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セミナーご報告『中学受験と習いごとを両立するためにできること』

■セミナーを行いました
5月19日(土)東京、渋谷でセミナーを行いました。
私が主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と、鈴木福くん、小林星蘭さんなどの子役、俳優さんたちが所属する「総合芸能学院 テアトルアカデミー」との共催です。
弁士は私と、同じく中学受験情報局で主任相談員としてご一緒している小川大介氏、辻義夫氏です。
一昨年より、テアトルアカデミーさんとはセミナーなど共催でイベントをすることがあるのですが、それには理由があります。
演技の世界では、子役を目指すお子さんたちは実年齢よりも上の演技を求められたり、自分が経験したことのないことを演じなければなりません。
そもそも、映画やドラマで自分とは別の人間になりきるということは、高度な読解力、理解力、表現力を必要とすることで、受験勉強と通じるところがあるのです。
そして、演技というのは単なる習いごとの領域を超えて「仕事」という側面も持つため、小学校高学年で受験との両立に悩むご家庭が多いのです。
今回は、テアトルアカデミーにお子さんを通わせるご家庭、そして中学受験情報局のメルマガ会員の中でも習いごと、勉強の両立に悩むご家庭を対象として、上手に勉強と他の習いごとを両立するために何ができるか、といった内容のセミナーになりました。
■習いごとと中学受験の両立
「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でメルマガ会員の皆様に行ったアンケートでは「6年生の夏以降も習いごとを続けさせる(続けさせた)」と回答した方が36%おられました。
「できれば受験が終わるまで習いごとを続けさせたい」と思っている方も多いことを表しているといえますが、逆に「6年の夏前まででやめさせる」と答えた方の合計は51%と、やはり一時期は中断する、またはやめてしまう方も多いのがわかります。
習いごとをやめることなく中学受験も成功させるお子さん、ご家庭の共通点があるとすれば、時間の使い方です。
たとえばサピックスは、4年生のうちは週2回と一見「楽」なスケジュールに見えます。しかし6年生の秋になると週5日。平常授業(デイリー)に加えて土曜&日曜には長時間の特訓があります。
この状況で塾以外の習いごとを続けるには、4年生のうちから時間の使い方を練習しておく必要があります。
ポイントは、4年生で塾の日数も少なく宿題の負担も小さいときに、時間の使い方を工夫すること。
「今週の学習範囲を次の週までに完璧に」をことさら目指さないことです。
塾に週2日通いながら、宿題をする時間もとる。でもそれだけで1週間を埋め尽くすのではなく、他にもいろんなことをする。そんな1週間にしましょう。
外で体を動かすことも必要だし、習いごとで知らなかったことに触れると言った時間もいい刺激になります。
塾の勉強以外にもすべきことがあると、時間の使い方にも工夫が必要になるし、短時間で集中して学習するといったことも習慣づきます。
■関西で初(?)の座談会を行います
6月8日、関西で座談会を行います。
初の試みとなるのですが、「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している小川大介氏、辻義夫氏とともに、小規模の座談会を大阪で行います。
参加者数名の規模で、参加者の皆様のお悩み、ご相談に我々主任相談員が直接お答えするという形です。
下記のような予定です。
【座談会概要】
対象:中学受験を目指す5年生までのお子さんのお父さん・お母さん
日時:2018年6月8日 13時〜14時30分
場所:イオンコンパス大阪駅前会議室
定員:4名(先着)
参加費:5000円/1名
相談員:西村則康・小川大介・辻義夫
詳細は申込ページでご確認ください。 
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7月の組分けテストで偏差値を10上げるために

