カテゴリー: 学習コーナー

作業記憶力を高める方法

□作業記憶力とは□

 

作業記憶力とは、パソコンで言うとメモリーの働きです。

 

パソコンの動きが遅くなったら、メモリーを増設してみると急に早くなったという経験をお持ちのの方も多いでしょう。

 

人の頭もこの点では、同じような構造で出来ていると考えられます。

 

2桁×1桁の暗算を一度意識してやってみてください。

はい、いいですか?

「87×6」

目を、パソコン画面から外してください。

問題は何でしたか。そうですね、87×6ですね。

「はちじゅうななかけるろく」と音声で思い出しましたか、それとも、数字を画像として思い出されたのでしょうか。それらの音声情報や画像情報が、数の大きさを表す数字として頭の中で翻訳されて、意味を持ちます。

 

7×6=42ですから、1の位は2です。いくつ繰り上がったのでしょう。4ですね。この4を覚えておいて、・・・・。あれっ、もとの2桁の数字は何だったのでしょう。このあたりで、記憶が途切れてしまう方も、実は多いのです。

そうですね87ですね。8×6=48ですから、繰り上がりの4を足して52。え?と、1の位はそうそう2でしたから、522です。

この単純な計算ですら、いろいろな数字を同時に覚えておかなければ行けないことがわかります。

 

□3行の壁□

「3行の壁」という言葉が、塾の先生方の中にあります。

 

「あの子には、3行の壁があるから、この算数の問題は厳しいだろう。」というように使われます。

 

3行までの問題だったら解けるのに、3行を超える文章だととたんに解けなくなることを指します。このようなお子さんが実に多いのです。

 

4行目を読んでいると、1行目を忘れていきます。5行目を読み終わったときには、1・2行目を忘れてしまっていて、どんな条件が書いてあったかを思い出せません。

 

そこで、もう一度読み始めましたが、5行目に書いてあったはずの、何を問われているのかを忘れてしまっていて、目の前の数字をどのように利用すれば良いのかに気がつきません。

 

このような症状です。

 

小4生あたりでは半分以上のお子さん、小5生でも半分近く、小6生でも30パーセント以上のお子さんがそうでしょう。

 

この3行の壁は、作業記憶力の問題だけではなくて、文章を読み飛ばしてしまうという、読み方の習慣も原因ですが、作業記憶力が高まれば、解消できてしまうことが多いのです。

 

 

□作業記憶を高める簡単な方法□

いろいろな人から話をお聞きした中で、私が「なるほど」と思った方法です。

 

また、実際に子供にやらせて効果が現れたものです。

 

・車のナンバプレートを足し算させる。

 お父さんが運転している車の後部座席にお子さんが座っています。その横を、スポーツカーがすごいスピードで追い越していきました。ナンバープレートは、「品川3 54・2・・」

 

見えていた時間はほんの1?2秒です。

 

その間に計算は終わりません。

 

目の奥に残った(頭に残された)残像を頼りに計算を続けます。

 

・複数個以上のお手伝いを、同時に頼む。

 「カーテンを開けてから、新聞を取ってきてね、それから、ねねちゃんにドッグフードをやって、水も替えておいてあげてね。」これで、4つの作業を同時に
頼んだことになります。一つ一つのお手伝いが、面倒なものでは、いやだな?という感情が邪魔をしてしまいますから、簡単にできそうなものをお願いします。

 

買い物のバージョンもあります。

 

「スーパーに行ってきて欲しいんだけど。生姜1袋と、ピーマン一袋、あとお砂糖が無くなってしまっているからそれもお願いね。それと、卵、Mサイズがいいわね。行ってくれたら、ご褒美に100円以内のおやつを買ってもいいわよ。」

 

生姜とおやつだけを買ってくるお子さんも多いのですよ。

 

メモをさせずに頼み事をすることがポイントです。

 

