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入試本番 最後の1分1秒まで頑張れ

今日(2月1日)このブログを打っている今、教え子たちが入試を受けています。

A君:問題文を最後までしっかりと読むんだよ。「ただし・・」とあれば、そこに下線を引くんだよ。
B君:計算は読みやすい数字で書くんだよ。無理な暗算はしないようにね。
Cさん:主語と述語の関係に注意して、記述問題に取り組むんだよ。
D君:答案用紙には丁寧な字を書くんだよ。計算の数字はピンピンと跳ねないように。
Eさん:解けない問題に執着しないようにね。三分経ったら次に問題に移ろうね。
F君:弱気の虫が顔を出さないようにね。

気に掛かる子供たちの顔が、次々に浮かびます。
付き合った期間は、2年間・1年間・たった6ヶ月間とさまざまですが、濃密な時間を持てたと思います。その間に特に注意してきたことは、子供たちに受け身の学習をさせないことでした。教え込むことは簡単です。「これがこうなって、あれを使うとこうなって、ホラ答えだよ。分かった?」「うん。」というように分かった気にさせることはいとも簡単なのですが、それではテストで点数が取れないのです。
 子供たちに、「ああ、なるほど」という感覚をわき上がらせることと、自分で考えて気がついたと感じさせることに力を注いで来ました。暗記ばかりの学習で疲れて暗い表情になっていたお子さんも、生き生きと明るくなってくれました。そのような変化が確実に点数アップにつながります。勉強のやり方を変えることで、気持ちが変わり、気持ちが変われば、勉強の仕方がより良くなってきます。
 誰でも、どんな成績の子でも、伸びる才能を持っている事を再確認できた1年でした。

教え子たちよ、最後の一分一秒まで頑張れ!
 

受験まであと1年 小5生は、今が学習の見直しのチャンス

小6生が、受験本番となる2月1日から数日から1週間ばかり小5生以下の授業が止まる塾がほとんどですね。
この機会に、小5生はこれまでの学習を見直して、今後1年間の学習スケジュールを大まかに立ててください。

・2月から6月
 志望校に見合うクラスを確保することが、最大の目標です。前年のクラス毎の合格者数を参考にして、目標クラスを設定してください。
 「昨年は、○○クラスからでも□□中学校に合格しました。」という保護者会でのお話を参考にしないでくださいね。この話は、次の受験学年の子供たちや親御さんを励ますために、奇跡的に合格した生徒の話をされていると理解しておいてください。

・6月から7月
2学期の「志望校別日曜特訓」のコース分けテストで、該当コース合格が目標です。
コース分けのために、別のテストを実施する塾と、普段の総合テストをコーズ分けに使う塾がありますが、既習範囲全てから出題される事に変わりはありません。
 普段の学習に、テスト対策をプラスしていく時期になります。

・8月
夏期講習に集中する時期です。どの塾でも、全ての範囲が一通り終わっていますから、本格的な復習の始まりです。苦手なまま残ってしまっている単元や項目は、授業の進度に合わせて、前のテキストも利用して復習してください。

・9月?10月
弱点教科や弱点単元克服の期間です。
塾のカリキュラムだけではなく、弱点解消のための時間確保が大切です。
この時期の弱点対策は、志望校の出題傾向を見ながら優先順位を決めていく必要があります。

・11月?1月
この3ヶ月は、志望校への対策です。膨大な過去問を解く必要がありますし、その間違い直しにも多くの時間が必要です。

2月の授業から、授業曜日や授業回数が変更になる塾がほとんどですから、この機会に1週間の学習スケジュールを見直すところから始められたらいかがでしょうか。

合格発表直後

 埼玉や千葉など、既に合否が出た方もいらっしゃるでしょう。そして、今後2月1日の入試に向けて、ラストスパートをかけている受験生も多い事と思います。
そして、2月4日頃にほとんど全ての受験が終了し、合格と不合格の判定が厳然とあるのが現実です。

