今回は、9月以降の小5生の学習についてです。
ある程度は出来るんだけれど、親御様としては何か物足りなさをお感じになっている。
このようなお子さんが多いのではないでしょうか。

今回は、実際に寄せられた御相談を例にしてお話ししたいと思います。

まさにある程度以上出来るお子さんです。
狭い範囲の復習テストでは点数が取れるのに、総合的な問題では点数が取れない。
どうすれば良いかという御相談です。

(御相談への返信)
○○塾の□□クラスとのこと、優秀なお子さまなのですね。
 
さて、○○テストでは点数がとれるのに組み分けなどの範囲の広いテストになるととれないという理由から
考えていきたいと思います。

小5段階で、上位クラス以外のお子さんなら、各回の理解が浅いことが原因のほとんどです。
 一方、上位クラスのお子さんの場合は高得点を目指すことになりますから、
上記の原因を払拭したとしてもなかなか満足できる点数には到達できません。
メールにお書きの通り、初見の問題への対応力が大切になってきます。

 この初見の問題への対応力をつけるには、授業中の演習で真剣に正答を目指す学習姿勢が
大切になります。
ところが、真面目である程度成績がよいお子さんたちの中には、かなりの割合で、
「授業中の真剣さや理解の不足を家庭学習で取り返す」タイプの学習を重ねている生徒が多いのです。
 この学習方法ですと、習った問題やよくある問題を完璧に仕上げることはできますが、
切り口の見つかりにくい問題や条件が複雑に絡まった問題では歯がたちません。

 小5の今は、初見の問題であっても、そんなに難しくはありません。
これが、小6の2学期になりますと、数段階難しくなります。
 それは、小5では、「この問題の解き方を知っていますか?」とか
「この知識を覚えていますか?」という趣旨での出題がほとんどなのですが、
小6の2学期の問題や上位校の入試問題では、
「この問題の解き方を見つけることができますか」という趣旨の問題が増えるからです。
 
ところが、お子さんに「授業中の演習は、真剣に正解を目指せ」と説教しても効果はありません。
お子さんなりの真剣さでがんばっていると感じていますから、
「ちゃんとやっているよ!」という無駄な反抗心を芽生えさせてしまいます。
 
解き方が見つからなかったときの基本動作(身体的なものや気持ちの作り方や自分への声かけ)を
身につけさせることが効果的です。
その基本動作の練習場として授業中の問題演習を利用するという考え方です。
 
1 問題を正面に置き直して、目と問題との距離を少し変えてみる。
 
2 問題を必ず読み直してみる。
 
3 「なにがわかっているか」を自分に問いただす。
 
4 「なにを聞かれているか」を自分に問いただす。
 
5 何を書けば解けそうに感じるかを自分に聞いてみる。
 
5年生段階では上記の5個になります。今は後半の3つが重要ですが、小6では前半が大切になります。
 
「この問題の解き方を見つけだすことができますか」という設問趣旨ですから、
見つけだしにくいようにノイズになると文章や言葉が入っていたりするからです。
 
なお、親御様がお子様の学習につきあわれる際は、できる限り説明しないことを心がけてください。
遠回しなヒントを与えるとか、お子様に説明させることを中心にしてください。
 
お子様の受験成功を心から祈っています。

 
小5の二学期以降に習う単元は、全て入試に直結する単元です。
そして、これまでに学習してきた知識があることを前提として設定されている単元が数多くあります。
ですから、初見の問題と言えども自分の頭の引き出しを探してみれば、
何らかの糸口が見つかるはずなのです。

「教えてもらうのを待つ」、「解説が始まるのを待つ」という学習マインドから、
「解説までに何とか解きあげてみせる」という意欲的なマインドへの変化が大切なのです。