カテゴリー: 親の役割 Page 6 of 11

小5小4で成績が中位 大切な子供のマインド

今回は、困っている子供たちの気持ちつまりマインドに注目してみます。

成績が停滞している子供たちの多くは、学習すべき内容を整理してあげると
どんどんと成績を上げていきます。
ところが、それだけでは全く効果が無い子供が常に一定の割合で存在します。
それは、子供の気持ちでが原因です。そして子供の学習に向かう意欲を妨げるマインドの
原因を作っているのは、子供本人では無く周りであることが多いのです。

1 やらされ感一杯の嫌々学習
 家に帰ってくれば、「早く勉強をしなさい!」。
 学校の勉強が終わったと思ったら、「早く塾の勉強をしなさい!」。
 塾の勉強をしていると、「いつまで計算をやっているの、そんなにだらだらやっていると、
文章題ができないでしょ。それに、社会や理科の暗記はどうするの。
それに、国語の宿題もあるでしょ!」
 このようなお母さんの台詞が日常化することが、こどもの「やらされ感」を高めてしまいます。
 これをやっても、その後あれもやらないといけないし、それが終わってもあれもやらないと、・・・・。
永久に終わらないような呆然とした気持ちになってしまいます。

・あれもこれも一度に話さない。今やるべきことを最大2つだけに絞って話す。
そして1つが終わったら、「頑張ったね。」と認めて労ってあげる。

2 親子喧嘩
 お子さんのいい加減さを見つけたときに、ここぞとばかりに攻め立てていませんか。
 「何この片付け方は!このプリンとはこっちに仕舞うように言ったでしょ。
この前もそうだったでしょ。
いつもいつもそうなんだから。
そんなことをやっているから、成績が上がらないんでしょ。
お母さんが見張っていないとちゃんとできないの!
この前もそうだったでしょ。
目を離したすきに、プリンとを引き出しに突っ込んだでしょ。
そんなずるい事をやってて良いと思っているの!・・・・・」

・叱ったりたしなめたりするときは短く、そして威厳を持って。
 過去の話を持ち出して長々と説教を続けるのは最悪です。
 30秒を越える説教の内容は聞いていません。
そして長くなればなるほど、内容よりもお母さんの苛立ちや怒りだけを感じとるようになります。
それがお母さんへの反抗心のもとになります。
 また、お母さんの説教や激怒ですら、首をすくめて時間が経つのを待っていればよいことを
学習してしまいます。
そうなると、お母さんとしてはより強い言葉、より子供の気持ちにぐさりと突き刺さる言葉を
使わざるをえなくなってしまいます。
そのうちに、「うるさい!くそばばー!」という信じられない反撃を食らうことは、
珍しいことではありません。

3 こどもの自己肯定感をどんどん壊してしまう台詞
 「なぜ、こんなのが分からないの!」
 「この前もやったのに、もう忘れたの!なぜ、そんなに早く忘れるの!」
 
 こんな台詞を使う塾の講師や家庭教師は、子供を教えるべきではないと思っています。
そんな簡単なことをなぜ納得させられなかったのか、
なぜそんなに早く忘れてしまうような理解しか与えることができなかったのか。
自己反省の材料にすべきことを、子供への責任転嫁をしているわけですから。

そして、親御さんもこのような言葉を使わないでほしいのです。
このような言葉を、ダブルバインドといいます。
「なぜ、こんなのがわからないのか」と聞かれて、
「あまりよく聞いていなかったから。」と言えば叱られて、
「頭がよくないから」と言えば、「言い訳ばかりをして」と叱られます。
どのような返答をしても、責められることがわかっている質問を、ダブルバインドの質問と言います。
このような質問を投げ掛けられた子供は、反抗心を沈殿させながら、鈍感の鎧を身に付けるしか、
なすすべがありません。

 中学受験の過程で、家族のコミュニケーションが深まりお互いを信頼しあえるようになることが
最良です。
ところが、中学受験のために親子げんかが増え、関係がぎくしゃくしてしまっている例を
無数に見てきました。

