月: 2019年8月

過去問を演習しよう

8月も下旬に差しかかり、すでにお母さんたちの意識は9月からの生活に向いているかもしれませんね。
6年生のお子さんのご家庭では、そろそろ志望校の過去問をどのように演習していけばいいか、そんなことが気になっているのではないでしょうか。
塾によっては、夏休み中にいくつかの学校の過去問を演習するよう、指示があったかもしれません。
各塾とも、そろそろ過去問演習の指示が出始める時期ですが、その具体的な時期には差があります。
遅い塾では「11月くらいからで大丈夫」という場合もありますが、さすがにそれでは遅すぎます。
まずは第1志望校以下、第2、第3志望や1月の「前受け校」まで、どのような学校を受験する可能性があるか、リストアップしてみましょう。
多くのお子さんは、5、6校はあがってくるのではないでしょうか。
それらの学校の過去問を数年分ずつ演習するとして、どれくらいの日数が必要になるか、ある程度見当がつくと思います。
もちろん、4教科演習することになりますから、塾で指定される勉強以外に、かなりの時間が必要だとわかります。
その時間をいつ、どのようにとるか。
日曜や祝日はまとまった時間が取れそうですが、9月からは日曜の志望校別特訓が始まることもあり、時間のやりくりは意外に難しいのです。
こうやって考えていくと「過去問は11月からでいい」というのがいかに遅いかがわかると思います。
過去問に関してよくある質問に、以下のようなものがあります。
「過去問は古い年度のものからやるのがいいですか?」
「過去問は繰り返しやったほうがいいですか?」
「第一志望校の過去問は、何年分くらいやったらいいですか?」
これらへの答えは、実は人それぞれ、また考え方によります。
たとえば、第一志望校の過去問であれば、できれば入念にやりたいですから、5年分以上。
お子さん、学校によっては10年分以上という場合もあります。
併願校や、特に「前受け校」などは、そんなにたくさんの年度をやらなくてもOKですね。
また、始める年度ですが、一般には古い年度のものからすることが多いと思います。
そして過去問の繰り返し演習ですが、ことさら意識して繰り返す必要はないと考えています。
ただ、出題の癖や傾向を知るという意味では、特に第一志望校に関しては繰り返すよりも、多くの年度を解くのがよいでしょう。
また市販の過去問本は、書籍化に都合がいいように編集されていますから、実際の問題の余白の大きさなどを知る意味では、実物かそれに準ずるもので演習するのが効果的です。
入試問題は販売、あるいは少数ですがHPなどで数年分公開している学校もあります。
四谷大塚のHPではPDFを掲載していますね。
学校配布の過去問や四谷大塚HPのものは、過去問集のような解説はありません。
上手に併用していきたいですね。
まもなく受験まで5ヶ月を切ります。
(関西の受験生たちは、すでに5ヶ月を切っていますね)
計画を立てて過去問に取り組んでいきましょう!

