カテゴリー: 未分類 Page 6 of 22

6年生は「得点力」をつける夏に

■6年生は「得点力」をつける夏に

いよいよ夏休みです。6年生は「受験の天王山」ですね。
特に6年生に意識してもらいたいのは「得点力」をつける夏(とそれ以降)にしてほしいということです。

新著「共働きだからできる中学受験必勝法!」でも述べているのですが、「学力」と「得点力」は違います。
これまで受験生のみなさんは、塾で学び、宿題演習やテストなどを通して学力をつけてきました。
ここから夏、そして秋〜冬へと、その知識や思考力を駆使して、実際に与えられた問題を解決する練習をしていくわけです。

「問題ならこれまでも解いてきたじゃないか」

そう思われるかもしれませんが、難関校の入試にになればなるほど、習ってきたことがそのままの形で出ることはありません。
複雑に組み合わされ、巧みな設定などによって隠された解決法を考え、推理し、工夫しなければ解決できない問題に対応できる力を身に着けていくのです。

たとえば一言で「算数の力」といっても、さまざまな要素があります。

問題文を正しく読み取る力・解法の知識・計算力・工夫する力・「なんとか解ききってやろう」と試行錯誤する力など…。
この夏、お子さんはどのような力をつけて志望校合格に近づきたいのか、今一度考えてみるのは大切なことですね。

■東京・渋谷で少人数の相談会を行います

「得点力」の要素にも様々なものがあることがわかりますが、大切なのはお子さんが今どんな力を持っていて、さらに得点力を上げるにはどんな力を付ければいいかを知ることです。

それにより、この夏以降どのように勉強を進めていけばいいかが変わってくるからです。

私は主宰する家庭教師「名門指導会」において、このような勉強プランを立てるお手伝いをすることが多いのですが、残念ながら夏が終わり、秋も深まった頃にご相談に来られ、「そんなことなら夏前にご相談くだされば・・・」という方も例年少なくありません。

そこで今年は、主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でご一緒している2人の先生にもご協力いただき、少人数の相談会を開催させていただくことにしました。

もちろん対象は小学6年生お子さんのお父さん、お母さんです。
この夏に第一志望校合格をぐんと引き寄せる学習計画を立てたいという方は、一度検討してみてもらえればと思います。

相談会の詳細はこちら
https://soudankaie-2.peatix.com

真夜中の訪問者

私の自宅は、東京都でも「田舎」と言われる地域です。

夏になると「虫」も増え、いろいろな事が起こります。
ハチなど危険な虫から、カブトムシなど「甲虫類」とよばれる子どもたちに人気の虫たちまでが、我が家を訪問するのです。

さて、いよいよ都内も暑くなってきた今夜、小さな訪問者がありました。
コガネムシの仲間です。

やや弱っているようですが、つかまえようとすると活発に逃げます。
そりゃ、虫にすれば「人間なんかに捕まったら殺される」といったところかもしれませんね。
手の上を這う小さな虫の感触、懐かしい思いがします。

外に放そうとバルコニーの手すりにつかまらせるのですが、光に引かれるのか、すぐに戻ってきてしまいます。

ずいぶん疲れているようなので、私はこの小さな訪問者をもてなすことにしました。

小皿に濃い砂糖水をつくり、それを脱脂綿に吸わせてコガネムシをとまらせます。
そうすると、それまで私の手から逃れようと必死にもがいていたコガネムシが、ピタッと脱脂綿につかまったまま動かなくなりました。

え?・・・死んだ?
と思うくらい、微動だにしなくなります。
よく観察すると、口もとはもぞもぞと細かく動いています。

もどってこないように部屋の明るさを暗くし、コガネムシののった小皿をバルコニーの隅におきます。
そして数時間後、そっと覗いてみると、いなくなっています。

砂糖水で空腹を満たし、また空に羽ばたいていったのなら、これほど嬉しいことはありません。

人間と違い、昆虫が生まれてから成虫になるまでの生存率は、極めて低いはずです。
せっかく成虫まで育ったんだから、あと少し、がんばれ!

