皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■お盆休みは「1週間の学習スケジュール」を見直すチャンス

大手進学塾では夏期講習の真っ最中ですが、1週間の学習スケジュールは上手く「まわって」いるでしょうか。

もし、上手くいっていないようであれば、一部の6年生にはお盆休みも特別講座や灘中オープン模擬入試などのテストがあるため難しいのですが、これらのイベントなどに参加しない6年生や受験がまだ先の5年生は、お盆期間を利用して積み残しとなった課題の整理やこれからの1週間の学習スケジュールの見直しをしてみましょう。

浜学園の6年生の場合は、8月25日(日)に「第3回 小6合否判定学力テスト」が行われますから、その準備をどのようにするかも考えていく必要があります。

■浜学園の小6の夏期講習「男女難関コース」と「第3回 小6合否判定学力テスト」

浜学園の小6の夏期講習は、灘中、東大寺学園中、洛南高校附属中などを主眼校(主な受験対象校)とする「M灘コース」、大阪星光学院中、甲陽学院中、洛星中などがそれらに加わる「男子最難関コース」、神戸女学院中、西大和学園中、洛南高等学校附属中、須磨学園中、四天王寺中などの「女子最難関コース」、その他の中学を主眼校とする「男女難関コース」の4コースがあります。

このうち、「男女難関コース」は、「(中学受験の)基礎土台をしっかりと固める」(浜学園ホームページより)ためのものと位置付けられており、夏期講習の学習カリキュラム(算数A・算数B)は、立体図形を除くほぼ全分野が取り扱われています。

No.

1

2

3

4

A

講義Ⅰ

割合

食塩水

商売

講義Ⅱ

数の性質

和と差の文章題

速さ(1)

速さ(2)

B

講義Ⅰ

直線図形

曲線図形

相似

面積比

講義Ⅱ

数列

場合の数(1)

場合の数(2)

総合問題

※浜学園「2018年度 小6夏期学習内容一覧」より

ですから、夏期講習の学習内容を「インプット(解法を理解する)」し、「アウトプット(解法が使える)」ができるようになることで、9月以降の受験対応レベルの問題にも「ついていく」ことが可能です。

では、その夏期講習が終わったすぐ後に行われる浜学園の「第3回 小6合否判定学力テスト」ではどのような問題が出されるのでしょうか。

2018年8月26日に実施されたテストの中から、算数Ⅰを見てみます。

はじめに得点の分布状況です。

受験者数は2517人、平均点47.7点(各5点×20問)というテストでした。

続けて出題内容です。

算数Ⅰ(*:やや難しい **:難しい ***:かなり難しい)

(1) 整数の四則混合計算

(2) 等差数列の和

(3) 小数と分数の四則混合逆算

(4) 分配のきまりが利用できる計算

(5) 見間違えによる計算間違いの問題…*

(6) 過不足算

(7) 分配算

(8) 円が移動してできる図形の面積

(9) 相当算

(10) 約数と倍数の問題…*

(11) 割合の文章題

(12) 縮尺と速さの問題

(13) 売買算…*

(14) 辺の比と面積の比

(15) 速さの問題…**

(16) 水の問題…**

(17) 複数解のつるかめ算…***

(18) 場合の数…***

(19) 辺の比と面積の比…***

(20) 影の問題…***

■「第3回 小6合否判定学力テスト」に向けた準備

この算数Ⅰにおいて、「男女難関コース」の夏期講習で目標となっている「基礎土台をしっかりと固める」にあたるのが無印の問題11問で、これらを全問正解できれば55点を獲得することができ、偏差値も50を超えます。

例えば、問題(9)は「太郞君と次郎君の2人が鉛筆を分けました。太郞君が18本と残りの4/11を取ったところ、ちょうど半分ずつに分けることができました。鉛筆は全部で□本あります」という問題ですから、夏期講習の第1・2回の学習(比・割合)について「インプット」と「アウトプット」の状況を確認することができます。

【考え方】

問題の条件を線分図に表す次のようになります。

  

ですから、18本÷3/11=66本が残りの鉛筆とわかります。

18本+66本=84本

(残りを⑪としても構いませんし、線分図以外の整理方法でもOKです。)

また、問題(14)は「図の三角形ABCで、AD:DC=2:3、BE:EC=1:2のとき、斜線部分の面積は三角形ABCの□倍です」という問題ですから、夏期講習の第3・4回の学習(相似・面積比)のチェックができます。

ただ、夏期講習の第4回は「第3回 小6合否判定学力テスト」の直前となりますので、できればそれよりも前に確認しておくほうがよいでしょう。

このように、合否判定学力テストは、上記の2問のような夏期講習の前半で学習した範囲のものもあれば、後半で学ぶ単元のものもありますし、「水の問題」のように夏期講習の範囲にない「立体図形」の出題もありますので、準備ができるに越したことはありません。

「1週間の学習スケジュール」を見直し、これまでに受けた第1回や第2回の合否判定学力テストや公開学力テストなどを利用して、「第3回 小6合否判定学力テスト」の準備に取り組むことができればいいなと思います。