 
□合格していたとき□
 これまでの努力を、精一杯ねぎらって上げてください。その後、「中学校に入っても頑張ってね!」と言う言葉を必ずかけて上げてください。
 中学校に合格すると、これまでの受験勉強から解放されると思い込み、それを意欲の糧にして頑張ってきたお子さんも多いはずです。そのようなお子さんの中には、もう勉強しなくて良いんだと勘違いしてしまうお子さんがいるのです。勉強は一生続くものです。中学受験の勉強は確かに厳しいものでした。でも、一生続く勉強はまだ始まったばかりなのです。
 「中学校に入っても頑張ってね!」という言葉に、あなただったら中学校に入っても楽しく頑張っていけるわ、という気持ちを込めて励まして上げてください。
そして、数日は思いっきり遊ばせてやってくださいね。その間に、お子さんと一緒に本屋さんに行かれて中学校の参考書や問題集を買ってこられるのも良いことです。

□不合格だったとき□
 受験倍率が、3倍を超えるような中学校の合格発表は、異様な雰囲気に包まれます。掲示直後の喧噪が数分続いた後は、所々で散発的に起こる歓声と、うなだれるお子さんを抱き寄せて励ましている親子のたくさんの島ができあがっています。その島は、じりじりといつの間にか校門に向かい、視界から消えていきます。
受験倍率が3倍の場合は、300人受験していれば200人が不合格になるが現実です。喜んで歓声を上げることが出来るお子さんの数倍のお子さんが、うなだれて帰って行くことになります。
 このようなときの、お子さんへの声かけは、親御様にとっては一番つらいものです。でも、このときの親の一言はお子さんの脳裏に強く焼き付くものです。

 親御様自体も、悲嘆にくれ、1人だったら泣きたい気持ちをグッとこらえ、何とかしてお子さんを励まさなければと思えば思うほど言葉が出てこない、そんな場面に何度も出会ってきました。
 合格掲示に自分の受験番号が無いのを分かった直後の、気持ちの高ぶりと落ち込みの大きな波が過ぎ去った後で結構ですから、明るい声かけをお願いします。
「シクシク」(お子さん)
「次頑張ろうね。」(お母さん)
「次って、もう受験終わっちゃったよ。」(お子さん)
「もうあなたは、受験しないつもり。高校も大学も。」(お母さん)
「そんなつもりはないけど。」(お子さん)
「そうよね。次に頑張りなさいって神様が言ったんだと思うわよ。あなたは、くじけずに頑張れる子だから。」(お母さん)
「神様は不公平だね。」(お子さん)
「そうね。でも、受験生が多くて神様も大変だったと思うわよ。」(お母さん)

このような声かけを是非ともお願いします。

入試前日と当日の朝の過ごし方

いよいよ入試が始まりました。埼玉県では12日から、千葉県では20日から多くの学校で入試が始まります。そして、2月1日には都内の入試が始まります。

 

 入試前日は、お子さんももちろんのこと、親御様も緊張感が高まっているものです。適度な緊張感であればよいのですが、過度な緊張感は良くありません。

 

□過度な緊張をほぐすために□

 

 軽い運動や散歩を取り入れてみてください。男子ならば、お父様とキャッチボールをしたり、サッカーボールを蹴るのも良いでしょう。女の子なら、犬の散歩をお母様と一緒にしたり、お買い物ついでに散歩をしたり。

 落ちたらどうしようと暗い気持ちになったと直後に、受かったら何をしようかというような思いが頭をもたげてきたりと、そわそわと落ち着かない思いをしているはずなのです。一瞬でも良いですから、明日の入試の重圧を感じる事がない時間を作ることが出来れば最高です。

 

 また、親御様との会話も大切ですね。

「明日は、頑張ってね。」の繰り返しになりがちなのですが、これがお子様の緊張感を無闇に高める事になります。

「問題文を落ち着いて読んでね。それさえ出来れば大丈夫よ。」とさらっと言ってあげてください。

 

□前日の学習は、「合格の予感の再確認」のため□

 

 「あなたは、○○の単元が苦手だから、今日中にこれをやって、それが終わったらあの暗記をやって・・・・。」

 このように、直前まで苦手単元の学習をさせるのは良くありません。切羽詰まった苦手単元がある場合以外は、基礎事項の確認と暗記知識の確認、そして計算問題の手順の確認を中心にお願いします。