そんな気持ちになったのでした。

でも、結局は人間でも同じなのかもしれませんね。
小さな虫を見て、自分たちの姿を省みる。

嘘なく、ひたむきにがんばる。
そのためには、生きるための知恵や良心が必要です。

夏が来ました!
ぜひお子さんにも、いろんな生物の無心に生きる姿に触れさせてあげたいですね。

子どもたちってすごい?/少人数座談会@大阪梅田のおしらせ

■子どもたちってすごい?

夏休み、夏期講習が近づいていますね。

私はよくお子さんたちを教えていて「子どもたちってすごいな」と思います。

これはお世辞でもなんでもありません。

学校でいろいろなことを習って、塾でも算数・国語・理科・社会を習う。
学校ではこの4教科だけでなく、音楽や体育なんかにも取り組みます。

私はふだん算数や理科を教えていますが、子どもたちが学ぶこの科目の数だけ見ても「すごいなぁ」と感心してしまいます。

で、「いま社会ではどんなこと習ってんの?」みたいな質問を(純粋な興味で)子どもたちに対してしてみることもあります。
すると彼らは「今は地理だよ。たとえば中京工業地帯はね・・・」とわかりやすく説明してくれたりするのです。

・・・「すごいなぁ」と思います。
それを口に出してお子さんに伝えることもあります。

■今のお子さんの負担は?

考えてみれば、教える私たちの方はふだんから1科目、2科目のことしかやっていないのに、子どもたちは少なくとも4科目のことをつねに勉強している。

これは講師がついつい忘れてしまいがちなことです。
塾の算数の先生は、自分が勤めている塾の国語のカリキュラムの大変さを知りません。
算数の宿題に手を取られるあまり、理科や社会の暗記がどれくらいなおざりになっているかを知りません。

自分の教え子が1週間にどれくらいの宿題をしているのか、自分の科目以外の実態を知りません。

これがふつうです。

だからお母さんは「これはちょっと無理そう」と感じる部分に関して、塾の先生にアラートを出してあげてほしいのです。
「算数以外に、国語、理科、社会でやるべきことがこれだけあります」
そんな情報を先生に出してあげるだけでも、先生からのケアは変わると思います。

大変な夏が近づいています。

それまでに、1週間にやっていること、やらなければならないことを整理して俯瞰するのは、とても大切なことです。

ぜひやってみてください。

=======

大阪で少人数の座談会を行います。

上記のように「大変な夏」を控えている受験生のお母さん、お父さんが対象です。
私が主催するプロ家庭教師集団「名門指導会」の講師がマンツーマンでご相談に乗り、さらに「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している小川大介氏、辻義夫氏も私といっしょに参加してくれます。

プロ講師に夏の過ごし方を相談したいという方は、ぜひご参加ください!

■□■□■□■□■□セミナー概要■□■□■□■□■□
対象:中学受験を目指す5年生までのお子さんのお父さん・お母さん
日時:2018年7月5日 13時〜14時30分
場所:イオンコンパス大阪駅前会議室 Room C
大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル15階
http://www.aeoncompass-kaigishitsu.com/osaka/access/
定員:8名(先着)
参加費:5000円/1名
相談員:西村則康・小川大介・辻義夫
持ち物:お子さんの過去3ヶ月分の大テスト(公開テスト・実力テストなど)の成績結果・問題・ご本人の答案、計算用紙など一式
    お子さんがふだん使っている塾のノートなど

夏に成績を上げるポイントは「正答率表」?

■夏への準備は、まずお子さんの「出来不出来」を知ること

夏休みまであと1か月。
準備が必要ですね。

どんな準備が必要か。
まずはお子さんの出来、不出来を具体的に知ること。
各科目、どの単元の理解が不足しているのか。
もっといえば、どの単元のどのパターンの問題が苦手なのか。

親がすべて把握するのは、実は難しいのですが。。。
なぜなら、受験のプロではないからです。

「速さのつるかめ算」
「三者のやり取り算」
「直方体上の最短距離」

こんなことを言われてピンとくるお母さんは、まず滅多にいません。

でも、塾から返却されたテストの「小問ごとの正答率表」には割と細かく問題の種類が書かれていると思います。
具体的にどんな問題かがイメージできていなくても、それをチェックしておくことが大切なのです。

