投稿者: 西村 則康 Page 18 of 60
皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■「夏期講習」は既に始まっている?!
ゴールデンウィーク中は、塾のテストやイベント、特別講座、あるいはまとまった休みを利用した家庭学習など、6年生にはすることの多い毎日だったことでしょう。
しかしそんな忙しい日々も終り、いつものスケジュールに戻って学校と塾での学習に励もうとし始めていることと思います。
ところが、6年生にとって重要な志望校別特訓や夏期講習の準備は既にスタートしているのです。
というのも、志望校別特訓や夏期講習に受講資格や基準が設けられている塾の場合、この時期からの公開模試などで一定の成績を修める必要があるからです。
一例として、浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」の受講基準をみてみましょう。
(※浜学園 2017年3月配付資料より 以下同様)
日曜志望校別 特訓コース (夏期講習と連動) |
主眼校 |
受講基準 |
M灘コース |
灘・東大寺・洛南高附属・西大和 |
62 |
男子最難関コース |
灘・東大寺・洛南高附属・西大和・甲陽・星光・洛星 |
56 |
女子最難関コース |
神戸女学院・洛南高附属・四天王寺(医志・英数Ⅱ)・清風南海・須磨学園・西大和・高槻 |
55 |
男女難関コース |
六甲・完成学院・神戸海星・清風・明星・大谷(大阪)・同志社香里・関大系列 ほか |
受講基準なし |
■受講基準の対象となるテスト
上の表の「受講基準」は、浜学園で実施する公開学力テストや合否判定学力テストの3科または4科の平均偏差値です。(配点型や算出方法などの詳細は最新の資料でご確認ください)
浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」を受講する場合、上記の偏差値を次に挙げるテストで1回以上クリアしなければいけません。
|
テスト名称 |
実施時期 |
7・8月期の日曜志望校別特訓 と 夏期講習 |
公開学力テスト |
4月 |
合否判定学力テスト |
4月 |
|
公開学力テスト |
5月 |
これを見ますと、4月の公開学力テストや合否判定学力テストはすでに終わっていますし、5月の公開学力テストも実施日が5月13日ですから準備期間がほとんどないように思われます。
■今からでも間に合います
「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」についてのこれらの告知は3月から行われていますが、2月に新学年(塾学年)になったばかりでもあり、新しいカリキュラムや学年が上がったことによる勉強量や公開学力テストの難度の変化に対応するのがやっとで、とても受講基準をクリアする準備まで手が回らなかったというケースもあるでしょう。
そのような場合を想定してか、浜学園には2つの『救済策』が用意されています。
ひとつは上記の偏差値が「基準」であって「資格」ではないということです。
配付資料によると「受講基準は、志望校に対する最低限度の努力目標と各コースの最低限度の授業レベルを示すもの」となっていますから、偏差値が基準に達していなくても希望すれば受講することは可能でしょう。
とはいっても、受講基準に達しないコースでの学習は、「ついていけるの?」という不安もつきまといますから、この救済策に頼ることはあまり現実的ではありません。
もうひとつの救済は、「各時期の途中の月であっても受講資格が取得できた時点で、希望のコースへ移籍することができます」というものです。
つまり、これまでは目の前の課題攻略に時間を取られ、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講基準となるテストの準備が十分にできず、希望するコースの偏差値を獲得できていない場合でも、6月の公開学力テストで受講基準をクリアできれば、7月から始まる「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講が可能になるということです。
6月の公開学力テストは6月10日に実施される予定ですから、今からでも約1ヶ月の準備期間が取れます。
そして受講基準を6月の公開学力テストで満たした場合、クラス編成も「7月度開始時期は、4月・5月・6月の公開学力テストの結果」で行われますから「ついていけるの」という心配も減ります。
ですから、現時点で希望するコースの偏差値を獲得できていないときは、6月の公開学力テストまでに課題を解消して受講基準をクリアし、さらに7月の第1日曜日から始まる「志望校別特訓」までの3週間を利用して苦手単元の強化を行うなど、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」を受講する準備をしていくとよいと思います。
皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■「夏期講習」は既に始まっている?!
