カテゴリー: コラム Page 8 of 60

浜・希学園の5年生が8月大切にすべきことは

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■5・6年生の夏期講習と通常の授業

8月に入り、夏期講習などで多忙な日々を送っていることと思います。

受験学年である6年生の夏期講習のカリキュラムは、秋以降からの本格的な志望校別対策授業に向けた知識の総整理と応用を中心としたものとなりますから、当然、質量共に大変なものになっています。

一方、5年生の夏期講習のカリキュラムは1学期に取り扱った単元の復習が中心です。

これだけであれば家庭学習の時間を十分にとることが可能なのですが、希学園や浜学園では、夏期講習と並行して、「ベーシック」や「マスターコース」といった通常の授業も行われています。

今年は新型コロナウイルスの影響により小学校の夏休みが変則的なものになりましたので、例年より夏期講習と通常の授業が重なる期間は短いのですが、通常の授業で取り扱われる内容が中学入試でよく出題される単元であるため、希学園や浜学園の5年生はそれなりにハードな夏となります。

■2020年度の中学入試の出題単元

下の表は、関西エリアの男子校、女子校、共学校の順に、難関中の2020年度入試における出題分野をまとめたものです。

この表を見ると、難関だといわれる中学校の2020年度の入試問題でも、例年通り、「数」・「速さ」・「図形」の単元から、問題が多く出されていることがわかります。

2020年度

計算

比と割合

速さ

平面図形

立体図形

文章題

場合の数

その他

灘(1日目)

〇〇

〇〇

〇〇〇

〇〇

灘(2日目)

◎※

東大寺学園

〇◎

洛南高校附属

〇◎

〇〇

〇◎

大阪星光学院

〇◎

〇〇◎

◎※

甲陽学院(1日目)

〇◎

甲陽学院(2日目)

◎◎

洛星(前期)

〇◎

〇〇〇

神戸女学院

〇◎

◎◎

四天王寺

西大和学園

〇〇

〇〇

〇〇〇〇

〇〇

〇◎

須磨(第1回)

〇〇〇

〇〇〇

〇◎

〇◎

清風南海(SG・A)

◎◎

高槻(A)

◎◎

〇※

◎☆

【凡例】〇:一行問題または小問集合形式 ◎:大問形式 ※:作図解答 ☆:理由記述

■8月以降の5年生の通常の授業での学習

浜学園や希学園の5年生にとって8月がハードになっているのは、この中学入試で出題されやすい「速さ」や「図形」の単元を通常の授業で学習するからです。

希学園の場合を見てみると、夏から秋にかけて「平面図形」が10週連続で取り扱われます。

No

希学園 ベーシック 2020年(夏~秋)

学習単元

学習内容

例題

類題

A問題

B問題

C問題

23

平面図形 1

平行と垂直、三角形の性質、四角形の性質、対角線の本数、多角形の内角の和、正多角形の1つの外角・1つの内角、線対称、点対称、線対称図形と点対称図形、三角形の合同条件

10

10

6

7

4

24

平面図形 2

平行線と角、三角定規、外角定理、外角定理の利用、二等辺三角形、角の等分線の問題、二等辺三角形の応用、円と二等辺三角形、折り返し

9

9

7

7

6

25

平面図形 3

基本図形の求積、全体から引く、分割、等積移動、等積変形、つけたし、直角二等辺三角形、30度問題

8

8

6

7

7

26

平面図形 4

π計算、円、おうぎ形、全体から引く、等積移動、中心と結ぶ、葉っぱ形

7

7

8

7

7

27

平面図形 5

三角形の区切り面積①、三角形の区切り面積②、台形の区切り面積、四角形の区切り面積、2辺の積、ベンツ切り

6

6

5

8

7

28

平面図形 6

相似、ちょうちょ相似、ピラミッド相似、ピラミッド相似の利用、相似比と面積比、ちょうちょ相似と面積比、ピラミッド相似と面積比、台形ペケポン

8

8

8

8

6

29

平面図形 7

直角三角形型相似、かげの問題①、かげの問題②、直角三角形+正方形、ダブルちょうちょ相似

5

5

4

7

7

30

平面図形 8

回転移動①、回転移動②、回転移動③、三角形のころがり移動①、四角形のころがり移動、三角形のころがり移動②

6

6

4

5

5

31

平面図形 9

円のころがり移動①、円のころがり移動②、円のころがり移動③、円のころがり移動④、おうぎ形のころがり移動、糸まき、牛の動くはん囲、かんをひもでしばる

8

8

3

4

4

32

平面図形 10

図形の平行移動①、図形の平行移動②、図形の平行移動とグラフ①、図形の平行移動とグラフ②

4

4

3

4

5

※希学園のベーシック算数の場合(例題~C問題の数値は問題数)

