カテゴリー: 小6向けアドバイス Page 10 of 13

御三家を目指す方々に(3)

□悩み方が間違っていませんか(3)□
 
先週は、
入試直前の5~6ヶ月は、知識の収納のされ方が下記の三つのうちどの状態かを
見極めることが大切だということを書きました。

・既に覚え込んで定着している知識や解き方。
・過去に学習し一度は定着したが今は曖昧になってしまったもの。
・記憶からたぐり寄せることが不可能になってしまったもの。

でも、これは御三家レベルの問題の中での基礎から標準レベルの話です。
100点満点で50~60点の配点に当たる部分です。
この部分で確実に40点から50点を獲得することが合格の必要条件です。
その上で、いわゆる御三家らしい問題(初見の難問)への対応力を身につけていく
必要があります。

進学塾の指導は、授業という形式で問題解説が中心です。
問題の解き方の解説という一方通行の指導です。
ところが、入試本番で始めて見る問題を解く力が、過去の問題の解き方を習うことで、
解く力が身につくわけがないのです。

大切なのは、「気づく力」、「自分の頭で考える力」です。
首都圏で出題される問題は、初見の難問といえども、よくよく考えてみると
何らかのパターンを踏襲しているか、何種類かのパターンの組み合わせです。

「題意に基づいて、少し作業をしてみる。まだ解き方が分からない。
もう少し作業を進めながら、過去に習ったパターンの何が使えそうかを
必死で見つけ出そうとする。」
このような過程を経てやっと正しい解き方に近づいていけるのです。

ところが、塾の授業は、
「これは、難しいんだ。ダイヤグラムを書いて、この部分の速さと時間の逆比を使うと、
この部分の速さが求まり、それとこれの速さと距離で鶴亀算を使うと、
ほら、答えが出るだろ。」

大概はこのような流れで授業が進んでいきます。

ダイヤグラムを書く方が良いと気づくこと、
ダイヤグラムを書いた後、速さと時間の逆比が使えること、
その後速さの鶴亀算が必要な事。
この3点全て作業を進めながら、子供たち自身が考えつかなければいけないのです。
どのようにしたら、次の一手が見つかるのかが大切なのであって、
次の一手を教えてもらう事ではないのです。

大手進学塾の小6二学期の志望校別日曜特訓の教材は、該当校の過去の問題や
類似問題を、日本全国の中学校の入試問題10数年分からピックアップして作られています。
それらをもれなく多量にこなす事によって、初見の問題を減らすことを意図しているのです。 
この方向性の学習も確かに必要です。
でも、膨大な問題をこなさなければいけない事とそれを忘れてはいけないことが、
大きなハードルです。
それでも、来春出題される問題をz全部当てることはほとんど不可能です。

宝くじに当たるために、宝くじを全部買い占めることを目標にしているようなものだと
思われませんか。
 
必要なのは、入試本番の試験時間内に、自分自身が次の一手に気付く事です。
パターン的な解き方を使うのだけれど、どのパターンを使うのかを見極める力が
ものをいうことになります。
 このような力を養う上で大切な事は、

・気持ちの余裕を持って問題に取り組む事。
・「僕には解けるはずだ」という強い自己肯定感を持ち続けること。
・条件(仮定)をしっかりと把握すること。
・まず、何かを書き始めること。
・書き始めて、これじゃあうまくいかないと感じたら、次の方法に移ること。

多量の問題の繰り返し学習を真面目にやり続けてきた子供たちは、
このような学習を苦手にしている事が多いのです。
御三家志望者の半数以上が、初見の問題に弱いと困っていらっしゃるのではないでしょうか。

・学習プランを単純化して、お子さんの精神的な安定を図る。
・大丈夫だよ。君なら解けるよと励まし続ける。
・解き方を熟知している者が、「何が分かっていて何が求められているの」と質問してあげる。
・「まず、何を書けば良いと思う?」と質問して上げる。
・解き方を熟知している者が、「その方法で、次に何が求められそうかな?」
「何か、他の方法に気がつかないかな?」とタイミング良く言って上げる。

このような事が出来れば、「気付く」力を高めることが出来ます。
親御さんが出来る事と信頼できる第3者(家庭教師や個別指導)に任せることを
分けて考えるべき時期に入ってきたと言えます。