ゴールデンウィーク中は、塾のテストやイベント、特別講座、あるいはまとまった休みを利用した家庭学習など、6年生にはすることの多い毎日だったことでしょう。
しかしそんな忙しい日々も終り、いつものスケジュールに戻って学校と塾での学習に励もうとし始めていることと思います。
ところが、6年生にとって重要な志望校別特訓や夏期講習の準備は既にスタートしているのです。
というのも、志望校別特訓や夏期講習に受講資格や基準が設けられている塾の場合、この時期からの公開模試などで一定の成績を修める必要があるからです。
一例として、浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」の受講基準をみてみましょう。
(※浜学園 2017年3月配付資料より 以下同様)
日曜志望校別 特訓コース (夏期講習と連動) |
主眼校 |
受講基準 |
M灘コース |
灘・東大寺・洛南高附属・西大和 |
62 |
男子最難関コース |
灘・東大寺・洛南高附属・西大和・甲陽・星光・洛星 |
56 |
女子最難関コース |
神戸女学院・洛南高附属・四天王寺(医志・英数Ⅱ)・清風南海・須磨学園・西大和・高槻 |
55 |
男女難関コース |
六甲・完成学院・神戸海星・清風・明星・大谷(大阪)・同志社香里・関大系列 ほか |
受講基準なし |
■受講基準の対象となるテスト
上の表の「受講基準」は、浜学園で実施する公開学力テストや合否判定学力テストの3科または4科の平均偏差値です。(配点型や算出方法などの詳細は最新の資料でご確認ください)
浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」を受講する場合、上記の偏差値を次に挙げるテストで1回以上クリアしなければいけません。
|
テスト名称 |
実施時期 |
7・8月期の日曜志望校別特訓 と 夏期講習 |
公開学力テスト |
4月 |
合否判定学力テスト |
4月 |
|
公開学力テスト |
5月 |
これを見ますと、4月の公開学力テストや合否判定学力テストはすでに終わっていますし、5月の公開学力テストも実施日が5月13日ですから準備期間がほとんどないように思われます。
■今からでも間に合います
「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」についてのこれらの告知は3月から行われていますが、2月に新学年(塾学年)になったばかりでもあり、新しいカリキュラムや学年が上がったことによる勉強量や公開学力テストの難度の変化に対応するのがやっとで、とても受講基準をクリアする準備まで手が回らなかったというケースもあるでしょう。
そのような場合を想定してか、浜学園には2つの『救済策』が用意されています。
ひとつは上記の偏差値が「基準」であって「資格」ではないということです。
配付資料によると「受講基準は、志望校に対する最低限度の努力目標と各コースの最低限度の授業レベルを示すもの」となっていますから、偏差値が基準に達していなくても希望すれば受講することは可能でしょう。
とはいっても、受講基準に達しないコースでの学習は、「ついていけるの?」という不安もつきまといますから、この救済策に頼ることはあまり現実的ではありません。
もうひとつの救済は、「各時期の途中の月であっても受講資格が取得できた時点で、希望のコースへ移籍することができます」というものです。
つまり、これまでは目の前の課題攻略に時間を取られ、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講基準となるテストの準備が十分にできず、希望するコースの偏差値を獲得できていない場合でも、6月の公開学力テストで受講基準をクリアできれば、7月から始まる「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講が可能になるということです。
6月の公開学力テストは6月10日に実施される予定ですから、今からでも約1ヶ月の準備期間が取れます。
そして受講基準を6月の公開学力テストで満たした場合、クラス編成も「7月度開始時期は、4月・5月・6月の公開学力テストの結果」で行われますから「ついていけるの」という心配も減ります。
