カテゴリー: 小4向けアドバイス Page 2 of 6
前回は、今年の灘中の算数が易しかったこと、またその結果受験者平均点、合格者平均点ともに高かったことをお伝えしました。
そんな印象のもと、昨日は大阪で名門指導会の関西の講師たちとともに、各学校の入試問題分析の時間を持ちました。
灘中以外の学校〜甲陽学院中、洛南校附属中、東大寺学園中、大阪星光学院中、神戸女学院中などです。
多くの学校に共通していたのは、算数の問題が易しかったこと、そして平均点が(公表されている学校に関して言えば)高くなっていたことでした。
2月6日(木)には大阪梅田で入試分析結果を発表する無料セミナーを開催する予定なので、そこで詳しくお伝えするのですが、多くの学校がまるで申し合わせたかのように問題を易しくしていたのです。
優しいとはいっても、上に上げたような学校は最難関と呼ばれる学校であり、一定レベルの学力以上でなければ合格圏に入ることはできない学校です。
しかし、最上位で合格するお子さんを別とすれば、今年のような算数の出題であれば合格のチャンスがおおくの子たちに広がるとも言えるでしょう。
逆に、これらの学校を第一志望にして対策、勉強してきたお子さんたちにとっては、問題が平易だと戸惑ってしまうような部分があったのではないかという意見も出ました。
「こんなに簡単に答えが出るのはおかしいって、不安になった」というようなことを言うお子さんがいたというのです。
入試問題は、年度によってその難度に大きな変化がある場合があります。
今年のように、学校によっては満点のお子さんが続出するような結果になることもあるのです。
だから、どのような難しさの問題が出てもそれ相応の結果が出せるように準備しておくことも、とても大切なことです。
(問題が易しい年度こそ「番狂わせ」が起こりがちです)
2月6日(木)セミナーでは、「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している先生方、そして名門指導会の現役講師陣とともに、今年の関西入試を詳しくレポートしたいと思います。
関西の難関校を目指すご家庭のみなさんは、ぜひ参加してください。
https://seminarw2020-01.peatix.com
大阪での入試分析会の1コマ
もう12月、冬休みと冬期講習会、そしてその先の新学年が近づいています。
新学年のクラスを決めるテストとして、お子さんをサピックスに通わせている親御さんが気になるのは、1月の組分けテストでですね。
日能研なら公開模試、四谷大塚なら公開組分けテストなど、やはりクラスの変動がかかっているテストは、親としては気になるものですね。
主任相談員を務めさせていただいている、中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と名門指導会の共催という形で、定期的に開催している個別相談会でも、やはりテストの結果に関するご相談はとても多いです。
■ 正直なところ、クラスなんてどうでもいい!?
親としてはクラス変動が気になる、と書いたのですが、もちろん相談会でお父さん、お母さんたちと話をしてわかることは、みなさんクラスだけを気にしているわけではもちろんないということです。
本質的な学習ができて学力がつけば、テストでも結果が出てクラスだって上がるからです。
そういう意味ではクラスの変動に一喜一憂すろのはたいへんバカバカしいことだし、豚頭に大切なものを見失っている、とみなさん考えています。
でも毎週の宿題と毎月のテスト結果にさらされていると、どうしても目の前のテスト結果に振り回されそうになります。
クラスが変われば講師も変わり、教え方や授業のわかりやすさだって違ってくるだろうし、なにより上のクラスでは習えることが下のクラスでは習えない、という現実もあるからです。
そうなりがちなときの「考え方のリセット」の意味で個別の相談会は有効だと考えていて、普段塾の中にいると接することのない「セカンドオピニオン」を提供できる場としてご利用いただければと考えています。
■ 変わる入試、変わらない入試
中学受験の問題も年々変化していてどんどん変わってきていると、メディアが配信する(もちろん私もメディアをとおして様々な発信をしています)記事などで目にすることがあるのではないでしょうか。
小学校で英語の授業が必修化、プログラミングやアクティブラーニング授業の導入など、これからお子さんの受験を迎えようというご家庭の親御さんには、気になることがたくさんあることと思います。
もちろん中学校の入牛問題にも新しい流れがおきていて、1科目での受験や英語入試、グループワークなどを導入する学校など、様々な試みが行われています。