そして、その第3者は本当に信頼に足るかどうか、の判断は、親御様の一番大切な役割です。
 

御三家を目指す方々に(2)

□悩み方が間違っていませんか(2)□
 
先週は、
これまで、上位クラスをキープしてきた子供たちは、「インプットの達人」であること。
そして、御三家レベルを目指すためには、
「頭脳の引き出しから、この問題を解くために必要な知識を探し出す意欲」
が、必要だというお話をさせていただきました。

今回は、その続きです。

「集団塾のメリットは、カリキュラムがしっかりしていることだ。」
このことは、折に触れお話ししてきましたが、ここで少しまとめておきましょう。
カリキュラムとは、下記の3つです。
1 授業の進行表
2 授業の進行表に伴う教材
3 授業の進行に従って行われる授業の理解度をチェックするテスト

カリキュラムがしっかりしている塾に通っている場合は、授業を受けているだけで、
入試に必要な単元や項目がもれなく、しかもオートマチックに学ぶことが出来ます。
これはこれですごいことなのです。
長年の入試問題の分析によって度重なる改訂努力を継続してきたその塾の宝物です。

そして、塾は、「解き方」を教えてくれます。
それも、研究され尽くした優れた解き方を提示してくれます。
ですから、「インプットの達人」は、授業をしっかりと聞き、家に帰って解き方を覚え込むことで、
理解度をチェックするテストでよい点数が取れてきたのです。

ところが、学習単元が一巡し終わった7月以降は、1週間の学習項目が飛躍的に
増えることになります。

小6の夏期講習はどの大手塾も約30日前後あります。
40日ある夏休みのほとんどを使うことになるのですが、
この30日で小4から小6の一学期までの2年半に習ってきたことのほとんどを
復習することになります。
(夏休み明けに行われる学力テストが、志望校合格に向けて試金石として利用される
理由です。)
また、二学期中に再度全ての単元を復習することになります。
この時期の1週間の学習範囲は小6の一学期までの5倍から10倍になります。

それまで、1週間または1ヶ月単位で確実にインプット出来ていたとしても、これほどに
ハイペースになってくると、普通はうまくいかなくなるものです。
一度は習った内容の復習ですから、もし100%覚え込んでいるならば全く問題は生じません。
ところが、忘れていることが想像以上に多いのです。

長年受験生を教えている私たちでも、小6の二学期には、
「え~、これを忘れちゃったの!」
という、言うべきでは無い台詞が口をついて出てしまうことがあります。
各塾の最上位クラスの生徒ですらそうなのです。

入試直前の5~6ヶ月は、
・既に覚え込んで定着している知識や解き方。
・過去に学習し一度は定着したが今は曖昧になってしまったもの。
・記憶からたぐり寄せることが不可能になってしまったもの。
この3つを上手に分類して学習をしていく必要があります。

概して、始めて学習したときに、
「あまりよくわからないけれど、とりあえずこの方法を使えば正解が出るんだな」
という学習をしてしまった単元や項目は、
「記憶からたぐり寄せることが不可能」
になっている事が多いようです。

また、解き方の順序をちゃんと理解できたもののなかで、始めてそれを習ったときに、
「はじめから終わりまでその筋道が理解でき、理解の過程で、『おっなるほど!』という
気持ちの変化(はたと膝を打つような気持ち)を体験できた項目」
の多くは、既に定着してテストに使える知識や考え方になっています。

ですからこの時期に必要な学習は、
「今必要なその知識が、上記の3つのうちのどの状態で頭脳に収納されているのか」
を見極める事から始める必要があります。

今は使えなくなってしまっている知識や考え方については、
『おっなるほど!』(はたと膝を打つような気持ち)
を体験させる事が理想です。

また、「理解度の3種類」は、確かに個人差が大きいのです。
しかし、その子の今考えていることに寄り添うようにして教えている場合には、
ほとんど予感が的中します。

「とりあえず正解は出せるが、『なぜそうなる?』と聞いてみれば、間違った説明をするはず。」

「知識は曖昧になっているが、その周辺部分で軽くヒントを出してやれば、『おっ』と叫んでから、
得意満面に解き始めそうだ。」

「この問題は正解できるし、説明させればちゃんと言える。
でも、この条件をこのように変えると多分見事に引っかかる。」

私自身のことを振り返ってみると、子供を教えているときには、
このような事をいつも考えているように感じます。
また、私たちのグループの先生方も同じなんだなと、毎週の勉強会で感じます。