親子関係が子供のマインドを決定してしています。和やかな明るい親子関係を心がけてください。

 
 

小5小4で成績が中位 大切な学習内容

今回は、「小5小4で成績が中位、そして上がらずに困っている人」のついて、学習内容を書いて行きます。

家庭学習の優先順位は、普通
1 宿題
2 授業の復習
3 暗記
であることが多いのですが、これが実は間違いなのです。
理想は、
1 授業の復習
2 暗記
3 宿題
です。

復習主義の(今のほとんどの進学塾です)塾の宿題は、授業中にやった問題の類題が宿題に出ます。
授業が終わってまだあまり時間が経っていませんから、
「あの公式で解ける問題だ」とか、
「あれは割り算で解けた問題だ」
とかの記憶が鮮明です。
そのために、なぜその式を使うと答えになるのか、なぜ割り算なのかを理解しなくても、
正解が出てしまうことになります。
入試に向かう最終段階では、「問題を読んだ瞬間に使うべき公式が分かる」状態にする
必要があるのですが、そうなるためには問題パターンの本質をとらえる必要があります。
問題パターンの本質をとらえるには、「何が分かって」、「何を出す問題か」、
そしてその過程で「どんな考え方が必要なのか」を理解して、自分なりに分類していくことです。

この本質をとらえる時間を省略して、いくら類題演習を繰り返しても学力が向上しないのです。
近頃の御相談の大多数を占めるのは、
「頑張って勉強しているのに成績が上がらない」
「復習テストは出来るのに、総合テストになると点数が取れない」なのですが、
この原因が、本質を理解する事を省略しているからなのです。

塾の授業から帰ってきてすぐに、授業の再現をしてもらいたいのです。
原則は頭の中で行う作業です。
ノートとテキストを出して、問題文を読み、ノートの書き込みを見て、先生からどんな説明を聞き、
その時にどのように感じて、どのように納得をしたか、
これを思い返す時間が大切なのです。
これが授業の復習です。

始めは、お子さんを先生役に、親御様が生徒役になって、
「先生、この問題を教えて!」(親御様)
「エッヘン、それじゃあ良く聞いておくんだよ。これはね・・・・」(お子様)
このような場面を作っていただくのは、すごく効果的です。
ユーモアにあふれていますし和やかです。
 このような数問の復習によって、理解の幹ができあがります。
その後に宿題をやって欲しいのです。
 「こんなにたくさん宿題があるな!急がないと間に合わないぞ!早く終わらせなくっちゃ!
」このような心の動きが日常化してしまうことが一番危険な事なのです。

暗記を二番目に挙げました。これは理科や社会の学習についてです。
理科や社会の宿題は、ほとんど問題を解く事です。でも、問題を解く事は、
「必要な知識を覚えたかどうかの確認」にしか過ぎません。
特に小4小5段階では問題が単純な分、なおさらです。
まだ、覚えてもいないのに、確認をしても意味がありませんね。

必ず、覚えてから確認をするように学習の順序を修正してください。
そして、覚える前に、説明部分をしっかりと読む事も忘れずに実行して欲しいのです。
重要語句だけの暗記は、知識の離れ小島を増やすだけで、本格的な問題には対応できません。
文脈の中で理解して覚えた知識がテストで使える知識になります。

細かく見ていけば、お子さん一人一人、修正すべき箇所は異なります。
でも、上記の2つに注目していただくだけでも大きな効果がありますのでお試しください。

9月以降の学習(小5上位生編)

今回は、9月以降の小5生の学習についてです。
ある程度は出来るんだけれど、親御様としては何か物足りなさをお感じになっている。
このようなお子さんが多いのではないでしょうか。