■夏は「背伸び」させられがち

塾の先生はこの夏、お子さんたちに難しいこと、高度なことができるようにと、たくさんのことを教えてくれます。
授業での「チェックテスト」も、どうしても「難問寄り」になります。

これまでの学習がすべてうまくいっているお子さんにはいいのですが、いわゆる「積み残し」があるお子さんにとっては、やや過酷なのが夏期講習の内容、ペースだということは、これまで何度かお伝えしてきました。

ふだんは週1単元のペースが、夏期講習中は1日1単元のペースになるからです。

基礎の補強が必要な単元に関しては、夏期講習までの1ヶ月間に解決しておくのが望ましいのです。

■プロに任せるにも「データ」が必要

「夏までに、苦手単元をなんとかしたい」と家庭教師や個別指導を検討するご家庭もあるかと思います。
私が主宰する中学受験専門の家庭教師「名門指導会」にも、例年夏休み前の問合せが非常に多くなります。

夏までに苦手単元をなんとかしたい、夏期講習を実のあるものにしたい、そんなご希望からです。
そのときに重宝するのが、はじめに述べた「正答率表」なのです。

プロが見れば「この問題ができていないということは、原因を突き止めて解決するにはこれをやればいいはず」という最適解が短時間に見つかるため、親御さんにもお子さんにも負担をかけずに済むのです。

夏までに家庭教師や個別指導のプロの手を借りて弱点を克服し、夏期講習を成績アップのきっかけにしたいという方は、ぜひ大きなテストの正答率表を使って「間違った問題チェック」をしてみてください。

カフェで高校生グループが…/セミナーのご案内

■高校生グループがカフェで喧嘩!?

先日、新宿のカフェで、ある出版社の編集者の方たちと打ち合わせをしていたときのことです。
ふだんはゆっくり食事などしながら打ち合わせをすることも多いのですが、その日は場所を決めずに出てきたこともあり、少し広めのカフェに3人で打ち合わせできそうなテーブル席があったので、そこにいたのです。

隣のテーブルに4人の高校生のグループが座っていました。男子3人、女子1人です。
4人でやってきた、という感じではなく、ひとり、ふたりとやってきて4人になった、という感じでした。

はじめは気にしていなかったのですが、ふと隣のテーブルの4人がかなりヒートアップしているのに気づき、思わず「喧嘩?」と思って顔を上げました。

幸いそれは喧嘩ではなく「議論」なのでした。
何かを売る計画について、4人で議論しています。
実際に売るのではなく、もしかしたら学校の課題でシミュレーションなのかもしれません。
しかし彼らは「超真剣モード」で議論しています。

「それだと『売らんかな』の姿勢が見え見えにならないか?」
「・・・いや、訴求したのはそこじゃないんだ!」
「商品の特徴が広告に反映されてないんじゃない?」
「ありきたりの商品説明にはしたくないからだよ!」

ときに反論し、ときに納得しながら、4人がそれぞれの意見を激しくぶつけ合っています。

■ぶつかりあうことを躊躇せず、しかし冷静に

結局彼らの議論は、40分ほどでひとまずの結論に達しました。
それぞれの役割分担を確認、次回の日程が決定し、ひとり、ふたりと席を離れて解散となりました。
大人顔負け、というか我々の打ち合わせよりはるかにスピーディーに、ダイナミックに展開した議論でした。

ぶつかりあうことを躊躇せず、しかし冷静に物事を前に押し進めていくチームワークに、思わず見とれている自分がいました。
もしも10年前の彼らだったら、言葉足らずなために、議論にならず喧嘩になっていたかもしれません。

彼らを見て「大人も成長しなければ」と感じました。

あんな若者たちがつくっていく日本の未来、楽しみだ。

そんな清々しい気持ちになったのでした(^^)

■新宿でセミナーを行います

6月15日、新宿でセミナーを行います。
夏を控え、どのように塾を活用し、家庭学習のサイクルをつくればいいか、といった内容です。

夏休みといえば夏期講習ですが、準備なしにただ臨んでしまうと思わぬ落とし穴があります。
その大きな落とし穴の1つが「学習スパン」です。

ふだんは1週間を単位として学習が進んでいきますが、夏期講習はそれが「毎日」というスパンになり、どうしても理解不十分のまま過ごしてしまいやすいのです。

そのあたりの上手な避け方、夏の学習計画の立て方などをお伝えします。

今回は主任相談員を務める中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と、「マイナビ家庭教師」との共催となります。

