□立体図形を得意にする□

ここ、1ヶ月で増えてきたご相談内容は、「立体図形」です。男女比率は1:2、女子の方が多いようです。このようなご相談は、直接お子さまに教えることが出来たらすぐに解決させることが多いものですから、いつも歯がゆく感じます。

  塾で、立体の切断の図の描き方や、体積の考え方について、分かりやすい説明が無かったのかもしれませんし、実際に立体を切った経験が乏しいために、実感を伴った想像ができないせいかもしれません。

見えない向こう側を想像する必要がありますから、どうしても経験が必要です。いろいろな立体を組み立てたり、切ったりという経験を積み重ねた後で、見取り図をちゃんと書く練習も必要です。
  他の単元に比べて、はっきりと立体図形が苦手の場合は、立方体をいろいろな方向に切ってみることから始めさせてください。

 私が、教えに行っているご家庭では、大根を立方体に切り揃えるのはお母様の役割り、その立方体を切るのはお子さまの仕事、というようにしてもらっています。ちなみに、人参でも上手く出来ます。切り刻んだ大根や人参は、翌朝の味噌汁の具に使っていただくことにしています。

  お子さまが切る時は、まず、テキストの問題に出ている切り方から始めさせてください。その後、二等辺三角形の切り口・正三角形の切り口・正方形の切り口・長方形の切り口・平行四辺形の切り口・五角形の切り口・正六角形の切り口を、この順に実際にやらせてください。

 その切り口を、立方体の見取り図に一つ一つ書かせてください。見取り図を書かせる時の注意点は、「見える線は実線で、見えない線は点線で書く」ことです。見取り図がかけるようになれば、すでに立体図形が分かる間際まで来ています。

その後、「直角三角形の切り口は出来る?わからなかったらいろいろと切ってみてもいいわよ。」と聞いてあげてください。直角を作ろうとすると、どうしても四角形になってしまう経験が大切です。

 これを読んでくださっている方のお子様が、小4生や小3生の場合は、お料理の手伝いをたくさんさせてください。自然に立体の切り口の感覚を身につけさせることが出来ますし、それ以外にも多くの大切な能力が高まっていきます。お子様には、勉強を意識させずに、楽しくやってくださいね。

  このような訓練をした後で、立方体の3点を通る切り口の問題をやらせるようにしてください。その時は、「並行な平面をもう一つの平面で切ると、切り口は(高さは違うけれど)平行になる」を呪文のように言わせながら、切り口を書かせてみてください。
この方法で書けないもの(立方体の辺の中点3つを通るように切った正六角形など)は、覚えさせる必要があります。
  これらの訓練を、数時間かけてやった後で、始めて体積の計算や表面積の計算を解かせてみてください。