上の表を見てみると、No.23は角に関する問題が中心ということもあって学習するテーマが10ありますし、例題からC問題までの大問の数も37題あるように、毎回、質も量もかなりのものがあります。

このように、希学園の5年生は、夏期講習で入試によく出される「数」や「比と割合」の復習をして弱点をなくしていくと同時に、定常授業の「ベーシック」でも入試頻出単元である「平面図形」をしっかりと身につけていくことになります。

ですから、5年生にとっても8月は、家庭学習の時間配分と何についてどのレベルまで取り組むかがとても大切な時期となっています。

6年生は過去問演習の「青写真」を描こう

夏期講習が始まっています。
今年は学校の夏休みよりも、塾の夏期講習のほうが先に始まる、という異例の夏です。
早い塾では、6年生のこの時期から過去問の演習が始まります。
サピックスでは例年「全国有名中入試問題集」(通称「銀本」)の中から指定された学校の問題を家庭学習で演習するよう指示が出ます。
サピックス以外の日能研や四谷大塚、浜学園などでも9月からは本格的な志望校別特訓が始まりますから、そこではどんどん過去問に取り組むことになります。
サピックス、その他多くの塾でも同じように特訓はあるのですが、特訓で扱う過去問はおもにちょっと古い年度のもの。
それらを年度ごとではなく、分野ごとにまとめたテキストを使って演習します。
そして近年の過去問を1年分ずつやるのは家庭学習で、というスタイル。
つまり塾の平常授業と日曜日の特訓の宿題以外に、過去問演習の時間を確保しておく必要があるのです。
この過去問演習に、かなり時間がとられることをあらかじめ知っておかねばなりません。
首都圏のお子さんの場合、第一志望校以外にもいくつか受験予定校があると思います。
たとえば東京のお子さんで、2月1日に「本命」の学校を受験するなら、まずは1月に埼玉や千葉の学校を「お試し受験」するケースは多いと思います。
そして2月1日以降に5〜6校受験、というパターンも珍しくはないですね。
第一志望校以外の学校も、やはり過去問は演習しておきたいと思うものです。
やはり学校によって傾向は違うし、だいたいどれくらいの時間で問題数はどれだけあるのか、など知っておきたいことはたくさんあります。
また偏差値と問題の難度も、必ずしも比例しません。
どういうことかというと、偏差値が低い学校だからといっ問題が易しいかというと、必ずしもそうではないのです。
またその逆もあり、開成中の理科や社会のように、偏差値から考えると問題が易しく非常に平均点が高い(つまりミスできない)入試もあります。
そんなことをいろいろ考えると、第一志望校は5年以上、それ以外の学校でも2年分くらいは演習しておきたいのではないでしょうか。
その時間を、9月からの家庭学習の中にとっていかなければなりません。
4科目、1年分の過去問を演習してその答え合わせと直しまでと考えると、数時間はかかります。
半日とられるくらいのボリュームになるのです。
受験する学校と科目数をあらかじめリストアップし、どこに組み込めそうか、夏の間に大まかにでも「青写真」を描いておきたいですね。

お困りの方は夏期講習が始まるまでに解決を

令和2年の夏休み、そして夏期講習を前に「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と私が主宰するプロ家庭教師集団「名門指導会」共催で、オンラインでの個別相談会を続けています。

非常に多くの方がご参加くださっているのですが、やはり大きいのはこの夏、短縮された夏休みと、それと不釣り合いなくらいに負担が大きそうな夏期講習。

私たち「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の主任相談員、そして名門指導会の現役プロ講師が直接お話を聞き、事前にお預かりした成績やテストの資料を読み込んでからの相談ですから、かなり深いところまで話が及びます。