今回は、実際に寄せられた御相談を例にしてお話ししたいと思います。

まさにある程度以上出来るお子さんです。
狭い範囲の復習テストでは点数が取れるのに、総合的な問題では点数が取れない。
どうすれば良いかという御相談です。

(御相談への返信)
○○塾の□□クラスとのこと、優秀なお子さまなのですね。
 
さて、○○テストでは点数がとれるのに組み分けなどの範囲の広いテストになるととれないという理由から
考えていきたいと思います。

小5段階で、上位クラス以外のお子さんなら、各回の理解が浅いことが原因のほとんどです。
 一方、上位クラスのお子さんの場合は高得点を目指すことになりますから、
上記の原因を払拭したとしてもなかなか満足できる点数には到達できません。
メールにお書きの通り、初見の問題への対応力が大切になってきます。

 この初見の問題への対応力をつけるには、授業中の演習で真剣に正答を目指す学習姿勢が
大切になります。
ところが、真面目である程度成績がよいお子さんたちの中には、かなりの割合で、
「授業中の真剣さや理解の不足を家庭学習で取り返す」タイプの学習を重ねている生徒が多いのです。
 この学習方法ですと、習った問題やよくある問題を完璧に仕上げることはできますが、
切り口の見つかりにくい問題や条件が複雑に絡まった問題では歯がたちません。

 小5の今は、初見の問題であっても、そんなに難しくはありません。
これが、小6の2学期になりますと、数段階難しくなります。
 それは、小5では、「この問題の解き方を知っていますか?」とか
「この知識を覚えていますか?」という趣旨での出題がほとんどなのですが、
小6の2学期の問題や上位校の入試問題では、
「この問題の解き方を見つけることができますか」という趣旨の問題が増えるからです。
 
ところが、お子さんに「授業中の演習は、真剣に正解を目指せ」と説教しても効果はありません。
お子さんなりの真剣さでがんばっていると感じていますから、
「ちゃんとやっているよ!」という無駄な反抗心を芽生えさせてしまいます。
 
解き方が見つからなかったときの基本動作(身体的なものや気持ちの作り方や自分への声かけ)を
身につけさせることが効果的です。
その基本動作の練習場として授業中の問題演習を利用するという考え方です。
 
1 問題を正面に置き直して、目と問題との距離を少し変えてみる。
 
2 問題を必ず読み直してみる。
 
3 「なにがわかっているか」を自分に問いただす。
 
4 「なにを聞かれているか」を自分に問いただす。
 
5 何を書けば解けそうに感じるかを自分に聞いてみる。
 
5年生段階では上記の5個になります。今は後半の3つが重要ですが、小6では前半が大切になります。
 
「この問題の解き方を見つけだすことができますか」という設問趣旨ですから、
見つけだしにくいようにノイズになると文章や言葉が入っていたりするからです。
 
なお、親御様がお子様の学習につきあわれる際は、できる限り説明しないことを心がけてください。
遠回しなヒントを与えるとか、お子様に説明させることを中心にしてください。
 
お子様の受験成功を心から祈っています。

 
小5の二学期以降に習う単元は、全て入試に直結する単元です。
そして、これまでに学習してきた知識があることを前提として設定されている単元が数多くあります。
ですから、初見の問題と言えども自分の頭の引き出しを探してみれば、
何らかの糸口が見つかるはずなのです。

「教えてもらうのを待つ」、「解説が始まるのを待つ」という学習マインドから、
「解説までに何とか解きあげてみせる」という意欲的なマインドへの変化が大切なのです。
 

小6 入試5ヶ月前からの学習方法

2学期の授業が始まりました。
小6は入試直前のまとめ授業に入りますし、小5は入試の直結する重要単元が目白押しです。
小4は、文章題が本格的に始まります。

(小6)
 日曜日の学校対策が本格的に始まります。また、週日の平常授業はいつも通り続いていきます。
そして塾によっては、土曜日にも授業が追加されています。
カリキュラムが、2つも3つも同時並行で進んでいくことも珍しくありません。
この時期に大切な事は、優先順位です。
一般的に、第一優先は日曜日の志望校別、二番目は平常授業になります。
第三番目の授業カリキュラムは、無視する方が良いこともあります。
例えば、ある塾の土曜特訓については、
「授業には参加するが、授業内で完結させて家庭学習に持ち込まない」、
または
「授業を欠席することに躊躇しない」。
このような思い切った方法を使う方が良いお子さんも多いのです。