「3ヶ月前に比べると、解き方を思い出すのが早くなったね。」

「苦手だった室町時代は、もう大丈夫ね。」

「正確に答えを出す習慣が身についたのね。」

このような声かけが、お子様の子持ちを落ち着かせます。

 

□当日の朝は□

 

 余裕を持って早めに起きるのは当然ですが、そこでやることもルーティーンの確認です。

・少し複雑な四則混合計算を1?2問解いてみる。

・少し難しい説明文を、傍線を引きながら1?2段落だけ読んでみる。

この程度の軽いウォーミングアップで済ませてください。

 「入試問題が、その日に始めて見る活字」になるのは良くありません。

 

お子様方の受験成功を心から祈っています。

 

 

立体図形を得意にする

□立体図形を得意にする□

ここ、1ヶ月で増えてきたご相談内容は、「立体図形」です。男女比率は1:2、女子の方が多いようです。このようなご相談は、直接お子さまに教えることが出来たらすぐに解決させることが多いものですから、いつも歯がゆく感じます。

  塾で、立体の切断の図の描き方や、体積の考え方について、分かりやすい説明が無かったのかもしれませんし、実際に立体を切った経験が乏しいために、実感を伴った想像ができないせいかもしれません。

見えない向こう側を想像する必要がありますから、どうしても経験が必要です。いろいろな立体を組み立てたり、切ったりという経験を積み重ねた後で、見取り図をちゃんと書く練習も必要です。
  他の単元に比べて、はっきりと立体図形が苦手の場合は、立方体をいろいろな方向に切ってみることから始めさせてください。

 私が、教えに行っているご家庭では、大根を立方体に切り揃えるのはお母様の役割り、その立方体を切るのはお子さまの仕事、というようにしてもらっています。ちなみに、人参でも上手く出来ます。切り刻んだ大根や人参は、翌朝の味噌汁の具に使っていただくことにしています。

  お子さまが切る時は、まず、テキストの問題に出ている切り方から始めさせてください。その後、二等辺三角形の切り口・正三角形の切り口・正方形の切り口・長方形の切り口・平行四辺形の切り口・五角形の切り口・正六角形の切り口を、この順に実際にやらせてください。

 その切り口を、立方体の見取り図に一つ一つ書かせてください。見取り図を書かせる時の注意点は、「見える線は実線で、見えない線は点線で書く」ことです。見取り図がかけるようになれば、すでに立体図形が分かる間際まで来ています。

その後、「直角三角形の切り口は出来る?わからなかったらいろいろと切ってみてもいいわよ。」と聞いてあげてください。直角を作ろうとすると、どうしても四角形になってしまう経験が大切です。

 これを読んでくださっている方のお子様が、小4生や小3生の場合は、お料理の手伝いをたくさんさせてください。自然に立体の切り口の感覚を身につけさせることが出来ますし、それ以外にも多くの大切な能力が高まっていきます。お子様には、勉強を意識させずに、楽しくやってくださいね。

  このような訓練をした後で、立方体の3点を通る切り口の問題をやらせるようにしてください。その時は、「並行な平面をもう一つの平面で切ると、切り口は(高さは違うけれど)平行になる」を呪文のように言わせながら、切り口を書かせてみてください。
この方法で書けないもの(立方体の辺の中点3つを通るように切った正六角形など)は、覚えさせる必要があります。
  これらの訓練を、数時間かけてやった後で、始めて体積の計算や表面積の計算を解かせてみてください。

受験直前にやっておくこと(2)

数日前から、急に寒くなりました。私も少し風邪気味です。お子さんたちは大丈夫ですか。
中学受験は、なぜ一番寒い時期にやるんでしょうかね。

□体調管理が一番大切□
 寒くなってくると、暖房器具の大活躍となります。これが風邪をひかせる原因になることになります。寒さで風邪をひくより、乾燥でのどをやられて風邪を引くことが多いのです。加湿器を使うか、部屋の中にぬれたタオル数枚をかけておくだけでも湿度が大きく変わります。
 インフルエンザも心配ですね。予防接種は是非受けておいてください。
風邪やインフルエンザ意外にも、体調管理に注意していただく事はいろいろあります。
・睡眠時間のコントロール
・暴飲暴食をさせない