問題と感じていることを解決するには、いくつか方法があります。

ご家庭だけでできることもあれば、誰かに手伝ってもらったほうが良いこともあります。

たとえば今年の夏期講習、宿題が「まわらない」のは目に見えています。

学校が長期の休みであることを前提に組まれている夏期講習の内容を、2週間程度に短縮された夏休みに開催しようとすれば、無理が出るのは当たり前ですね。

その無理はどこに出るか。

それは、お子さんの家庭学習です。

回らない宿題を、なんとか「期日」までに仕上げようとすれば、やり方が「雑」になるか睡眠時間がなくなるか、その両方かもしれません。

この夏は、いつも以上に「やるべきことの取捨選択」が重要になります。

そんなとき、やはりご家庭でできることには限度があります。

私達のようなプロがお手伝いすればすぐに解決することでも、ご家庭でやろうとすると難しいものです。

近年、中学受験をするなら塾通いが「当たり前」になりました。
しかし、塾に通わせていればそれで何も心配ないのかと言うと、決してそんなことはないというのもまた「当たり前」になりつつあります。

同じように塾に通っていても、成績が順調に上がるお子さんとそうでないお子さんがいるからです。

つまり塾というのは「既製品」であって、オーダーメイドではないということです。

では「既製品」である塾の授業を、まるでオーダーメイドのように受けるにはどうすればいいか。

それには、授業の受け方や宿題のしかたに「工夫」が必要になってきます。

この夏のスケジュールのように、工夫だけではなんともならないこともありますが、それでも少し工夫しただけで(前回お話しした「塾の授業で完全理解を目指す」というマインドセットなどもその1つです)、塾の授業の効果は変わってくるものです。

それでもどうしてもうまくいかない、あるいは家庭でできることに限界を感じて、アウトソーシングしたい、というご家庭のために、私達のような家庭教師や個別指導のサービスがあるのだろうと、特に今年は強く感じています。

ほとんどのお子さんにとって、夏休みよりも塾の夏期講習が先に始まる令和2年の夏。

はじめにお伝えした個別相談会の受付はすでに終了してしまっていますが、どうしても心配があるという方は、名門指導会のオンライン相談などをご検討いただくのがいいかもしれません。

https://www.meimon.jp/

この夏は「塾の授業で完全理解」を目指しましょう

塾の夏期講習が近づいています。
例年になく、夏休みよりも夏期講習のほうが日数が多い、という特殊な夏休みです。
以前にも書きましたが、6年生の夏期講習は午後〜夕方に始まる塾が多いようです。
遅い場合だと夜9時、10時まで拘束されます。
そして夏休みが始まるまでは、塾の翌日に朝から学校があります。
・・・これでは家庭学習の時間がありませんね。
そうなんです。
今年の夏は「家庭学習の時間がない」ことを前提に学習サイクルを考えなければならないのです。
ではどうするか。
とれる対策は限られますが、ぜひ試していただきたいことがあります。
それは「塾の授業で『完全理解』を目指す」ということです。
そんなのふだんから心がけてるよ、という方もいらっしゃると思うのですが、果たして徹底できているでしょうか。
意外にお子さんたちは「わからない問題は家でなんとかしよう」と考えていることが多いのです。
その場でわかりにくかった問題を「宿題でがんばろう」とするわけです。
でもよく考えてみると、教えるプロである塾の先生に教えてもらってわかりにくかった問題を、家で自力でがんばろうというのは非効率的ですね。
塾での理解をできる限り高める、そのためにできることを考えることが、この夏は本当に重要です。
たとえば、そのための「マインドセット」を事前に行っておくことも大切ですね。
あらためて、塾の授業の受け方を見直してみるのもいいでしょう。
授業で『完全理解』するためには、まずは先生の話を聞いて考えることが最優先です。
ノートをとるのに気を取られて聞き逃すようなことがないようにしましょう。
また「塾で扱った問題だけに限って習得する」といった考え方が必要なお子さんもいるでしょう。
今回の自粛期間中に勉強のリズムを崩した6年生は、今がまさに「リハビリ期間」だと思います。
なんとか夏を乗り越えた段階で、志望校対策に邁進できる状態にもっていくには、夏は最低限の学力と得点力の基礎を身につける時期と位置づけ、あえて欲張りすぎずに基礎の拡充に費やすという考え方も必要です。
大変な夏になることが目に見えているからこそ、どう過ごすかは結果に大きく跳ね返ってきます。
そしてすべきこと、考えるべきことはお子さんによってそれぞれ。
私が主宰する家庭教師「名門指導会」にも現在ご相談が殺到していて、連日親御さんたちのお話を聞いているのですが、やはり誰かに相談して少しでもよい方向性を模索することには、大きな効果があると感じています。
もやもやしたままで夏を迎えそうなご家庭は、ぜひ塾以外の第三者に一度ご相談されてみてはいかがでしょう。 