中学、高校の先にある大学入試が「迷走」している現在、「何が正解なのか」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、中学受験がさまざまな可能性を試そうとしているのは事実でしょう。
一方で「変わらない入試」があるのも事実です。
「アクティブラーニング」などが叫ばれ始めた頃「難関校では昔からそのような教育が行われれいる」という意見を述べたことがあるのですが、たとえば首都圏の「御三家」と呼ばれる学校では、もうずっと昔から「暗記型の詰め込み学習」では通用しない、思考力を求める入試が行われています。
御三家意外にも同じような学校は多くあります。
変わるもの、変わらないものの内容をしっかり見て、お子さんの将来を託す検討をしていきたいですね。
12月16日、年内最後の個別相談会を東京渋谷で行います。
学年の終盤、勉強のしかたや塾の授業の受け方などを見直したい、という方はお申込みください。
https://soudankaie2019-12-2.peatix.com
皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■4・5年生に「まとめテスト」が行われます
入試を目前に控えたこの時期、大手進学塾では6年生に対して「〇〇中プレ入試」や「〇〇中入試実戦模試」のようなテストを実施し、志望校合格に向けて最後の「仕上げ」を行っています。
しかし、「仕上げ」のテストが行われるのは、6年生だけではありません。
4年生、5年生に対しても、次学年に向けた「仕上げ」のテストが準備されているのです。
サピックスでは、いち早く、11月23日(土)に「自分自身の問題への適性と現在の実力を知る」(サピックスホームページより)ことができる「第2回志望校診断サピックスオープン」が実施されましたが、希学園でも12月に「本格的な実力テストであり、現在の学力から見て志望校合格に向けての勉強がどの程度達成されているか、さらにどのような補強が必要なのかという重要な情報をご提供」(希学園ホームページより)できる「小5合否判定テスト」が、浜学園では1月に、4年生に向けて「浜学園の小4で学習した範囲から重要な単元を数多く出題し、日常の授業内容をどれだけ理解しているかを把握する」(浜学園ホームページより)ための「小4実力テスト」や、5年生には「志望校の合格可能性を判定し、意識の喚起を行うことが可能」(同)という「小5志望校判定模試」が予定されています。
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4年生 |
5年生 |
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サピックス |
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第2回志望校診断サピックスオープン 2019年11月23日(土)実施 |
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浜学園 |
小4実力テスト 2020年1月5日(日)実施予定 |
小5志望校判定模試 2020年1月19日(日)実施予定 |
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希学園 |
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小5合否判定テスト 2019年12月15日(日)実施予定 |
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■浜学園の「小5志望校判定模試」とは
では、来年の1月に実施が予定されている浜学園の「小5志望校判定模試」とはどのようなテストでしょうか。
2019年1月13日(日)に行われた「第550回 公開学力テスト 小学5年」の算数とその2週間後に行われた「小5志望校判定模試」の算数Ⅰと算数Ⅱの得点分布は次の通りです。
この「第550回 公開学力テスト 小学5年」の受験者数は2803名、平均点49.4点、「小5志望校判定模試」の受験者数は2438名、算数Ⅰ平均点53.0点、算数Ⅱ平均点40.3点でした。
2019年に行われた「小5志望校判定模試」の算数Ⅰの得点分布は「50点台を頂点とするきれいな山型」をしており、公開学力テスト以上にその時点における学力通りの点数となるテストであったことがわかります。
しかし、算数Ⅱは40点未満の狭いゾーンに受験生の約半数が固まっています。
このことから、算数Ⅱの40点分が比較的点数の取りやすい問題であり、残りの60点分が難しい問題であったことが読み取れます。
■冬休み期間を利用して「あと1問正解する力」を伸ばしましょう
では「小5志望校判定模試」に向けてどのような準備ができるのでしょうか?