手前味噌ですが、「その問題を前にして、子供の理解度について仮説を立て、子供の反応からその仮説の真偽を確認できる」事が、本当のプロの講師(個別指導や家庭教師というパーソナルな講師)だと考えています。

2学期志望校別日曜特訓 資格テスト対策の追い込み

小6生は、このGWが終われば各塾で保護者会が開かれ、その後7月には2学期志望校別日曜特訓の資格試験が実施されます。
 これまで何度かお話ししてきましたが、上位校合格に向けて、2学期日特つまり志望校別日曜特訓で志望校の該当コースに入れるかどうかが大切なのです。御三家合格者数の50%以上も占めているサピックス生でさえも、コース資格が取れなかったお子さん方の合格数はほとんどありません。しかも、同じコースで複数以上のクラスがある場合、クラスによる合格率は明らかに差があります。
 開成1組での合格率はは70%、開成2組では20%ということが普通です。つまり1組は1軍、2組は2軍ということになってしまっています。同じコースならば1組の資格を確保して頂きたいのです。
 この資格テストは公開テストと同様全範囲からの出題となりますから、復習が欠かせません。少なくとも6年生はじめ(5年の2月)からの総復習が必要になります。
下記に各塾の資格試験に向けてのポイントをあげておきますので参考にして頂ければと思います。

サピックス ・算数ではCランクを完璧に。(DEランクは余裕があれば)
              (開成・桜蔭ではCDランクを完璧に)
            ・国語の記述問題の練習(何とか書いて空欄にしない練習)
            ・理科、社会は、マンスリーの復習が有効

日能研   ・算数では過去半年(2月以降)のカリテ共通問題の取りこぼしの復習が有       効
      ・理科、社会はカリテの見直し。苦手単元の問題練習は栄冠テキストで。

四谷    ・週例テストの取りこぼしを見直した後で、月例テスト過去問題集で6月7       月分を解く。

早稲アカ  ・志望校の過去問を2年分は解いておく。
       (NN志望校別の資格試験は、過去問から半分は出題される)

 このような学習の追い込みはGWが明けたら早速始めてください。また、GW特訓が無い日能研生の場合は、GWこそが学習のチャンスだと言えます。

直感的で雑なとき方はミスのもと!

□考え方の課程を書き残す大切さ□

少し前にこのようなご相談をいただきました。
「うちの子は、頭は悪くないと思うのですが、算数の問題を直感で解いてしまってよく間違えます。特に学年が上がってからそのような間違いが増えています・・・。」

小さい頃から頭が良いお子様に多いことですね。
小3や小4までは、頭の中でさっさと答えが出せてしまう。家の人や塾の先生からは、式や図を書けと言われているけれど、そんなことをしなくってもちゃんと正しい答えを書けているんだから・・・。と感じていたはずです。ところが、内容が高度になると直感だけでは解けなくなります。目の付け所はさすがと思わせる部分があるのですが、最後の詰めで間違えたり、大切な条件を使わなかったりして間違ってしまうことが増えます。

塾内の成績は真ん中以上で、しかも伸び悩んでいるというお子さんの場合は、至急ノートやテスト問題に残った計算や式の跡を調べてみてください。
その際は、「この式でこれを出そうとしているんだな。」「この計算は、あれを求めようとしているんだな、そうするとその先のあの計算がどこかにあるはずなんだが。」このように見ていく必要があります。
 このように、「これから考え始めたら、こうやってからああやるしか正解にたどり着けない」ということが分かっている必要がありますから、調べる側の力量が問われることになります。小6の難しい内容を分析できる親御様はほとんどいらっしゃらないのですが、小5ならば、親御様の方でも充分に分析していただけるものと思います。
 そんなことに関わっている時間は取れないという方の場合は、信頼できる第三者(力量ある家庭教師や個別指導)の出番と言うことになります。