この時期に大切な事は、
1 知識の総まとめをする。
理科や社会の知識は、それ自体が得点源です。
また、考え方や解き方も大切な知識です。
そして、何度も何度もチェックを繰り返すこと。
人間は忘れる動物です。
忘れてしまう事に嫌悪感や劣等感を持つ必要はさらさらありません。
「忘れる以上のスピードで覚え直していけば良いんだ。」と思ってくださいね。
これを、私は「知識のモグラたたき」と呼んでいます。

2 入試問題に添った長い文章の問題を落ち着いて読み解く訓練をする。
これまでに何度も書いてきましたが、小6の一学期までは、
「こんな知識を持っていますか?」
「こんな解き方を知っていますか?」という設問です。
ところが、入試問題は、
「この問題を解くための知識や考え方を見つけることが出来ますか?」
という問いが中心になります。上位校ならばなおさらです。

そのような問題では、
・文章が長い。
・「何が分かっていて何を聞かれているのか」(仮定と結論)を見つけ出す事が難しくなるように、
問題文にノイズ(わかりにくい言い回しや、必要で無い情報)が含まれている事が多い。
このような特徴があります。
一瞥してすぐに問題を解き始めるという習慣が身についてしまっているお子さんが、
「テストの時には間違ってしまったのに、家に帰ってきて解けばすらすらと解けてしまう」
という症状を示す理由がここにあります。

1の「知識の総まとめをする。」はスピーディーに。
2の「入試問題に添った長い文章の問題を落ち着いて読み解く訓練をする。」場合は、
じっくりと落ち着いて。
勉強のやり方や気持ちの作り方を変化させる必要があります。
この時期には、「じっくり落ち着いて」が出来ないお子さんが多いのです。

志望校の過去問演習がそろそろ始まります。
これを「じっくり落ち着いて」勉強する材料として上手に利用してあげてください。

小5と小4については次回以降に書いて行きます。

中学以降の学習(2)

中学受験の学習を通して、間違った学習方法を身につけてしまった場合の修正方法について
書いていきます。

間違った学習方法とは、
1 何から何までお膳立てが出来ていて、学習の工夫をする習慣を身に付ける事が出来なかった。

2 学習内容を納得せずに、丸暗記で過ごしてきた。

この2点に集約されると思います。

中学受験においては、学習のプランニングの大筋は親御様の方でやるべきです。
それは、優先順位をつけて、必要なものから順にやっていくことが子供には難しいからです。
時には、塾で出された宿題を無視してまで必要な事柄を優先しなければいけない事もあります。
そのような場合は、塾の先生の強制力に勝る親御様の強力な指導が必要になりますね。

でも、細部の工夫はお子さんの役目です。
 「まずノートを見ないで解いて、分からなかったものについてノートを見よう」とする方が効果的なのか、
「授業ノートをしっかり見直した上で、解き直しをする」方が効果的なのか。
このような事をお子さん自身が判断すべきなのです。
だいたい理解出来ていることなら、まず解いて見る事から始める方が良いでしょうし、
難しいと感じていることなら、ノートの復習から始める方が得策でしょう。
「だいたい分かった」とか「難しくててあまりよく分からなかった」というような
自己判断から始める学習の工夫をしてきたのか、
それとも、いつもいつも同じ方法で機械的に繰り返してきたのかの違いです。
 この工夫の無い学習を、「自己判断の無い、質より量を重視した学習」とでも名付けましょうか。
 
