私は理科を教える講師でもあるので、主要な中学校の理科の問題は入試が終わったら解きます。その中で、私が好きな問題に、麻布中学校の理科があります。
 
何が好きなのかというと、「覚えているだけ」「知っているだけ」というレベルの知識では解けない、子どもたちによく考えさせる問題で、理科好きの子なら、どんどん問題に引き込まれるような、非常に知的好奇心を喚起する問題を出題します。
 
リード文が非常に長く「読解」と言っても差し支えないような問題や、条件設定が複雑で整理して考えなければならない、そして「どうやって整理してやろう」と考えさせるような問題も多く、難関中を目指す受験生を唸らせる、まさに良問。
 
たとえば今年、2015年の問題は、大問1は生物分野です。サンゴとゾーザンテラの共生関係と、深海でのチューブワームの共生関係の共通点、相違点に関する問題で、麻布中対策をしっかりと行ってきた受験生からすれば、予測の範囲内。「ここで大きな失点をしたら、合否に影響するぞ」と気を引き締め直したのではないでしょうか。
 
続く大問2は、磁石です。すべての磁石を「小さな磁石の集まり」と考え、その小さな磁石の向きが揃ったときに強い磁石になるという誘導に従えば、無理なく解ける作りになっています。ここでも大きな失敗は許されません。
 
そして大問3。地層の問題ですが、山を上から見た図を横から満た図に置き換えるということができた受験生は、順調に取り組めたはずです。後半では地震波の進む速さが問題になっています。よく読んで問われていることが理解できれば、求められていることはそんなに難解ではありません。理科が得意な子はだんだん調子が出てきたのではないでしょうか。
 
そして大問4。光の屈折、色と波長に関する計算と思考の問題です。絶対に小学校では習わないレベルと内容の問題を、読み、理解し、与えられた条件に従うことでその理解が深まっていくような問題。最後まで解ききったら、かなり優秀な受験生でもフーっと息をついたのではないでしょうか。
 
そして、「あぁ、いい問題だな。」と味わったかもしれません。
 
麻布を目指す新6年生。そんな試験後の感想になるよう、しっかり備えていきましょう。