□入試過去問の上手な利用□
 そろそろ、入試過去問をとき終えたお子さんが多くなる時期です。入試過去問を解く理由は、
1 入試問題の傾向(難易度・独特の言い回し・問題量・設問形式)を知る。
2 時間配分の練習
と言われていますが、それ以外に、「総合問題の演習」だということに大きな意味があります。単元毎に学習していた頃を考えてみますと、その週の内容を理解し解けるようになったと思ったら、前の単元を忘れてしまっていたということが少なからずあったと思います。そのために、どの塾でも、夏休みから繰り返し繰り返し復習をやってきました。でも、それでも不十分なのです。と言っても、今更単元毎に復習していく時間はありません。過去問を解くという総合演習で、全単元の復習をする事が大切なのです。この総合演習の効果を上げるためには、「解きっぱなしにしない」事です。
間違った問題や解けなかった問題を復習する事が大切なのですが、「解くべき問題か、捨てるべき問題か」の見極めが最初に必要になります。これは、塾の先生や個別指導の先生や家庭教師の先生にやってもらってください。
 そして、解くべき問題を復習していくことになります。その際、
1 最初に自分でやったときに、何を間違ったのかを確認する。
2 そのような間違いをしないためには、その時に何をすべきだったのかを考える。
この2つの作業が出来れば理想です。
親御様の方で対策をされるときには、下記の会話を参考にしてください。
「なぜこの問題を間違っちゃたの?」
「A君が速さを変えるところをB君と間違っちゃたから。」
「じゃあ、何をしたらそのような間違いがなくなると思う?」
「下線を引きながら読む事かな。」
「そうね、よく分かったね。じゃあ、これからはここが大切と思ったところには下線を引いていこうね。」
「うん」

「そんな雑な読み方をしているから間違うのよ!」というしかり方は是非避けてください。

受験直前にやっておくこと

□自信が高まる学習が必要□
前回に、「苦手なものばかりやらせない」と書きました。これまでも、他の単元と同じように学習をしてきたのにも関わらず、苦手になっているのですから、何らかの苦手になる必然があったと考えられます。つまり得意な単元に転換させることが難しい単元です。その単元を無視することは出来ませんが、そればかりをやらせていると能率が上がりませんし、どんどんと自信を無くしていきます。この時期から入試までの約1ヶ月は、苦手単元については「今よりも少しでも良くなれば儲けもの」ぐらいの気持ちで、お子様に接して上げてください。
 そして、得意な単元での確実性を高める学習を大いにやらせてください。当然、志望校に出題されやすい単元であり、適切なレベルであることは大切です。そして、
「この単元は、あなたにとっては怖いものなしね。」とより自信を深めるような声かけをお願いします。

□暗記の最後の詰めが大切□
覚えきっていることが必要な教科は、理科・社会ということになります。武蔵中の理科のような例外がありますが、忘れてしまうと手も足も出ないのが普通です。
 ほとんどの塾で、夏休みあたりから復習が始まりました。その中で四谷系の塾では「4科のまとめ」、サピックスでは「コアプラス」、日能研では「メモリーチェック」を暗記してきたことと思います。
 その頃に、一生懸命暗記し、チェックテストで常に合格していたとしても、その数ヶ月後にはかなり忘れているものなのです。
理科については、簡単なチェック法があります。次のようにお子様に質問してみてください。
「昆虫の冬越しについて聞いてみるよ。」
と、言った後、
「モンシロチョウは?」(さなぎ)
「カブトムシは?」(幼虫)
「トンボは?」(幼虫)
(ここまでで間違っていたら本格的に覚え直す必要があります)
この次に、
「キチョウは?」と聞いてみてください。
成虫と答えられれば大丈夫です。そうでない場合は、昆虫や動物の単元で少し抜け始めています。
 それ以外に、注意することは、近頃良く出題される「身近な動物植物」です。
首都圏の子供たちにとっては、見たことも触ったこともないものばかりですが、当然知っているものとして出題されています。志望校の過去問をもう一度目を通していただいて、この単元が出題されているようでしたら、復習させて上げてください。四谷系のお子さんでしたら、予習シリーズ小4の上と下の中の、「春の頃」「夏の頃」「秋の頃」「冬の頃」
の植物と動物の計8単元です。
 サピックスと日能研にはなかなかまとまったものが見当たりません。コアプラスやメモリーチェックの中から、該当する単元を覚えさせれください。
 なお、覚え直す場合は、□で空いている場所に入る言葉だけではなくて、その前後の文章も読んだ上で暗記するようにさせてください。