それは「あと1問正解できる力」を伸ばすことだと思います。
一例として、「算数Ⅱ 問題2」を見てみます。
2 次の問いに答えなさい。 (1) 濃さ8%の食塩水200gと濃さ12%の食塩水600gをよく混ぜあわせると、濃さ何%の食塩水ができますか。 (2) 濃さ4%の食塩水と濃さ9%の食塩水をよく混ぜあわせると、濃さ7%の食塩水が800gできました。濃さ9%の食塩水を何g混ぜましたか。 (3) 略 |
「食塩水の重さ×濃さ=食塩の重さ」という食塩水の3公式を使って解く(1)の正答率は74%、「比」を利用する「天びん法」を使うと解きやすい(2)の正答率は38%ですが、いずれも小5マスターコースの演習教材や夏期講習テキストに類題があります。
浜学園 小5 夏期講習教材No.3 講義Ⅰ 問題A-7 17%の食塩水300gと4.5%の食塩水200gを混ぜると何%の食塩水ができますか。 問題B-2-(3) 2%の食塩水880gに食塩を加えて12%の食塩水を作りました。何gの食塩を加えましたか。 |
つまり、受験生の74%が「かけ算やわり算だけで答えが出せる」問題を正解し、そのおよそ半数にあたる38%の受験生は、5年生の学習で非常に重要な「比」を使う問題も正解できているということです。
ということは、「比」を使いこなす力が身につけば、「あと1問正解する」ことが可能になるということです。
5年生の「比」の学習には、「食塩水の濃さと比」、「商売の問題と比」、「速さと比」、「相似」、「比と割合の文章題」などいくつかありますが、冬休みは期間が短いですから、まずは「もう少しでマスターできそう」という単元を選び、夏期講習テキストのように「あまり分厚くない」教材を利用して「比」の強化ができればいいなと思います。
今年もあと僅か。
数日で新年を迎えます。
6年生のお子さんはいよいよ追い込みですね。
5年生までのお子さんは、冬期講習をひかえています。
クリスマス、お正月と、お子さんにとってワクワクするようなイベントも目白押しの冬休み。
勉強も、楽しいイベントも(6年生は、今年だけはおあずけですね!)、目一杯楽しんでほしいと思います。
■4・5年生の冬期講習には、実は余裕がある!?
短い冬休み、冬期講習もあります。
でも、実はそんなに塾自体は忙しい毎日ではありません。
4年生、5年生に関していえば日程、時間とも、ややゆったりしている塾がほとんどです。
たとえばサピックスの5年生は、冬期講習の日程は全6日。
1日の拘束時間は3時間(9時〜12時の校舎、13時30分〜16時30分の後者があります)のみ。
宿題も出るとはいえ、塾の負担は大きくないですね。
年末年始でバタバタ(主に大人ですが)しがちですが、案外余裕がある時間にできることがありそうです。
たとえば科目や単元を選んで、じっくり理解することを目指してみてはいかがでしょう。
「なんとなくわかった」くらいの理解度の単元、思いつくものがいくつかあるでしょうか。
そのような「気になる単元」があるなら、ひとつふたつ解決しておきましょう。
■この冬「納得ずく」の勉強を
サピックスの5年生の冬期講習の日程は、12月26日(水)27日(木)28日(金)29日(土)1月5日(土)6日(日)の6日間。
26日から29日は4日間連続授業、あとは年明け1月5日と6日です。平常のデイリー同様講習会の宿題も出るでしょう。
冬期講習の宿題は「明日まで」のサイクルにならざるを得ません。
サピックスは、科目によっては冬期講習中も新しい単元に進み続けるため、その日の学習内容の完全理解を目指すには、それなりの労力がいるでしょう。
しかし30日〜1月4日までは自由に使えるので、数時間の「補強時間」がとれそうです。
その時間は、あまり欲張らずに「克服したい科目・単元」を決め「完全理解」「納得ずくの勉強」を目指してみましょう。
この単元の問題なら、誰かに質問されても自分で説明できる。
そんな状態を目指すのです。
■何を、どのように使って勉強するか
ひとことで「苦手克服」「弱点補強」といっても、ただ問題集の問題を解いて答え合わせをする、というだけでは「やりっ放し」になりかねません。
何を、どのように使って勉強するかが大切です。
まずは何を使うかですが、塾のテキストや問題集、過去のテストを使うのか、あるいは市販の問題集などを使うという手もあります。
いずれにしても「どう使えば求めている効果が得られそうか」ということに注目してみてください。
塾のテキストやテストを使って復習するなら、どのように使えば「自学自習」で苦手克服ができるかを塾の先生に聞いてみるのがもっとも早いでしょう。
使い方を指示してくれるかもしれないし、そもそも塾のテキストは自学自習には向かないというアドバイスをくださるかもしれません(案外このアドバイスをくださる先生は正直ではないかと思います)。
市販のテキストや問題集を使うなら「本書の使い方」といったページ(問題集によっては動画その他でのアドバイスがあるものもありますね)をよく読み、作成者が「このテキストをどのように使えば最大の効果を発揮する可能性が高いか」を考えて作ったものなのかをしっかり親が理解して子どもに伝え、親子で使い方を確認することが大切です。
私が監修、算数の前田昌宏先生や理科の辻義夫先生の著書である問題集も、作成意図や使い方に関しては丁寧に解説をつけています(動画などでも紹介しています)。
何を使ってチャレンジするにしても、ぜひ作成者の意図する「最大限の効果が出る使い方」を研究して使ってみてください。
この冬、大きな効果が出ることを期待しています。