マイナビ家庭教師といえば、東大生などの学生家庭教師を派遣する会社ですが、実は私はその立ち上げ時に監修者として講師の皆さんの研修などお手伝いさせていただいたのです。

セミナー参加は無料。近々ご案内できると思います。
興味がある方はお待ち下さい。

【関西】夏に向け、志望校のコースに入るために6年生がやるべきこと

皆さん、こんにちは。

 

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

 

■「夏期講習」は既に始まっている?!

 

ゴールデンウィーク中は、塾のテストやイベント、特別講座、あるいはまとまった休みを利用した家庭学習など、6年生にはすることの多い毎日だったことでしょう。

しかしそんな忙しい日々も終り、いつものスケジュールに戻って学校と塾での学習に励もうとし始めていることと思います。

 

ところが、6年生にとって重要な志望校別特訓や夏期講習の準備は既にスタートしているのです。

というのも、志望校別特訓や夏期講習に受講資格や基準が設けられている塾の場合、この時期からの公開模試などで一定の成績を修める必要があるからです。

一例として、浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」の受講基準をみてみましょう。

 (※浜学園 2017年3月配付資料より 以下同様) 

日曜志望校別

特訓コース

(夏期講習と連動)

主眼校

受講基準

M灘コース

灘・東大寺・洛南高附属・西大和

62

男子最難関コース

灘・東大寺・洛南高附属・西大和・甲陽・星光・洛星

56

女子最難関コース

神戸女学院・洛南高附属・四天王寺(医志・英数Ⅱ)・清風南海・須磨学園・西大和・高槻

55

男女難関コース

六甲・完成学院・神戸海星・清風・明星・大谷(大阪)・同志社香里・関大系列 ほか

受講基準なし

■受講基準の対象となるテスト

 

上の表の「受講基準」は、浜学園で実施する公開学力テストや合否判定学力テストの3科または4科の平均偏差値です。(配点型や算出方法などの詳細は最新の資料でご確認ください)

浜学園の「日曜志望校別特訓」と「夏期講習」を受講する場合、上記の偏差値を次に挙げるテストで1回以上クリアしなければいけません。

 

 

テスト名称

実施時期

7・8月期の日曜志望校別特訓

夏期講習

公開学力テスト

4月

合否判定学力テスト

4月

公開学力テスト

5月

 

これを見ますと、4月の公開学力テストや合否判定学力テストはすでに終わっていますし、5月の公開学力テストも実施日が5月13日ですから準備期間がほとんどないように思われます。

 

 

■今からでも間に合います

 

「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」についてのこれらの告知は3月から行われていますが、2月に新学年(塾学年)になったばかりでもあり、新しいカリキュラムや学年が上がったことによる勉強量や公開学力テストの難度の変化に対応するのがやっとで、とても受講基準をクリアする準備まで手が回らなかったというケースもあるでしょう。

 

そのような場合を想定してか、浜学園には2つの『救済策』が用意されています。

ひとつは上記の偏差値が「基準」であって「資格」ではないということです。

配付資料によると「受講基準は、志望校に対する最低限度の努力目標と各コースの最低限度の授業レベルを示すもの」となっていますから、偏差値が基準に達していなくても希望すれば受講することは可能でしょう。

 

とはいっても、受講基準に達しないコースでの学習は、「ついていけるの?」という不安もつきまといますから、この救済策に頼ることはあまり現実的ではありません。

もうひとつの救済は、「各時期の途中の月であっても受講資格が取得できた時点で、希望のコースへ移籍することができます」というものです。

 

つまり、これまでは目の前の課題攻略に時間を取られ、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講基準となるテストの準備が十分にできず、希望するコースの偏差値を獲得できていない場合でも、6月の公開学力テストで受講基準をクリアできれば、7月から始まる「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」の受講が可能になるということです。

 

6月の公開学力テストは6月10日に実施される予定ですから、今からでも約1ヶ月の準備期間が取れます。

そして受講基準を6月の公開学力テストで満たした場合、クラス編成も「7月度開始時期は、4月・5月・6月の公開学力テストの結果」で行われますから「ついていけるの」という心配も減ります。