 ここまでは、ちゃんと考えたんだな、でもこの先で、「たぶんこうなるだろうと思ってこの数字にしたんだな」。このような事が見えてきます。その時に、
「なんで、こんないい加減な事をするの!だから間違うのよ!」と叱ってしまうのは、ちょっとお待ちください。
 お子さんは、これまでそうすることによってほどほどの成績を取り、叱られることもなくやってきたはずです。なぜ、いけないのかすら分からない状態のはずなのです。
「ここまではよく考えたね。ここまでしっかりと考える事が出来たんだから、その先もしっかりと考えたら出来たね。惜しかったね。」と話し始めることからお願いします。
 何事もそうですが、「もうちょっとだけ努力すれば出来そう」と思うことができることにしか努力できないのが子供(大人もそうですが)です。
 その後、「このときに、自分に、『本当にそうかな?』『絶対大丈夫?』と問いかけてみる事をしてごらん。あなただったら、正しいことをすぐに見つけることが出来るはずよ。」このように話して上げてください。
 自分に問いかける習慣を身につけさせることと共に、考えてきた事の過程を書かせることも是非お願いします。論理的な思考を高める事が目的なのですが、お子様には分かりませんから、麻布や開成の「考え方や式」の欄がたくさんある入試問題の解答用紙を見せて上げてください。「ここに、採点者が分かるように書かないと点数がもらえないのよ。」とおっしゃれば良いでしょう。

入試本番 最後の1分1秒まで頑張れ

今日(2月1日)このブログを打っている今、教え子たちが入試を受けています。

A君:問題文を最後までしっかりと読むんだよ。「ただし・・」とあれば、そこに下線を引くんだよ。
B君:計算は読みやすい数字で書くんだよ。無理な暗算はしないようにね。
Cさん:主語と述語の関係に注意して、記述問題に取り組むんだよ。
D君:答案用紙には丁寧な字を書くんだよ。計算の数字はピンピンと跳ねないように。
Eさん:解けない問題に執着しないようにね。三分経ったら次に問題に移ろうね。
F君:弱気の虫が顔を出さないようにね。

気に掛かる子供たちの顔が、次々に浮かびます。
付き合った期間は、2年間・1年間・たった6ヶ月間とさまざまですが、濃密な時間を持てたと思います。その間に特に注意してきたことは、子供たちに受け身の学習をさせないことでした。教え込むことは簡単です。「これがこうなって、あれを使うとこうなって、ホラ答えだよ。分かった?」「うん。」というように分かった気にさせることはいとも簡単なのですが、それではテストで点数が取れないのです。
 子供たちに、「ああ、なるほど」という感覚をわき上がらせることと、自分で考えて気がついたと感じさせることに力を注いで来ました。暗記ばかりの学習で疲れて暗い表情になっていたお子さんも、生き生きと明るくなってくれました。そのような変化が確実に点数アップにつながります。勉強のやり方を変えることで、気持ちが変わり、気持ちが変われば、勉強の仕方がより良くなってきます。
 誰でも、どんな成績の子でも、伸びる才能を持っている事を再確認できた1年でした。

教え子たちよ、最後の一分一秒まで頑張れ!
 

合格発表直後

 埼玉や千葉など、既に合否が出た方もいらっしゃるでしょう。そして、今後2月1日の入試に向けて、ラストスパートをかけている受験生も多い事と思います。
そして、2月4日頃にほとんど全ての受験が終了し、合格と不合格の判定が厳然とあるのが現実です。

 
□合格していたとき□
 これまでの努力を、精一杯ねぎらって上げてください。その後、「中学校に入っても頑張ってね!」と言う言葉を必ずかけて上げてください。
 中学校に合格すると、これまでの受験勉強から解放されると思い込み、それを意欲の糧にして頑張ってきたお子さんも多いはずです。そのようなお子さんの中には、もう勉強しなくて良いんだと勘違いしてしまうお子さんがいるのです。勉強は一生続くものです。中学受験の勉強は確かに厳しいものでした。でも、一生続く勉強はまだ始まったばかりなのです。
 「中学校に入っても頑張ってね!」という言葉に、あなただったら中学校に入っても楽しく頑張っていけるわ、という気持ちを込めて励まして上げてください。
そして、数日は思いっきり遊ばせてやってくださいね。その間に、お子さんと一緒に本屋さんに行かれて中学校の参考書や問題集を買ってこられるのも良いことです。