■7月組分けテストまでに

5月、ゴールデンウィークです。
塾、学年によりやるべきこと、塾からの課題も様々ですね。

今回から何回か、5年生を例に、偏差値別に夏や学年後半のクラスが決まる7月のテストに向け「どうすれば偏差値を上げることができるか」を考えてみたいと思います。

■算数の偏差値が30台の場合

算数の偏差値が30台の場合、まずは「何ができていないか」を把握することが大切です。
手がかりは、各塾で与えられている「基本テキスト」です。
サピックスなら基礎トレ、四谷大塚なら基本演習問題集と呼ばれる問題集などです。

お子さんの偏差値が模擬テストのたびび30台という場合、基本的なことが理解できていない単元が複数あることがほとんどです。
塾の授業を聞いて理解できているのか、それ以前に「授業の聞き方」はどうか、チェックするのがよいかもしれません。

塾では意外に「聞き方」を教えてくれません。
・先生話し始めたら書くのをやめて聞く
・話を聞いていて途中で「わかりにくい」と思っても、最後までよく聞く
・今の問題がわかりにくいと思っても、次の問題はまた違う問題だから、集中して聞く
など、お子さんがどれくらい意識しているか確認してみてもいいですね。

5年生から入塾した場合、4年生までの「下地」がないことが原因で授業の理解が進まないということも考えられます。4年生用のテキストを入手して、該当する単元を予習させて授業に臨ませるといった工夫もいいですね。

サピックスは授業当日にテキストが配布されるので、実物を確認できるのは授業当日ですが、詳細なシラバスが配布されていますね。それを参考に、自由自在の3・4年生用など市販の参考書を利用して、予備知識をつけてから授業に臨むなど工夫をしましょう。

■国語の場合はどうか

塾の国語の授業を真面目に受けて、宿題もちゃんとやっているのに成績が上がらない、そんなお子さんの多くは、文章が読めていません。
まずは音読などで、読みながら文章の内容を理解する練習が必要です。
これはお子さんだけでやるよりも、親御さんといっしょにしていただくのが効果的。

親子で一文ずつ読みあって、途中で、あるいはある程度読んだところで話の内容を聞いてみましょう。
少しずつ、文章の内容が説明できるようになっていくはずです。

以前、教育学者の齋藤孝さんと対談書籍「なぜ受験勉強は人生に役立つのか」を出版した際、齋藤さんから聞いて「いいな」と思ったのは、「サザエさん学習法」です。サザエさんでなくても別にかまわないのですが、テレビマンガのCMの時間に、それまでのストーリーをお子さんに説明してもらう、というもの。話の内容を頭の中で整理する習慣がつきそうです。

ただ、文章読解の上達には時間がかかります。結果が出るまでにお子さんのモチベーションが下がってしまわないように、もうひとつの柱を立てておきましょう。
それは漢字、語句の力です。漢字と語句は、憶えたら憶えただけ得点につながります。

私の経験上、偏差値30台のお子さんは、漢字と語句の学習に意識的に取り組むだけで偏差値40超えを狙うことができます。
こうやってお子さんのモチベーションを維持しつつ、「読む練習」でさらなる偏差値アップを目指しましょう。