・勉強中に問題内容を聞く。

 「太郎君は、2000円持って買い物に行きました。30円の鉛筆5本と、120円のノートを4冊買っておつりを・・・・」

このあたりで、問題を手でパッと隠します。

「太郎君が買ったものは?」

と聞いてみます。このときのお母さんの顔は、笑っていてくださいね。ちょっといたずら心でやってみたのよ、という雰囲気が大切です。

 

・計算式を写す時に問題を見て良い回数を決める。

短い式ならば1回、長めの式ならば2?3回ぐらいが適切です。

この、作業記憶力は、低学年から発達し始めますし、小学校高学年でも発達し続けるもののようです。

 

 

うちの子は、すぐに忘れてしまうから仕方がないとあきらめずに、いろいろな練習を楽しく続けてください。

 

作業記憶力の大切さ

受験勉強を進めていくうえで、頭の良い子が有利だという事は否めません。

 

学習意欲が同じ程度にあり、同じ程度の学習量をこなしているお子さん同士で比較した場合、頭の良い子がどうしても圧倒的に有利です。

 

 

では、頭の良さとは何でしょう。私は脳科学の専門家ではありませんから、現在の脳科学がどれほど進み、その成果として◯◯と言える、という文脈でお話する訳にはいきません。

 

あくまでも、実際に現場でお子さんを教え続けている中で感じ取ってきた事をお話する事になります。

 

私自身が感じている頭の良さの要素は3つです。

 1 複数個以上の情報を一時的に記憶して、処理をする場合の、処理できる情報の

  個数の多さ。

 2 情報を処理する場合の正確さ。

 3 情報を処理する場合のスピード。

3のスピードは、後天的な訓練で改善させて行くことが、案外たやすく出来る事ということを何度も経験しました。

 

ところが、複数以上の要素を一時的に記憶して、それらを目的に応じて処理していく能力は、高めて行くことが出来るものの、長期の訓練が必要なのです。

 

それは、多分、大脳の機能的な発達に密接に関係しているからだと思っています。

 

数字を短時間だけ頭に留めておく訓練として、「2桁かける1桁の暗算」をお勧めしています。

 

これは、親御さんが2桁と1桁の数を言うだけです。

 

紙に書いたり筆算しない約束でやらせてください。

 

小5あたりですと、3ヶ月から6ヶ月もかけてやっと効果が表れます。

 

例えば、四足混合計算の長い式をノートに書き取る際、これまでは1つか2つの数字を見てノートに書き写すことを繰り返していたお子さんが、一つのまとまりを見てノートに書き写すことが出来る様になります。

 

この様な事が出来始めたお子さんは、問題用紙の中で出た答えを回答用紙に書き写す際のミスが激減します。

 

また、計算のスピードもアップします。これは数字という要素を頭に置くれんしゅうです。それ以外に言葉を頭に置く能力も大切です。

 

人が、数字や言語を頭に置くときに、画像を頭に置く人、音声を頭におく人、そして両方を使う人がいるように思うのですが、どうでしょう。

これは、どちらが優れているという問題ではなく、その人にとって得意な優れている能力を使っている結果にしかすぎません。

 

視覚関係の能力が高い場合、視覚から入った情報を処理する能力だけではなく、音声情報を画像イメージに置き換えて、それを一時的に記憶する事が習慣化している事もあるようです。

 

一方、聴覚関係の能力が優れている場合、数字の9を、「キュウ」と音声に置き換えて記憶することもあります。

 

視覚イメージでも音生イメージでもどちらでも良いのですが、それらの情報の複数個以上を短時間頭に留めておいて、目的に応じて使っていく能力は、受験勉強を始める年齢のずっとずっと前から発達し始めるようです。

 

 

DNAも関係するでしょうが、ご家庭での言葉掛けや生活体験が大きな要素だと感じています。その具体例を次回書いていきます。

夏は、ジタバタ学習から抜け出すチャンス

前回は、小4・5年生の一般的な夏休みの使い方を書きました。

今回は、普段ジタバタと時間にせかされた学習をしているお子さんをお持ちの親御様に向けて書いてみたいと思います。

 ・頑張って勉強をしているのに成績が上がらない。

 ・ミスが多い。(ちゃんと読んでいないんじゃないかと思えるほどにミスが多い)