□不合格だったとき□
 受験倍率が、3倍を超えるような中学校の合格発表は、異様な雰囲気に包まれます。掲示直後の喧噪が数分続いた後は、所々で散発的に起こる歓声と、うなだれるお子さんを抱き寄せて励ましている親子のたくさんの島ができあがっています。その島は、じりじりといつの間にか校門に向かい、視界から消えていきます。
受験倍率が3倍の場合は、300人受験していれば200人が不合格になるが現実です。喜んで歓声を上げることが出来るお子さんの数倍のお子さんが、うなだれて帰って行くことになります。
 このようなときの、お子さんへの声かけは、親御様にとっては一番つらいものです。でも、このときの親の一言はお子さんの脳裏に強く焼き付くものです。

 親御様自体も、悲嘆にくれ、1人だったら泣きたい気持ちをグッとこらえ、何とかしてお子さんを励まさなければと思えば思うほど言葉が出てこない、そんな場面に何度も出会ってきました。
 合格掲示に自分の受験番号が無いのを分かった直後の、気持ちの高ぶりと落ち込みの大きな波が過ぎ去った後で結構ですから、明るい声かけをお願いします。
「シクシク」(お子さん)
「次頑張ろうね。」(お母さん)
「次って、もう受験終わっちゃったよ。」(お子さん)
「もうあなたは、受験しないつもり。高校も大学も。」(お母さん)
「そんなつもりはないけど。」(お子さん)
「そうよね。次に頑張りなさいって神様が言ったんだと思うわよ。あなたは、くじけずに頑張れる子だから。」(お母さん)
「神様は不公平だね。」(お子さん)
「そうね。でも、受験生が多くて神様も大変だったと思うわよ。」(お母さん)

このような声かけを是非ともお願いします。

入試前日と当日の朝の過ごし方

いよいよ入試が始まりました。埼玉県では12日から、千葉県では20日から多くの学校で入試が始まります。そして、2月1日には都内の入試が始まります。

 

 入試前日は、お子さんももちろんのこと、親御様も緊張感が高まっているものです。適度な緊張感であればよいのですが、過度な緊張感は良くありません。

 

□過度な緊張をほぐすために□

 

 軽い運動や散歩を取り入れてみてください。男子ならば、お父様とキャッチボールをしたり、サッカーボールを蹴るのも良いでしょう。女の子なら、犬の散歩をお母様と一緒にしたり、お買い物ついでに散歩をしたり。

 落ちたらどうしようと暗い気持ちになったと直後に、受かったら何をしようかというような思いが頭をもたげてきたりと、そわそわと落ち着かない思いをしているはずなのです。一瞬でも良いですから、明日の入試の重圧を感じる事がない時間を作ることが出来れば最高です。

 

 また、親御様との会話も大切ですね。

「明日は、頑張ってね。」の繰り返しになりがちなのですが、これがお子様の緊張感を無闇に高める事になります。

「問題文を落ち着いて読んでね。それさえ出来れば大丈夫よ。」とさらっと言ってあげてください。

 

□前日の学習は、「合格の予感の再確認」のため□

 

 「あなたは、○○の単元が苦手だから、今日中にこれをやって、それが終わったらあの暗記をやって・・・・。」

 このように、直前まで苦手単元の学習をさせるのは良くありません。切羽詰まった苦手単元がある場合以外は、基礎事項の確認と暗記知識の確認、そして計算問題の手順の確認を中心にお願いします。

「3ヶ月前に比べると、解き方を思い出すのが早くなったね。」

「苦手だった室町時代は、もう大丈夫ね。」

「正確に答えを出す習慣が身についたのね。」

このような声かけが、お子様の子持ちを落ち着かせます。

 

□当日の朝は□

 