次回は、7月組分けテストまでに偏差値40代から50オーバーを目指す勉強法を考えてみたいと思います。

塾の新年度、1年を見通しておきましょう

いよいよ木曜日、東京都の中学入試がスタートします。
がんばってきた6年生のみなさん、しっかり実力を出し切ってください。
5年生以下のみなさんは、間もなく新しい学年が塾で始まりますね。
新学年でお伝えしておきたいことは、1年という時間をいくつかのパートに分けて考えてほしいということです。
2月に新学年が始まり、およそ2ヶ月勉強すると春休みです。春期講習がありますね。
この2ヶ月で学習したことが、学年が変わってカリキュラムが早く、難しくなった中でしっかり身についているか。
春期講習の様子、あるいはそれまでの勉強の様子でわかると思います。
もしも「うまくいっていないな」と感じるのなら、春休みに何らかの手を打てばいいことがわかります。
塾の講習を受けるべきかどうか、といった検討もできますね。
そして、4月〜7月の学習ステージ。
夏を控え、できればあやふやな単元は残しておきたいくないところです。
このときも、やはり親御さんから見たお子さんの学習の様子で、夏をどう過ごすかを決めましょう。
特に夏は「受験生の天王山」と言われますが、単純に期間の長さだけを考えても、重要な期間です。
積み残し、あやふやな単元などがあるなら、何らかの方法で埋めておきたいですね。
塾によっては夏合宿があったり、夏期講習以外の「特訓授業」が夏休みの終わりにあることもあります。
本当にそれらの行事や特訓講座を受けるのがいいのか、真剣に検討が必要です。
夏前後に限りませんが、塾のイベント講座や特訓授業の是非は、家庭教師や個別指導教室などセカンドオピニオンを得られるサービスを受けている方は、ぜひ参考にしてください。
夏が終わった9月から12月、学校行事なども多く「振り返り」が難しい時期です。
あらかじめこの時期はそういう時期だと把握し、こまめにテストの結果や授業の様子などをチェックするようにしたいですね。
学校での2学期が終わると6年生はすぐに受験本番、5年生までのお子さんは次の学年が迫ってきます。
このように慌ただしい受験生の1年だからこそ、年度の始まりにしっかりここから先1年の見通し、予測を立てておくことは大切です。
新年度、着実に歩んでいきましょう。 

4年生・5年生は来年に備えて準備を始めよう

■学年の終わり、つまずきに注意

 

6年生はもう受験間近、過去問の演習などに力が入っていることと思います。

4年生、5年生も学年の終盤、12月〜1月は算数の重要単元が目白押しです。

 

サピックスの4年生は、規則性・速さ・平面図形・文章題など次々に重要単元が出てきます。

そして速さに関しては日能研、四谷大塚とも4年生のこの時期に学習することになります。

 

「速さ × 時間 = 距離」

という、いわゆる「は×じ=き」の公式を覚えて当てはめる子も多いのですが、公式を覚えることよりも「速さの感覚」を身につけることのほうが重要です。

「同じ速さで進み続けたら、2倍の時間進めば2倍の距離進む」

「同じ距離を進むんだったら、速さが速いほどかかる時間は短くなる」

といったことを感覚的にわかっていなければ、応用問題に対応できるようにはなりません。

 

大人にとっては「当たり前」のことですが、子どもにとってはそうでもないのです。

「『駅から徒歩10分』とか書いてるけど、このときの歩く速さは分速80mくらいで計算してるんだよ。徒歩10分ってことは、駅から何mくらい?」と聞いてみたり、クルマなどでお出かけする際に「今時速80kmで走っているから、この調子で行くと何時間くらいでつきそう?」など声かけするなどして、身の丈の速さの感覚を育ててあげることはとても重要です。

 

そして多くの塾で、この時期4年生は図形を習います。

立体図形、中でも表面積などでは計算力の弱いお子さんは「やり方は分かるけど答えが合わない」となって苦手意識が芽生えがちです。

この冬計算力を今一度見直してみるのもいいですね。

 

 

■5年生は本格的な難度の問題

 

サピックスの5年生は、この時期に「N進法」「ニュートン算」といった全く新しい単元の学習があります。

入試頻出ではないのですが、抽象度が高く苦手とするお子さんの多い単元です。

うまく自分の中に落とし込みたいところです。指導する先生の力量によっても、理解度が大きく変わる単元です。

 

一方で、各塾とも図形の学習は最重要事項の1つです。グラフを扱った問題なども出てきて「グラフが折れ曲がっている=何か変化が起こっている」という、グラフを読み取る上での基本的な感覚を身につけることが重要になります。

 

目まぐるしく重要単元を学習する12月〜1月ですが、6年生を控えたこの時期、どれもしっかり身につけておきたいものばかりです。

 

 

■冬のテーマを決めよう

 