 

ですから、現時点で希望するコースの偏差値を獲得できていないときは、6月の公開学力テストまでに課題を解消して受講基準をクリアし、さらに7月の第1日曜日から始まる「志望校別特訓」までの3週間を利用して苦手単元の強化を行うなど、「日曜志望校別特訓」や「夏期講習」を受講する準備をしていくとよいと思います。

7月組分けテストに向けて 偏差値40台から50台へ

前回は、偏差値30台のお子さんが40台にアップするためのお話をしましたが、今回は40台から50台への成績アップに必要なことを考えていきます。

■基本問題の取りこぼしをなくす

偏差値がなかなか50を超えない、というお悩みをお聞きすることも多いですが、偏差値が50に満たないということは、「何かが原因で塾の平均成績に達していない」ということを示しています。

塾の平均成績に達しないお子さんのタイプは様々ですが、代表的な例はいくつか挙げることができます。

まず1つは、基本問題に取りこぼしがあるということです。
サピックスの算数で言うなら、★1つの問題の解き方に関して、完璧な状態になっていない状態のお子さんです。

算数に関して「最近のサピックスのマンスリーテストは易しくなった」と複数の先生からの意見を聞いていますし、平均点の高さがそのことを物語っているとも思います。
「やったぶんだけ結果に反映する」タイプのテストとなっているので、★1つのレベルの問題を丁寧に、完璧に仕上げておけば平均点をクリアできる可能性が高くなります。

■少量の計算を集中して正確に

もうひとつの要因は、計算の正確さと読み間違いなどのミスです。
いくら基本問題を完璧に理解していても、計算ミスや読み間違いなどを連発しては平均点クリアはのぞめません。

大きくいえば、この2つのどちらかに弱点がある子に立ちはだかるのが「50の壁」です。

計算ミスが多い子の中には、地道な計算練習を嫌う子もいます。そしてそんな子の中には「やるべき課題が多いので、できるだけ楽に済ませたい」という気持ちの子も多くいます。
じゅくから与えられる課題の量から考えると、ある意味無理問ないのかもしれません。

ただ、この状態のお子さんにいくら量を与えても無駄に終わります。
1つ1つの計算を正確にすることがいかに大切かを伝え、少量の計算問題を正確に、集中して解くよう話をしてみてください。

せっかく解き方がわかっても、その問題を解くのに何度も計算しなければならないなら、そのうち1つでも間違えば問題自体が不正解になってしまうこと、かけた努力をムダにしないことが大切ということなどです。

■国語の「足腰」は漢字と語彙

「偏差値30台⇒40台」のコラムでも述べましたが、やはり50に到達しない子も、読解の基本ができていない場合がほとんどです。
そして読解の基本は「言葉の知識」だということを理解していないお子さんが多いのです。

毎日時間を決め、コツコツと漢字と語句の勉強をする習慣をつけるのが大切です。
朝学習がオススメですが、お父さん、お母さんが付き合ってあげられる時間を中心にスケジュールをたてるのもいいと思います。

なぜなら、言葉の知識こそ大人のサポートを活かしやすい分野だからです。
「むなしい」「ほのかに」「かいがいしい」など子どもがイメージしづらい言葉を噛み砕いて説明できるのは、大人ならではです。
身近な人の例などをあげながら、お子さんに理解しやすい形で伝えてみてあげてください。

また算数、国語に限らず科目全般ですが「テストとの距離感」は大切です。
結果だけに翻弄されると良い方には進みません。
そのテストから見えるお子さん現状と改善の可能性、という視点でテストの内容を見てください。

次回はいよいよ50から60へと、そして具体的なテストとの付き合い方についてお伝えしようと思います。

中学受験 近年の算数、理科の出題傾向について感じること

主宰する家庭教師「名門指導会」の講師のみなさんと例年入試問題を分析するのですが、2018年の各学校の入試問題を解いて感じたことがいくつかありました。

■算数が易しくなった?