 余裕を持って早めに起きるのは当然ですが、そこでやることもルーティーンの確認です。

・少し複雑な四則混合計算を1?2問解いてみる。

・少し難しい説明文を、傍線を引きながら1?2段落だけ読んでみる。

この程度の軽いウォーミングアップで済ませてください。

 「入試問題が、その日に始めて見る活字」になるのは良くありません。

 

お子様方の受験成功を心から祈っています。

 

 

受験直前にやっておくこと(2)

数日前から、急に寒くなりました。私も少し風邪気味です。お子さんたちは大丈夫ですか。
中学受験は、なぜ一番寒い時期にやるんでしょうかね。

□体調管理が一番大切□
 寒くなってくると、暖房器具の大活躍となります。これが風邪をひかせる原因になることになります。寒さで風邪をひくより、乾燥でのどをやられて風邪を引くことが多いのです。加湿器を使うか、部屋の中にぬれたタオル数枚をかけておくだけでも湿度が大きく変わります。
 インフルエンザも心配ですね。予防接種は是非受けておいてください。
風邪やインフルエンザ意外にも、体調管理に注意していただく事はいろいろあります。
・睡眠時間のコントロール
・暴飲暴食をさせない

□入試過去問の上手な利用□
 そろそろ、入試過去問をとき終えたお子さんが多くなる時期です。入試過去問を解く理由は、
1 入試問題の傾向(難易度・独特の言い回し・問題量・設問形式)を知る。
2 時間配分の練習
と言われていますが、それ以外に、「総合問題の演習」だということに大きな意味があります。単元毎に学習していた頃を考えてみますと、その週の内容を理解し解けるようになったと思ったら、前の単元を忘れてしまっていたということが少なからずあったと思います。そのために、どの塾でも、夏休みから繰り返し繰り返し復習をやってきました。でも、それでも不十分なのです。と言っても、今更単元毎に復習していく時間はありません。過去問を解くという総合演習で、全単元の復習をする事が大切なのです。この総合演習の効果を上げるためには、「解きっぱなしにしない」事です。
間違った問題や解けなかった問題を復習する事が大切なのですが、「解くべき問題か、捨てるべき問題か」の見極めが最初に必要になります。これは、塾の先生や個別指導の先生や家庭教師の先生にやってもらってください。
 そして、解くべき問題を復習していくことになります。その際、
1 最初に自分でやったときに、何を間違ったのかを確認する。
2 そのような間違いをしないためには、その時に何をすべきだったのかを考える。
この2つの作業が出来れば理想です。
親御様の方で対策をされるときには、下記の会話を参考にしてください。
「なぜこの問題を間違っちゃたの?」
「A君が速さを変えるところをB君と間違っちゃたから。」
「じゃあ、何をしたらそのような間違いがなくなると思う?」
「下線を引きながら読む事かな。」
「そうね、よく分かったね。じゃあ、これからはここが大切と思ったところには下線を引いていこうね。」
「うん」

「そんな雑な読み方をしているから間違うのよ!」というしかり方は是非避けてください。

受験直前にやっておくこと

□自信が高まる学習が必要□
前回に、「苦手なものばかりやらせない」と書きました。これまでも、他の単元と同じように学習をしてきたのにも関わらず、苦手になっているのですから、何らかの苦手になる必然があったと考えられます。つまり得意な単元に転換させることが難しい単元です。その単元を無視することは出来ませんが、そればかりをやらせていると能率が上がりませんし、どんどんと自信を無くしていきます。この時期から入試までの約1ヶ月は、苦手単元については「今よりも少しでも良くなれば儲けもの」ぐらいの気持ちで、お子様に接して上げてください。
 そして、得意な単元での確実性を高める学習を大いにやらせてください。当然、志望校に出題されやすい単元であり、適切なレベルであることは大切です。そして、
「この単元は、あなたにとっては怖いものなしね。」とより自信を深めるような声かけをお願いします。