【関西】2020年夏の上手な過ごし方

皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。


西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■2020年度の小学校の夏休み

新型コロナウイルスの流行により約2ヵ月間にわたって臨時休校となったことから、小学校では夏季休業期間(夏休み)の短縮や時間割編成の工夫、行事の見直しを行い、年間授業時数を確保することになりました。

夏休みについて見てみますと、神戸市の場合、7月22日(水)から8月31日(月)までの41日間の予定でしたが、2020年度は7月23日(木・祝)から8月17日(月)までの26日間と、15日間短縮されることが、市の教育委員会から公表されています。

そのため、大手進学塾も、夏休みの短縮に対応した日程と時間帯で、2020年度の夏期講習を行うこととなっています。

■大手進学塾の夏期講習日程と小学校の授業

2020年度の夏期講習は、浜学園は7月23日(木・祝)から8月22日(土)まで、希学園は7月24日(金・祝)から8月20日(木)まで、日能研は7月20日(月)から8月28日(金)までの予定となっています。(注:小学校の夏休み期間によっては、夏期講習日程が変更される場合があります。詳細は各塾にご確認ください。)

しかし、これらの大手進学塾が集まっている西宮北口のある西宮市では、小学校は7月21日(火)から31日(金)までの平日と8月17日(月)から31日(月)までの平日は午前中に授業を実施するため、小学校の授業と塾の夏期講習が重なる期間については、午後あるいは夜間に夏期講習を行う、オンライン授業を受けることができる、通常の授業を実施しないなどの対応を取っています。

例年は定常授業と夏期講習を並行して実施する希学園の場合について、2020年度の夏期講習のスケジュールを見てみましょう。

希学園の2019年度の夏期講習は各科目4回(3時間/回)でしたが、2020年度の夏期講習でも各科目が4回(3時間/回)実施されますし、居残りサポートルームもありますから、夏期講習自体の学習量の変化はないといえそうです。

しかし、この日程を確保するために、定常授業が1週分ずれ込む形となっていることや、夏期講習のない「空き曜日」に組み込まれていた夏期演習特訓(オプション講座)がないなど、例年と異なる点もあります。

浜学園の2020年度の夏期講習についても、基本的には希学園のケースと同じで、マスターコースを実施しない期間を設けることで、平年と同じ、国・算・理各4回(2.5時間/回)の授業を確保しています。

さらに、夏期中に1週間程度の休止期間がある希学園のベーシックも浜学園のマスターコースも、6年生の場合、入試前は総復習となっていますから、そこで調整が可能だと思われますので、こちらも何とか例年通りの学習量とペースを維持できそうです。

また、元々、夏休みに本科教室が実施されない日能研の場合は、小学校の授業に応じて夏期集中教室の授業時間をずらすことで対応しています

■2020年度の夏休みの注意点

このように見てくると、小学校の夏休みが短縮される2020年度ですが、大手進学塾の夏期講習では例年と同じ学習ができますので、「学習の遅れ」という不安は解消されるように思われます。
しかし、本来よりも短い期間で例年と同じ学習量をこなすことは、小学生にとって大きな負担となることは間違いありません。

上記の希学園の場合を見ても、定常授業を行わない期間は、午前中が小学校、午後から夜にかけてが夏期講習となっていますし、小学校がお休みとなる期間は夏期講習と定常授業の両方がありますから、宿題に追われる毎日となることが十分に予測されます。