一方で、「納得の無い、質より量の学習」もあります。
なぜかは分からないが、とりあえずこの方法で解けば正解が出る。
とりあえずそれを覚えてしまおうという心の動きに従ってしまう学習です。
「とりあえずの暗記学習」とも言えます。
ところが、高校の数学になると、三角関数の公式だけでも10個以上あります。
2~3個の基本公式だけを身に付けておいて、他の公式を自力で導き出せるようにしておけば
負担は少ないのですが、10個とも覚えておこうとする生徒が多いのです。
これは物理においても言えます。
なぜかを理解して、公式の意味と導き出し方を理解しておくと、覚えるべき公式の数は
1/4以下に出来ます。
 「とりあえずの暗記学習」が、日本の子供たちの理系教科の学力低下の原因の一つだと
私は考えています。

ところが、大学入試において国立大学の理系に進学しようとすれば、
5教科7科目のセンター試験で高得点をとらなければいけません。
医学部ならば9割以上必要です。
朝から晩までの長時間学習をしても、この方法では決定的に時間が足りません。

また、別の難しさもあります。
それは、算数から数学への学習法の変化です。
中1で習う1次方程式の文章題は、実は算数でいとも簡単に解けてしまいます。
食塩水の問題でも、てんびんや面積図で数秒です。
方程式を使うと、立式と計算で1~2分かかることになります。
ところが、この時期に算数を禁じ手にして、方程式に慣れておくことが大切なのです。
今後難しくなる数学を解くための道具(方程式)の使い方を訓練すべき時期です。
ですから、中学入学後1年間は、多量の計算練習が大切なのです。

 このように、時期によって目標が異なります。
1 基礎訓練の時期(中1・2)
2 応用力を身に付ける期間(中3・高1)
3 得点力を身に付ける期間(高2・高3)

この2回で書いてきたことを覚えておいていただいて、お子さんに時期に応じたアドバイスをしてあげてください。

塾の予習は本当に不要?(その1) 「テストでミスを多発する子は、普段の演習問題での正答率も低い。」

近頃の先生方とのミーティングは、私のその時々の興味に添って話し合っています。
この方法は、私の独りよがりにすぎないのではないのかという自問自答を繰り返してきました。
幸いなことにそうではないようです。
参加してくれている先生方の活発な発言を聞いていると、私が近頃疑問に思ったり、
悩んでいたりすることがかなり重複していることが分かってきたからです。

またまた、そのミーティングでの話です。
「テストでミスを多発する子は、普段の演習問題での正答率も低い。」
という話になりました。
決して他の子に比べて理解力が劣っているわけでもない、計算力が低いわけでもない。
それなのに、テストでいろいろなミスを連発する。こんな子が近頃大過ぎないかというわけです。
確かに、そう言われればこれまでミスを減らすために効果抜群だった方法が、
どうもうまく働かない子が出始めてきました。
そのような子は、確かに演習で間違うことに対して頓着していないようです。
塾の授業中の演習では、「間違っても、この後の解説を聞いて理解すればいいや。」
と思い込んでいるように感じますし、そのような気持ちで解く事が習慣になってしまっている
ようにも感じます。
 
間違うことに慣れてしまう。間違うことが習慣になって、たくさん間違うことが普通の状態になっている。
それは、正しい答えを出すことよりも、終わらせる場合によっては答えらしいものを書くことが
大切な目的になってしまっていることです。

100点のテストで60点をとる場合、解答欄を全部埋めて60点の子供と、
解答欄の70点分を埋めて60点の子供と、どちらが今後伸びていきやすいと思われますか?