□暗記の最後の詰めが大切□
覚えきっていることが必要な教科は、理科・社会ということになります。武蔵中の理科のような例外がありますが、忘れてしまうと手も足も出ないのが普通です。
 ほとんどの塾で、夏休みあたりから復習が始まりました。その中で四谷系の塾では「4科のまとめ」、サピックスでは「コアプラス」、日能研では「メモリーチェック」を暗記してきたことと思います。
 その頃に、一生懸命暗記し、チェックテストで常に合格していたとしても、その数ヶ月後にはかなり忘れているものなのです。
理科については、簡単なチェック法があります。次のようにお子様に質問してみてください。
「昆虫の冬越しについて聞いてみるよ。」
と、言った後、
「モンシロチョウは?」(さなぎ)
「カブトムシは?」(幼虫)
「トンボは?」(幼虫)
(ここまでで間違っていたら本格的に覚え直す必要があります)
この次に、
「キチョウは?」と聞いてみてください。
成虫と答えられれば大丈夫です。そうでない場合は、昆虫や動物の単元で少し抜け始めています。
 それ以外に、注意することは、近頃良く出題される「身近な動物植物」です。
首都圏の子供たちにとっては、見たことも触ったこともないものばかりですが、当然知っているものとして出題されています。志望校の過去問をもう一度目を通していただいて、この単元が出題されているようでしたら、復習させて上げてください。四谷系のお子さんでしたら、予習シリーズ小4の上と下の中の、「春の頃」「夏の頃」「秋の頃」「冬の頃」
の植物と動物の計8単元です。
 サピックスと日能研にはなかなかまとまったものが見当たりません。コアプラスやメモリーチェックの中から、該当する単元を覚えさせれください。
 なお、覚え直す場合は、□で空いている場所に入る言葉だけではなくて、その前後の文章も読んだ上で暗記するようにさせてください。

□そろそろ早起きの習慣を□
人の大脳は、起床後3時間で通常の状態になると言われています。入試が9時開始なら6時に、8時半開始ならば5時半に起きることが理想です。
 起きた後は、果物のジュースでも飲んで頭を動きやすい状態を作って、理科や社会の暗記・計算・漢字などから必要なものをやらせてください。今から毎日実行したとすると、1教科の暗記確認は楽々終了します。
 ”寝起きが悪い””朝起きてから機嫌が悪い”という事が続く場合は、寝る前に、翌朝の起きる時間と、起きてから学校に行くまでに何をするかをお子さんに決めさせてください。そして、「そのような毎日の少しずつのがんばりが、入試本番で生きてくるからね」と励まして上げてください。

受験本番直前に大切な事(1)

今年も、受験本番が間近に迫ってきました。
この時期に大切な事を書いていきたいと思います。
□一番失敗しやすい勉強法□
 この時期になると、あれも苦手これも苦手。あれもやらなければこれも、とお母様方は考えがちです。これが思わぬ失敗を引き起こす原因です。
 これが、弱点だと思ってやらせてみると、その基礎が気になり、その基礎の基礎をやらせてみると、それも不完全なような気がするものです。そうなれば、あれをいつまでにやって、これはいつまでに・・・、その上、これまでにやりきれていない過去問をやらせて・・・。あっそうだ、理科や社会の暗記ももう一度させないと。漢字ももう一度やらせないと・・・。
 もし、今お母様がそうのような状態なら、一度心を落ち着けてください。
中学入試は、大学受験とは異なります。国立大の医学部受験では、センター試験で92%以上の得点が必要です。ほとんど完璧という得点力が要求されています。苦手な教科はおろか、苦手な単元1つが命とりになります。ところが、中学受験では、高いところで70%、一般的には65%で合格です。この差は大きいのです。
 中学受験では、「得意な範囲で○○点が取れるから、あとこの範囲で△△点が取れればOK」というような作戦が取れるのです。
“理想の得点力を望まず、合格点数を取るための作戦”を考えてください。
 
 もう一つ気をつけていただきたいのが、「苦手な単元ばかりを勉強させない」ことです。
 苦手な単元ばかりをやっていると、だんだんと不安感が募ります。その不安感が、得意単元の問題を解くときにもマイナスに作用します。
 9月から11月までは、得意単元と苦手単元を1:1ぐらいで学習すべきですが、この直前時期は2:1程度、得意単元をより確実にする学習を増やしてください。これは大丈夫、この単元も自信を持って解ける・・、このように子供自身が自信を高めていく事が何よりも大切です。これまで、真面目に几帳面に頑張ってきた子供ほどその必要性が高いのです。
 

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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