従って、お通いの塾から夏期講習の詳細な時間割が公表されている場合は、家庭学習の時間を、いつ、どの程度取れるのかを前もって確認しておくことが、夏休み期間中の学習で効果を上げるために大切になってきます。

学んだ内容を消化して使えるまでに時間がかかるタイプのお子さんの場合は、時間を十分にかける宿題と、そうでないものとを区別しておくことも必要になってくるでしょう。
また、夏休み中に弱点単元を克服したいとお考えの場合は、夏期講習の学習計画表を確認にして、克服したい単元の学習はいつかということや、それまでにしておくべき復習は何かなど、しておくことがたくさんあります。

夏期講習の開始まで、あと1ヶ月です。

すぐにでも準備に取りかかることをおすすめしたいと思います。

夏に向け、動き始めましょう

6月11日・12日と2日間にわたってオンラインセミナーを行いました。
パソコンに向かって話すのにも慣れてきましたね。
11日は6年生、12日は4・5年生のお子さんの親御さんが対象だったのですが、2日間の話のうち共通する部分と違った部分がありました。
共通する部分というのは、今年の夏は例年の夏とは全く違うということ。
全国のほとんどの小学校で、夏休みが短縮になります。
都内では、夏休みが2週間〜3週間くらいの学校が多いのではないでしょうか。
そこで、塾はどうするのかと思って塾の夏期講習のカリキュラムを見て、びっくりするわけです。
たとえばサピックスのある教室の6年生の7月、8月の予定表を見ると、夏期講習の日程はほぼ昨年と同じ。
・・・例年なら「昨年と同じ」ことに驚かないのですが、夏休みが2週間程度しかない今年の夏期講習を、昨年と同じ日程でやるなんて。
どうするのかと時間を見ると、夕方から夜にかけて(16時〜21時)となっています。
朝から学校へ行き、夕方から午後9時まで夏期講習という日は、いつ宿題をするんだろう、と思います。
一方、日能研はどうかというと、こちらも6年生は昨年と同じような日程で行うために、やはり授業時間を午後〜夜にもってきています。
要は、例年通りのカリキュラム、授業時間数を確保することに全力を注いでいるわけです。
・・・よく考えてみると、新型コロナウィルスの感染拡大で休業要請が出されたときでさえ、塾のカリキュラムは止まらなかったんですから、夏期講習を今年だけ特別に調整する、ということは現実的に不可能なのでしょう。
であれば、受講する側で「自衛」するしかないですね。
そのためのセミナーだったわけです。
昼過ぎまで(?)学校、そして夕方から夏期講習、21時に終わって返ってきて次の日も・・・となると、宿題がまわらないのは目に見えているので、大胆に取捨選択することが必要です。
また学校の日程と塾の日程を照らし合わせ、どのあたりの日程が苦しそうか、あらかじめシミュレーションしておくことも有効です。
私が主催する家庭教師「名門指導会」では、各会員様について上記のお手伝いを全力でやっていますが、新たなご相談なども相次いでいます。
また私ができることとして、主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」との共催で、オンラインの相談会を行っています。
塾以外の第三者のアドバイスが必要な方は、ご利用いただければと思います。
ご家庭でもどんどん情報を集め、夏をシュミレーションしておいてください。
何度も書きますが、塾の夏期講習は例年通りのボリュームです。
何も準備しなければ、確実に忙殺されます。
入念に準備していきましょう。