 ・普段のノートの字が乱雑になってきた。

このような状態を、「ジタバタ学習」と名付けています。

こういう時のお子さんの気持ちは、次のような思いで一杯になっています。

「もう間に合わないから、とりあえず覚えちゃおう。」

「これを早く終わらせて、次にこれをやらなくっちゃ!」

「正解を出すことよりは、早く終わらせなくっちゃ!」

そして、勉強の方法は、極端に暗記に偏っていきます。

算数の問題ですら、1問1問覚えようとしてしまっているわけです。

この問題は、以前やったあの問題と
考え方が似ているぞとか、あの考え方が使えるぞと言うような、解き方の関連づけに全く気持ちが向かわない状態になっています。

「うちの子は、テキストの復習はちゃんと出来るのに、少し文章が変わったりするだけで解けなくなってしなうのですが・・・?」というご相談が多いのですが、この状態こそ、「1問1問暗記してしまっている学習」です。

 
□半年先に危険が迫っています□

この状態で、新学年の2月を迎えたらどうなるでしょう。

学習内容が、一段難しくなり、問題が複雑になってきます。これまでに習った内容がわかっていることを前提にしながら、別の要素が絡まってきます。そうなる
と、これまでの、「片っ端から覚えていく学習」では太刀打ちできなくなります。時間的にも、子供の記憶力の面でも限界を超えてしまうのです。

 小4・5年生にとって、夏休みは、この「じたばた学習」から抜け出すことが出来る最大のチャンスです。

時間の使い方としては、

1 早起きの習慣をつけさせる。

2 塾の授業の復習の時間をたっぷりと取る。

3 お子さんが先生役、お母さんやお父さんが生徒役になって、算数を説明してもらう時間を確保する。

また、お子様への言葉かけで大切なことがあります。

お子様自身が、自然に自分の頭の中の言葉で考えていけるような言葉掛けです。

そして、前にもお話しした「非言語コミュニケーション」も最大限にご利用ください。

そして、出来れば一日に30分程度はお子さんの勉強につきあってあげてください。

「夏休みは、学校には行かなくていいんだから、焦って宿題をこなさなくっていいんだよ。(ニコッ)」と言ってあげてから、

「問題文を最初から最後まで読み切ってから、考え始めるというルールにしようね。」

「式をちゃんと書いてから計算を始めると、難しい算数の問題も解けるようになるわよ。(ニコッ)」

「線分図や面積図をじっくりと丁寧に書いていいのよ。時間はたっぷりあるんだから。」

算数の問題を解き始めたら、

「その式で何が出たの?」

「A君の速さ。」

「そうね。偉いわね。単位は?」

「km毎時。」

「次に何が出せそう?」

「池の周りの長さ。」

「次のこともちゃんとわかっているのね。最後まで自分で出来ちゃいそうね、がんばって。」

このように、お子さんが考えていることを自己確認できるような質問を投げかけてあげてください。

くれぐれも、

「こうすればA君の速さが出るでしょ。その後池の周りの長さをそうやって出して、それからB君の速さをこうやって出せばいいんでしょ。」

というような説明は控えてください。あくまでも、お子さん自信が気付くのをサポートする姿勢です。

そして、一日の締めくくりは、

「○○ちゃんの算数教室」です。

その日に、お子さんが勉強した問題の中でちょっと難しいと感じた問題を2?3問を自分で選んで、親御様を生徒役にして、授業をやってもらうのです。授業という形式に照れてしまうお子さんの場合は、

「この問題の解き方をお母さんに教えてくれる。」(説明しなさい!という命令口調は禁物です。)と言ってみてください。

そして、お子さんが説明しているときには、大げさに相づちをうったり、うなずいたりしてあげてください。

 ここでも、注意が必要です。

お子さんのたどたどしい説明に、思わず、

「そうじゃないでしょ!これが○○になって□□だから・・・。」

とならないように、ぐっと我慢です。

 お子さんが、自分の頭の中の言葉で考えるようになる練習だと言い聞かせながら、ニコニコと聞いてあげてください。

私立中3年生の今が大切!