特に5年生は、来年さらに目まぐるしくなると考えておくのがいいと思います。

社会(公民)以外の科目は、多くの塾ですでにすべての学習単元を5年生までで終えてしまいます。

だからこんなに目まぐるしいのですが、そこまで速い進度で塾がカリキュラムを組んでいるのは、6年生をまるまる1年間、受験対策に費やしたいから。

 

6年生は、「気がついたら夏になっていて、入試対策が始まったかと思ったら直前期になっていた」という感覚で毎日が過ぎていきます。

苦手単元がたくさん残っていても、なかなか埋め合わせをするための時間も取れない、となると思います。

 

冬休みも含めて12月〜1月、もう一度お子さんの手薄な単元は何かを確認し、復習の時間を意識的に取るようにしたいですね。

 

来年、万全のスタートを切れるよう、着々と準備していきましょう!

 

サピックス小5 1月組分けで結果を出すために

10月も後半を迎え、お子さん、親御さんとも新しい学年を意識しはじめているのではないかと思います。

サピックスでは来年1月に「入室・組分けテスト」がありますね。

新しい学年をスタートするクラスが決まるテスト、重要です。

サピックスに限らず、各塾でここからのテストは新学年のクラスに関わってきます。

そんな重要なテストに向け、対策としてやっておけることはあるのでしょうか。

サピックスの組分け・日能研の公開模試・四谷大塚の公開組分けテストなど、範囲のないテストでは、実力が試されます。

「ふだんの復習テストでは点が取れるのですが、実力テストになると・・・」

というご相談も多いのですが、「実力がある」というのは、何か特別な力があるということではありません。

たとえばサピックスの2017年の5年生(新6年生)の「1月度 入室・組分けテスト」の大問1と2の問題です。

ざっと見ただけで、1や2で特に難問・奇問はないことがわかります。

ここまでで配点が45点。

大問3は図形で、ここでも特殊な問題は見当たりません。

このあたりで得点を積み上げ、後半の問題は「取れるところを取る」という受け方が、サピックスの組分けテストで最も効率よく点を取る方法です。

つまり「実力がある」というのは、これまでに習ってきた「よくある問題」できちんと点が取れること。

言い換えると「うろ覚えの単元が少ない」とも言えます。

だから、1月組分けで結果を出すためにしなければならない準備は、基礎トレなどに出てくる問題をきちんと正解できるようにしておくことです。

ここから2ヶ月あまり、1日10分、15分の取り組みで1月の結果が大きく変わる可能性があります。

忙しい毎日ですが、おすすめは朝やお風呂前など、日常の「ルーティン」に落とし込みやすい時間帯。

ちょっと早起きして算数の復習、始めてみませんか?

11月オープンテストに向けて

もう10月です。

先月は3日にサピックスの5年生向けの「志望校診断サピックスオープン」がありました。

かなり難しいテストでしたが、また11月にもありますから、算数のテストをちょっと振り返っておきましょう。

全体の構成としては、

1.計算

2.小問集合

3.平面・立体図形

4.和と差に関する問題

5.数についての問題

6.速さ

7.図形・調べる問題

となっていて、非常に難度の高い問題です。

■点を取るべき部分は

サピックスオープンはA問題(処理力を問う問題)とB問題(思考力を問う問題)からなっていて、1〜4がA問題、5〜7がB問題という割り当てになっています。

もちろんすべてできればいいのですが、今5年生の子がこのテストを解くとき、点を取らねばならない部分は(今の学力状況にもよりますが)決まってきます。

もちろん思考力もつけておきたいのですが、まずは1〜4です。

「処理力を問う問題」とはいえ、思考力がなければ解けない問題ばかりだからです。

たとえば大問1の(3)は計算問題ですが

160L ÷ 2m2 = (    )cm

という問題。

なぜ計算問題の数値に単位がついているのかを考えないと、計算できません。

(もちろん160÷2=80は正解ではありません)

