親御さんは、「あと10ヶ月しかない!」という思いでしょうが、子ども自身はのんびりモード。

「うちの子は分かってるのかしら!」、「やる気があるのかしら!」と思われているお母様方が多いのではないでしょうか。

子どもにとって、10ヶ月先はず~と遠くの話しなのです。

どうも、子どもの中を流れる時間と大人の中を流れる時間は、違っているらしいのです。

でも、実は入試合格を見据えた場合は、親御様の感覚が正解なのです。
 

以前、「小5までの学習が受験可能校のレベルを決め、小6での学習が合否を決める」とお話ししましたが、

この合否を決める学習が始まったとお考えください。
 

例年、10月や11月に家庭教師依頼のメールや電話が多く入ります。

ほとんどが小6の方々です。

私たちは、残された短い期間で出来ることをピックアップして合格を目指して指導していきますから、

ほとんどの方は合格されています。

でも、第1志望に合格できない子が数人いらっしゃるのです。

あと3ヶ月早かったら何とかなったのにと、毎年悔しい思いをしています。
 

 

小6の学習は大きく3つに分かれています。

7月まで単元毎の学習期間。

総復習の8月から10月。

志望校の傾向対策が中心となる11月から1月です。
 

 

7月までの単元毎の学習は、応用が中心です。

これまでに学習してきた基礎事項を組み合わせることが多くなっています。

ここを確実にしていくことが、上位校合格には必須なのです。

サピックス偏差値では50以上、日能研や四谷偏差値では56以上、首都圏模試では60以上の中学校を考えた場合、

小6の7月までの学習内容を避けては通れないのです。

ところが、子どもはのんびりしています。子どもの切羽詰まった気持ちを待つわけにはいかないのです。
 

ここでは、親御様のプランニング力が必要になってきます。

まず、大切な項目を書き出して見ましょう。

1 授業の復習(特に応用レベルの問題)

2 盤石の計算力(易しすぎない毎日の計算練習)

3 豊かな語彙 (意味を考えた毎日の漢字練習)

4 毎週の社会の暗記(事件や出来事や流れを理解した暗記)

5 毎週の理科の暗記(重要事項どうしの繋がりや因果関係を理解下上での暗記)

6 テストを利用した弱点補強

7 2学期志望校別日曜特訓の参加資格を得るためのテスト対策(ほとんどの塾で7月に行われます)

8 塾から出される宿題(子どもに必要、不必要を考えて取捨選択する必要があります)

などなど・・・。

いくらでもやるべき事が見つかってしまいます。

これらを、1週間のタイムスケジュールに落とし込んでいただきたいのです。

 

そのときに注意していただきたい事があります。

それは、スローな学習とスピーディーな学習の区別です。

じっくりと理解したり試行錯誤をしたりという時間のかかる学習と、処理スピードを高めていくためのパターン把握や計算練習などの区別です。

スローな学習が必要なものは、まとまった長い時間を予定し、

スピーディーな学習は、時間を区切って集中力を高めることを意図するのです。
 

この時間配分は、お子さんの今の状況によって大きく異なります。

これまで多くの学習を積み重ねてきたのに成績が頭打ちのお子さんの多くは、

スローな学習が不足していることが多く、

解くための知識が不足しているお子さんにはスピーディーな学習を増やす必要があります。

このタイプ別の学習プランについては次回以降に書いていきたいと考えています。