家庭教師の立場からすると、70点分を埋めて60点の子供の方が上げて行きやすいのです。
正しい答えを出すことに執着してくれていますから、インプットを手助けするだけで
順調に伸びていってくれからです。

 「今の受験勉強は、間違いだらけの解答を出す訓練を続けてしまっている子が多くなりがちだ。」
発言してくれた先生は、このような意味で問題提起をしてくれたわけです。

読み物から得る理科社会の知識

麻布中学を筆頭に、渋幕や渋渋、時には海城や学習院女子には、子供たちにとって始めて
見聞きする内容が入試に出題されます。特に理科や社会に目立っています。

これらの初見の問題は、長い説明の後で設問があり、その後にまた説明の文章が続
きそして設問・・・。このような問題構成となっています。
内容は、ほとんどの小6生が、過去効いたことも見たことも無いような
現象や知識や考え方についてのものです。
これらの問題を解くためには、長い説明文を正確に読み取り、過去の経験や学習したことに
照らし合わせて考えていくことが必要です。
説明の文章を丁寧に正確に読み取ることが出来れば、その中に解答が隠れている
問題とも言えます。

でも、これは誰にでも出来る事ではありません。
普通の入試問題や塾の試験では高得点が取れるのに、いわゆる麻布傾向の問題では
さっぱり得点できないというお子さんが多いのです。
説明内容を正確に読み取り、自分の過去の経験値に照らし合わせて
考える事が出来るためのいくつかの素養が必要だからです。

それは、下記の3つになります。
1 いろいろなおもしろい現象があるんだなと感じ取ることが出来る。
2 それらの現象には、必ず原因があるんだなと感じることが出来る。
3 現象を知ったり、原因を理解する事に楽しさを感じることが出来る。

これらのいわゆる「知的好奇心」は、どの子供の中にもあります。
初めは眠っている知的好奇心も、適切な刺激を与えられると急激に活性化します。
日常生活でいろいろな経験を重ねること。
どういうことに「不思議」が隠れているのかのアドバイスやヒントを与えてもらう事。
読み物を通じて、不思議に出会うこと。
これらのことが大切になってきます。
特に入試問題への適応力については、活字から情報を得る練習が不可欠ですから、
何を読ませるのかが重要です。

何を読ませたら、不思議を感じる能力が育ち活字からの情報収集力が高まるのか
というご相談を多くの方から頂きます。私の知っている範囲で書いてみますと。

・朝日小学生新聞
・読売KODOMO新聞
・毎日小学生新聞
・ジュニアアエラ(月刊)
などがあります。

ジュニアアエラなどは、一つの項目についての記載分量が多く、大人でも楽しく読めます。
最新の知見も何気なく入っていますから、入試には有利に働くと感じています。

金環日食をご覧になりましたか

金環日食をご覧になりましたか。

私も、6時過ぎに起き出して近所の公園で観察しました。

太陽の右上が欠け始めてから40分ほど経ってやっと金環食に、
それから40分ほど経って普通の太陽に戻りました。

近所の公園では、小学生や幼稚園の子供たちが親と一緒に観察していました。
理科の知識は体験によって確実に補強されます。なぜだろうという疑問も起こり、
それが知的好奇心につながっていきます。

この子供たちは、今後学校で日食を習うときに、
「そういえば何年か前に見たことがあるな」
と思い出し、そのことで学習の能率があがり、深く理解する事が出来るはずだと思います。

その観察されている様子を興味深く見ていたのですが、大きく二つのタイプに
分かれているようでした。

一つは、お父さん(お母さん)自身も興味津々で、
「あっ欠けてきたわ!太陽の右・右よ!」
「今リングになった~!」
「リングが切れちゃった~」
と子供たちと楽しんでいるタイプ。

もう一つは、ただ黙って子供たちに付き添っておられるタイプです。

人の記憶力は、活字の意味情報だけを単独で大脳に収納するよりも、画像情報や
音声情報そして嗅覚の情報と共に収納する方が強化されるものです。

あのときのお母さんは楽しそうだったなとか、
公園の脇に植えてある花の良い匂いがしていたなとか、
得意げに日食の起こる理由を公園の地面に書いて説明してくれた、
あのときお父さんの声が優しかったな。
このような周辺情報と共に呼び起こすことが出来る知識は忘れにくいのです。

このような自然のイベントを観察するチャンスは多くはありません。
次の6月6日に起こる金星の太陽面通過も是非お子さんと一緒に観察してください。
そして、そのときにはお子さんと一緒にはしゃいで楽しんでいただければと思います。

