平面図形にしても立体図形にしても、定義・公理・定理・公式がたくさんあります。

また、いろいろなテクニックも数多くあります。

塾テキストの図形問題を解く際も、入試問題の図形問題を解く際にも、これらの知識を駆使する必要があります。

知識やテクニックを知っていなければとても解けないような問題揃いです。

一方、「図形はセンスだ!」と言う人もいます。補助線1本をどこに引くのかは直感だ。生まれ持ったセンスが左右するというわけです。
                                
でも、まだ証明されていない深淵な公理や定理を証明するときには確かにセンスは必要でしょう。天才的な頭脳も必要なはずです。

でも、学問を究めることと入試問題を解くことは分けて考える必要があります。
 

中学入試問題や高校入試問題・大学入試問題でも、「証明しなさい」という問いであれば、必ず証明が可能な問題ですし、

何々の長さを求めなさいとあれば、必ず求めることができる問題です。

その正解に向けて最短最速で突き進むための道具が「知識」です。

文章題に習熟するには、「理解」→「類似題演習」→「新規問題に適用」という順に学習します。

ここに「暗記」が入っていないのは、「理解」と「類似題演習」において、解き方の知識が自然に身につくからだといえます。
 

一方、図形問題においては、理解できたとしてもなかなか問題を解くことができません。

類似題演習を重ねても、数ヶ月すると解けなくなっていることが普通です。

それは、図形の知識は、解いているうちに自然に身につくたぐいのものではないからです。

文章題の知識は言葉により深く結びつき、図形の知識はイメージにより深く結びついているからだと思います。

図形の知識は、覚えようと意識することが必要なのです。

ですから、「理解」→「覚える」→「類似題演習」→「適用知識の確認」→「新規問題に適用」という階段が必要になってきます。
 

教える側は、文章題の時とは違って、「これを覚えて!」、「この問題に使った知識は何だ?」という台詞があってしかるべきなのです。
 
次回は、イメージをより強く記憶するための方法についてお話しします。