オンライン授業を2回実施して

5月30日と6月6日、オンラインの算数授業「【西村則康が教える】魔法の算数ワザ」の第1回授業を行いました。
ZOOMを使い、子どもたちの顔をモニターで見ながらの授業。
独特の感覚ですが、ストレスなく子どもたちとコミュニケーションがとれました。
第1回のテーマは「旅人算」、第2回のテーマは「面積」だったのですが、基本問題から応用まで、子どもたちもしっかり手を動かしてくれました。
ZOOMでオンライン会議(今回の場合は授業)に参加する際、ビデオと音声はそれぞれミュートにすることができます。
参加者の皆さんには、基本的に音声はミュート状態をお願いしたのですが、ビデオについては自由としました。
顔が見える状態で参加してくれた子も、そうでない子もいたのですが、他の参加者からも顔が見えてしまうこともあり、そのあたりはご家庭の考え方ですね。
感心したのは、みんな画面を通してしっかり私の書いた図や式を写して理解し、問題を解いて、対面での授業のようにしっかり参加できていること。
そしてZOOMに付属の「反応」ツール(「拍手」と「いいね」があります)などを使いこなしていること。
大人、中でも高齢になるほど、このようなオンラインでのコミュニケーションに否定的な方は多くなるという印象ですが、現在小学生である子どもたちは、生まれたときからスマホがある世代。
しっかりパソコンやタブレットを操作している姿には、すごいなぁと感心してしまいました。
以前も書いたのですが、オンラインでのコミュニケーションでは、対面のときほど「無言で伝える」ということができません。
雰囲気で伝えることができないので、全てを言葉にして伝えるし、また動作も大きめにする必要があります。
つまり子どもたちも「わかった」「わからない」をオンラインで伝える必要があり、しっかり「表現」することになるのです。
これが「言わずもがな」で伝わってしまう対面でのコミュニケーションよりも優れている点だと感じます。
コロナウィルスの影響が小さくなっても(なくなることはないのかもしれませんが)、対面でのコミュニケーションとオンラインは、それぞれの特性を活かして使い分けるのがいいのではと、現時点では考えています。
【西村則康が教える】「魔法の算数ワザ」特別講座(オンライン)第3回「食塩水の濃さ 4つの解法とその応用」は、6月13日(土)10時から。
食塩水の問題に強くなりたい受験生は参加してみてください。
https://mahousansu3.peatix.com/view
私自身も楽しみにしています。

【関西】塾の再開とご家庭でとりくめること

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■大手進学塾の教室授業が再開

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた緊急事態宣言を受け、大手進学塾ではオンライン授業を行ってきましたが、5月下旬から教室での集団授業が再開されました。
特別講座など一部の授業はオンライン授業として継続されている場合もありますが、ほぼ平常通りに戻り始めています。
また、授業と同様に、教室での実施を見合わせ、自宅受験となっていた公開模試なども、教室で受験する予定で準備が進められています。

■6月の公開模試

6年生の公開模試は、これまでも志望校の合格可能性を知る重要なテストでしたが、6月を迎えるようになると、さらに詳細で精度の高いデータが受験生にフィードバックされるようになります。
特に単元別の成績資料は、受験の天王山とも言われる8月の学習までに取り組んでおくべき弱点補強の大切な道しるべです。
次の表は、希学園が2019年6月に実施した公開テストの算数の出題分野とその正答率、既習範囲の問題についてまとめたものです。

※小6内容はベーシックNo.17まで、小5内容には最高レベル演習を含みます。
※○はほぼ同じ問題がベーシックなどの教材にある問題、△は教材の類似問題または解き方が同じ問題を表しています。

上の表を見てみると、100点満点のうち、5年生までに学んだ内容からの出題が、計算問題も含めると42点あり、6年生でこれまでに取り扱われた範囲からも38点分が出されていて、全体の80%を占めていたことがわかります。

このテストの場合、計算問題と塾教材とほぼ同じ問題が正解できると偏差値がおよそ52でしたので、平均点を超えられたかどうかで、これまでに学んだ内容の定着度を判断することができます。
また、考え方が同じ問題や類似問題までも正解できると偏差値が62を超えますので、80点に近いほど、学んだことが使える、応用ができるようになっているということもわかります。

■ご家庭でとりくめること

上の表の中から、塾教材とほぼ同じ問題を1問見てみましょう。

【公開テストの問題】

ある学校の6年生の52.5%にあたる 人がめがねをかけています。この学校の6年生は12クラスあり、1クラスの人数は38人以上42人以下です。

(解き方)
6年生全体:めがねをかけている人=40:21
6年生全体は、38人×12クラス=456人以上、42人×12クラス=504人以下の40の倍数ですから、6年生全体は480人です。
480人×0.525=252人

【小5ベーシックの問題】

定員のちょうど32.5%が座れる電車があります。この電車に40人の人が乗ると全員が座れますが、60人が乗れば何人かの人が座れなくなります。この電車の定員を求めなさい。

