カテゴリー: 小5向けアドバイス Page 5 of 10
■7月組分けテストまでに
5月、ゴールデンウィークです。
塾、学年によりやるべきこと、塾からの課題も様々ですね。
今回から何回か、5年生を例に、偏差値別に夏や学年後半のクラスが決まる7月のテストに向け「どうすれば偏差値を上げることができるか」を考えてみたいと思います。
■算数の偏差値が30台の場合
算数の偏差値が30台の場合、まずは「何ができていないか」を把握することが大切です。
手がかりは、各塾で与えられている「基本テキスト」です。
サピックスなら基礎トレ、四谷大塚なら基本演習問題集と呼ばれる問題集などです。
お子さんの偏差値が模擬テストのたびび30台という場合、基本的なことが理解できていない単元が複数あることがほとんどです。
塾の授業を聞いて理解できているのか、それ以前に「授業の聞き方」はどうか、チェックするのがよいかもしれません。
塾では意外に「聞き方」を教えてくれません。
・先生話し始めたら書くのをやめて聞く
・話を聞いていて途中で「わかりにくい」と思っても、最後までよく聞く
・今の問題がわかりにくいと思っても、次の問題はまた違う問題だから、集中して聞く
など、お子さんがどれくらい意識しているか確認してみてもいいですね。
5年生から入塾した場合、4年生までの「下地」がないことが原因で授業の理解が進まないということも考えられます。4年生用のテキストを入手して、該当する単元を予習させて授業に臨ませるといった工夫もいいですね。
サピックスは授業当日にテキストが配布されるので、実物を確認できるのは授業当日ですが、詳細なシラバスが配布されていますね。それを参考に、自由自在の3・4年生用など市販の参考書を利用して、予備知識をつけてから授業に臨むなど工夫をしましょう。
■国語の場合はどうか
塾の国語の授業を真面目に受けて、宿題もちゃんとやっているのに成績が上がらない、そんなお子さんの多くは、文章が読めていません。
まずは音読などで、読みながら文章の内容を理解する練習が必要です。
これはお子さんだけでやるよりも、親御さんといっしょにしていただくのが効果的。
親子で一文ずつ読みあって、途中で、あるいはある程度読んだところで話の内容を聞いてみましょう。
少しずつ、文章の内容が説明できるようになっていくはずです。
以前、教育学者の齋藤孝さんと対談書籍「なぜ受験勉強は人生に役立つのか」を出版した際、齋藤さんから聞いて「いいな」と思ったのは、「サザエさん学習法」です。サザエさんでなくても別にかまわないのですが、テレビマンガのCMの時間に、それまでのストーリーをお子さんに説明してもらう、というもの。話の内容を頭の中で整理する習慣がつきそうです。
ただ、文章読解の上達には時間がかかります。結果が出るまでにお子さんのモチベーションが下がってしまわないように、もうひとつの柱を立てておきましょう。
それは漢字、語句の力です。漢字と語句は、憶えたら憶えただけ得点につながります。
私の経験上、偏差値30台のお子さんは、漢字と語句の学習に意識的に取り組むだけで偏差値40超えを狙うことができます。
こうやってお子さんのモチベーションを維持しつつ、「読む練習」でさらなる偏差値アップを目指しましょう。
次回は、7月組分けテストまでに偏差値40代から50オーバーを目指す勉強法を考えてみたいと思います。
■学年の終わり、つまずきに注意
6年生はもう受験間近、過去問の演習などに力が入っていることと思います。
4年生、5年生も学年の終盤、12月〜1月は算数の重要単元が目白押しです。
サピックスの4年生は、規則性・速さ・平面図形・文章題など次々に重要単元が出てきます。
そして速さに関しては日能研、四谷大塚とも4年生のこの時期に学習することになります。
「速さ × 時間 = 距離」
という、いわゆる「は×じ=き」の公式を覚えて当てはめる子も多いのですが、公式を覚えることよりも「速さの感覚」を身につけることのほうが重要です。
「同じ速さで進み続けたら、2倍の時間進めば2倍の距離進む」
「同じ距離を進むんだったら、速さが速いほどかかる時間は短くなる」
といったことを感覚的にわかっていなければ、応用問題に対応できるようにはなりません。
大人にとっては「当たり前」のことですが、子どもにとってはそうでもないのです。
「『駅から徒歩10分』とか書いてるけど、このときの歩く速さは分速80mくらいで計算してるんだよ。徒歩10分ってことは、駅から何mくらい?」と聞いてみたり、クルマなどでお出かけする際に「今時速80kmで走っているから、この調子で行くと何時間くらいでつきそう?」など声かけするなどして、身の丈の速さの感覚を育ててあげることはとても重要です。
そして多くの塾で、この時期4年生は図形を習います。
立体図形、中でも表面積などでは計算力の弱いお子さんは「やり方は分かるけど答えが合わない」となって苦手意識が芽生えがちです。
この冬計算力を今一度見直してみるのもいいですね。
■5年生は本格的な難度の問題
サピックスの5年生は、この時期に「N進法」「ニュートン算」といった全く新しい単元の学習があります。
入試頻出ではないのですが、抽象度が高く苦手とするお子さんの多い単元です。
うまく自分の中に落とし込みたいところです。指導する先生の力量によっても、理解度が大きく変わる単元です。
一方で、各塾とも図形の学習は最重要事項の1つです。グラフを扱った問題なども出てきて「グラフが折れ曲がっている=何か変化が起こっている」という、グラフを読み取る上での基本的な感覚を身につけることが重要になります。
目まぐるしく重要単元を学習する12月〜1月ですが、6年生を控えたこの時期、どれもしっかり身につけておきたいものばかりです。
■冬のテーマを決めよう
特に5年生は、来年さらに目まぐるしくなると考えておくのがいいと思います。
社会(公民)以外の科目は、多くの塾ですでにすべての学習単元を5年生までで終えてしまいます。
だからこんなに目まぐるしいのですが、そこまで速い進度で塾がカリキュラムを組んでいるのは、6年生をまるまる1年間、受験対策に費やしたいから。
6年生は、「気がついたら夏になっていて、入試対策が始まったかと思ったら直前期になっていた」という感覚で毎日が過ぎていきます。
苦手単元がたくさん残っていても、なかなか埋め合わせをするための時間も取れない、となると思います。
冬休みも含めて12月〜1月、もう一度お子さんの手薄な単元は何かを確認し、復習の時間を意識的に取るようにしたいですね。
来年、万全のスタートを切れるよう、着々と準備していきましょう!
