つの条件を理解しているかどうかを確かめるタイプになっていますから、読み取りが雑なお子さんにとっては厳しいと言えます。その際に利用できるのが、四谷大塚の週例テストの過去問題集です。BまたはCコースの問題の中で、文字数が多いものを選んでやらせてみてください。該当単元の問題を全てやらせるというようなやり方ではなく、1~2問だけを、隅から隅まで問題文を読ませる練習としてやらせてください。
(四谷大塚・早稲アカ)
週例テストは、細かくコースに分かれていますから、授業の復習と塾から出された宿題で充分です。でも、月例テストは1種類しかありませんから、その対策が必要です。
週例テストの過去問題集が有効です。この冊子には、週例テストと月例テストの昨年の問題が収録されています。月例テスト対策として、昨年の月例テストをやらせてみても、なかなか同じような問題は出題されません。月例テストの範囲となっている昨年の数例テストをやるのが効果的です。AコースからBコースに上げようという場合にはBコースの前半を、BコースからCコースに上げようという場合には、Cコースの真ん中あたり(難問は省く)をやらせてみてください。