ですから、現時点で希望するコースの偏差値を獲得できていないときは、6月の公開学力テストまでに課題を解消して受講基準をクリアし、さらに7月の第1日曜日から始まる「志望校別特訓」までの3週間を利用して苦手単元の強化を行うなど、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」を受講する準備をしていくとよいと思います。
前回は、偏差値30台のお子さんが40台にアップするためのお話をしましたが、今回は40台から50台への成績アップに必要なことを考えていきます。
■基本問題の取りこぼしをなくす
偏差値がなかなか50を超えない、というお悩みをお聞きすることも多いですが、偏差値が50に満たないということは、「何かが原因で塾の平均成績に達していない」ということを示しています。
塾の平均成績に達しないお子さんのタイプは様々ですが、代表的な例はいくつか挙げることができます。
まず1つは、基本問題に取りこぼしがあるということです。
サピックスの算数で言うなら、★1つの問題の解き方に関して、完璧な状態になっていない状態のお子さんです。
算数に関して「最近のサピックスのマンスリーテストは易しくなった」と複数の先生からの意見を聞いていますし、平均点の高さがそのことを物語っているとも思います。
「やったぶんだけ結果に反映する」タイプのテストとなっているので、★1つのレベルの問題を丁寧に、完璧に仕上げておけば平均点をクリアできる可能性が高くなります。
■少量の計算を集中して正確に
もうひとつの要因は、計算の正確さと読み間違いなどのミスです。
いくら基本問題を完璧に理解していても、計算ミスや読み間違いなどを連発しては平均点クリアはのぞめません。
大きくいえば、この2つのどちらかに弱点がある子に立ちはだかるのが「50の壁」です。
計算ミスが多い子の中には、地道な計算練習を嫌う子もいます。そしてそんな子の中には「やるべき課題が多いので、できるだけ楽に済ませたい」という気持ちの子も多くいます。
じゅくから与えられる課題の量から考えると、ある意味無理問ないのかもしれません。
ただ、この状態のお子さんにいくら量を与えても無駄に終わります。
1つ1つの計算を正確にすることがいかに大切かを伝え、少量の計算問題を正確に、集中して解くよう話をしてみてください。
せっかく解き方がわかっても、その問題を解くのに何度も計算しなければならないなら、そのうち1つでも間違えば問題自体が不正解になってしまうこと、かけた努力をムダにしないことが大切ということなどです。
■国語の「足腰」は漢字と語彙
「偏差値30台⇒40台」のコラムでも述べましたが、やはり50に到達しない子も、読解の基本ができていない場合がほとんどです。
そして読解の基本は「言葉の知識」だということを理解していないお子さんが多いのです。
毎日時間を決め、コツコツと漢字と語句の勉強をする習慣をつけるのが大切です。
朝学習がオススメですが、お父さん、お母さんが付き合ってあげられる時間を中心にスケジュールをたてるのもいいと思います。
なぜなら、言葉の知識こそ大人のサポートを活かしやすい分野だからです。
「むなしい」「ほのかに」「かいがいしい」など子どもがイメージしづらい言葉を噛み砕いて説明できるのは、大人ならではです。
身近な人の例などをあげながら、お子さんに理解しやすい形で伝えてみてあげてください。
また算数、国語に限らず科目全般ですが「テストとの距離感」は大切です。
結果だけに翻弄されると良い方には進みません。
そのテストから見えるお子さん現状と改善の可能性、という視点でテストの内容を見てください。
次回はいよいよ50から60へと、そして具体的なテストとの付き合い方についてお伝えしようと思います。
■7月組分けテストまでに
5月、ゴールデンウィークです。
塾、学年によりやるべきこと、塾からの課題も様々ですね。
今回から何回か、5年生を例に、偏差値別に夏や学年後半のクラスが決まる7月のテストに向け「どうすれば偏差値を上げることができるか」を考えてみたいと思います。
■算数の偏差値が30台の場合