中高生の、一学期の期末テストを前にして、期末テスト対策の授業の申し込みやご相談が増えています。特に、中3生からです。

 中3と言っても、学習内容は高校1年生です。数学では数?と数A。本格的な高校数学が始まっています。数学のご相談が特に多いのは、2次関数の最大や最小がテスト範囲にないっている学校です。

 お子さん本人に聞いてみると、2次関数の頂点の移動は丸暗記で何とかなったが、最大や最小になると、場合分けで何ともならないというのです。やはりという思いです。

 数学の専門家のT先生とよく話すのですが、数学は、「公式を素早く自分で導き出せること」が最大のテーマ。「1つ1つの公式を丸暗記するなんて愚の骨頂!」という点で全く同感です。2次関数の頂点の座標の丸暗記も同じです。

 これまでの学習方法を、今こそがらりと変えなければなりません。大学受験に向けては、「理系大学に行けるかどうか」また「センター試験に数学がある大学に行けるかどうか」の分水嶺です。

ご相談をお聞きする中で、不思議に必ずといって良いほど聞かれるのが、「どこの塾や予備校に行かせれば良いのか」です。ところが、通っている中学や高校にぴったりとあった塾や予備校は存在しないのです。

 

 ここで、冷静に振り返っていただきたいのは、なぜその私立の6年一貫校を選んだのかという理由です。「大学受験に向けて、有利な学習カリキュラムだか
ら」という理由もありましたね。大学受験は、高校内の成績が合否に直結します。進学校ならばなおさらです。まず、「大学受験に有利な学習カリキュラム」に
基づく、学校の定期テストの成績を上げることを考えて欲しいのです。塾に行っても、予備校に行っても学校の成績は上がりません。

 中学校事に、学習カリキュラムが異なります。そして、授業スタイルはそれこそ千差万別です。数学的に深く掘り下げる学校がある一方、公式を覚えさせて、
宿題として大量演習を課す学校もあります。学校の指導のメリットを生かし、ディメリットを補完するプランニングが必要です。

 

 それには、信頼できる第3者、つまり、スキルが高い個別指導や家庭教師の出番ということになります。ところが、「自分が難しい問題を鮮やかに解くことが
出来る」事と「生徒の成績を上げることが出来ること」とは、スキルの質が異なります。「お子さんのこれまでの学習法の弱点を瞬時に見抜く目を持った講師」
が必要です。身の回りにそのような先生の心当たりが無い場合は、次の方法を試してください。

 教科書や参考書の解説を隅から隅まで解読する。

高校の教科書は、大学受験問題のレベルと大きくかけ離れているわけではありません。これが、中学受験や高校受験と異なる点です。そして、公式の導き出し方
が丁寧に書かれています。これを、じっくりと読んで、「おっ!なるほどそうだったのか!」と驚いて欲しいのです。参考書の例題の解説や、問題の解答解説も
大いに利用してください。答えが合っていた、間違っていただけの利用では効果が半減します。

 

 たとえば、そろそろ2項定理に入るところもあると思うのですが、2項定理を利用すると、2のn乗がコンビネーションの和で表すことが出来ます。この部分
を教科書で読んで、「へ?、すげ?」と、ちょっと感動してくれればしめたものです。その後、読んで感動したときの記憶を頼りに、自分で公式を導き出す練習
をすれば、その公式を利用した発展問題もあまり苦労せずに解けるようになります。 

 

 お子様に、ちょっと試してみるように、親御様からおっしゃっていただきたいと願っています。

算数の入試問題に「数学」を使って良いのか?

算数の入試問題に数学を使って良いのか?