(解き方)
定員:座れる人=40:13
座れる人は、40人以上59人以下の40の倍数ですから、座れる人は52人です。
52人÷0.325=160人

このように、公開テストで出された問題には塾教材の問題とほぼ同じものがあります。
ですから、現在のお子様の課題が公開テストで平均点を超えることであれば、ご家庭で取り組むことの1つとして、5年生を含めたベーシックなどの塾教材の振り返りがあげられるでしょう。
しかし、塾の教室授業が再開されると家庭学習の時間にも制約が増えるでしょうから、その場合は復習テストを利用してもよいと思います。

また、偏差値60に近づくことが目標である場合、正答率が20%より高い問題をより多く正解することが必要となりますから、例えば、ベーシックのC問題や最高レベル演習の錬成問題を振り返ることが、ご家庭でできる公開テストの準備として考えられるでしょう。

入試レベルの難度ともいえる上記テストの問題6や7など、初見問題を最後まで解けるようになるためにも、まずは塾の教材で取り扱われたような問題が正解できる力を夏までに身につけていけるといいですね。

オンライン授業を開始することにしました

関西地方など、首都圏を含む特定の地域以外の緊急事態宣言が解除されました。
また首都圏と北海道も、近日中に解除となるようです。
当初の予定通り6月1日からの再開としている自治体もありますが、学校も塾もない日々が続いていたお子さんたちにとって、久しぶりに会う先生や友だちとのコミュニケーションは、とても楽しみだと思います。
解除されたからといって、すぐに以前のような生活に全てが戻るわけではありませんが、学校も時間を短縮したり座席の配置を考慮したりしながら、段階的に教育を再開していくようです。
塾に関しては、この休講中にオンライン授業をいち早く開始したところもあれば、録画した映像授業を視聴するのが中心、というケースもあったようです。
その中で、映像授業にもオンライン授業にも一長一短がある、ということが分かったように思います。
映像授業は、映像を受け身に見ているだけなので分かりづらい、というデメリットがあります。
でも、ふだんの授業が早すぎて分かりづらかったお子さんからは、「何度も見返して考えられるから助かる」という声もありました。
オンライン授業に関してはどうかというと「小学生にはオンライン授業は適さない」というのがこれまでの、なんとなくの「通説」だったように思います。
しかし感染症への危機から、やむない形で採り入れられた小学生へのオンライン授業にはデメリットもありますが、メリットもあったのではないかと思います。
たとえば対面での授業では今までほとんど発言しなかった子が、オンラインでは積極的に発言するようになったり、自分の考えていることを意識して言葉にするようになったというような例です。
私たち名門指導会も、オンラインの家庭教師を3月から開始して多くの会員様に受講していただいていますが、この試みの中でもいろんな発見がありました。
私たち家庭教師は、対面での授業ではもちろん、お子さんのありとあらゆる動きを観察しています。
言葉で伝えてくれることもそうですが、言葉にならない動きや漂わせる雰囲気などです。
オンラインの映像では、もちろんそこまでたくさんの情報は伝わりません。
しかしオンライン授業では、これまで意識しなかったことを発見できます。
上記のように、映像ではできるだけ言葉にしないと伝わらないので、お子さんができるだけ自分の状態や考えを言葉にするようになるといったことです。
またオンライン授業は時間と場所を選びません。
たとえば、朝1時間先生といっしょに勉強し、夕方また1時間いっしょに勉強する、なんてことができるわけです。
遠方のお子さんも授業を受けることができますね。
そんな思いで、オンラインの授業を始めることにしました。
中学受験の算数で、多くのお子さんがつまずく「速さ」「図形」「食塩水の濃さ」をテーマに、私自身が講師となって行う90分の授業。
第1回は5月30日(土)10時開始です。
よかったらご参加ください。
第1回
第2回
第3回
 
 
 
 