「もう勉強なんかしたくない!」(2)

子供が塾のテキストを破り捨てたり、「もう勉強なんかいやだ!」と言って部屋にこもってしまったりする、
このような相談は意外に多いということを前前回に書きました。

そして、そのようになる共通の状況があるように感じるのです。
それは、「身の丈以上の学習を強要されている。(と子供がいつも感じている)」事です。
親は子供のためを思い、このぐらいはやって欲しいと要求し、
塾はこの程度の質量はこなしてくれないと困ると思い宿題を出します。
それを子供がやっとの思いでやり終わった時に、親御さんがこのような言葉かけを
続けていたらどうなるでしょうか。

1)「何、そのやり方は。間違いだらけじゃないの。そんな事をやっているから成績が上がらないのよ!」
2)「宿題が終わったら、すぐにテスト直しをしなさい。ゆっくりしている時間は無いのよ!」
3)「宿題だけやっていて良いと思っているの。テレテレやっているから社会の暗記時間が無くなってしまたじゃないの!」

たぶん、大人だっていやになってしまいますね。

「たくさんの宿題を頑張ってやったね。大変だったね。」から話し始めてあげたら子供の気持ちは
どのように変化するでしょうか。
ねぎらいの言葉を充分にかけてから、
「頑張ったことは分かるんだけど、慌てすぎてあちらこちらに間違いがあるみたいね。
間違い直しまで今やれたら、もっと気持ちがすっきりすると思わない?」
というような言葉をかけてもらった子供は、テキストを破り捨てたりしないものです。

中学受験の勉強は、この年齢の子供たちにとって各自のキャパシティーの限界近くまで
頑張るべき時期もあります。
ところがそのキャパシティーは子供たちの気持ちや感情によって大きく変化します。
たくさんの勉強をやった後でも、「すごく頑張ったね。」と褒められれば、もっと頑張ってみようという
気持ちにもなります。

同じ量の勉強をしていても、それを過剰な負担と感じる子供がいる一方で、平気な子もいます。
ストレス耐性が高い子供になってもらうために、子供への言葉掛けに一工夫をお願いしたいと思います。

明日から、小6の連休特訓に参加する人たちへ

大手塾を始めいろいろな塾で明日からGW特訓が開講されます。
その塾に通っている限り、なかなか不参加を申し出ることは出来ないものです。
塾に言われるままいつの間にか参加することになった人も多いのではないでしょうか。
 どうせ参加するのであれば、効果が出るように上手に利用してくださいね。

 どの塾でもこの時期のオプション授業は、「早い時期に入試問題に慣れる」事を目的にしています。
ある塾では、「入試問題を解かせて、君たちにショックを与えることが目的だ。」との説明すらありました。
これはあながち嘘では無いのです。

 普段、細かくパターン分けされたカリキュラムに従って授業を受けている最中ですから、
入試問題のような、いろいろなパターンを組み合わせた問題や、無闇に文章量が多い問題は
学習していません。
いきなり、明日からのGWの特訓でそのような難問や複雑な問題に挑戦することになります。
いつも自信たっぷりに学習している人にとってはこれまでの学習を見直す良いチャンスです。
ところが、毎週のかりカリキュラムをこなす事でいっぱいいっぱいの多くの子供たちの場合は、
自信喪失を招く危険を考えておく必要があります。

GWの特訓に参加する子供たちには、
1 難しい問題が出来なくても大丈夫。
2 複雑な問題の解説を最後まで粘り強く聞くための訓練だと分からせておく。

そして、授業の後の復習はやらせすぎないようにお願いします。
授業内容を完璧に復習させようとすると膨大な時間がかかります。
2~3問だけをピックアップして、解く過程を丁寧に振り返るような復習をお願いします。
せいぜい1時間が目安です。

GWの特訓に参加しない人たちにとっては、弱点対策のチャンスです。
一番苦手な単元を中心に復習してください。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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