 

今回は、実に具体的な教科についての話を書いていきたいと思っています。

というのは、連休後に実施された大手塾の公開テストでの算数の解説に、「んっ!?」と思ったからです。

 

年齢の合計と年齢の差から考えられる和差算ですだったのですが、なんと○□を使った連立方程式(消去算とも言えますが)で解説されていたのです。

問題の小問構成からは、和と差に気づかせようという意図が見て取れましたから、もしかしたら作問者と解説作成者が何らかの都合で変わったのかもしれません。

 

さて、算数に数学の方程式を使って良いのか?です。

私自身は、こう考えています。

「出来る限り、算数で理解し解く方がよい」です。

確かに、「倍数変化算」を速く解く方法として、比例式をつくり、(内項の積)=(外項の積)を使って、左右の式にxが入る等式を解くがあります。「倍数変化算」だけは例外にしても良いかもしれません。

 

算数は、今分かっていることから次に何が分かるかを考えさせる教科です。でも数学の代数(方程式)は、分かっていることを式に代入すると自動的に答えが出
てくるものが多いと思っています。算数の難問に挑戦する必要がある上位校を狙うお子さんの場合は、なおさら「次に何が分かるのか」という一手先を読む力を
鍛え上げていくために、算数を使っていく方がよいと思っています。

ご相談よりpart2 計算間違い

今回から、実際に寄せられた相談の中で、教科の学習法に関するものを中心に書いていきたいと思います。今回は「計算間違い」です。これだけで数回分になりそうです。

 

相談1位

 算数の計算間違いが多くて困っています。1番の(1)を間違っていたのには開いた口がふさがりませんでした。

 

 計算ミスを減らす方法についてのご相談は、本
当に多いのです。実際に家庭教師の現場では、お預かりするお子さんの80%には、計算ミスの対策を講じなければいけない状態です。それは、計算の書き方や
繰り上がり繰り下がりの処理の仕方などの細かい指導がこれまでなされていなかった事が大きな原因です。それ以外にも、指導者に正確な計算に必要なお子さん
の能力を高めるという視点が無いことも原因のような気がします。

 小学校の頃に計算間違いが多かった子供も、中学高校と進むにつれいつの間にか計算間違いが少なくなっていることが多いですね。これは、経験の積み重ねとも言えますが、大人になる課程で自然に身についた能力に負う部分が大きいと考えています。

 ところが、大人になるのを待っていては中学受
験に間に合いません。場合によっては、後3ヶ月以内に何とかしなければいけない事もあります。切羽詰まった家庭教師の現場での試行錯誤の結果、「こうすれ
ばうまくいった」、そしてその理由はこういう事じゃないかなということをお話ししていきたいと思います。脳科学の専門の先生方から見れば自明のことや、そ
んなことはないとおっしゃることがあるかもしれませんが、現場での実感を率直に書いていこうと思っています。

 

車のナンバープレートの数字をすぐに覚えられる子は、計算が得意。

 

 「品川 い 3 21-56」なんて書いてあるナンバープレートです。

 「うちの子、小さい頃から、ナンバープレートの数字をすぐに覚えてしまって、「あの車はちょうど80だね」というように数字をすぐに足していました。大人は、その車が既に遠くに行ってしまった後でそんなことを言われても答えようも無かったのですが。」

 算数が得意で、計算間違いが非常に少なかったお子さんの話です。目の前の車のナンバープレートの数字をその場で足すこともあったし、ぱっと見た数字を覚えていて、見えなくなった数秒後に答えを出すこともあったとうことなのです。

 これは、いわゆる「短期記憶」(メモリー記
憶)の能力だと考えています。明日には、時には数分後には忘れてしまうのだけれど、数秒間から数十秒間ははっきりと覚えておける記憶の能力です。そして短
期記憶には質の問題があると思うのです。目から入ってきた映像の残像から数字を正確に読み取る能力とそれに要する時間の問題です。

 「「69」と出たのに、解答用紙には「96」と書いちゃった」という間違いがよくあります。計算欄で出た数字を回答欄に写すほんの数秒の間に、記憶が替わってしまったのか、それとも数字の映像を数の意味に置き換えるときにエラーが起きたのかのどちらかです。