開成の算数が易しかったのは、今年の1つのトピックです。ではどのくらい易しかったのかというと、これはもう拍子抜けするくらい易しかった。

「典型的なパターン問題」といった問題が多く、「どう解くのか」と頭を悩ませるような問題はありません。少なくとも開成を受験するお子さんたちにとってはそうだったでしょう。

では難関校全般に関してはどうだったかというと、やはり難問は減ったと思います。 しかしこれは「すべての受験生にとって算数が易しくなった」ということではありません。 相変わらず桜蔭は強靭な処理力を求める問題、麻布は思考力、作業力を求める問題を出題しているという意味では、各校例年通りです。ただ、受験生の誰もが解けず「捨て問題」とされるような類の問題は少なく、しっかり受験勉強を続けてきた子どもが粘り強く取り組めば解決できる問題が多く出題されていたという印象です。

つまり易しくなったとはいえ、暗記型の勉強を続けてきた子には太刀打ちできないという意味では、難関校の出題傾向は相変わらずでした。

■記述やデータの読み取りが増えた

理科 理科に関しては「アクティブラーニング」を意識してか、対話形式の素材文から考えさせる問題が増えました。 開成や筑駒ではお馴染みの出題ですが、例えば先生と生徒が何かについて話している、その内容を登場人物である生徒と一緒に考える、というものです。 習っていないことがらを、先生が出すヒントを手掛かりに考える、という思考力を試す出題です。

記述やデータの読み取りに関する問題が多くなったのも、近年の特徴です。 記述も「お約束通りに文章を書けば点がもらえる」実質丸暗記の問題ではなく「理由の理由」を聞く問題も増えています。

たとえば「アルコールランプのアルコールが少ないと危険なのはなぜですか」の答えは「爆発するおそれがあるから」でいいですが、「なぜ爆発するのか」に上手く答えられる子は少ないのです。 アルコールが少なくなると、アルコールランプにできた空間に充満したアルコールの気体に引火するおそれがあるのですが、そこまでわかっていないと答えられない問題です。 たしかに記述題の中には「お約束だから覚えておこう」というものも少なくないですが、たまには「そもそもなんでだっけ?」と「理由の理由」を考えてみることも大切です。

■知識だけでは解けないが・・・

2020年の教育改革を前に「思考力・判断力・表現力」が叫ばれていますが、これは「知識の丸暗記だけでは問題を解決することはできない」ということであり「知識はなくても思考力があれば良い」「知識にはそれほど価値はない」ということではないと考えています。

前提となる知識があって初めて考えられるのであり、また計算したり作業してこそ思考を展開し、前に進めていくことができるのです。 その意味で、たくましい計算力、試行錯誤の力を試す御三家ほか難関校は、もう何年も前から「改革後」をやっているんだなとあらためて感じたのでした。

お母さんは「第二の先生」!?

■お母さんもいっしょに勉強しましょう

私はお子さんたちに「リビング学習」をすすめていて、うかがったご家庭でお子さんを指導する際も、できれば横でお母さんに授業を見てもらうようにしています。
それは、お子さんが頑張っている姿を見てあげてほしいからでもあり、お子さんへの声かけの参考にしてほしいからでもあります。

お母さんの中には、お子さん以上に私の話に興味を示される方もいます。
そして、お母さん自身が教えられるくらいに、科目の内容を理解されることもあります。

私たちは家庭教師としてご家庭にお邪魔し、お子さんたちを指導するわけなのですが、せいぜい行けるのは週1〜2回。合計ほんの数時間です。
残りの膨大な時間でうまく学習サイクルが回っていくには、ご家庭の力が必ず必要なのです。

お母さんが「第2の先生」になってくだされば、非常に効率よく成績を上げることができるというわけです。

■大人には大人にできることがある

「私が教えるなんて・・・」と思われる方もいらっしゃると思います。
塾によっては「お母さんは教えないでください。塾の教え方と違ったらお子さんが混乱します。」と仰る場合もあります。

確かに「親が下手に教えたら余計に子どもが混乱してしまって・・・」というお話を聞くことはあります。
でも実際に教えることはしなくても、お子さんの思考を導くことはできます。

「その数字は、どうしてそうなったのかな?」
「そしたら、次に何がわかりそう?」

この2つのフレーズを上手に使ってあげるだけで、お子さんの思考をスムーズに導いてあげることができるのです。
その参考にしていただくためにも、授業を見ていただいているのです。