10月も後半を迎え、お子さん、親御さんとも新しい学年を意識しはじめているのではないかと思います。
サピックスでは来年1月に「入室・組分けテスト」がありますね。
新しい学年をスタートするクラスが決まるテスト、重要です。
サピックスに限らず、各塾でここからのテストは新学年のクラスに関わってきます。
そんな重要なテストに向け、対策としてやっておけることはあるのでしょうか。
サピックスの組分け・日能研の公開模試・四谷大塚の公開組分けテストなど、範囲のないテストでは、実力が試されます。
「ふだんの復習テストでは点が取れるのですが、実力テストになると・・・」
というご相談も多いのですが、「実力がある」というのは、何か特別な力があるということではありません。
たとえばサピックスの2017年の5年生(新6年生)の「1月度 入室・組分けテスト」の大問1と2の問題です。
ざっと見ただけで、1や2で特に難問・奇問はないことがわかります。
ここまでで配点が45点。
大問3は図形で、ここでも特殊な問題は見当たりません。
このあたりで得点を積み上げ、後半の問題は「取れるところを取る」という受け方が、サピックスの組分けテストで最も効率よく点を取る方法です。
つまり「実力がある」というのは、これまでに習ってきた「よくある問題」できちんと点が取れること。
言い換えると「うろ覚えの単元が少ない」とも言えます。
だから、1月組分けで結果を出すためにしなければならない準備は、基礎トレなどに出てくる問題をきちんと正解できるようにしておくことです。
ここから2ヶ月あまり、1日10分、15分の取り組みで1月の結果が大きく変わる可能性があります。
忙しい毎日ですが、おすすめは朝やお風呂前など、日常の「ルーティン」に落とし込みやすい時間帯。
ちょっと早起きして算数の復習、始めてみませんか?
もう10月です。
先月は3日にサピックスの5年生向けの「志望校診断サピックスオープン」がありました。
かなり難しいテストでしたが、また11月にもありますから、算数のテストをちょっと振り返っておきましょう。
全体の構成としては、
1.計算
2.小問集合
3.平面・立体図形
4.和と差に関する問題
5.数についての問題
6.速さ
7.図形・調べる問題
となっていて、非常に難度の高い問題です。
■点を取るべき部分は
サピックスオープンはA問題(処理力を問う問題)とB問題(思考力を問う問題)からなっていて、1〜4がA問題、5〜7がB問題という割り当てになっています。
もちろんすべてできればいいのですが、今5年生の子がこのテストを解くとき、点を取らねばならない部分は(今の学力状況にもよりますが)決まってきます。
もちろん思考力もつけておきたいのですが、まずは1〜4です。
「処理力を問う問題」とはいえ、思考力がなければ解けない問題ばかりだからです。
たとえば大問1の(3)は計算問題ですが
160L ÷ 2m2 = ( )cm
という問題。
なぜ計算問題の数値に単位がついているのかを考えないと、計算できません。
(もちろん160÷2=80は正解ではありません)
「体積を面積で割るということはどういうことか」を考えなければならないのです。
体積は 「底面積 × 高さ」で計算できますから、体積を面積で割ると立体の高さが出るのですね。
つまり160Lを160000cm3、2m2を20000cm2と換算すると、
「底面積20000cm2、体積160000cm3の立体の高さは160000÷20000=8cm」
と答えが出せるわけです。
■手を動かすことができているか
大問2の(5)は「3行問題」と呼ばれる小問です。
「はじめ、姉は妹より400円多く持っていました。姉は母から600円もらい、妹は500円使ったところ、姉の所持金は妹の所持金の3倍になりました。はじめ、姉は( )円持っていました。」
割合の問題ですが、線分図を書かないと解けませんね。
こう書いて初めて「③と①の差の②はいくらか」が見えてくるわけです。
こういった部分で取りこぼしがあると、いくら後半のB問題を頑張ってもなかなか点にはなりません。
サピックスに限らずですが、6年生に備えて5年生は「図や考え方などを書く」ということを徹底してみてください。
■11月の第2回志望校診断サピックスオープンに向けて
9月オープンの大問2から、(1)と(2)をご紹介しましょう。
(1)70を割ると6余る整数は、全部で( )個あります。
(2)まわりの長さが48cmで、たての長さが横の長さよりも6cm長い長方形の面積は( )cm2です。
・・・どちらも難しくはない問題ですが、(1)は「70を割る」であって「70で割る」ではないところ(1次違いで大違いですね)、(2)は「まわりの長さ」が48cmなのであって、「たて+横」は24cmであることに注意しなければなりません。
「そんなのに引っかからないよ」と思うかもしれませんが、いざテストになると何が起こるかわかりません。
「易しそうに見えても、どこかにひっかけがあるかもしれないぞ」
という意識で取り組みましょう。
「また、A問題を中心にとり、後半のB問題は(1)だけをうまくとる」
といったテストを受けるにおいての「戦略」を持つことも大切です。
11月に向け、普段の勉強から意識してみてください。