「体積を面積で割るということはどういうことか」を考えなければならないのです。

体積は 「底面積 × 高さ」で計算できますから、体積を面積で割ると立体の高さが出るのですね。

つまり160Lを160000cm3、2m2を20000cm2と換算すると、

「底面積20000cm2、体積160000cm3の立体の高さは160000÷20000=8cm」

と答えが出せるわけです。

■手を動かすことができているか

大問2の(5)は「3行問題」と呼ばれる小問です。

「はじめ、姉は妹より400円多く持っていました。姉は母から600円もらい、妹は500円使ったところ、姉の所持金は妹の所持金の3倍になりました。はじめ、姉は(     )円持っていました。」

割合の問題ですが、線分図を書かないと解けませんね。

こう書いて初めて「③と①の差の②はいくらか」が見えてくるわけです。

こういった部分で取りこぼしがあると、いくら後半のB問題を頑張ってもなかなか点にはなりません。

サピックスに限らずですが、6年生に備えて5年生は「図や考え方などを書く」ということを徹底してみてください。

■11月の第2回志望校診断サピックスオープンに向けて

9月オープンの大問2から、(1)と(2)をご紹介しましょう。

(1)70を割ると6余る整数は、全部で(     )個あります。

(2)まわりの長さが48cmで、たての長さが横の長さよりも6cm長い長方形の面積は(     )cm2です。

・・・どちらも難しくはない問題ですが、(1)は「70を割る」であって「70で割る」ではないところ(1次違いで大違いですね)、(2)は「まわりの長さ」が48cmなのであって、「たて+横」は24cmであることに注意しなければなりません。

「そんなのに引っかからないよ」と思うかもしれませんが、いざテストになると何が起こるかわかりません。

「易しそうに見えても、どこかにひっかけがあるかもしれないぞ」

という意識で取り組みましょう。

「また、A問題を中心にとり、後半のB問題は(1)だけをうまくとる」

といったテストを受けるにおいての「戦略」を持つことも大切です。

11月に向け、普段の勉強から意識してみてください。

この秋は丁寧な学習を

9月になりました。
学校が始まり、塾も平常の授業の状態に戻りましたね。
6年生はいよいよ入試対策が本格的になり、もう過去問の演習が始まった塾もあると思います。
どんどん実戦的な学習の段階に入っていくわけですが、4年生、5年生はどうでしょう。
学年の後半、4年生も5年生も前半に比べて塾で習うレベルがアップします。
今回は、学年後半の学習をより効率よく身につけるという視点で、子どもの「聞く力」そして学力のつけ方につてお話しします。
■「聞く力」を育てる
塾の先生も学校の先生もそうですが、多人数を相手に話をして理解させるために、それ相応の技術をお持ちです。
ここは集中させて理解させよう、という場合「は〜い、手を止めて顔をあげて!あとでノートに映す時間をあげるから、今は集中して聞いて!」とあらかじめ準備をさせてから話をするのです。
問題は、そこでちゃんと準備し、実際に集中して聞くことができるか、ということです。
ふざけたり、サボったりしているわけでなく「集中して聞く」ということができない子はいます。
これは能力の問題ではなく、知識と訓練の問題なのです。
まず「集中して聞く」ということがどういうことか、教えてあげることが必要です。
「とにかく最後まで聞いたらわかるように先生は話しているはずだから、途中でちょっとわからないと感じても、最後まで聞くんだよ」
「最初を聞き逃すとあとがわからなくなるから、先生の話の最初は特によく聞くんだよ」
そんな声かけで「聞くとはどういうことか」を意識させてほしいのです。
成果が出ているかは「塾で先生はどう言ってた?」という質問で確かめることができます。
ぜひ意識してみてください。
■基礎学力がついているか
塾の授業がわからないというとき、「短期記憶力」が不足していることも多いものです。
1つの言葉、数字をしばらく覚えたままで別の作業ができる力です。
先生の話を聞いているとき、1回の話の中で話題が複数、そしてそれが後で合わさるような場面で対応できるかどうかです。
短期記憶力をつける練習は、色んな場面ですることができます。
簡単な例を1つあげると、2ケタ×1ケタの暗算です。
2ケタ×1桁のかけ算を暗算するには、繰り上がりの数字を覚えたまま次のかけ算をしたり、筆算をイメージしているなら、その全体像を計算終了まで覚えておく必要があるので、短期記憶力が鍛えられるのです。
テレビのマンガなら、CMの時間に「それまでどんなお話だったか」を説明してもらうのもいいですね。
■想像力をはたらかせているか
国語の授業を聞いているとき、お子さんはどんなことを想像しながら聞いているでしょうか。
登場人物の●●ちゃんは、どんな顔なのか。どんな服を着ているのか。
まわりの景色は?広々としたところなのか、入り組んだ道の途中なのか。
字面を終えば「読む」ことはできますが、それでは読解にはなっていません。
想像力をはたらかせて読むのにも、訓練や経験が必要なのです。
ときどき国語の勉強に付き合って、上記のような質問をお子さんに投げかけてあげてください。
秋、ぜひ丁寧な学習をテーマに、幾つかのことに取り組んでみてください。 