□そろそろ早起きの習慣を□
人の大脳は、起床後3時間で通常の状態になると言われています。入試が9時開始なら6時に、8時半開始ならば5時半に起きることが理想です。
 起きた後は、果物のジュースでも飲んで頭を動きやすい状態を作って、理科や社会の暗記・計算・漢字などから必要なものをやらせてください。今から毎日実行したとすると、1教科の暗記確認は楽々終了します。
 ”寝起きが悪い””朝起きてから機嫌が悪い”という事が続く場合は、寝る前に、翌朝の起きる時間と、起きてから学校に行くまでに何をするかをお子さんに決めさせてください。そして、「そのような毎日の少しずつのがんばりが、入試本番で生きてくるからね」と励まして上げてください。

受験本番直前に大切な事(1)

今年も、受験本番が間近に迫ってきました。
この時期に大切な事を書いていきたいと思います。
□一番失敗しやすい勉強法□
 この時期になると、あれも苦手これも苦手。あれもやらなければこれも、とお母様方は考えがちです。これが思わぬ失敗を引き起こす原因です。
 これが、弱点だと思ってやらせてみると、その基礎が気になり、その基礎の基礎をやらせてみると、それも不完全なような気がするものです。そうなれば、あれをいつまでにやって、これはいつまでに・・・、その上、これまでにやりきれていない過去問をやらせて・・・。あっそうだ、理科や社会の暗記ももう一度させないと。漢字ももう一度やらせないと・・・。
 もし、今お母様がそうのような状態なら、一度心を落ち着けてください。
中学入試は、大学受験とは異なります。国立大の医学部受験では、センター試験で92%以上の得点が必要です。ほとんど完璧という得点力が要求されています。苦手な教科はおろか、苦手な単元1つが命とりになります。ところが、中学受験では、高いところで70%、一般的には65%で合格です。この差は大きいのです。
 中学受験では、「得意な範囲で○○点が取れるから、あとこの範囲で△△点が取れればOK」というような作戦が取れるのです。
“理想の得点力を望まず、合格点数を取るための作戦”を考えてください。
 
 もう一つ気をつけていただきたいのが、「苦手な単元ばかりを勉強させない」ことです。
 苦手な単元ばかりをやっていると、だんだんと不安感が募ります。その不安感が、得意単元の問題を解くときにもマイナスに作用します。
 9月から11月までは、得意単元と苦手単元を1:1ぐらいで学習すべきですが、この直前時期は2:1程度、得意単元をより確実にする学習を増やしてください。これは大丈夫、この単元も自信を持って解ける・・、このように子供自身が自信を高めていく事が何よりも大切です。これまで、真面目に几帳面に頑張ってきた子供ほどその必要性が高いのです。
 

解答に到達する課程に興味を持たせるために(2)

 今回は、下記の2点について書いていきます。
1 宿題量を取捨選択して、減らしてあげる。
2 自分の言葉で考えるようにしてあげる。

1の”宿題量を取捨選択して減らして上げる”事が出来れば、負担を軽くしてしかも成績を大幅に上げていくことが可能になります。特に、精神面に与える効果によることなのです。
「このぐらいだと、ちょっと頑張れば何とかなりそうだ」と思うことが出来るからです。子供に与える負担は、量にしても質にしても、この「もうちょっと頑張れば、何とかなりそう」が最適です。完遂できた自分を想像し、その時の快感を予感して頑張ることが出来ます。

