小5で習う数々の単元は、入試本番に直結します。
算数は、多くの塾で、入試に必要な全単元を基礎レベルで一巡します。
国語は、長文が難しくなり入試問題レベルに一歩近づきます。
理科は、入試に必要な知識単元のほとんどが終了します。
社会は歴史単元のほとんどを扱います。
「小5の学習が受験可能校レベルを決め、小6の学習が合否を決める」と言えるのかもしれません。
大切な小5での学習ですが、この学年で躓く子どもが多いのです。その理由は、大きく見て二つです。
1 学習すべき量が増えて間に合わない。
2 学習のレベルが上がってついて行けない。
この二つの中で、今回は”学習量”の問題点をお話しします。
多くの塾では、小5になると宿題が増えます。
授業テキスト・宿題用テキスト・補助プリントなど多種多様な宿題です。
4教科の宿題を合わせると、ほとんどの子どもにとってこなしきれない量になることが普通です。
そして、これだけをやっていて良いわけではありません。
宿題以外にやるべき事は、下記のようなものです。
・塾の授業の復習
・テスト対策(サピックスのマンスリーテスト・日能研のセンター・四谷系列の月例テスト)
・テストの復習
・弱点対策
・理科や社会のテキストの読み込み
宿題と、それ以外にやるべき事を合わせると、睡眠時間を切り詰めることになってしまいますし、そうしても時間が足りなくなります。
大切なのは、優先順位です。
最優先は、授業の復習です。宿題の前に授業の復習をして欲しいのです。
先生から、どんな解き方を教わったのか、その手順はどうだったのか、なぜその方法で解けるのか、これらの思い出し作業です。
算数ならば、「授業中にだいたいわかったけれど、まだ自信が持てない問題」数問を解き直す事になります。
国語なら、「なぜその答えになるのかという理由の確認です」
理科や社会なら、テキストと授業ノートを開いて、授業の説明はテキストのどの部分なのか、
何が大切で何が覚えるべき事なのかをピックアップしておくことです。
出来れば、授業があった日に最大30分でこなして欲しいことです。
一晩寝ると、記憶は半分に減ってしまいますから、その日のうちが効率的です。
翌日は、前日の授業で出された宿題をやっていくことになります。
これも思いつくままにこなしていくのではなくて、大切だと思うものからやっていって欲しいのです。
算数の例で言いますと、授業中に説明を聞いたにも関わらずさっぱりわからない問題に長い時間をかけても効果が薄いのです。
逆に、その子にとって、簡単すぎる問題に時間をかけるのも非効率です。
「僕は、基礎が苦手だから基本問題の宿題からやろう」とか、
「僕は、基礎はわかっているから、まず練習問題からやってみて躓いたら基本問題の宿題もやろう」
という判断が大切なのです。
はじめから自己判断が出来る子はほとんどいませんから、親御さんの協力が必要な部分です。
勉強を続けているうちに、寝る予定の時間になってしまったら、切りの良いところで終わらせてください。
睡眠時間を切り詰めて無理矢理学習することが常態化するのは良くありません。
次に、テスト対策についてお話ししましょう。
塾で行われる大きめのテストは学力確認のチャンスですし、クラス分けテストを兼ねています。
このテストに向けて学習することで、効率的な復習が出来ますし、クラスアップも図れることになります。
多くのテストは、月例テストの形式をとっていますから、ここ1ヶ月の学習内容から半分以上出題されることが普通です。
この1ヶ月分を復習して欲しいのです。
効率よく復習するには、毎週の学習時に、「ここは月例テスト前にもう一度やる問題」マークや、
理科や社会では、「ここは月例テスト前に覚え直すところ」マーク
をつけておくことです。
小さな付箋を貼っておくことも良いですね。
このようにすると、テスト対策が過剰な負担になることを防ぐことが出来ます。
このように、学習の優先順位をつけ取捨選択をし学習のやり方を工夫しても、どうしても宿題が終わらなくて、
「塾に行くと先生に叱られる!」
と子どもが通塾をいやがる場合には、親御さんから塾の先生宛お手紙を持たせる方法があります。
「宿題を一部やり残していますが、子どもなりに精一杯やりました。
宿題の中で、優先順位をつけて出来るだけ多くをやろうと頑張っているようでしたが、
○○や□□などがあり終わらなかったようです。ご寛容な対応をお願いします。」
というような文面です。それでも、子どもを怒鳴りつけるような先生なら、次の対応を考える事になります。