算数の偏差値が30台の場合、まずは「何ができていないか」を把握することが大切です。
手がかりは、各塾で与えられている「基本テキスト」です。
サピックスなら基礎トレ、四谷大塚なら基本演習問題集と呼ばれる問題集などです。
お子さんの偏差値が模擬テストのたびび30台という場合、基本的なことが理解できていない単元が複数あることがほとんどです。
塾の授業を聞いて理解できているのか、それ以前に「授業の聞き方」はどうか、チェックするのがよいかもしれません。
塾では意外に「聞き方」を教えてくれません。
・先生話し始めたら書くのをやめて聞く
・話を聞いていて途中で「わかりにくい」と思っても、最後までよく聞く
・今の問題がわかりにくいと思っても、次の問題はまた違う問題だから、集中して聞く
など、お子さんがどれくらい意識しているか確認してみてもいいですね。
5年生から入塾した場合、4年生までの「下地」がないことが原因で授業の理解が進まないということも考えられます。4年生用のテキストを入手して、該当する単元を予習させて授業に臨ませるといった工夫もいいですね。
サピックスは授業当日にテキストが配布されるので、実物を確認できるのは授業当日ですが、詳細なシラバスが配布されていますね。それを参考に、自由自在の3・4年生用など市販の参考書を利用して、予備知識をつけてから授業に臨むなど工夫をしましょう。
■国語の場合はどうか
塾の国語の授業を真面目に受けて、宿題もちゃんとやっているのに成績が上がらない、そんなお子さんの多くは、文章が読めていません。
まずは音読などで、読みながら文章の内容を理解する練習が必要です。
これはお子さんだけでやるよりも、親御さんといっしょにしていただくのが効果的。
親子で一文ずつ読みあって、途中で、あるいはある程度読んだところで話の内容を聞いてみましょう。
少しずつ、文章の内容が説明できるようになっていくはずです。
以前、教育学者の齋藤孝さんと対談書籍「なぜ受験勉強は人生に役立つのか」を出版した際、齋藤さんから聞いて「いいな」と思ったのは、「サザエさん学習法」です。サザエさんでなくても別にかまわないのですが、テレビマンガのCMの時間に、それまでのストーリーをお子さんに説明してもらう、というもの。話の内容を頭の中で整理する習慣がつきそうです。
ただ、文章読解の上達には時間がかかります。結果が出るまでにお子さんのモチベーションが下がってしまわないように、もうひとつの柱を立てておきましょう。
それは漢字、語句の力です。漢字と語句は、憶えたら憶えただけ得点につながります。
私の経験上、偏差値30台のお子さんは、漢字と語句の学習に意識的に取り組むだけで偏差値40超えを狙うことができます。
こうやってお子さんのモチベーションを維持しつつ、「読む練習」でさらなる偏差値アップを目指しましょう。
次回は、7月組分けテストまでに偏差値40代から50オーバーを目指す勉強法を考えてみたいと思います。
主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」に、下記のようなご相談をいただきました。(相談内容は、個人の特定ができないよう一般化、アレンジしています)
「3年生2月から早稲田アカデミーに通わせていますが、毎週の宿題が多すぎてまわりません。毎回の授業の確認テストでも点が取れず、本人のモチベーションも下がってきています。どうすれば効率よく復習、宿題ができるでしょうか。
■塾の宿題をすべてやるという発想を捨てる
いろいろなところでお伝えしていますが、塾の宿題は全部やらなくても大丈夫です。
ただ、ではやらずに放置する、ということではありません。取捨選択が必要です。
まずは、担当の講師や校舎長に現状を相談し、やるべきことを絞ってもらうところから始めるとよいと思います。
早稲アカは「大量演習」「体育会系」などと評される塾ですが、相談すれば柔軟に対応してくれるという側面もある塾です。
親が連絡し先生に時間をとってもらうか、文書で相談し返事をもらうという形がよいでしょう。
理想は、「基本問題だけやりましょう」といった「問題難度」という視点だけでなく「この問題だけはマスターしてほしい」という問題パターンの指定(特に算数)をしてもらうことです。
■理社は暗記してから宿題?