2021年の中学受験はどうなるかを考える

コロナウィルスによる外出自粛が、首都圏では続いています。
私たちも、打合せやマンツーマンの相談会をオンラインでの開催としています。
実際に顔を合わせての打合せや相談と、オンラインでのやり取りで、やはり違いはあります。
しかし通信環境の整備やソフトの進化などにもよるのでしょうが、当初抱いていたオンラインによるやり取りへの不安は、ある意味杞憂に終わっています。
今感じていることは「オンラインにも対面にも、それぞれのよさがある」ということです。
家庭教師も個別の相談会も、対面には対面の、オンラインにはオンラインのよさがあり、これは今回のコロナ禍が収束しても変わらないものだと感じています。
たとえばオンラインの指導や相談では、対面でのやり取りにくらべると、ちょっと間接的な感じになるのは否めません。
でも、同じ時間を同じ話題で共有しているという事実には変わりがありません。
また、通信環境がしっかりしていれば、ほぼストレスなく自然な会話ができます。
この部分に関しては、さらに改善が進んでいくのでしょう。
数年前、いや数ヶ月前には想像もしていなかった形態で(海外の企業と連携している方などは以前から当たり前だったのでしょうが)、私たちは今コミュニケーションをふつうにとっています。
このように、ウィルスが収束したからといって手放すことがないであろうものもあると感じています。
いま、いちばん心配なのは子どもたちの学習環境です。
学校が休校になり、塾も授業をオンラインや映像授業に切り替えています。
もちろんオンラインでも学べるのですが、通信環境の問題や学校の設備の問題などで、学びに大きな格差ができているのも事実です。
この自粛期間の学習について、不安や不満を抱えているご家庭はとても多いでしょう。
今はオンラインで行っている「個別相談会」でも、この状況をいかに乗り切っていくかというご相談がとても増えています。
また中学受験に関しても、来年1月、2月にほんとうに例年通りの受験が行えるのか、誰にもわかりませんね。
中学校も、状況を見ているところでしょう。
通常であれば数百人、学校によっては数千人の受験生(とその親御さん)を1ヶ所に集めて数十人を教室に入れての試験を行います。
これまでは「当たり前」と思っていたことが、とんでもない危険を孕んだことだと認識される状況になっています。
中学校は、どのような対応をするでしょうか。
試験回数を増やし、1回の試験に集める人数を抑える方向に進むかもしれません。
または試験会場を増やし「三密」を避けるという学校も出てくるかもしれません。
それもこれも、今回のコロナウィルス感染症が今後どのように広がるのかそうでないのかによって、どうなるのか今のところは誰にも言えません。
1つ思うのは、2021年度の入試がどうなるとしても、中学校は様々な方法で「学ぶ意欲や素養のある子」を選抜しようとするだろうということです。
塾がお休みになって映像授業などが中心になり、「このままでは遅れてしまうのでは」と不安になっている方もいるかもしれません。
でも、塾が少々休みになっても不安になることはないと私は考えています。
私立中学校は、塾の進度を前提に入試問題を作っているわけではないからです。
よく考えれば当たり前のことなのですが、塾にお子さんを通わせていると見えなくなりがちなことです。
塾で成績がよければいい学校に合格できる、塾で出された問題をしっかりやっていれば、難関校に合格できると考えてしまいますね。
でも中学校は、別に塾で成績がいい子に入学してほしいわけではないんです。
学びに前向きで、中学、高校でのびのびと成長し、学力を伸ばしてくれる子を求めているんです。
2021年の入試では、このコロナ禍にも負けずに、しっかりと学習意欲を維持して乗り切った子をなんとか選抜しようとするでしょう。
もしかしたら、例年とガラッと変わった問題を出題する学校が出てくるかもしれませんね。
では、こんな先が見えない状況で、私たちができることは何でしょうか。
それは、しっかり「基本的な学習を充実させる」ことだと私は思います。
しっかり数える。
文章を隅々まで読む。
与えられた条件から、問題を解決しようと様々な方法で考える。
そんな「勉強の本来の姿」をしっかりできた子が合格できるような入試を、必ず各中学校は行うと私は信じています。
不安が多い状況ですが、そう信じてしっかり学びを充実させていきましょう。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

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▼2022年9月10日(木)

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▼2022年8月5日(金)

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▼2022年7月21日(木)

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▼2022年6月24日(金)

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▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

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▼2022年4月14日(木)

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▼2021年10月22日(金)

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▼2021年9月24日(金)

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▼2020年2月19日(水)

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