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3月12日、サピックスで「3月度組分けテスト」が行われました。
サピックスの組分けテストというと、その前後にご相談などが集中するテストです。
■塾に通わせているのに、力がついていない?
「範囲が決まっているマンスリーテストでは点が取れるのに、組分けテストのような実力テストでは点が取れません。」
「組分けテストの対策、どんなことをさせればいいですか?」
「やっぱり今回も取れませんでした。力がついていないんでしょうか?」
「転塾させたほうがいいのでしょうか?」
いろんなご相談を受けます。
ご相談への回答は、それこそ個人個人によって千差万別。すべての方に当てはまる、最大公約数的な解決策は(なくはないですが)個別にお話ししているときにはあまり意味がありません。
■多くの方に当てはまる解決法は「細かな復習のルーティン化」
しかしあえて「多くの方に当てはまる解決法」をお話しするとすれば、「細かな復習をルーティンにすること」がその答えかもしれません。
先日、「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している、辻義夫先生とお話ししているときにも話題に出たのですが、華々しい難関校の実績を出している塾ほど、カリキュラムに「無駄」がないのです。
カリキュラム上で復習に充てる回は最小限で、常に「進み続ける」イメージのカリキュラム。1年のカリキュラムの中で「繰り返し」は、見た目上はありますが、実質的には同じ単元の「よりレベルが上」の学習になっていることが多いのです。
大切なのは、塾の「スパイラル式のカリキュラム」を「1回習ってわからなくても、また繰り返し教えてくれるから大丈夫」と過信せず、復習のスケジュールを決めてルーティンにすること。
塾で習う単元は毎週目まぐるしく変わっていきます。
文章題を習ったかと思えば、次の週に図形を習い、次の週は数の性質。
大げさな話、そんなことも珍しくありません。
大人でもこのような習い方をすると、先に習ったものからどんどん忘れていくのがふつうです。
「忘れるのがふつう」という前提に立ち、1日後、1週間後、1ヶ月後に細かに復習の機会を設けるのが、組分けテストなど「実力テスト」への(地道ですが)最大の対策です。
■春のうちに学習サイクルの修正を
では、その1日後、1週間後、1ヶ月後のこまかな復習のサイクルを、お子さんに「復習しなさい」と言って「丸投げ」してうまくいくか?
・・・いかないですね。
お子さんはまだ生まれてからせいぜい10年、11年です。長期の学習プランを自分で立てられるのは、お子さんたちのうち、ほんの数%でしょう。
だから、中学受験においてはその部分は大人が担当する。
それが上手にできたご家庭が、中学受験で成功する。
そういった傾向があります。
中学受験が
「親の受験」
「家庭の受験」
と言われるのは、そういう意味です。
今回の組分けテストで
「実力がついてないんじゃないか」
「ふだんの『復習テスト』ではとれるのにどうして?」
などと感じたご家庭は、具体的な「1週間、1か月後の復習サイクル」を検討してみることをお勧めします。
「塾の毎週の宿題が大変なのに、1週間、1ヶ月後の復習なんて・・・」
と感じられる方もいるかもしれませんね。
私たちもそういう学習計画を作り上げるお手伝いをすることが多いのですが、塾の宿題は「言われたとおりにそれだけやっておけば成績が上がる特効薬」ではありません。
今回の結果がイマイチだったら、一度学習サイクルに関して考えてみるのがよいでしょうね。
「まだ春だから」と思っているとすぐに夏が来ます。
そのとき慌てないように、今から準備しておきましょう。
8月最後の1週間です。
■次のテストこそ・・・
6月になりました。
お子さんを浜学園に通わせているお母さんの中には、今ちょっと落ち着かない気分の方も多いのではないでしょうか。
なぜなら、浜学園の6年生は、7月から志望校別特訓が始まるからです。この志望校別特訓には、コース別に資格審査があります。
男子・女子それぞれに「最難関中コース」というコースが設定され、このコースの受講資格は偏差値が一定以上でないととることができません。「最難関中コース」の資格が取れなければ、男女混成の「難関中コース」を受講するしかありません。
この2つのコースの学習内容、レベルには大きな違いがあります。
上位校を目指すお子さんの場合、なんとしても「最難関中コース」に在籍したいのですが、その資格審査の対象になるテストが、もうあと少ししか残っていないのです。
6月の公開学力テストで資格が得られなかったら、ひとまず7月の日曜特訓は「難関中コース」で受講を始めるしかありません。
だから、今度の日曜の公開テストではなんとしても・・・という気持ちのお子さん、お母さんも多いのです。
■テスト結果より、結果を出せる実力が大切
浜学園に限らず、夏を控えて、非常に大切なテストが控えているのが6月、7月です。サピックスでは6月にサピックスオープン、7月組分けテストの結果が夏以降の学習に大きな影響を及ぼすことになります。四谷大塚系の塾では、7月10日に第2回合不合判定テストがありますね。
「夏は受験の天王山」と言われますが、夏に伸びるというよりは、夏からのがんばりが形になる「下地」ができていてこその「天王山」なのです。
だから、6月を迎えた今から夏期講習が始まる7月下旬までの数十日の過ごし方は、非常に大切です。テストで結果を出すことも大切ですが、テストで結果を出せる力をつけておくことが何より大切なのです。
■夏までに「仕上げる」つもりで
夏期講習の内容、カリキュラム、クラス編成などは塾によって違います。しかし、6年生の授業では共通していることがあります。
それは、6年生の授業は「すでに習ったことが前提」で進められるということです。ひととおり受験に必要なことは学習し終わっているという前提で、授業が進められます。
すべてのことがらが「わかってるよね?」とう前提で行われると考えて差し支えありません。だから「塾の夏期講習で復習しよう」と考えていてはいけません。
夏期講習で復習して定着できるよう、6月のうちに準備しておくのです。
「なんとかしなきゃ」と漠然と引っかかっている単元、分野はありませんか?
テストの答案と正答率表を用意し、ある正答率よりも高い正答率の問題で間違っているものをチェックしましょう。ようするに「みんなできているのにお子さんが間違った問題」をリストアップするのです。
1つでも2つでもそういった問題を解き、夏期講習ではそのような問題を復習して身につけられるよう、準備するのがここからの数十日です。
がんばりましょう。