理社の勉強のしかたについては、なんとなくつかめないまま高学年まで過ごしてしまうお子さんがたくさんいます。
予習シリーズなど塾のテキストをひととおり暗記させてから宿題となると、それなりの時間と手間を取られます。塾から帰ったその日にやるのは難しいですね。
「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員ご一緒している辻義夫氏との共著「いちばん得する中学受験」で辻氏も述べておられますが、塾からの帰り道や帰ってからの10分の使い方がポイントです。
たとえばお母さんが塾にお迎えに行くなら、その帰り道の「今日はどんなことを習った?」「先生がいちばん大切って言ってたことは何かな?」といった会話で、塾の授業を思い出させてあげましょう。
そして帰ってから、実際にテキストやノートを見ながら、どんなことを習ったかをお子さんに説明してもらうのです。これが「復習」です。
「復習=宿題演習」と考える方も多いのですが、復習と宿題演習は分けて考えましょう。塾から帰ったその日は(帰宅時間が早く余裕がある日は別ですが)、短時間の復習だけして寝かせ、翌日にあらためて宿題です。
■4年生は「少し手抜き」と感じるくらいでちょうどいい
「先生、テキストに書いてあることを全部完璧にやっているのに、テストではテキストに載ってないことが出るんです。どうなっているんでしょう?」
熱心な親御さんからの家庭教師のお問い合わせで、そんな質問を受けることがあります。
ずいぶん「暗記型」の勉強になってしまっているなぁ、と思うのですが、4年生のうちは「テキストを完璧に」という意識をそんなに強く持たなくても大丈夫です。
むしろしっかり塾を活用して「やるべきこと」の取捨選択を行うことが大切です。
4年生のうちに「勉強は辛くて苦しいもの」という感覚をつけさせないことです。
毎週、塾のテキストを丸暗記に近い学習でがんばって上位クラスにいる子は、5年生で成績が下がってきます。逆に、4年生のうちは取捨選択でやるべきことを絞って「そこそこ」の成績の子のほうが5年生でがんばれたりするものです。
4年生で、親子ともヘトヘトにならないような学習サイクルを作ることが大切ですね。
■お母さんもいっしょに勉強しましょう
私はお子さんたちに「リビング学習」をすすめていて、うかがったご家庭でお子さんを指導する際も、できれば横でお母さんに授業を見てもらうようにしています。
それは、お子さんが頑張っている姿を見てあげてほしいからでもあり、お子さんへの声かけの参考にしてほしいからでもあります。
お母さんの中には、お子さん以上に私の話に興味を示される方もいます。
そして、お母さん自身が教えられるくらいに、科目の内容を理解されることもあります。
私たちは家庭教師としてご家庭にお邪魔し、お子さんたちを指導するわけなのですが、せいぜい行けるのは週1〜2回。合計ほんの数時間です。
残りの膨大な時間でうまく学習サイクルが回っていくには、ご家庭の力が必ず必要なのです。
お母さんが「第2の先生」になってくだされば、非常に効率よく成績を上げることができるというわけです。
■大人には大人にできることがある
「私が教えるなんて・・・」と思われる方もいらっしゃると思います。
塾によっては「お母さんは教えないでください。塾の教え方と違ったらお子さんが混乱します。」と仰る場合もあります。
確かに「親が下手に教えたら余計に子どもが混乱してしまって・・・」というお話を聞くことはあります。
でも実際に教えることはしなくても、お子さんの思考を導くことはできます。
「その数字は、どうしてそうなったのかな?」
「そしたら、次に何がわかりそう?」
この2つのフレーズを上手に使ってあげるだけで、お子さんの思考をスムーズに導いてあげることができるのです。
その参考にしていただくためにも、授業を見ていただいているのです。
■教えてくれる先生=いい先生 ではない
「家庭教師の仕事って何ですか?」
そんな質問をしたときに、どんな答えが返ってくるか。
「ご家庭に伺って、お子さんに勉強を教える仕事です」
そんな答えが帰ってきたら、要注意かもしれません。
もちろん勉強を教えるのですが、ご家庭のパートナーとして、自分がそこにいない時間までケアしてあげられるようになれれば、自ずとお子さんの成績は上がります。