残りの夏の過ごし方〜テスト直しについて〜

お盆の時期に合わせるかのように、大型台風が日本に上陸しました。
この時期、楽しみにしていたイベントがあったお子さんも多いのではないかと思いますが、楽しめたでしょうか。
首都圏は台風の影響も限定的ですが、それでも突然の強風でドキッとする瞬間もあります。
さて、お盆が終わると夏期講習もいよいよ終盤。
8月19日〜の週で夏期講習は終了、という塾も多いようです。
8月の最終週にテストがあるサピックスのような塾もありますが、できれば最後の週は夏期講習の総まとめと9月からの準備をしておきたいですね。
忙しかった夏期講習会、カリキュラムに追われるようにして過ごしたお子さんも多いと思います。
講習会の主要な単元の復習を、ぜひ8月のさいごにやっておきましょう。
日能研や四谷大塚のように、講習会の途中に数回のテストがある塾なら、そのテストの直しがよい復習になります。
すでに1学期に塾で習ったことの復習内容で、夏期講習のテストでも間違ったわけですから、しっかり復習して身につけておくす必要があります。
ただ、何でもみんな復習内容だからできなければならないかというと、お子さんそれぞれにとって身につける必要のある問題は違ってきます。
私は、テスト直しについてはよく「100−目標偏差値」とおすすめしています。
たとえば、ふだんは偏差値が50くらいで、目標は偏差値60をクリアすること、というお子さんの場合。
「100−目標偏差値」つまり 100−60=40
と計算して、
テストの正答率表で、40%を超える正答率の問題を中心にとき直しをするんです。
ザックリとした目安ですが、「超難問まで、すべての問題を直す必要はない」ということを覚えておいていただきたいのです。
このとき注意いただきたいのが、目標をあまり高く設定しすぎないことです。
「今は偏差値が40台だけど、ゆくゆくは御三家に合格したいので、目標偏差値は70」
といった目標設定には無理があります。
いまお子さんが偏差値40くらいなのだったら、正答率30%の問題をとき直すことに大きな意味はありません。
まずは、安定して50くらいの偏差値を出せる状態を目的としましょう。
「今ちょっとがんばれば達成できそう」という目標を立て、その小さな目標を達成し続けることが大切で、お子さんもモチベーションを維持しやすいのです。
だから第1段階は、テストで正答率が50%を超える問題を中心に、テスト直しをしましょう。
偏差値50がとれるようになったら、次はさらに少し上を目標にします。
このように、徐々にステップアップを目指してみましょう。
「必死でがんばっているんだけど、どうしても偏差値が40台(ときには30台)から一向に上がらない」
というケースでは、多くの場合勉強のしかたを変える必要があります。
上記のようなご相談が増えるのが、実は9月から新しい学年にかけてなのですが、親御さんたちも「こんなにがんばっても成績が上がらないということは、何かを根本的に変える必要がある」ということには気づいているのですが、具体的に「何を」「どのように」はなかなか判断しづらいものです。
塾の先生に相談されることはもちろん、場合によっては家庭教師や個別指導教室などのセカンドオピニオンを求めることも検討されるとよいと思います。
私が主任相談員を務める「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でも9月初旬に「少人数相談会」という形で、塾の成績でお困りの親御さんたちのご相談をお受けする機会を設けていますので、必要な方は告知をお待ちください。
さて、6年生は、いよいよ志望校別特訓が始まる9月が近づいています。
過去問演習もそろそろです。
(「11月くらいから」と指示される塾もあるようですが、遅すぎです!第一志望校から併願校、そしていわゆる「前受け校」まで、しかも3科目〜4科目演習する津用があることを考えると、そろそろ計画を立てて取りかかるのが得策です。)
次週はその過去問についてお伝えしようと思います。
夏の残りの日々、充実したものにしていきましょう。

小6 お盆の過ごし方と浜学園「合否判定学力テスト」

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■お盆休みは「1週間の学習スケジュール」を見直すチャンス

大手進学塾では夏期講習の真っ最中ですが、1週間の学習スケジュールは上手く「まわって」いるでしょうか。

もし、上手くいっていないようであれば、一部の6年生にはお盆休みも特別講座や灘中オープン模擬入試などのテストがあるため難しいのですが、これらのイベントなどに参加しない6年生や受験がまだ先の5年生は、お盆期間を利用して積み残しとなった課題の整理やこれからの1週間の学習スケジュールの見直しをしてみましょう。

浜学園の6年生の場合は、8月25日(日)に「第3回 小6合否判定学力テスト」が行われますから、その準備をどのようにするかも考えていく必要があります。

■浜学園の小6の夏期講習「男女難関コース」と「第3回 小6合否判定学力テスト」

浜学園の小6の夏期講習は、灘中、東大寺学園中、洛南高校附属中などを主眼校(主な受験対象校)とする「M灘コース」、大阪星光学院中、甲陽学院中、洛星中などがそれらに加わる「男子最難関コース」、神戸女学院中、西大和学園中、洛南高等学校附属中、須磨学園中、四天王寺中などの「女子最難関コース」、その他の中学を主眼校とする「男女難関コース」の4コースがあります。

このうち、「男女難関コース」は、「(中学受験の)基礎土台をしっかりと固める」(浜学園ホームページより)ためのものと位置付けられており、夏期講習の学習カリキュラム(算数A・算数B)は、立体図形を除くほぼ全分野が取り扱われています。

No.