勉強会・関西セミナー・イベントなど毎日盛り沢山です

■灘に合格するための説明会
6月27日、28日は関西でした。
27日(火)は定期的に行っている家庭教師「名門指導会」の勉強会、そして28日(水)は名門指導会と、私が主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 賢い塾の使い方」との共催のセミナーでした。
今回のセミナーは「灘中に入るには、どんな算数の勉強をしておけばいいか」という切り口です。
関西で(全国でもですが)最難関中学校というと、開成などとともにまず名前があがるのが灘中学校。
2日間の日程で行われる入試の形式や出題傾向も独特ですね。
今回は名門指導会の関西統括であり、算数のスペシャリストでもある、都関靖治氏とお話をさせていただいたのですが、さすがに関西の最難関中に毎年多くの合格者を輩出している都関氏。
塾ごとの最難関中対応講座の必要性など、詳しく話を聞くことができました。
■  国語が難しい首都圏、算数偏重の関西
よく「算数は関西が難しく、国語は首都圏」と言われますが全くその通りで、関西の最難関中の算数の問題は本当に難しい。
そしてその算数で勝負がついてしまうところがあります。
浜学園を例にとれば、最上位クラス(Vクラス)の子たちのほとんどが「最高レベル特訓」と呼ばれるオプション講座を受講し、平常授業とは別に算数の問題を大問で週あたり32問演習(5年生の場合)することになります(そのうち8問は難問)。
この5年生の最高レベル特訓算数をきちんと習得してしまえば、御三家の算数の入試問題を解く上で困ったことはない状態、といってもいいほどです。
私も関西で教えていた時期がありました。東京で教えていたのですが、両親の体調の問題などもあり、拠点を関西に移した時期があったのです。
東京から関西の塾に移籍したとき、算数に関しては何度も鼻っ柱を折られた思い出があります。
当時、浜学園で最難関コースを担当していた先生からいろいろ教えてもらい、算数という科目の奥深さに改めて感心したものです。
■ 関西でもイベントを行っていきます
普段はどうしても首都圏でのセミナーやイベントが多く、「関西でも開催してほしい」という声を多く頂戴するのですが、久しぶりの関西でのセミナー、みなさん真剣にメモなどとっておられました。
ありがとうございました。
5月から6月にかけては、東京で「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒している先生方が講師を務める授業のイベントがありました。
5月20日には前田昌宏先生が講師として登場、計算の工夫や問題読み取りの技術など、私は当日の記録動画で見たのですが、あらためて「なるほど」と思わせてもらえるものでした。
イベントのレポートは「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で順次公開されていくようなので、みなさん楽しみにお待ちください。
同じようなイベントやセミナーを、できれば関西でもどんどんやっていきたいと考えています。
関西の皆さまも、イベント開催時にはぜひご参加ください。
お目にかかれる機会があるかもしれませんね。
楽しみにしています。
(算数・国語・理科のイベント講座の概要をまとめた記事が公開されているようです。よかったら見てみてください)