 取捨選択の方法です。本当の力量がある指導者ならば、数回の授業を行えば、問題を一瞥しただけで、”この問題はこの子に必要か?”、”この問題を今解かせる必要があるのか?”を判断することが出来ます。それが、本当のプロの力量だと考えています。ところが、ご家庭で判断される場合は、そうはいきません。親御様とお子さんの共同作業が必要になります。
  お子さんに、塾の授業中に○△×を問題毎につけていくことを約束させてください。

○・・・授業中に簡単に解けた。今後同じ問題が出たときには確実に解けると思う問題。
△・・・苦労しながらも何とか解けた。今後同じもんだ一が出たときに確実に解ける自信が無い。
×・・・授業中に自分でも解けなかったし、先生の説明を聞いてもよく分からなかった。これが、判断基準です。

 この△が、「もうちょっと頑張れば何とかなりそう」というレベルにあたります。問題の取捨選択において、最優先していただくのが、この△がついた問題そのものと、類題になります。
 サピックスのお子さんならば、デイリーサポートの問題についた△の問題を解き直した後、デイリーサピックスでその類題を解く事ですし、日能研のお子さんなら、本科テキストについた△を復習した後で、栄冠テキストでその類題を探す事になります。四谷大塚のお子さんなら、予習シリーズの△を解いた後で、演習問題から類題を解くことです。早稲アカならば、ダブルベイシックの△を解いた後で、予習シリーズから類題を探す事になります。
  △とその類題を中心とした学習が終わってもなお余裕がある場合にのみ、×に手をつけるようにしてください。

 この方法で、量の調節をするだけで、”ジタバタ学習”が改善される結果、ミスが減るお子さんが多いのです。でも、中には量を調節しても、ただ勉強時間が少なくなるだけで効果が現れない場合があります。長い期間を暗記学習だけで過ごしているうちに、頭を使って考える習慣を無くしてしまっているお子さんに多いケースです。

 ここで必要になってくるのが、2の「自分の言葉で考えるようにしてあげる。」ことです。この場合は、親御さんの声かけが、大切になってきます。
宿題をさらさらとやっていても、実は式の順序を覚えていて、ただ当てはめているだけであることが多いわけですから、そのようなときに、親御様は、
「その式で何が出たの?」
「その数字の単位は?」
と聞いて上げてください。
 ちゃんと答えることが出来たときは、
「よく分かっているね。授業をしっかりと聞いてきてえらかったね。」
と褒めてあげてください。
 そんなことは分かっていて当然だからと、質問を重ねていけば、親御さんからの声かけが煩わしいものに感じられてしまいます。
 うまく答えることが出来なかったときが、一番大切です。子供の勉強のやり方を変えていくチャンスだととらえてください。
「その式で何が出たの?」(お母さん)
「よく分からない。だって、授業で先生がそうやっていたから。」(お子さん)
「授業をちゃんと聞いていたんだ。だから、解き方の順序を覚えることが出来たのね。」(お母さん)
*ここで叱らないようにくれぐれもお願いします。

「そんな授業の聴き方をしているから成績が上がらないのよ!」とか「いったい授業で何を聞いてきたの!」という反応は最悪です。

「うん。だって、先生の説明が速すぎて、理解する前に次の問題に移ってしまうんだもの。」(お子さん)
*お母さんの穏やかな反応によって、お子さんが心を開いて本当の事を言ってくれるかもしれません。

「そう。先生の授業が速いのね。でも大丈夫、式の順序を覚えてきたんだもの。その一つ一つの意味を今から考えていけば分かってくるわよ。」(母親)
*お母さんが、お子さんに与え続けるべきものは、成功のイメージです。「あなただったら大丈夫」を繰り返して上げてください。

「そうかな?」(お子さん)
「大丈夫。じゃあ、問題文をもう一度読み返してご覧。ゆっくりね。」
「うん、読んだよ。」(お子さん)
「何が分かっているの。」(お母さん)
「太郎君の速さと花子さんの速さ、それと・・・・・・・・。」(お子さん)
「その通りね。じゃあ、それからまず何が分かりそう?授業中のノートを見ながら考えても良いわよ。」(お母さん)