 計算間違いの多い子が計算をするところを見ていると、共通する事柄があります。数式を写すときに何度も何度も問題を見るのです。

例えば、

25644)÷10?15= という式を写すのに、「(」を見てノートに書き、「256」を見てノートに書き、「+」を見て…というように何度も目線が往復するのです。ところが計算が得意な子は、少なくとも「(25644)」と1回で写すことが多いのです。

 

 これまでに、この「短期記憶」の能力を伸ばして計算の能力向上に効果がが合った方法は、「2桁×1桁」の暗算訓練です。

 お母さんは、思いつきで2桁と1桁を言います。お子さんはそれをかけた数を答えるという練習です。ポイントは紙に書かない事です。試しに、今やってみてください。

56×7」。すぐに、この数字から目をそらせて計算してみてください。6×742だから4を覚えて、十の位は何だったけな。そうだそうだ5だな。5×735
から、繰り上がりの…。アレッ、繰り上がりはいくつだっけ。子供の頭は、かけ算と記憶と思い出し作業をめまぐるしく行っているはずなのです。これを、1日
に5?10問程度遊び感覚でやってみてください。お母さんと一緒に入っているお風呂の中で、3つ出来たら湯船から上がろうか、というようなやり方がお勧め
です。早い子で2週間、遅い子で2ヶ月程度で効果が出ます。

 

 この方法は、耳から入ってくる情報を覚える訓練です。

数字を記憶する場合、音として記憶する場合と、映像として記憶する場合があると思うのです。


自分自身の記憶作業を思い返してみて、電話番号などの
長い数字は、何度か声に出してみて音声として記憶する事が多いように感じますし、短い数字は瞬間的に映像として覚えようとしているように思います。ですか
ら、上記の方法の変形も何度も試してみました。2桁と1桁のカードを用意しておいて、両方を3秒間だけ見せて、それを隠した後で答えを聞く事も大きな効果
がありました。

 そして、計算のスピードアップにもめざましい効果がありましたので、是非お試しください。

入学式真っ盛り

ここしばらく、週1回程度の更新をしてきました。
出来る限り、シリーズもので行きたいと考えています。
でもそうすると、その時期に合わせた内容が書けなくなってしまいます。

時々は、シリーズから離れて気楽な内容も書いていきたいと考えています。

 

 桜が、ほぼ満開ですね。家からそれぞれ20分程度の距離にある井の頭公園も善福寺公園も桜が見事に咲き誇っています。この時期は、なんと言っても入学式ですね。
 
 入学式は、お子さんにとって不安なものだということをご存じですか。

地元の中学校へ進学する子供たちならば、入学式にいつもの顔があちこちにあります。

入学式という厳粛な儀式の場でも、これからの新しい生活への期待感の方がずっと大きくなります。ところが、広い地域から通学者がいる私立中学の入学式では
どうでしょう。

周りは知らない人ばかり。なんだか周りの子供たちが出来る子供たちばかりに見えてしまいます。

そのような状態がその後のオリエンテーション
や授業まで続いてしまうことも多いのです。

教室にいて先生の話を聞いているだけで緊張が続いて疲れてしまうこともあります。

友達と外遊びうする機会が少な
い都会の現代っ子は、新しい友達を作ることがあまり上手ではありません。

繊細で真面目な子供はなおさらそうです。

ここは、人生の先輩として親御さんからアドバイスをしてあげてください。
「あなたから声をかけると友達がすぐ出来るよ。」
「なんて言ったら良いの?」
「何でも良いんだけれど。「僕、○○○○、よろしく。君の名前は?」から始めたら良いかもね。それと、ほとんどのクラスメイトは塾に行っていたはずだから、「どこの塾に行っていたの?」と聞いても良いわね。」
「明日、隣の子に言ってみるね。」

 1人2人の話せる相手が出来たら、学校生活がグッと楽しくなります。勉強の前に友達作りです。

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▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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