2014年度首都圏中学入試がほぼ終了しました。
「合格したよ~」という嬉しい電話の連続で、幸せにひたっています。
今、入試問題を分析中です。今週の7日にセミナーを開くためでもあるのですが、毎年先生方の協力を得てやっていることです。
取り急ぎ、今回はその算数と理科の概要をお知らせします。
算数
多くの塾のテキストに入っている入試定番問題だけで構成されている学校と、
定番と言える問題がほんのわずかあり、「暗記の算数では全く通用しない」多くの問題で構成されている学校、
その2つの折衷型の学校も例年通りといえます。
定番問題で構成されている学校は、合格得点が高くなる傾向がありますし、
問題量が多めですからスピードが要求されることになります。
正確にしかも素早く解くことが大切になります。
一方、「暗記の算数では全く通用しない」問題を多く出す学校においては、
”試行錯誤をする力”、
”試行錯誤の中から解き方の糸口を見つける力”、
”多くの複雑な条件を整理する力”、
”多くの情報を素早く処理をしていく力”
が重要になります。
前者(Aタイプと呼ぶことにします)では、学習した内容が大切になり、
後者(Bタイプと呼ぶことにします)では、学習していく過程においてどのような学習をしてきたかが大切な学校だと言えると思います。
Aタイプでは、女子学院、慶応中等部などの計付属を上限に、その他多くの学校が当てはまります。
Bタイプは、開成・麻布・桜蔭・筑駒・渋幕・駒東などの最難関校に多いタイプです。
A・B折衷型は、早稲田中・浦和明の星などの御三家の次に続く学校に多く見られます。
どの塾でも授業においては、入試の定番問題を中心に学習することになります。
学習の過程において、「覚えてしまえ」と思うか、
「なぜか知りたい」「納得したい」と思いながら勉強するかによって、受験できる学校が分かれるとも言えます。
上位校をねっらている生徒は、小6の春あたりまでに「納得する楽しさ」を追い求めるような学習に切り替えて欲しいものです。
(理科)
入試問題の難易度は、これまでと変わっていないと思います。
やはり、麻布は「問題文を理解するのが難しい」問題が今年も出題されていますし、
知識を尋ねる問題が多かった学校はそのままの傾向です。
(開成と麻布で絶対零度を考えさせる問題がありましたが、これは単なる偶然だと思います)
入試問題で正解を出すのに必要な知識量の中で、普段の塾の授業で得られるはずの知識の割合は、大きいのです。
もし、塾の授業で習ったことを100%覚えていて、それをテストに反映できたとすると、御三家でも合格点に近づきます。
塾の授業やテキストを上手に利用してもらいたいと思います。
その際に注意していただきたいことがあります。
知識を覚える際に、「つながりの中で覚える」・「文脈の中で覚える」・「納得しながら覚える」ことが大切だといわれます。
これらのことは、同じことなのです。機械的な言葉の暗記だけに陥らずに、分類を頭に置いたり、関連する事柄を思い出したり、
原因を考えたりしながら記憶していってもらいたいのです。
そして、テキストの問題を解く時には、一瞥して解くのではなく、
隅から隅まで読んで、グラフや表もしっかりと見て、それらを理解してから考え始めて欲しいのです。
普段の理科の学習においては、「覚え方」「解き方」に注意することが大切であることを再確認しました。