様々な先生と話をする機会がありますが「この先生はとてもいい先生だな」と思う方は、もれなく「ご家庭トータルで受験勉強がうまくいくように」と意識して行動しておられるように感じます。
「先生に任せる」
実はこれがいちばん損で、「先生とチームを組む」という感覚で家庭教師や塾の先生とおつき合いするのがいいと思います。
皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■志望校の合格可能性を判定するテストが本格的に始まります
学校でも新学年が始まり、6年生はいよいよ受験学年という気持ちで毎日の学習に励んでいることと思います。
同時に大手進学塾でも次のように4月から志望校の合格可能性を判定するテストが本格的に実施されます。
塾名 |
テスト名 |
実施予定日 |
日能研 |
実力判定テスト |
4月8日 |
能開センター |
中学受験公開模試 第3回 |
|
希学園 |
公開テスト |
|
浜学園 |
公開学力テスト |
|
四谷大塚 |
合不合判定テスト 第1回 |
|
サピックス |
志望校判定サピックスオープン 第1回 |
4月15日 |
馬渕教室 |
馬淵公開模試 第2回 |
|
浜学園 |
合否判定学力テスト 第1回 |
4月22日 |
(五十音・日程順)
日能研はこれまでの「全国公開模試 実力判定テスト」が、5月からは「全国公開模試 志望校選定テスト」といった名称に変わり、成績資料に「自分の成績を基準に、志望校に対する可能性を確かめる(日能研HPより)」ことができる志望校判定情報が追加されるようになります。
四谷大塚も「公開組分けテスト」と異なり、「合不合判定テスト」では、「全国最多の受験生の成績結果と志望動向を、四谷大塚が持つ過去の膨大な合否データと照らし合わせて、 合格判定ラインを算出(四谷大塚HPより)」した詳細資料をつけてテストを返却します。
サピックスが実施する「志望校判定サピックスオープン」は、各教科1本であったテストが、算数と国語はAタイプが各35分、Bタイプが各45分、理科もAタイプ が20分、Bタイプが30分のように各教科2本となっています。AタイプとBタイプはそれぞれ、「知識の定着度と問題処理能力をみる問題(Aタイプ)、思考力と記述力を測る問題(Bタイプ)」という内容になっており、「2つのテストを受験することにより、より精度の高い形で志望校への適性や合格可能性を判定する(いずれもサピックスHPより)」ことができるものとされています。
このような2本立てのテストは、浜学園の「合否判定学力テスト」も同じです。そこで今回は、浜学園の「合否判定学力テスト」について見ていきたいと思います。
■浜学園の合否判定学力テスト
浜学園のHPではこの「合否判定学力テスト」について、「実際の入試出題傾向を踏まえた本格的なテストです。(中略)公開学力テストより多少難度を高め、出題形式も多様にして、入試レベルに柔軟に対応できるようにしています」と説明されています。それでは出題の特徴について具体的に見ていきます。次の表は、2017年4月23日に行われました「第1回 合否判定学力テスト」の出題分野と私が考える難度(A:基本問題 B:少し難しい基本問題 C:定番の問題 D:やや難しい問題 E:難しい問題 F:非常に難しい問題)です。
算数Ⅰ(試験時間50分 満点100点/平均点46.8点) |
||||
問題番号 |
主題分野 |
単元 |
配点 |
難度 |
(1) |
数と計算 |
四則計算 |
5点 |
A |
(2) |
数と計算 |
等差数列 |
5点 |
A |
(3) |
数と計算 |
逆算 |
5点 |
A |
(4) |
割合と比 |
比例式 |
5点 |
A |
(5) |
数と計算 |
群数列 |
5点 |
A |
(6) |
立体図形 |
円すいの展開図と表面積 |
5点 |
A |
(7) |
数と計算 |
概数の逆算 |
5点 |
A |
(8) |
割合と比 |
連比と比例配分 |
5点 |
A |
(9) |
割合と比 |
割合と線分図 |
5点 |
B |
(10) |
和と差の文章題 |
平均算 |
5点 |
C |
(11) |
数と計算 |
最小公倍数の利用 |
