月: 2011年8月

真面目な家庭教師が感じる事

□教え子からメールが届きました。□
もう10年以上も前の教え子からです。
大学を卒業し、社会人1年生で会社勤めをしながら、夜に家庭教師をしているというのです。
大学の頃から、塾の講師をしたり家庭教師をしたりしていましたから、中学受験生を教えた経験は
4年を越えています.
時間つぶしのアルバイトではなく、真剣に子供と向き合おうとしてくれている事が分かって、
ちょっとうれしい気持ちになっています。

□教え子からのメール□
こんにちは(^o^)
お元気にしていらっしゃいますでしょうか。
兵庫県で、社会人1年目の○○○○です(^-^)v。

実は、今、指導している生徒(中学受験6年生)のことで、プロたる西村先生に少しご相談させて
いただきたく、ご連絡させていただきました。

長年、中学受験に携わってきていらっしゃる、西村先生に是非、アドバイスいただきたいことは、
・親と子供の最適な距離感
・子供への詰め込みは、中学受験には必要か
・子供のモチベーションのキープの仕方(現に、私自身も中学受験時代、波があったので)
・この秋冬をどう乗り切るか

という点についてです。

ちなみに、生徒は、
・女の子
・小学5年冬から受験勉強開始
・第一志望…○○学院
・合格率…70%程度

・最近、焦りのせいか、算数のケアレスミスが増えた。
・社会は好きで、模試で95点くらい。

・親御さんも初受験とあり、戸惑い気味
・父親がかなり力いれている。指導中も毎回、父親が隣に。

・日能研、トップクラスと2番目クラスを行ったり来たり。
・そのフォローとして、家庭教師をつけている。

質問の内容が多岐にわたり、しかもそれぞれの質問に対して1冊ずつの本が書けそうなくらいです。
メールで返信なんてとても出来そうにありませんから、実は頭を抱えています。

 このメールを読んで、Iさん(教え子)は良い家庭教師になりつつあるなと感じました。
教科内容にだけ注意をはらうのではなくて、その子を取り巻く人的環境に注意が
はらわれているからです。
 文面からは、お父さんの関わり方に問題点を感じているのだろうと推測しました。
質問内容の細部については、Iさんに電話で詳しく返答するしかありませんが、
・社会が良いこと
・お父さんが勉強につきっきりであること
この2点から、「覚える学習」に重心が置かれているように感じます。
また、
・算数のケアレスミスが増えている
ことから、入試のプレッシャーかまたはお父さんのプレッシャーを強く感じているかもしれないと
想像しています。

詳しく返答する時間がとれないまでも、6年生ですから、返事を先延ばしにするわけにはいきません。
そこで、次のような返信を送っておきました。

□私からの返信□
ゴメン、ゴメン。
早く返信しなければと思いながら、今日になってしまいました。
○○○○さんが思っていることは、まさに学習の根幹に関わることだと思います。
まず、時期の問題です。
・学力をつける時期と、
・得点力をつける時期
の問題があります。
学力をつけることについては、例外なく子供自身の内語(頭の中で使っている言葉)の問題です。
自分自身の言葉を使って考えさせ、「あっなるほど!」と納得することを重視する必要があります。
つまり、感情の変化を起こさせることが大切になります。
一方、得点力をつけさせる学習は、
「記憶させること」と
「記憶させたことを素早く正確にアウトプットさせること」
の2つだと思っています。
小6の今は、まだ学力を高める学習を中心に進めるべきです。
得点力を高める学習だけ集中させるのは、12月からです。
 学力をつけさせる学習には、焦りは禁物です。子供が子供なりの言葉で理解するのを待つ必要が
あるからです。
 
また、もう一つ付け加えておけば、学習内容も2つに分けて考える必要があります。
・理解(納得)させるべき内容と
・習熟させるべき内容
です。
 理解させるには、「内語」の自然な表出を手助けする必要がありますし、焦らせないことが大切です。
 逆に、習熟させるには、時間を区切った繰り返し学習が有効です。
この2つのさじ加減が一番難しいことですね。
 これ以外にも、難しい興味深い質問がありますね。
メールで正しく回答することは難しく感じています。
夜の時間帯で、時間があるときに電話しますから、待っててください。
近日中には必ず。(^^;)

