私自身、今なお家庭教師としてご家庭に伺っています。

その一方で、「かしこい塾の使い方(e-jyuken)」というサイトで

学習全般についての主任相談員を長年続けて来ました。

そこでは、

「○○塾に通っていて、今□□の状態になってしまっているのですがどうしたら良いのでしょう」

というご相談が多いのですが、それ以外にも、

「どんな家庭教師が良いのでしょう?」とか「よい家庭教師の見分け方は?」

という質問を多くいただきます。 

数回に分けて、お話ししていきたいと思います。


1 子供の勉強部屋で体験授業をしてもらう事はNG。

  家庭教師という役割には、コミュニケーション能力が一番問われます。

子供に対するコミュニケーション力や、子供を取り巻く環境の最大要素である親御様との

コミュニケーション力共に必要です。

その講師が言葉を発したときに子供の表情がどのように変化するかまたはしないのか、

その講師は子供の言葉や表情時には息づかいに注意をはらっているか、

親御様自身が見て判断をして欲しいのです。

講師の情報を感じ取る力と情報発信力を親御様が感じ取ることが大切です。


コミュニケーションは、言葉だけで行われるものではありません。

どちらかというと、言葉に関わらない非言語コミュニケーションが大切です。

立ち居振る舞い・表情の変化・言葉の抑揚など、人と人との関係において安心感や信頼感を持てるかどうかです。

 子供の勉強部屋で体験授業をしてもらって、講師が帰った後で、
 「どう、よく分かった?」
 「うん。」
これでは、良い講師・悪い講師の判断はつきません。


2 質問に即答できる力量があるか。

  あるご家庭に体験授業に伺ったときのことです。お母様が、こんな事を話されました。

 「先生は解答をごらんにならないんですね。びっくりしました。

これまでの家庭教師の方は机の下で解答を見てから子供に説明されていましたから、

そんなものだと思っていました。」

プロ家庭教師としてある家庭教師派遣会社から来ていらっしゃる人でした。

実はこのような「自称プロ」が多いのです。

プロと言えるための要素は、数々あります。その中の教科力については、最低でも下記の3つは必要です。

・塾の教材レベルなら、問題を一瞥するだけで説明を開始できる力量がある。

・その問題の解き方を、複数個以上一瞬で思いつく力量がある。

・その子に適した解き方で説明出来る力量がある。

3 テストの問題用紙に残った計算や式やメモ書きの跡から、子供の癖を見抜く力があるか。

  テストの問題用紙に残った子供の作業の跡は、情報の宝庫です。

    筆圧が変化していたり、字が変化していたら、何らかの気持ちの変化があった事を現します。

 また、必要なはずの図が書かれていない場合は、直感的(大雑把)に解くような習慣があるかもしれません。

その問題の最後の最後に計算ミスがある場合は、

「これを計算し終わったら答えだ!」と思った瞬間に集中力が切れてしまう傾向があるのかもしれません。

必要なはずの式が書かれていな場合は、暗算を二重に重ねるうちに、「今何を出そうと考えていたか」

を忘れてしまったのかもしれないと判断出来ます。
    
得点や偏差値だけでは見えてこない、でも、指導上どうしても必要で大切な情報を見つけ出そうという

意欲や視点を持っているかどうかが大切なのです。

「この問題は間違えちゃったけれど、ここまでは良く出来たね。

なぜこの先がこの式になったのかな、今ちょっと考えてみようか。」

とか、

「この問題を解き始める前に、時計を見た?」

「うん。あと10分しかなかった。」

「焦ったから、問題文をちゃんと読めなかったのかな?

あと10分しかない、と思ったときにはね、気持ちは○○○○○○のように変えようね。

そして、□□□□□のようにやっていくんだよ。」

このように、「現象の発見」「原因の洞察」「対策の提示」が必要です。

その後「対策の実行」「対策の検証」が必要になってくることは言うまでもありません。

次回は、講師の人柄や教え方を中心にお話ししていきたいと思います