街路樹の緑もいよいよ色濃く、吹き抜ける風が心地よい季節になりましたね。

まだまだ先と思っていた夏休みも、いつの間にかそこです。

昔から「夏は受験の天王山」と言いますが、受験生の皆さんは「天王山」がどんな山か知っていますか?

天王山は、現在でいう大阪である「摂津国」と、京都である「山城国」の国境にある山です。

たびたび戦の舞台になったことで有名で、1582年に羽柴秀吉が、主君であった織田信長かたきを討とうと明智光秀と戦った「山崎の戦い」の際には、この山を制した者が天下を取る!ということで「天下分け目の天王山」と呼ばれました。

つまり、受験では夏を制した者が志望校合格を勝ち取る!ということなのですが、戦いには備えが肝心ですよね。

それは「受験戦争」においても同じです。

来たる2021年の夏を制するために、5・6月の少し余裕のある期間を使ってしっかり準備しましょう。

具体的に少しお話しすると、まず4年生の皆さんには、この時期に学校と塾通いの両立が出来る上手なリズムを探って欲しいのです。

塾の宿題にどれくらい力を入れ、時間を使うのか。(以前からお伝えしているように、宿題は取捨選択してくださいね。)いつ、どのように身体を休めるのか。

秋を迎える頃からは勉強も難しくなるので、今のうちに良いサイクルを作っておきましょう。

5年生の皆さんは、今のうちに自分の通っている塾のカリキュラムやシラバス、テキストを確認し、自分が夏に何を学習するのか確認しておくと良いと思います。

その上で、ならば自分は夏が来るまでにどのあたりをテコ入れしておけば良いか、夏までどのように学習を進めるか、今のうち算段し、準備を始めましょう。

5年生の夏は、受験で最も大切なことをみっちり習う時期です。

有意義な時間に出来るように、万全の態勢を整えましょう。

6年生の皆さんは、基本的に全ての単元を一通り終えている時期です。

本格的な演習に向けて、積み残した単元を確認しましょう。

そして、その復習を毎週の勉強の中に組み込んでいくための時間配分や方法を具体的に考えることが大切です。

朝やお風呂の後など、決まった時間にルーティンとして行うのも良いですね。

ボリュームが有る場合や、不安な単元の状況が深刻な場合は、家庭教師などを利用して復習をしっかり挟み込むのも良いと思います。

復習は自分の通っている塾のテキストに固執せず、他塾の問題集や市販のドリルを合わせて使うことも検討してみてください。

6年生はこれから勉強量・時間ともにさらなる負担がかかってきます。

特に長休みは気が滅入ったり、やる気が途切れたりしやすい時期ですから、新鮮な気持ちで取り組める工夫も重要です。

今の時期を利用して、自分のやる気を刺激してくれる教材を探しに本屋さんに足を運んでみるのもおすすめですよ。

皆さんが、5月・6月を上手に使って、受験の天王山を見事に制してくれることを願っています。