5点 |
A |
(12) |
平面図形 |
円の面積 |
5点 |
B |
(13) |
速さ |
流水算と比の利用 |
5点 |
C |
(14) |
平面図形 |
三角形の相似 |
5点 |
C |
(15) |
和と差の文章題 |
平均算と①解法 |
5点 |
D |
(16) |
割合と比の文章題 |
食塩水の濃さと比の利用 |
5点 |
C |
(17) |
立体図形 |
角すい台の展開図と体積 |
5点 |
C |
(18) |
数と計算 |
数の性質と特殊な倍数 |
5点 |
E |
(19) |
立体図形 |
サイコロの転がり |
5点 |
F |
(20) |
立体図形 |
表面積の最大化 |
5点 |
E |
算数Ⅱ(試験時間50分 満点100点/平均点50.9点) |
|||||
問題番号 |
主題分野 |
単元 |
配点 |
難度 |
|
1 |
(1) |
数と計算 |
四則計算 |
5点 |
A |
(2) |
四則計算 |
5点 |
A |
||
(3) |
時間の計算問題 |
5点 |
A |
||
2 |
(1) |
数と計算 |
四則計算 |
5点 |
A |
(2) |
繰り返しと余りの処理 |
5点 |
A |
||
(3) |
繰り返す数の和 |
5点 |
B |
||
3 |
(1) |
平面図形 |
区切り面積(等高図形の面積比) |
5点 |
A |
(2) |
隣辺比 |
5点 |
C |
||
(3) |
まわりから引く |
5点 |
C |
||
4 |
(1) |
場合の数 |
順列 |
5点 |
A |
(2) |
場合分けまたは余事象の利用 |
5点 |
C |
||
(3) |
平均または繰り返しの利用 |
5点 |
D |
||
5 |
(1) |
平面図形 |
転がり移動の作図 |
5点 |
C |
(2) |
描いた線の長さ |
5点 |
C |
||
(3) |
線で囲まれた図形の面積 |
5点 |
C |
||
6 |
(1) |
速さ |
最小公倍数の利用 |
5点 |
A |
(2) |
3点の重なり |
5点 |
C |
||
(3) |
二等辺三角形を作る3点の位置 |
5点 |
E |
||
7 |
(1) |
立体図形 |
投影図の読み取り |
5点 |
C |
(2) |
5点 |
D |
2017年の4月に実施された「第1回 合否判定学力テスト」の平均点を見ると、「一問一答式の算数Ⅰの方が、大問形式の算数Ⅱよりも易しい」とは言い切れないように思われます。しかし、詳細に見ていくと、どの中学を受験する場合でも正解できるようになっておきたい問題(難度A・B)の配点は、算数Ⅰが55点、算数Ⅱが45点となっていますから、出題者の意図は、「算数Ⅰは受験知識の確認」であったと想像されます。
それでも結果として算数Ⅱの平均点の方が高くなっている理由は、この時期の受験生が「一問一答式の問題で失点をしてしまってはいるが、1ランク上の定番問題(難度C)を算数Ⅰよりも算数Ⅱで多く正解できた」からではないかと思われます。
■合否判定学力テストに向けた準備
さてこのように見てくると、「第1回 合否判定学力テスト」は、基本問題(難度A・B)を全問正解できればほぼ平均点に達し、定番問題(難度C)で得点を上乗せできると偏差値50を超えていくことができそうです。それでも実際には得点が20~39点の受験生が、受験者数の25%弱を占めています。
ですから偏差値50を目標とする場合は、①基本問題レベルの知識確認、②四則計算問題を含む基本問題を必ず正解させる練習の2点が合否判定学力テストに向けた準備になるといえます。また、難度Cまでを全問正解できれば上位100位前後の得点に達しますから、偏差値56以上が目標である場合も、①定番問題の知識確認、②定番問題を必ず正解させる練習の2点が合否判定学力テストに向けた準備になるでしょう。
これらの準備はいずれもマスターコースのテーマ教材や演習教材を利用して行うことができます。出題分野が広範囲なのですべての準備は時間的に難しいでしょうから、まずは「平均的だとは思うけれどもう少し伸ばせそうな気がする分野」、「少し苦手な分野」の順に、これらの教材を利用しておさらいをしておくとよいのではないかと思います。