■教えてくれる先生=いい先生 ではない

「家庭教師の仕事って何ですか?」

そんな質問をしたときに、どんな答えが返ってくるか。

「ご家庭に伺って、お子さんに勉強を教える仕事です」

そんな答えが帰ってきたら、要注意かもしれません。

もちろん勉強を教えるのですが、ご家庭のパートナーとして、自分がそこにいない時間までケアしてあげられるようになれれば、自ずとお子さんの成績は上がります。
様々な先生と話をする機会がありますが「この先生はとてもいい先生だな」と思う方は、もれなく「ご家庭トータルで受験勉強がうまくいくように」と意識して行動しておられるように感じます。

「先生に任せる」

実はこれがいちばん損で、「先生とチームを組む」という感覚で家庭教師や塾の先生とおつき合いするのがいいと思います。

いちばん得する中学受験

■新著(共著)が発売になります

中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している辻義夫さんとの共著「いちばん得する中学受験」(すばる舎)が、3月21日(水)発売になります。

おもに書籍の本文は辻さんが中心に、私も少しお手伝いさせていただき、コラムは私が担当しました。

辻義夫さんは従来から「ワクワク系中学受験理科」と評される授業、というより存在で、私もけっこう長い付き合いになるのですが、こんなに楽しく理科のことを考え話す人、そして話せる相手はいないという存在です。
何度も彼の授業、イベントやセミナーでの話を聞いていますが、これがとても面白いのです。

■「空気抵抗」を子どもに実感させる

たとえば、中学受験の理科では「空気抵抗」について生徒たちに話をすることがあります。
ガリレオ・ガリレイがピサの斜塔で行った実験の話などもしてあげるのです。
大きく重い鉛玉と、小さく軽い鉛玉を同時にピサの斜塔から落としたら、同時に地面まで落下した、という話です。
「へ〜」とヤンヤヤンヤの子どもたちですが、お話だけでは腑に落ちる「実感」までは至りません。

そこで彼は、傍らにあった1枚のプリントをとり上げ、お子さんたちに見せます。
「は〜い、じゃ今からこの紙を落とすから、よく見ててよ。」
そして自分の頭の上くらいの高さで、その紙を放します。
ひらひらと舞いながらゆっくりと落ちるプリント用紙。
子どもたちは神妙な顔つきでその様子を観察しています。

次に彼はこう言います。

「じゃあ、この紙を丸めてみるよ!」

くしゃくしゃと紙を丸め、同じ高さから手を放すと、紙は先ほどとは違ってストンと地面に落ちます。
「あ!」
さっきはゆらゆらと舞いながら落ちていた紙が、くしゃくしゃと丸めただけであんなにストンと落ちる・・・。

ここで子どもたちは「空気にふれる面積が大きいと、空気に邪魔されて落ちにくい」ということを実感します。

■今までの思い込み、常識を疑え

そんな工夫に満ち溢れた辻さんとの共著で、お互い面白いことに気づきました。

私も彼も「中学受験するなら、基本的には大手進学塾に通わせるべき」そして「受験塾に通わせ始めるベストな時期は、4年生から。つまり3年生の2月」という考え方で、それは今も変わっていません。

しかし現実的には、どの大手進学塾も4年生の塾生より5年生の塾生の方が、生徒数が大幅に多いのです。
つまり多くのご家庭が、お子さんが5年生の時から受験塾に通わせ始めているということを物語っています。
ならば、現実的に5年生、6年生から「中学受験する!」となったお子さんはどうすればいいのか、伝えなければならないのでは?

あるいは「大手塾に通わせるのがベストなのはわかるけど、その他の塾じゃダメなの?」そんなお母さんにも多いです。そんな問いにも答えを渡さなければならないのでは?

「うちはガッツリ御三家ってわけじゃないけど、通いやすいところでいい学校があるなら考えてみたい、というご家庭もあります。

そんなご家庭にもピッタリの中学受験入門書が「いちばん得する中学受験」です。

興味がある方は、ぜひ手にとってみてください。
中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が19日から予約発売記念キャンペーンを開催してくれるようです。
ぜひ読んでみてください。

Page 6 of 22

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

COPYRIGHT@西村則康公式サイト