講習後のクールダウンの大切さ

夏期講習期間を必死の思いで頑張ったにも関わらず、9月のおきなテストで思いがけず
悪い点数をとってしまうお子さんが多い事をご存じですか。

毎日夏期講習に参加し、多い日には3単元も学習し家に帰ってからは宿題と弱点対策をがんばり、・・・・。
そんなお子さんが、勢い込んで受けた9月の試験がこれまでで最悪。
その理由は、講習後のクールダウンの失敗にあります。

小6の講習は、小4から小6一学期までの2年半に習った内容の総復習です。
あれも忘れていた、これも分からなくなっていた、ということが多かったはずです。
それらの内容が頭の中に今山積みになっています。
今だったら、あの知識はこのあたりに収納したはずだと思い出せるのですが、1週間もすると
思い出せなくなってしまいます。
関連づけさえも曖昧になってしまうのが普通です。

クールダウンとは、頭の中の知識を整理整頓する事です。
「あのときに習ったことは、その後のこの授業で応用問題で使ったんだ。」
「あのとき解けなかったのは、このことを忘れていたからだ」
というように、一つ一つの解き方や知識に自分なりのインデックスをつけていく作業です。
乱雑に引き出しに投げ込まれた図書カードを、インデックスをつけて並べ直すようなイメージです。

講習が終了してから、塾の二学期授業が始まるまでの数日の間に是非ともやっておいていただきたい
ことです。

その、クールダウンで大切な事は、
1 難しい事はやらない。
2 授業中に△印を中心に復習する。
3 「和が一定だから、比の和をそろえる」などと、言葉にする事を意識する。
4 授業中に書いたノートを横に置いて、できる限り授業を思い出すように努力してみる。

そして、このような作業が正しく出来るかどうかは、授業の聴き方やノートの取り方に強く影響を受けます。
講習はそろそろ後半戦に入ります。これまでの講習の勉強を振り返ってみてはいかがでしょう。

お父さんが、子供の勉強を見る方法

お盆休みこそ、子供の勉強を見てあげよう。

普段、奥さんに任せっぱなしの子供の勉強だから、

お盆休みぐらい父親らしいことをしてやろう。

このように考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

 

父子のコミュニケーションを深めるためにも、どんどん関わっていただければ

良いのですが、やり方を間違えると逆効果になる事があります。

今回はその「べからず集」です。

・お父さんは、自分の過去の自慢話をしない。

 「お父さんはね、高校の時に全国模試で○番をとったんだよ。その時の勉強方法は・・・・」

 お父さんが話したいのは、「その時の勉強方法」ですが、お子さんは、

「お父さんすごい!お父さんはやっぱり頭が良いんだ。僕には無理そう」

と感じがちです。

 「お父さんはそうでも、私はそんなに頭良くないからね!」

と反抗されてしまったお父さんが何人もいらっしゃいますから、ご注意ください。

・「こんなのがなぜ分からないんだ!」というしかり方をしない。

 この問題は易しいんだ。→でも、分からないんだ。→僕ってダメ。

 このように感じてしまうものです。

 この問題が分かっていないという現実を受け入れる所から始めてくださいね。

 大人から見るといとも簡単に解ける問題でも、子供にとってはまだ理解出来ない事は

 多いのです。

・テキストの解説を無視しない。

 普段からお子さんの算数に付き合っていらっしゃる場合は良いのですが、

 そうでない場合は、どうしても数学的な解き方になりがちです。

 算数には算数の、数学には数学の解き方があり、発想や頭の使い方に大きな

 差異があるのです。

 お父さんの気持ちの中に、

 「たかが算数。理系の大学を出た私にとって朝飯前(のはずだ)」

 という思いをお持ちの場合、我流の解き方になりがちです。

 このようなお父さんこそ、解説の解き方に忠実に教える事を心がけてください。

・いらついた気持ちのまま教え続けない。

 お父さん自身が、ちょっといらいらしてきたなと感じられたら、

 その時が終わりにするタイミングです。

 それ以上の時間を子供と一緒に過ごすと、堪忍袋の緒が切れる事になります。

お父さんには、是非とも上記のことに気をつけていただきたいと思っています。

そして、何より大切なのはお母様の気持ちのメンテナンスであることを

お忘れにならないようお願いします。

「いつも大変だね。」という優しい奥様への声かけをお願いします。

また、お子さんとお父さんが楽しそうに勉強している時の笑い声が、

奥様への一番のねぎらいになるのです。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

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▼2022年7月8日(金)

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▼2022年6月24日(金)

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▼2022年5月27日(金)

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▼2022年5月26日(木)

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▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

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▼2022年3月18日(金)

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▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

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▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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