このような、穏やかで、しかも何かの達成を予感させるような声かけを続けてもらう事で、やっと頭を働かせ始めます。

 このような、声かけ(お母さんが励ましながら質問をし、お子さんが答える)を行っていく際に、1つ次のようなルールを決めてください。それは、「単語で答えない」というものです。
「何が出たの?」
「速さ」
という返答はしないようにというルールです。
「A君が、P町からQ町に行くときの速さ」というように答えてもらうためのものです。
 言葉掛けの上手下手で、学習効果は大きく変わってきます。お母様の堪忍袋の緒が切れそうな事もあるでしょうが、グッと我慢して穏やかに前向きに話しかけて上げてください。
 また、その言葉掛けの上手下手が、まさに塾や個別そして家庭教師の力量そのものです。
スランプ脱出のために、個別指導か家庭教師をお考えになっていいるのでしたら、体験授業を一緒にご覧になって、講師の言葉かけの力量を判断されることをお勧めします。

 

 

解答に到達する課程に興味を持たせるために

 算数のご相談の中に、「解き直しをさせると、ちゃんと解ける。でも、数字や文章が変えられると解けなくなる。」という内容が非常に多いのですが、これは、解く課程を理解できていないからなのです。
 算数を解くという作業で大切なのは、自分の頭の中にある言葉で考えて納得する事です。「この線の長さの差は○○だから、これを時間で割ると□□が出て、・・・ 」というように、必ず言葉を使って考える事になります。解く課程が理解できていないのは、自分の頭の中にある言葉を使って考えていない、もしくはその余裕が無いとことが原因です。 

 過去に、家庭教師として教えていた生徒のことを思い出します。塾の宿題が多量に残っていて、それを明日までにやり終え無ければいけないという日の授業でした。「これが、こうなって、だから・・・、ここまでの説明は分かったかな?」と聞いたときに、その生徒からの返事は、「それで、答えは何なの?」だったのです。途中の考え方や式はどうでも良くて、とにかく早く答えを教えてもらって、宿題を終わらせたい一心だったのです。
 近くで、授業を聞いていらしたお母さんに、事情を説明して、明日、塾の先生にお母様から連絡を入れていただくか、お子さんにお手紙を持たせていただくこと。内容は、『時間が無くて、宿題が半分しかできていないが、子供なりに一生懸命やっていたこと』です。そして、子供には、「今から、このたくさんの宿題の中で特に大切な問題だけを選んであげるから、それだけはちゃんとやっていこうね。」と話して授業を再開しました。
 その後の授業では、私がヒントを与えて、その後生徒自身が考えるという形態で授業を進めることが出来ました。

 この例は、明日が宿題の提出日だというわかりやすい状況だったわけですが、今大手塾に通っているお子さん方はいつも宿題に追われ、復習テストに追われています。目の前の課題をとりあえずクリアーする事だけを目的に学習をこなすようになりがちなのです。いつもいつも切羽詰まった状態の中で、子供たちが見つけ出す方法は、それほどバリエーションがあるわけではありません。
 テストに対しては、解き方の順序をひたすら覚えること。「この数字とこの数字を引いて、この数字で割る」というように覚えておけば、そっくりな問題ならば何とか解くことが出来ます。日能研のカリテ、四谷大塚の週例テスト、場合によってはサピックスのマンスリーですらも記憶力の優れた子供ならば、小五まではそこそこの点数が取れてしまうのです。
 このような暗記学習に走ってしまっている子供の割合は意外に多いようです。私どもは、どうやら”困ったときの駆け込み寺”になっているようですから、特に多いのかもしれませんが、進学塾の生徒の4割近くがそうなっていると感じています。
 では、どうすれば良いのかですが、前出の例と同じく、
1 宿題量を取捨選択して、減らしてあげる。
2 自分の言葉で考えるようにしてあげる。
この2点が大切になります。
 次回は、この2点を実行する方法について書いていきたいと考えています。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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