春休みは学習サイクルの見直しを

■塾のある学習リズムがつかめていないのなら
春休みですね。
塾では春期講習などもあると思いますが、ご家庭なりに「やっておきたいこと」に手をつけるチャンスです。
2月に新しい学年を迎えて2か月。
たとえばこの2月、塾の新年度時から通塾を始めた場合は、「塾のある一週間」のサイクルがきちんとできたかを検証してみるのがいいですね。
今ひとつリズムが掴めていないというなら、春休みをその「調整期間」と捉えるのがよいように思います。
この2ヶ月間、一週間のうちで特にしんどかったのが何曜日なのか思い出し、その原因を探ってみるのもよいでしょう。
学校の授業がないぶん、塾の春期講習がありますから、それを学校の授業時間ととらえて生活サイクルを組んでみるのも一つです。
ポイントは、休みだからといってあまり夜更かしをしたりといったことが無いよう、できるだけふだんと同じ時刻に寝起きし、生活サイクルを大きく崩さないことです。
学校の長期休暇にふだんとまったく生活サイクルを変えると、休みが終わった時点で調子を崩しやすいのです。
■5年生2月から入塾した方に気をつけてもらいたいこと
5年生の2月から塾通いを始めたお子さんは「4年生の知識が空白」ということを意識して振り返りを行ってください。
たとえば理科や社会は、塾では4年生で「ざっくりと」習い、5年生で「詳細」を習います。
四谷大塚の「予習シリーズ」の単元名であげてみます。
4年生理科
「春のころ(1)(2)」
「いろいろなこん虫」
「植物の育ち方」
4年生社会
「ものを売る仕事」
「くらしやすい街」
「地図の見方」
「寒さのきびしい地方のくらし」
4年生にはこういった横断的な単元があるのですが、5年生になるとずいぶん詳細になります。
5年生理科
「気象の観測」
「物のあたたまり方」
「星の動き」
5年生社会
「日本の水産業」
「九州地方」
「関東地方」
4年生で学習したことをベースに、やや詳細を5年生で学習するという習い方になっており、4年生の「ベース」のあるなしで、ずいぶん5年生は学習の「楽しさ」の感じ方が違うのです。
5年生から入塾して「理科・社会の勉強のしかたがわからない」「理科・社会の勉強が面白くない」というご相談がこの時期多いのですが、春休みの空き時間に4年生内容を学習することで解決することも多いのです。
ふだんの学習でも、5年生の予習シリーズを補完する目的で「予習シリーズ 4年」を入手することも有効です(「予習シリーズを宣伝するわけではないのですが、他塾の5年生のお子さんにも有効です)。
■春期講習を休みにくいサピックス生は、講習会がない日を上手に使いましょう
何度かこのコラムでも言っていて、他のメディアでもお伝えしていることですが、サピックスのカリキュラムは基本的に「講習会でも進み続ける」というもの。
日能研や四谷大塚が復習中心のカリキュラムなのと対象的です。
だから「うまく回っていないな」と感じていても、春期講習を受講しないという選択が取りづらい塾です。
塾側も「受講するのが当然」という態度ですから、受講しないというご家庭は少数でしょう。
しかし日数は日能研などと比べても短いので、春期講習がない日に「気になる単元」を片付けることは可能です。
塾のない日をうまく使って片付けましょう。
もっとも手っ取り早いのは、マンスリーテストで間違った問題のうち、正答率が高いものを選んで、その単元をデイリーや基礎トレで復習する方法です。
もちろん市販の問題集を使ってもOKです。
もちろん春休みですから遊びや楽しみのメニューも入れていただきたいですが、バランスよく予定を組み立てたいですね。

中学受験 実力テストへの対策方法はあるの?

