コロナウィルスによる外出自粛が、首都圏では続いています。
私たちも、打合せやマンツーマンの相談会をオンラインでの開催としています。
実際に顔を合わせての打合せや相談と、オンラインでのやり取りで、やはり違いはあります。
しかし通信環境の整備やソフトの進化などにもよるのでしょうが、当初抱いていたオンラインによるやり取りへの不安は、ある意味杞憂に終わっています。
今感じていることは「オンラインにも対面にも、それぞれのよさがある」ということです。
家庭教師も個別の相談会も、対面には対面の、オンラインにはオンラインのよさがあり、これは今回のコロナ禍が収束しても変わらないものだと感じています。
たとえばオンラインの指導や相談では、対面でのやり取りにくらべると、ちょっと間接的な感じになるのは否めません。
でも、同じ時間を同じ話題で共有しているという事実には変わりがありません。
また、通信環境がしっかりしていれば、ほぼストレスなく自然な会話ができます。
この部分に関しては、さらに改善が進んでいくのでしょう。
数年前、いや数ヶ月前には想像もしていなかった形態で(海外の企業と連携している方などは以前から当たり前だったのでしょうが)、私たちは今コミュニケーションをふつうにとっています。
このように、ウィルスが収束したからといって手放すことがないであろうものもあると感じています。
いま、いちばん心配なのは子どもたちの学習環境です。
学校が休校になり、塾も授業をオンラインや映像授業に切り替えています。
もちろんオンラインでも学べるのですが、通信環境の問題や学校の設備の問題などで、学びに大きな格差ができているのも事実です。
この自粛期間の学習について、不安や不満を抱えているご家庭はとても多いでしょう。
今はオンラインで行っている「個別相談会」でも、この状況をいかに乗り切っていくかというご相談がとても増えています。
また中学受験に関しても、来年1月、2月にほんとうに例年通りの受験が行えるのか、誰にもわかりませんね。
中学校も、状況を見ているところでしょう。
通常であれば数百人、学校によっては数千人の受験生(とその親御さん)を1ヶ所に集めて数十人を教室に入れての試験を行います。
これまでは「当たり前」と思っていたことが、とんでもない危険を孕んだことだと認識される状況になっています。
中学校は、どのような対応をするでしょうか。
試験回数を増やし、1回の試験に集める人数を抑える方向に進むかもしれません。
または試験会場を増やし「三密」を避けるという学校も出てくるかもしれません。
それもこれも、今回のコロナウィルス感染症が今後どのように広がるのかそうでないのかによって、どうなるのか今のところは誰にも言えません。
1つ思うのは、2021年度の入試がどうなるとしても、中学校は様々な方法で「学ぶ意欲や素養のある子」を選抜しようとするだろうということです。
塾がお休みになって映像授業などが中心になり、「このままでは遅れてしまうのでは」と不安になっている方もいるかもしれません。
でも、塾が少々休みになっても不安になることはないと私は考えています。
私立中学校は、塾の進度を前提に入試問題を作っているわけではないからです。
よく考えれば当たり前のことなのですが、塾にお子さんを通わせていると見えなくなりがちなことです。
塾で成績がよければいい学校に合格できる、塾で出された問題をしっかりやっていれば、難関校に合格できると考えてしまいますね。
でも中学校は、別に塾で成績がいい子に入学してほしいわけではないんです。
学びに前向きで、中学、高校でのびのびと成長し、学力を伸ばしてくれる子を求めているんです。
2021年の入試では、このコロナ禍にも負けずに、しっかりと学習意欲を維持して乗り切った子をなんとか選抜しようとするでしょう。
もしかしたら、例年とガラッと変わった問題を出題する学校が出てくるかもしれませんね。
では、こんな先が見えない状況で、私たちができることは何でしょうか。
それは、しっかり「基本的な学習を充実させる」ことだと私は思います。
しっかり数える。
文章を隅々まで読む。
与えられた条件から、問題を解決しようと様々な方法で考える。
そんな「勉強の本来の姿」をしっかりできた子が合格できるような入試を、必ず各中学校は行うと私は信じています。
不安が多い状況ですが、そう信じてしっかり学びを充実させていきましょう。