各塾共に新学年の学習が始まりました。新小4の入塾したばかりの方も多いと思います。
入塾してから6ヶ月間の学習がその後の受験勉強の大勢を決めてしまうことが多いのです。
始まったばかりだから、慣れるまで様子を見ておこうという親御様の姿勢は間違いでは無いのですが、
下記の事だけはご留意ください。

□算数

・計算力を甘く見ない。
 塾によっては、毎日の計算練習のためのテキストが渡されます。
授業の復習や問題演習が優先される結果、計算練習はどうしても後回しにされがちです。
しかも計算力は一朝一夕に身につくものではなく、進歩が見えにくいものです。
ところが、小5生や小6生になると、正確性・スピード両面で大きな差がついてしまっています。
 計算練習は毎日15分。これを習慣にするようにお願いします。

・意味をとらえて式を書く。
 大人の場合は、問題を読めばその意味が自然に理解出来ます。
ところが子供の場合はなかなかそうはいきません。
そのために、どの数字をどの数字で割ればいいんだろうと迷ったような場合、
「割り切れる数字を選ぶ」ということをやりがちです。しかも、その答えは大概の場合は合っています。
問題の意味を頭の中の自分の言葉で理解せずに問題文の”雰囲気”で、割り算にしようかな、
かけ算にしようかなと考えても、正解になってしまう事も多いのです。
ところが、少しだけ込み入った問題になったり、小5生になって分数や小数が入ってくると、
「割り切れる数字を選ぶ」手法が使えなくなります。
 「うちの子は、そのあたりにある数字を、適当にかけたり割ったりしているだけのようなのですが・・・」
という御相談も多いのです。
 時には、「なぜこれは割り算にしたの?」と聞いて上げてください。
合っていれば、褒めてあげるチャンスです。
間違っていたなら、お子さんの中に納得が生まれていないことになりますから、
説明してあげる必要があります。
その問題の解き方の説明というよりは、「目に見えるように」話してあげる事です。
いろいろな硬貨を並べて10進数の仕組みを理解させたり、竹ひごを並べて切ったりつなげたりして
線分図を納得させたり。遊びの雰囲気を演出しながらお願いします。

・いろいろな体験を積ませる
 算数だけの事では無いのですが、体験したことが無いものは理解が難しいのです。
小5生あたりでも、500円で仕入れたものを600円で売ると利益はいくらになりますか?
と聞いたときに、分からないと答えたり600円と答えたりする子供が多いのです。
それは、「仕入れる」って何のこと?「利益」って何のこと?と、
頭の中にたくさんの?マークが点灯していて、何を考えていいのかが分からないからです。
 お掃除・お買い物・お料理・片付け・工作。まだまだ勉強に余裕がある時期ですから、いろいろな事をやらせてあげてください。

□国語

 小学校で扱われている文章と塾で扱われている文章は、質量共に格段の違いがあります。
その違いをお子さん自身が、理解する必要があります。

・テキストの文章を読み込む練習をする。
 問題を解くことは、”おまけ”くらいの気持ちで構いません。
それよりも、文章を何度も丁寧に読む練習を重ねてください。

・要約やあらすじを50字程度に書く練習をする。
 文章を精読して、自分なりに分かった内容をまとめながら、時系列を追う練習にもなりますし、
感情表現の熟練にもつながります。
全部の文章をやるわけにはいきませんが、時々は要約やあらすじ書きをお願いします。
 書き終わった後は、良いところを2~3褒めた後で、1~2個だけ注文をつける程度にしてください。

・漢字練習は毎日。そして意味に注意をさせる。
 語彙学習の中心は漢字です。
子供の場合、読めない言葉や知らない言い回しが1~2個あるだけで、文章全体の意味が
理解出来なくなることが往々にしてあります。
また、「偏や旁」の意味を理解しながら、漢字を覚えることで新しい漢字を覚えやすくなります。
丸暗記では無い漢字練習の習慣を、6ヶ月のうちにお願いします。

□理科・社会

 小4の理科は、知識単元が中心、そして社会は地理です。
暗記さえしてしまえば何とかなる部分だと言えますが、難関校の入試に対応するためには、
知識のつながりが大切になります。
小4の段階ではつながりを作る基礎となるカテゴライズ化を意識した暗記をお願いします。

 肉牛の生産は○○県、豚は□□県、・・・これらは「畜産物」。
 コンバインや耕耘機やトラクター・・・これらは「農業生産効率を高める工夫」
このようなカテゴリー分けです。

 細かな知識は良く覚えているのに、テストでは点数が取れない原因の多くが、
カテゴライズ化されていない知識の丸暗記にあります。
 いきなり重要業語句の暗期に入らずに、説明の文章をよく読むところから始めてください。