■実力テストの対策は
あっという間に10月です。
サピックスの4年生は「実力診断サピックスオープン」がありますね。実力テストで範囲のないテストですから、対策しようにもどうすれば、とみなさん思われるかもしれません。四谷大塚の「公開組分けテスト」や日能研の「実力判定テスト」などはいちおうの範囲がありますが、広い範囲となるため、やっぱり対策には独特の難しさがあります。
実力テストに対しては、対策というよりは準備と確認を前もってしておいてほしいのです。
こんな表現のしかたはちょっと乱暴かもしれませんが、「山を張る」こともよくお勧めしています。
算数なら、計算は必ず出ます。その中でも多くの子が間違うのは、ふつうの計算ではなく逆算。式の途中に□がある計算です。あるいは虫食い残などが出たら、やはり正答率は低くなります。そのような問題を少し解いておくことで、テストに少し自信を持って取り組めるかもしれません。
理科なら実験器具の問題は「テストの中のどこかに必ず出る」というくらいよく出ます。よく出るということは重要だということです。実験器具の問題でもっともよく問われるのは「実験器具を使うときの注意」です。「安全に実験する」ということがテーマであることが多いですが、実際に実験する上でも大切なことです。
そろそろ涼しくなってきます。秋の植物や渡り鳥の話題が出るかもしれませんね。
「山を張る」ということには「当てにいく」というよりは、このテストの対策でいくつかの「しばらく手付かずだった単元を思い出すことができる」という効果があります。
■むしろ大切なのはテストなおし
実力テストに限らずですが、テストの直しは重要です。テスト(特に実力テスト)では、「今自分に何ができるか」「何ができないか」がわかります。
主宰する家庭教師「名門指導会」にも「先生、塾の実力テストで習っていない問題が出るんです。どうすれば満点がとれますか?」というご相談が多くなる時期ですが、正直なところ出題者でなければ、普通の子には満点が取れないテストもあります。
でも、それでもいいんです。
北海道にはエゾリスとシマリスという2種類のリスがいて、エゾリスは冬の間も活動しますが、シマリスは冬眠します。
このことがテストに出たとして、それが知らないことだったら「へーそうなんだ」と思えばいいのです。一方のリスは活動を続けるため体温が下がらず、もう一方は体温が下がるはず、と考えられればいいし、今はその「出題者の意図」を読み取れる段階にないかもしれません。
もう一度書きますが、テストは「今自分に何ができるか」「何ができないか」がわかるものです。できていないなら、できるように練習することもできるし、何らかの対策が考えられます。
こうやって、「テストから学ぶ」というなおしができれば、お子さんはテストのたびに成長していきます。
■結果だけに振り回されてはいけない
「テストなおしが大事」と書きましたが、「できないこと」ばかりに注目することにならないようにしましょう。ちゃんとできていることにも目を向け、努力が実ったという部分は大いに褒めてあげたいものです。
テストの結果が悪かったときに「どうしてこんな結果だったの?」とお子さんに質問してもいいことはありません。お子さんは答えようがないでしょう。そんな質問をお子さんにすると、お子さんは親が満足する「答え」を考えた挙句「僕(私)ががんばらなかったから」という「嘘」をつくかもしれません。
いずれにしてもいいことはないのです。
結果には必ず原因があります。その原因のことを考えなければなりません。もちろんお子さんのモチベーションが下がっているのが原因かもしれません。でもそうだったら、モチベーションが下がった原因があるはずです。そちらを解決するのが結果近道です。
秋の実力テスト、お子さんの現状を把握して新しい学年(もう4ヶ月を切ってしまいましたね!)に備えて「結果を次に活かす」題材にしたいものです。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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