1

2

3

4

A

講義Ⅰ

割合

食塩水

商売

講義Ⅱ

数の性質

和と差の文章題

速さ(1)

速さ(2)

B

講義Ⅰ

直線図形

曲線図形

相似

面積比

講義Ⅱ

数列

場合の数(1)

場合の数(2)

総合問題

※浜学園「2018年度 小6夏期学習内容一覧」より

ですから、夏期講習の学習内容を「インプット(解法を理解する)」し、「アウトプット(解法が使える)」ができるようになることで、9月以降の受験対応レベルの問題にも「ついていく」ことが可能です。

では、その夏期講習が終わったすぐ後に行われる浜学園の「第3回 小6合否判定学力テスト」ではどのような問題が出されるのでしょうか。

2018年8月26日に実施されたテストの中から、算数Ⅰを見てみます。

はじめに得点の分布状況です。

受験者数は2517人、平均点47.7点(各5点×20問)というテストでした。

続けて出題内容です。

算数Ⅰ(*:やや難しい **:難しい ***:かなり難しい)

(1) 整数の四則混合計算

(2) 等差数列の和

(3) 小数と分数の四則混合逆算

(4) 分配のきまりが利用できる計算

(5) 見間違えによる計算間違いの問題…*

(6) 過不足算

(7) 分配算

(8) 円が移動してできる図形の面積

(9) 相当算

(10) 約数と倍数の問題…*

(11) 割合の文章題

(12) 縮尺と速さの問題

(13) 売買算…*

(14) 辺の比と面積の比

(15) 速さの問題…**

(16) 水の問題…**

(17) 複数解のつるかめ算…***

(18) 場合の数…***

(19) 辺の比と面積の比…***

(20) 影の問題…***

■「第3回 小6合否判定学力テスト」に向けた準備

この算数Ⅰにおいて、「男女難関コース」の夏期講習で目標となっている「基礎土台をしっかりと固める」にあたるのが無印の問題11問で、これらを全問正解できれば55点を獲得することができ、偏差値も50を超えます。

例えば、問題(9)は「太郞君と次郎君の2人が鉛筆を分けました。太郞君が18本と残りの4/11を取ったところ、ちょうど半分ずつに分けることができました。鉛筆は全部で□本あります」という問題ですから、夏期講習の第1・2回の学習(比・割合)について「インプット」と「アウトプット」の状況を確認することができます。

【考え方】

問題の条件を線分図に表す次のようになります。

  

ですから、18本÷3/11=66本が残りの鉛筆とわかります。

18本+66本=84本

(残りを⑪としても構いませんし、線分図以外の整理方法でもOKです。)

また、問題(14)は「図の三角形ABCで、AD:DC=2:3、BE:EC=1:2のとき、斜線部分の面積は三角形ABCの□倍です」という問題ですから、夏期講習の第3・4回の学習(相似・面積比)のチェックができます。

ただ、夏期講習の第4回は「第3回 小6合否判定学力テスト」の直前となりますので、できればそれよりも前に確認しておくほうがよいでしょう。

このように、合否判定学力テストは、上記の2問のような夏期講習の前半で学習した範囲のものもあれば、後半で学ぶ単元のものもありますし、「水の問題」のように夏期講習の範囲にない「立体図形」の出題もありますので、準備ができるに越したことはありません。

「1週間の学習スケジュール」を見直し、これまでに受けた第1回や第2回の合否判定学力テストや公開学力テストなどを利用して、「第3回 小6合否判定学力テスト」の準備に取り組むことができればいいなと思います。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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